野球今昔物語

同じ新聞の同じ頁で

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 1月26日付の日本経済新聞のスポーツ面は面白かった。  先日、三代目若乃花以来19年ぶりとなる日本出身横綱に昇進した稀勢の里の特集記事。「支度部屋を見渡せば多士済々、多くは賑やかで弁が立ち、勝った後には花道で付け人とハイタッチする者もいる。そこへ、への字口で部屋の上がりかまちに鎮座する力士がひとり。冗舌のなかの稀勢の里の沈黙はかえって目立つ」(前掲同誌から引用) 。そして「武骨で素朴で力持ち、そんなクラシックなお相撲さん」と評していた。  そのすぐ下の段には「極端な人が面白くする」との見出し付の囲み記事。 「極端な人」とは野球殿堂入りした星野仙一・楽天球団副会長のことである。 中日ドラゴンズでの現役投手時代、打倒巨人に燃えたことはよく知られている。 「他チームには目もくれず、巨人だけはノートを作って研究したそうだ。入れ込むあまり、シーズンで巨人を倒したら満腹で、日本シリーズでは気が乗らなかったとか。巨人でも他の球団でも1勝は1勝と考えていたら、勝ち星はもっと増えたかもしれない。だが、そうした合理性と無縁だからファンは熱くなれた」(同引用)。    いかなる場面でも変わらぬモチベーションを保つことと対戦相手にこだわりを持ってアクセントをつける。  どちらが正しいのかは一概には断定できないことであろう。 もちろん、相撲と野球とでは競技の性格も違うはずだが、前掲の記事のように勝って花道を引き揚げるときに付け人とハイタッチする力士もいれば、野球選手にも稀勢の里的な人は少なからずいる。

 ただどういうタイプなのかはその人個々の持ち味であることは間違いない。  星野氏関連の記事では「野球の技術は努力でどうにかなるかもしれないが「面白い」 となるにはアクの強さや偏りという資質が要る。ニックネームがつくような選手は育てて、育つものではないから、貴重だ」(同引用) 。  その通りだと思う。アクの強さや偏りのない人にそれが感じられるように振る舞えといっても無理な話である。それはスポーツに限らず、色々な分野に共通なはずだ。  とかく、特定の傾向を極端にもてはやす(特にスポーツでは勝てば官軍式に勝者のあらゆる傾向が期間限定的に美化されがちだが) のはありがちなことではあるが、稀勢の里と星野仙一氏という全く異質の傾向を同じ新聞が同じ頁で取り上げたのは趣深いものがある。 (当ブログ管理人・菊池道人)



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