2009年02月08日

『ファンタジスタ』の思い出 【後編】

先日の「前編」にコメント頂いた方々、ありがとうございました。非常にたくさんのコメントをいただけて、うれしい限りです。

『ファンタジスタ』の思い出 【前編】

ちなみに今回のランキングに泣く泣く入れられなかった(勝手なランキングなんですが…)次点の選手達は以下の方々です。

ドメニコ・モルフェオ → ちょっとはアズーリで見たかった
ポール・ガスコイン → ユニ持ってるくらい好きですが…
デヤン・サヴィチェヴィッチ → タイプは違うかもしれませんが
オーガスティン・オコチャ → ちょっとずれてますけれども
フランサ → Jリーグで一番注目に値する選手

それでは後編です。第5位以降から順番に。
※あくまで私の好みの順であって、選手の優劣の順位ではありません。


⑤ マヌエル・ルイコスタ(ポルトガル)

個人的には、純粋なファンタジスタタイプではないと思う。いわゆる「トップ下/司令塔」と「ファンタジスタ」では与えられた役割が違いすぎるからだ。が、彼のプレイにはどこかファンタジーを感じる。そういう場面こそ、ルイコスタが一番輝く瞬間でもあった。

ポルトガル黄金世代の10番、通称『マエストロ』。背筋を伸ばした柔らかいドリブル、絶妙のタイミングで放たれるスルーパス、舞うようなボールタッチ。特に浮き球のロングパスは素晴らしいアートであった。

※ 詳しくは先日のエントリー「ルイ・コスタ、引退に寄せて」をご覧ください。


④ デニス・ベルカンプ(オランダ)

「世界最高のセカンドトップ」と称されたオランダの"アイスマン"。精確無比な技術によって、力学を無視したかのようなトラップを見せる。精密にコントロールされたシュートと決定的なラストパスに加えて、圧倒的なイマジネーションを誇った。

印象に残っているプレイとしては1998年フランスW杯のアルゼンチン戦で見せたトラップだ。長い距離を走りつつ、後ろから来たロングボールをいとも簡単に相手DFをかわす位置にトラップし、すかさずシュート。技術の正確性という意味では世界最高レベルであったろう。

上記も有名だが、更に有名なのはプレミアリーグのニューカッスル・ユナイテッドFC戦で見せたゴールだろう。DFを背負いながら、左足のインサイドでこするようにタッチ、ボールはDFの右側、自身は左側をすり抜けながら反転し、冷静にボールをゴールに流し込んだ。こんなゴールを狙ってできる選手は、後にも先にもベルカンプだけかもしれない。


③ ドラガン・ストイコビッチ(ユーゴスラビア(当時))

悲劇の天才、『ピクシー』。全盛期に近い状態の彼を日本で長年に渡って見ることができたのは、正に幸運であった。

90年イタリアW杯の活躍やEURO2000で魅せた老獪なプレイも記憶に残るところではあるが、やはり私にとってのピクシーは名古屋グランパスで魅せた素晴らしいプレイの数々である。絶大なキックフェイントとトリッキーなヒールキックや華麗なダイレクトタッチを連発し、シュートは完璧にコントロールされた一級品だった。フリーキックも正確そのもの。この創造性をファンタジスタと呼ばずして何と呼ぶべきか。

日本人が最も身近で見て、感じたファンタジスタ。それがピクシーだったのだ。

参考: 木村元彦 著 / オシムの言葉
→ 90年W杯、そしてピクシーについて知るなら、是非上記の書を推薦したい。


② アレクサンドル・モストボイ(ロシア)

『ロシアの皇帝』たる10番。まさに天才である。

創造性溢れるプレーを一試合の中で何度も連発できる高い技術と発想力を誇っていた。ボールキープ、巧みなパス、好判断のドリブル、広い視野、正確なFK、強烈なミドルシュート…。全ての基本技術を持った上で、それを90分間フルにファンタジーに転換できる希有な司令塔であり、ファンタジスタであった。

ちなみに私の理想像であるプレイヤーでもある。かっこいい顔も含めて。


① ロベルト・バッジョ(イタリア)

説明不要であると思うが、バッジョ=ファンタジスタなのだ。バッジョがそう呼ばれだして、ファンタジスタという言葉が生まれた。唯一無二の1位である。

私が好きな時期のバッジョは、まず98年フランスW杯の彼だ。「10番」デル・ピエロの控えとして登録されたバッジョは、不調のデル・ピエロに変わってイタリアの勝利に貢献し続ける。初戦のチリ戦、マルディーニからのロングパスを完璧にコントロールしたダイレクトパスは、ビエリにピタリと合わせたスルーパスになる。このプレイこそ、正にファンタジーであると感じた。あの頃、「18番」は輝いていた。

もう一つ好きな時期のバッジョが晩年のブレシア時代である。剛を捨て究極の柔を手に入れた、とも言うべき柔らかく華麗な創造性は、ファンタジスタの完成形であるとすら思えた。一試合に何度も魅せるプレイができる選手は、正にバッジョ以外にはありえない。

ここまで書いて見ての結論だが、『ファンタジスタ』とは老いてこそ『柔』を持って『創造性』を発揮できる選手のことを指すのだと思う。スピードや筋肉に頼らずとも、その発想力と圧倒的な技術で一発で局面を打開する、それこそがファンタジーだ。



以上

いかがだったでしょうか。つたない文章力ではありますが、頑張って書いてみました。この投稿で初めて知った選手などがいましたら、是非映像を見てみることをお勧めいたします。

ご意見、ご感想、ご批判、間違い指摘、等何でもお待ちしております。

posted by zeppelin |00:42 | 海外 | コメント(5) | トラックバック(0)
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『ファンタジスタ』の思い出 【後編】

コメント投稿者ID :

やっぱり前編と関連して定義の話になっちゃうけど、バッジョ=ファンタジスタとして育った世代だと、どうしてもイメージがあると思いますからね。管理人が前エントリーで並べられた定義でも結局一番大事なのが最後の項目なんだろうなあという気がしますし。

だからどんなに創造的なプレーをしても、驚くようなスルーパスを出しても、185cm85kgのCBかと思うような屈強なボディでしかもハゲた(失礼!)ジダンや、ディフェンスをなぎ倒すように突破するメッシやカカは狭義でのファンタジスタではないんでしょうね。

ちなみに私が今まで見た中で一番すごいと思ったプレーヤーはジダンです。

posted by コルッカ | 2009-02-08 01:46

『ファンタジスタ』の思い出 【後編】

コメント投稿者ID :

モストボイが2位ですか!>管理人さま

・・忘れてました。(爆)
確かに、モストボイはファンタジスタでしたね。
彼を忘れるとは、、、すみません。

モストボイがケガをしてなかったら、日韓W杯で日本代表がグループリーグを突破することはなかったでしょうね。
最盛期の中田英を軽く上回ってましたからね、モストボイは。
中田英ファンとしては、くやしいことに。(^^;

ベルカンプも凄いですよねぇ。
パサーというイメージが薄いので、ファンタジスタと呼んでいいか迷ったのですが、ベルカンプのようなタイプもファンタジスタと呼んでいいのなら、私もベルカンプはファンタジスタに入ります。

ジダン、アイマール、ベルカンプ、ストイコビッチ、モストボイ。

私の「ファンタジスタ」ベスト5です。

posted by ジダ | 2009-02-08 02:47

『ファンタジスタ』の思い出 【後編】

コメント投稿者ID :

 楽しく読ませてもらいました。僕もバッジオからサッカーにハマったようなものなので、管理人さんのファンタジスタの捉え方には凄く共感できます。僕の好きなファンタジスタは、バッジオ、ベルカンプ、レコバあたりですね。ジダンやカカ、メッシはファンタジスタとは思えないんですよね。いずれも大好きなプレーヤーですけど。バッジオが引退してからサッカーの試合が以前ほど刺激的ではなくなったというか・・・。
 ちなみに僕が一番好きな時期はバッジオのブレシア時代です。解き放たれたような自由で軽やかなプレーで、最高のファンタジーを見せてくれてました。

posted by しゅ | 2009-02-08 03:06

『ファンタジスタ』の思い出 【後編】

コメント投稿者ID :

メッシやクリロナがランクインしていなくて安心しました(笑)
個人的には、ベルカンプはファンタジスタと呼ぶには攻撃的過ぎて
どちらかと言うとストライカーの範疇ですが、まあこのあたりは趣味の問題ですね

posted by 四川福建 | 2009-02-08 11:25

『ファンタジスタ』の思い出 【後編】

コメント投稿者ID :

皆様たくさんのコメントありがとうございます。
簡単ではありますが返答させていただきます。

>コルッカさん
そうなんですよね…。メッシやカカはともかく、ジダンのプレイは最高に創造的なんですけどね。ただジダンはファンタジスタにある「一瞬の閃き」というよりは「先を読んだプレイ」って感じがしてました。

>ジダさん
モストボイ、いいですよね!あれほど試合を見るのが楽しみなときもありませんでした。懐かしのセルタ…。

>しゅさん
完全に意見が一致しそうですね!こういたご意見がいただけてうれしいです。

>四川福建さん
確かにベルカンプは悩みました…。メッシやC・ロナウドは悩んでないですがw

posted by 管理人 | 2009-02-12 21:32

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