2008年06月11日

【オーストリアvsクロアチア】 「ヘルツォークの再来」&「スーパー・オールディーズ」、登場

※解析や解説、では無く、あくまで私の感想文です。

■ 開催国

前日。日本戦でビールを飲みすぎたことにより、開幕戦「スイスvsチェコ」の前半5分で眠りに落ちてしまった私にとって、この試合が実質的なEURO2008初観戦であった。そしてこれからの大会の予感が膨らむ素晴らしい初戦となった。

前回のEURO2004でのポルトガルがそうであったように、私はどうしても開催国に肩入れして観戦してしまう節がある。開催国の選手達というのは、『国民の期待』のようなものが大きくのしかかり、他の国には見られない緊張感を醸し出しているものだ。選手と国民の、緊張感と期待が勝利によって開放・爆発する瞬間というのは何度みても高揚させられる。

いきなり蛇足だが、オーストリアのFIFAランクは101位(2008年5月時点)である。ちなみに日本がW杯予選で対戦しているバーレーンは72位、オマーンは81位、タイは93位である。今回の試合内容からみても、FIFAランクというものが如何に参考にならないかを示していると言って良いだろう。

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■ スターティング

オーストリアのシステムは 3-5-2、スターティング・イレブンは GKマチョ、DFプレドル、シュトランツル、ボガテッツ、MFシュタントフェスト、アウフハウザー、サウメル、ゲルカリウ、イヴァンシッツ、FWハルニク、リンツ。2トップ下のMFイヴァンシッツはキャプテンで10番を背負う司令塔。90年代からサッカーを見始めて、こういうエントリーを書いたりしている私からすればたまらない布陣である。

対するクロアチアは 4-4-2、スターティング・イレブンは GKプレティコサ、DFチョルルカ、ロベルト・コバチ、シムニッチ、プラニッチ、MFスルナ、ニコ・コバチ、モドリッチ、クラニチャル、FWオリッチ、ペトリッチ。中盤はセントラルの位置にキャプテンのニコ・コバチと司令塔モドリッチ、右にサイドアタッカーのスルナ、左にクリエイティブなプレイヤーであるクラニチャルを置いてレベルの高い中盤を構成している。MFレコ、FWクラスニッチはベンチ。この布陣にFWエドゥワルドがいたらどんなに…、それは言わない約束だが。

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■ 試合

開始直後からクロアチアの2トップ、FWオリッチ&ペトリッチがハードワークなプレッシングを行う。その勢いもあってクロアチアの攻勢となり、開始わずか3分でFWオリッチがPKを獲得、これをMFモドリッチが冷静に沈めてクロアチアが先制。その後もトップの位置まで張り出すMFスルナや、タメを効果的に使うMFモドリッチを中心として、クロアチアがオーストリアを押し込んでゲームを支配する。MFニコ・コバチのクレバーなプレイも効果的であった。疲れからかプレッシングが少し弱まったところでオーストリアもミドルシュートなどで反撃したが、無得点のまま前半終了。

後半は一点してオーストリアが攻勢。これぞ開催国の意地か。逆にクロアチアを押し込め、前線との距離を開けさせて攻め続ける。ここが勝負とみたオーストリアはMFサウメルに代えて「オーストリアの英雄」MFヴァスティッチを投入。名古屋グランパスにも所属していたこの38歳のアタッカーの活躍は見事だった。タメ・展開・フリーランニング・飛び出し、MFヴァスティッチにボールを収めてから始まるオーストリアの猛攻が続く。マークが分散されたMFイヴァンシッツもスルーパス、ミドルシュートを次々と繰り出した。FWキーナストを入れてからは完全にパワープレイに終始し得点を狙ったが、ロスタイムにヘディングがゴールポストをわずかに外れて万事休す。逃げ切ったクロアチア、もう少し何かが足らなかったオーストリア、であった。

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■ 14番

解説の方が言っていたが、「クライフの再来」と称されるクロアチアのMFモドリッチ。小柄な体格だが、最大限に懐の深い部分でドリブルを行うため、ボールを失うことがほぼ無い。また巧いタメの作り方、非常に効果的なダイレクトタッチ、相手の隙を突いたドリブル突破など、まさに現代型の司令塔である。近い将来、イニエスタやセスクに肩を並べる存在へなっていくであろうプレイヤーだと感じた。

個人的にはクロアチア最大の注目株はFWエドゥワルドであったが、ご存知の通り大怪我を追ってEUROには出て来れない。それもあって、これからはこの小柄な14番に注目していきたい。今回の試合で魅せたのは、まだほんの少しの輝きだけだったのだ。

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■ 10番

この試合で一番注目していたのはオーストリアの10番、アンドレアス・イヴァンシッツだ。「アンドレアス・ヘルツォークの再来」と称されるこのMFイヴァンシッツだが、確かに90年代オーストリアの名選手であるヘルツォークとの共通点が非常に多い。同じ「アンドレアス」の名を持つ点、同じレフティーである点、同じ10番を背負っている点、同じトップ下の司令塔である点、だ。

この試合でも序盤こそ厳しいプレッシングに翻弄されたが、後半(特にMFヴァスティッチの登場以降)は司令塔として十分な働きを見せた。彼のような典型的な10番タイプは本当に私の好みのど真ん中である。ボールタッチ・ボールキープはエレガントであり、繰り出すパスはクリエイティブな曲線を描いた。

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■ スーパー・オールディーズ

これも解説の方が言っていたことだが、今期のオーストリア・ブンデスリーガではMFヴァスティッチ(38歳)、そして元ジェフ千葉のFWマリオ・ハース(33歳)を称して「スーパー・オールディーズ」と呼んでいたらしい。90年代中盤から2000年代初期にかけてSKシュトルム・グラーツでコンビを組んでいたこの二人を見て、元監督のイヴィツァ・オシムは何を想うのだろうか。

今シーズンのリーグでの活躍の通り、この試合でもMFヴァスティッチはゲームメイキングに効果的な働きをいくつも行った。ちなみにMFヴァスティッチは日本ではFW登録だったが、『オシムの言葉』の中にもあったように本質的にゲームメイカー的な選手らしい。まさに"老獪"であった。

こうなってくるとFWハースが召集されていないことが悔やまれる。FWハース、MFヴァスティッチ、MFイヴァンシッツの想像性溢れるトライアングルが見たかった、などと素人の私は思ってしまうが、オシムに言わせれば「クリエイティブな選手を3人も起用することはまさにナンセンス」であろう。

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■ 希望

オーストリアの決勝トーナメント進出はなるのであろうか。もう一つの開催国、スイスにはFWフレイの離脱が大きく圧し掛かる。この試合を見た限りでは、オーストリアに期待したいところである。

次戦のポーランド戦で何としても勝ち点3を取り、最終戦でドイツに引き分ける。それでも進出には他力が必要だが、何とか開催国として進出できることを祈って、この文を締めたいと思う。

posted by zeppelin |01:30 | EURO2008 | コメント(0) | トラックバック(0)
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