2008年07月19日
ナショナルリーグ、アトランタ・ブレーブスに Yunel Escobar という選手がいる。 25歳にも関わらず強豪ブレーブスのレギュラー遊撃手として活躍している。
キューバのハバナ出身のこの彼、メジャーの舞台に立つまでの経緯がまさに「生か死か」という修羅場を通り抜けてきたのだ。
2004年、キューバで貧しい暮らしをしながら野球に明け暮れているアメリカメジャーリーグ、キューバナショナルチームに全く無縁の Escobar を含む少年達6人(下記)がある決断をした。
Yunel Escobar
Jose Cordero
Joel Perez
Rafael Galbizo
Yumel Guevara
Johan Limonta
それは 「アメリカで野球をする」 という事だった。
しかしカストロ議長支配下におけるキューバの社会体制が彼らの夢を邪魔する。
そこで彼らの取った手段とは、「密輸」だった。自らの身体をボートに投じキューバから北に300マイルほどに位置するフロリダ州・マイアミが到着予定地だった。
アメリカ沿岸警備隊の法律にはこのような規定がある。
「アメリカ本土にボートによって到着した際、そのボートに乗員する者の入国を認める。又、滞在日数により永久合法滞在の許可を得ることもある。」
まさに成功すれば「アメリカンドリーム」のフィールドへの第一歩を切り開き、しかし失敗すればそこで「ゲームセット」。
2週間にも及ぶ野宿・ヒッチハイク、そして3日に渡るカリブ海の横断の結果、奇跡的にアメリカに上陸した6人。
英語力ゼロの中、あらゆるトライアウトに参加し、スカウトたちの目を光らせえた。
奇跡のスタートから3年の日々が経ち、Perez は力及ばず脱落。現在はパーソナルトレーナーとして選手をバックアップしながら野球を趣味として楽しんでいる。Galbizo, Cordero, Guevara, Limonta はようやくアメリカの習慣にもなれ始めメジャーへの階段をゆっくりだが登り始めた。
そして Perez とは特に絆の強かった Escobar は球友のためにも開花した。
昨シーズンメジャー登録された彼は、今シーズンレギュラーに定着しここまで打率.288 本塁打6 とまずまずの成績を残している彼。 今では両親、祖母、兄弟姉妹をアメリカに連れてこれるまでにもなった。
命を懸けて手にしたアメリカンドリーム。 しかし6人みんな揃ってワールドシリーズの地に立つことが本当の夢なんだと思う。
posted by yutaka |13:06 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月16日
今年のMLBオールスターは延長15回で決着が付きました。
試合の行われたニューヨークは東部時間であるため、僕の住んでいるカルフォルニア(西海岸時間)とは3時間もの違いがあります。
今ちょうど試合が終わりこの日記を更新しているのが西海岸時間で夜11時ということだから、試合は実に現地の時間で2時近くまで行われたという事になるわけです。
それにしても鮮やかな選手達の集まりでした。
僕は選手個人個人の能力・パフォーマンスはもちろんですが、アメリカのスポーツはこういうお祭り事になると「オールスター限定アイテム」を身にまとうケースが良く見られます。
選手の契約しているスポンサーの宣伝も兼ねてだとは思いますが、普段使っているグローブのカラーを変えてみたりして見ているファンを魅了してくれます。
その中でも僕が毎年気になっているのはスパイクの色。
年々、白を基調としたスパイクを履く選手が増えているという事。
今日一安打放ったイチロー選手もレギュラーシーズンよりも白が多く使われたスパイクをココ何年か着用するようになっている。
しかし8年前のシアトルで行われたオールスターでは黒ベースの通常と同じものを履いていた。
なぜオールスターの時だけ白スパイクを履くのか? 調べてみた。
すると近年白いスパイクを初めに履いた人物は、ヤンキースのA・ロッド事、アレックス・ロドリゲス選手だ。
8年前イチロー選手がA・ロッド選手と球宴で一緒になって以降、イチロー選手もスパイクの色を変え始めてきている。
しかし何故A・ロッドは白を履こうと思ったのか?
それは彼がまだ大リーグに入る前の事だ。
80年代球界を賑わせていた何人かの選手の中に、 Keith Hernandez Gary Carter Darryl Strawberry という選手がいた。
この3選手達はオールスターの時にだけ白いスパイクを履いていたという。
それを見た若きA・ロッドは心奪われ、「自分もオールスターに選ばれたら白いスパイクを履こう」 と思ったようだ。
そんな一流プレーヤーに憧れたA・ロッドは入団以降頭角を現し、今や球界最高契約金選手とも言われる「一流」になった。
そんな一流に憧れる、若きメジャーリーガー達が一流に少しでも近づこうと憧れを抱きそれを真似てみる。
僕が少年野球のとき好きだった桑田選手と同じモデルのグローブを使っていた事のように、下の人間は上を目指し頑張っていく。
各チーム世代交代の目立つ中、今年オールスターに出場した数多くの若い選手からはそんな「一流」へ一歩でも近づくための姿勢が伝わってきた。
posted by yutaka |14:46 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月15日
「夢の祭典」 と野球界のオールスターでは称されている。
MLBではこのオールスターを "Midsummer Classic" (=真夏の対戦)のように専門家は口にする。
毎年スポーツ界にはドラマがあり、人々を感動させるものがあるが、MLBが今年ほど「夢舞台」をそろえた事はあるのだろうか?
それはヤンキーススタジアムが舞台だからだ。
歴史のある同スタジアムは野球人の聖地であり、敵地に乗り込むイチロー選手でさえも「ヤンキーススタジアムでプレーできるのは誇りだ」とも言う。
そんな舞台で行われる今年のMLBオールスター。
毎年見ても凄い。
今日(14日)はホームラン競争だったのだが、数多くいる両リーグの選手の中から選ばれた選手達の顔ぶれはそうそうたるメンバーだ。
一見体が大きすぎる選手もスピードがあったり、上半身筋肉隆々の選手もどこか柔軟性があったりと決して世が感じる「メジャーリーガー」の先入観は無いに等しい。
日本では 走れて、打てて、守れる(走・攻・守)選手を「3拍子揃った選手」と良く表現する。
ただアメリカはその3つに2つ加えた「5」つのカテゴリーを備えた選手を一流と名づける。
その5つは、
1.Running Speed (=走力)
2.Arm Strength (=肩の強さ)
3.Hitting for Average (=安定した打撃力)
4.Hitting for Power (=長打力)
5.Fielding (=守備力)
この5つを総して 5 Tools(=5つの武器) と呼んでいる。
イチロー選手を筆頭に、この夢の祭典は "5 tools" を持った選手だらけ。
明日はオールスター本戦。 出場する選手全ての Tools (=武器)に注目したいものだ。
posted by yutaka |15:35 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月14日
学生時代は教科書を読めばそれを「読書」とカテゴリー分けしていたのがバカバカしく思うほど、最近は本当の「読書」に目覚めている。
ジャンルは特に問わない。 それはどんな分野であろうが知識を広げたいし、分かるまで理解したい。
それでもやはり読むとなると好きなジャンルに偏ってしまう。(まだまだ僕は青二才)
先日一冊の本に出会った。
その本は実に9年前にもさかのぼるものだ。
読みたいがために日本から注文した。
「日出づる国の奴隷野球」
という代理人のパイオニアである団 野村氏の過去を描いた一冊だ。
世間・マスコミから勝手に「悪人」と動かされてしまい、本当の彼の姿を知らない人々に対するいわゆる暴露本とでも言おう。
日米の野球進展に心から取り組む団野村氏の本当の姿がそこにはあったのだ。
かつては「日本のプロ野球選手になる事」が夢であった日本の子供達。
今ではすっかり「メジャーリーガー」となってしまった。
当時「日本プロ野球」を雲の上の存在として憧れていた僕にとっては複雑な心境だ。 メジャーで日本人選手が活躍する姿は実に微笑ましい光景ではあるが、やはり日本の野球界にさらなる飛躍をしてもらいたい。
レベルの高いアメリカ野球を染み込ませ、日本の野球に取り入れる。 これが公証人団野村氏が求めるベースボールだ。
日本とアメリカの野球の距離をぐっと縮めたのは選手達とは言うが、架け橋を作ってくれたのは本当はこの方ではないだろうか?
posted by yutaka |15:53 |
MLB |
コメント(1) |
トラックバック(0)
2008年07月08日
かつて日本人には無理といわれ続けたアメリカメジャーリーグの舞台。
そんな異次元の世界に 野茂投手が道を切り開いた。
通用するのは投手だけ。
そう詠われた中、日本人独自のユーティリティーさを紛れもない芸術に仕立てたイチロー外野手
そして松井稼選手、井口選手、岩村選手とインフィルダー(内野手)もその後メジャーの門を叩いた。
「チームの大黒柱」と称されるキャッチャーというポジション。 城島捕手が開拓してくれた。
アジア野球が世界に浸透始めた近年、評論家からは次の可能性として、
「指揮官」の輸入 が話題になっている。
アメリカスポーツ誌 ESPNマガジン で紹介されていたコラムだった。
バレンタイン、ヒルマンといった日本で功績を納めた「外人指揮官」。 ヒルマン監督は今年から[[カンサズシティー・ロイヤルズ|http://kansascity.royals.mlb.com/index.jsp?c_id=kc の指揮を取っている。メジャーではめったに見ることのできない「送りバント」を要所要所に使ってくるのが日本野球を極めたヒル万式野球なのだ。
記憶に新しいWBC(World Baseball Classic)。日本は世界一の勲章を手に入れた。 サンディエゴの空に舞った王監督をアメリカはどういう目で観たのか?
世界で通用する選手を作り上げている日本の指揮官。 ESPN誌は近い将来(早くて5年後)にメジャーのダッグアウトに "Japanese manager" の姿を目にすることはおかしくない事だと言っている。
確かにスプリングトレーニング中、ヒルマン監督はファイターズ時代共に指揮を務めた白井コーチをゲストとして招いている。
元広島カープの野村謙二郎氏もアリゾナ州のスプリングトレーニングに訪れているようだ。
アメリカで指揮を執るには過去の実績は関係ない。 コーチングのプロであればチームをまとめる事が出来る。
ただ日本は実績が何より。 野球の底辺を味わっていない人が、マイナーリーグ独特のどん底の味を知っている発展途上の選手達を見ていけるかがアメリカでの成功を左右させるとも述べていた。
確かにメジャーのフィールドに黒人選手がいなかった50年前。
言葉の通じない南米選手が活躍し始めた20年前。
黄色人種が通用しないと思われていた15年前。
無理だと思われてきたことがことごとく可能になっているアメリカ大リーグ。
外国人指揮官が生まれるのも時間の問題だろう。
posted by yutaka |14:32 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月03日
アメリカンリーグ首位攻防戦、Boston Red Sox 対 Tampa Bay Rays。
ユニフォームを変えた新生Raysは万年最下位の汚名を返上するかのごとく旋風を巻き起こしています。
今日も勝利しボストンとの3連戦を連勝。 若いチームだけに、オールスター明けどれだけ好調を維持して戦えるかが力の見せ所でしょう。
この試合でボストンの Dustin Pedroia が素晴らしい打撃を披露しました。
初回の先制ホームランをはじめ、三塁打に加え2本の二塁打とあわやサイクルヒットの活躍。
昨年のルーキーイヤーは新人王を獲得した2年目のホープ。 今やメジャーを代表するユーティリティープレーヤー。
8回裏、3点ビハインドの中無死ランナーを一人置いて本塁打、三塁打、そして二塁打とここまで打ち彼に打席が回ってきた。
もちろん単打を打てばサイクルヒット達成。
若い彼なら、内心大記録のかかったこの打席は単打を狙ってくるところ、2球目のストレートを彼は振り切り打球は左中間後方へ。
彼の足を考えると余裕で二塁打というところだが、一塁で止まれば記録達成、二塁まで進めば同点のチャンスが広がる。
彼が万が一、ファーストベースで故意に止まったら僕は彼を、いやアメリカ野球を一気に嫌いになるところだったが、彼は迷いなく二塁へ進んでくれた。
まあ試合が試合だっただけに記録のことなど考えていなかったのかもしれないが、単なる消化試合であったら彼は一塁で止まっていたのだろうか?
ずるがしこい選手であれば一塁を回ったあたりでわざと躓いたりするんだろう。
posted by yutaka |16:18 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)
2008年07月02日
野茂選手が海を渡り日本でもメジャーリーグの放送が始まった時期、僕は小学生だった。
ブラウン管を通じて初めて目にするアメリカの野球がそこにあった。
アメリカ=凄い みたいな典型的なイメージをただただ持って観戦していたのを覚えている。
ただ疑問に思う事が1つ。
それはボールの管理。
ファールボールがスタンドにいる観客がキャッチした際はその人のものになる。
ファールボールがフィールド内にいるボールボーイが取ったらそれを観客に投げる。
一塁手がベンチに行きあげる際はボールを観客へ。
外野手がフライアウトを取ってそのまま外野席へ投げ込む。
当時日本では見られなかった光景に僕の少年心はくすぐられた。
日本だったらファールボールを取っても近くの係員まで戻す事になっている。(今はどうだかはっきりは分からないが)
試合を見てるととにかく大量のボールが使われているように感じた。
こんな疑問を持つ僕は変わっているのか分からないが、一体メジャーリーグの1試合で使われるボールの数はどのくらいになるのだろうか???
MLBの調査によると、1試合平均およそ6ダース(60~70)ものボールが使われるそうだ。
シーズン165試合と考えて、年間使用ボール数を計算すると実に、
113,850球にも及ぶ。
更に面白い事実があった。
ボールというのは'6回ほどの投球で寿命がきてしまうそうだ。 (まあこれはあくまでも試合で使われるボールだが。)
ピッチャーの手から出る汗、バットとの衝撃による凹み、グローブとの摩擦による傷、などで公式ボールは交換されてしまう。それがプロのレベルになるとなおさらだろう。
ちなみにヤンキース松井選手は数年前、レフトフライをキャッチした際3アウトだと思ってうっかり観客に渡してしまった。 ルール上ボールデッドとしてランナーの進塁が認められてしまったというエピソードがある。
そんな松井選手だが、アメリカに来てしっかりとそのようなファンサービスが植え付けられている。やはり普段なれないことをやってしまうと、思わぬところでミスが出ると言うのはこういうことなんだろう(笑)
posted by yutaka |11:35 |
MLB |
コメント(1) |
トラックバック(0)
2008年06月30日
アメリカに来てメジャー、マイナー、そしてカレッジ問わずたくさんの試合を見てきたが、やはり球場で目にするプレーの美しさ、そして感じる迫力は言葉で表すことができない。
そうさせるのはもちろん選手のレベルだが、ファンが作り出す球場の雰囲気なども大きく関わってくると思う。
日本のプロ野球の雰囲気は日本なりの違った良さがあり僕は好きだ。
しかしこの国の野球の素晴らしさが出ているところ、それは球場。
球場は英語で "Stadium / Field" だが、メジャーリーグのほとんどのチームが本拠地の名前を "○○Park" と称することが多い。
松坂、岡島両投手の所属する Boston Red Sox の本拠地は日本でもおなじみ Fenway Park
さらに今日僕が行ってきた San Diego Padres は Petco Park という名前の球場を使用している。
(ちなみにPETCO Park はWBCで日本が世界一に輝いた球場です。)
そんな野球場を "PARK" (=公園)と称するところが実にお洒落。
その言葉通り、各球場はその地域を象徴するかのような一つの町のような雰囲気さえ漂ってくる。
まさに幼少期に遊んだ地域の公園。 学校帰りにかばんを下ろし泥だらけになるまではしゃいだそんな空間がメジャーの球場にはある。
PETCO Park には2つユニークなアトラクションがあった。
一つ目はミニ野球場。
試合を見ながら好きな選手の登場曲に合わせて打ち方を真似してみせたり、外野の芝生で思いっきり飛び込んでみたり、まさにそこは野球が大好きな子供たちの空間だった。
2つ目は、砂浜。
フェンスの向こうで選手がプレーする中、海に来たような感覚で水着を着て遊ぶ子供たちの姿も見られた。
このように、PETCO だけでなく全米数あるある球場すべてに工夫が施されている。
MLBが選手だけでなく、ファンを飽きさせず一体化になって野球を楽しませるという独特の世界がそこにあった。
posted by yutaka |12:56 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)