2003年11月30日
ワールドカップ男子もブラジルの全勝優勝で終わった―。
とにかく、ブラジルは強すぎた!
一度だけ目の前で試合を見たが、”穴”がない。
守備も攻撃もすべてにおいてハイレベルで、見ている者すべてを魅了する。
あのプレーはできなくても”刺激”はかなり受けた。
自分が期待していたフランスは、5位に留まり、メダルまであと一歩、オリンピックの出場権を取るには至らなかった…次のチャンスに期待したい。
しかし、フランスも底力を見せてくれた。日本のバレーボールファンも、おそらくフランスの選手やバレースタイルは今回初めて見た人も多いんじゃないかな、と思う。
ANTIGA(アンティガ)をはじめ、この大会で人気が出たフランスの選手もいると思う。
この大会を通じて”フランスのバレーボール”というものが日本のバレーボールファンへ届いたことも併せて嬉しいことだった。
個人的に、監督のPhilippe BRAIN(フィリップ・ブレイン)氏をはじめ、エースのCAPET(カペ)、リベロのHENNO(エノ)、キャプテンのDAQUIN(ダカン)など…いろいろ面倒を見てくれたスタッフの方々や、自分にすごく親切にしてくれている選手たちが、日本で開催された国際大会で、注目されるほどのプレーをしてくれたことが、自分自身この大会で一番の喜びだった。
そして、今日(11月30日)自分も試合があった。
相手チームに、ナショナルリーグにも関わらずプロの選手が登録されていて、その彼らにやられてしまった…。
通算で5勝4敗となってしまった。来週は試合がない…何とかして立て直しをはかりたい。
個人的にはプロの選手のボールを受けることで楽しくプレーできた。
さすがにプロが打つボールは重く、速い!
でも、これが今後の自分に役立つことは間違いない。自分ひとりだけかもしれないが、負けた試合だったけど、貴重な経験ができた。かなりの収穫と思っている。
結果を出すのに、ここにきて苦労していることは確かだ。
改めて思ったのは、一人だけ張り切ってやってもバレーボールは勝てない。全員が一つにならないと勝つことに結びつかない。この試合も、楽しんでいる自分と諦めているメンバーと…そんなふうに見受けられた。
自分は結果も出したいけど、来シーズンに活かせる選手へと成長したいと思っている。そのためにフランスまで挑戦しに来ているんだから…!
どんな選手にも目標はある!
その目標のためにどこまで頑張れるか、どこまで自分を追い詰めていけるか…これにかかっている。
自分は目の前の結果も大切にしたいけど、それプラス自分の今後の選手としてのレベルアップも備えていきたい。
正直、今シーズンはどんな結果が残せるかはわからない。ただ今のところ、全試合フルに出場している。その中で、結果というものが付いてくる。
精一杯やって、自分の今後につながるような、そんなプレーをしていこうと思う。
”敗戦から得たもの”ほど、大切にしていきたい。
今日の対戦相手には、ある意味感謝するべきかもしれない―。
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2003年11月28日
5月のワールドリーグにおいてフランスでも行われた「フランス×日本」がワールドカップでも再現されることとなった。
5月の試合では、フランスはアンティガ、グランボルカ両選手が欠場していた。結果1勝1敗のタイで終了した。
その試合は自分も目の前で見ていたが、全日本の攻撃がそれなりに展開されていた。全日本も加藤がいない、しかもアウェイという条件にも関わらず善戦をしていた。
フランスもベストメンバーではなかったけど、手ごたえは感じるぐらいには通用していたと思っていた。
フランスの8番Laurent CAPETも
「日本の14番(山本)はいいんじゃない?今日は自分たちがミスを連発させられたよ…」
と終了後のバスで自分に言うほど。
この思い出があって、このW杯では個人的に期待していた―。
しかし、結果0-3でフランスに軍配が上がった。
個人的にはフルセットでどっちが勝つかわからないぐらいの予想だったから、結果を見てビックリした。あの5月のような展開はしていないのだろう…。
5月の展開は、どの国とやってもそれなりには通用するぐらい良い状態に見えた。
監督はじめ、メンバーもそれほど大きく変動はない…それでなんでストレートで負けるのか…。練習前にチームのメンバーにもいろいろ聞かれて、答えに戸惑った。
自分が考えても仕方のない話かもしれないけど…。
その1:”意識”の違い―。
フランスはまず、五輪出場の可能性がわずかながらある(条件として残り全部勝つこと)。
「負けられない」という気持ちが強く、これがプレッシャーになる選手が少ないことだろう。
それと世界選手権で3位になった自信。それにこのフランスチームは2~3年ぐらいメンバーに変動がない。控え選手は変わることがあっても、スタートの6人は不動である。日本とは決定的な差だ。
あとはアイドル化しちゃっていること…?
その2:”大舞台の経験”にある―。
フランスチームでは、ヨーロッパにあるプロリーグに全員が所属している。エースのアンティガはイタリア・セリエAをはじめ、全選手がプロフェッショナル。
それに対し、日本は加藤ただ一人。
経験もレベルもヨーロッパと日本を比べても比べようがない!
国際大会が終われば、日本選手はVリーグに戻る…そこでまた「国内」という狭い範囲でプレーすることになる。そして、また国際大会…矛盾とレベルのギャップが激しすぎるのではないだろうか。
せめて五輪までの国際大会が終わるまでは、あまりチームのメンバーをいじることなく、国際大会だけに照準を絞って頑張ってもらいたい。
その3:メンバーを変えない!
最後に決定的に違うことは、大会のたびに選手が入れ替わるかどうかっていうこと―。
フランスは、ここ2~3年間レギュラー7人(リベロ含)と控えセッターの計8人(12人中)に限っては変動がない。
「層の厚さ」というより、チームの中でレギュラーとしての基盤がしっかりあるから、そこに若手を試合の中盤に投入しても、若手は自分のことだけに集中して思い切ってプレーできる。
それに対し、日本は大会のたびに若手が出てきたり、ベテランが戻ってきたり…出入りが激しい。よって基盤が固まらない。
確かに若手もベテランも重要だけど、それじゃ若手を一度選んで、その選手が今もずっと全日本に残っているかというと…?だ。
フランスはこういうことがないから、対戦相手によって、ポジショニングの確認が一番大事な練習になっているようだ。
それに対して日本は、大会のあるたびに選出し、いつも「1」からのチーム練習。だから他国に比べて、完璧には仕上がらない…その時に優れた選手で組むのもいいことだけど、それは”次”にやることで、今は結果を出すことに拘るべきではないだろうか?そうすれば選手たちだってレベルも意識もすべて変わってくると思う。
若い選手でもしつこく使っていけば、必ず伸びていくと思う。そういう”しつこさ”がヨーロッパと違う点だと気づいた。
これらは自分もフランスでやるようになって初めてわかることだ。全く環境もレベルも異なっている。
全日本は最後の2試合はイタリア、ブラジルという超トップチームと戦うことになる。
そこで、五輪の切符はなくても「勝って終わりたい!」と思うか、「無理だ…」と少しでも諦めるか、大きく結果が異なってくると思う。
ぜひ、経験だけじゃなくて結果・内容共にでも善戦したことを伝えてほしい!
この大会が終えればフランスの選手たちが帰国してくる。そのとき日本のことを聞こうと思う。
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2003年11月26日
今日の練習中、コーチから一つ頼まれた。
いつも、コーチからは戦術のことで指摘されていたが、今日はトータル的なことでの指示だった。
「お前は、常にチームのリーダーになってもらいたい!言葉の関係もあるけど、存在もコミュニケーションも、すべて中心的存在であってもらいたい…」
とのことだった。
正直、嬉しかった。
異国の地に来て、そういうことをチームのメンバーから言われることはそうはない。
たしかに、自分の”セッター”というポジションは他のポジションに比べても重要だけど、それでも”中心的存在”というのは嬉しい。
自分の”壁”にもなっている「言葉」―。
でも、やっていること(バレーボール)は日本人でもフランス人でも同じで、細かい指示に関しては、日本の方が圧倒的に多い。
自分はコーチの指示に対して、
「わかった!」
と、自信があるかのように答えたが、正直自分の語学力のなさを考えると自信なんてはっきりいってない…。
でもそれを克服するチャンスでもあるし、選手一人一人のバレーに関する考え方を知るいい機会だし…と思ってはっきり答えた。
チームは自分を必要としてくれている。
先週の試合(11月23日)では、帰国して間もないのにも関わらず、スタートから起用してくれた。結果2-3で負けてしまった。
自分のいない間、チームは2敗目を喫した。
先週で3敗目―。5勝3敗となってしまった。
でも驚くことに、選手たちに敗戦を引きずっている感じは全くなかった。むしろ開き直っている。
その中である選手は、
「ユウタがいなかったし、こっちも完璧なバレーはできなかったから…」
とこぼしていた。
自分が必要とされていることは、十分に伝わった。だから自分もできるだけのことをして、チームに貢献していきたいと正直思った。
実際、チームにはもう一人セッターがいる。
でもあえて自分にそういうことを言ってくれるというのは、このチームに自分が必要とされているんだなぁ…とありがたく思った。
だからコーチも「リーダーに…」ということを言ってきたんだろう。
言葉を何とか克服して、今後の試合で一味違った存在を出していこう!前向きに…!と思った。
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2003年11月19日
私用の事情で2週間ばかり帰国していたこの時期、日本ではワールドカップが開催されていた―。
女子の試合も少し見ることができたが、とても面白い展開で、日本が善戦し、オリンピック出場権獲得の争いに喰らいついていた。
19歳コンビの活躍、ベテランによる要所の巧さ、監督の采配…どれをみても過去に例のない、世界と互角の戦いが多かった。
そして16日からの男子―。
初戦のフランスの試合を見に行った。会場は長野。観客は予想を超える以上の大人数!バレーを見に来る人がこんなにいるとは、正直考えていなかった。
フランスチームは、メンバーもワールドリーグの時と変わっていないから、監督はじめ、選手たちは自分を忘れていなかった。
ワールドリーグでは、ベストメンバーではなかったフランスだったが、この大会では初戦からベストメンバーで揃えていた!
おなじみの友人カペ、超人気選手で今シーズンからイタリア・セリエAに行ったアンティガ、スーパーエース、これまたセリエAで活躍中のグランボルカ、守備力世界一のエノ…豪華なメンバーが日本に集まった。
試合前、自分はフランスのユニホームを着て応援体制100%…。
選手入場まで時間を余らせてしまい、ゆったりとしていられなかった。
ようやく選手入場の時に、気がつくと自分は、選手の準備する場所まで移動していた。
「サリュ、カペ!サヴァ?」
「ボン、クラージュ!ボン、マッチ!」
いくつか会話を交わし、選手全員も自分のユニホーム姿を喜んでくれていた。
試合は対ベネズエラ。
平均年齢21歳という超若いチームだったが、ネットの上に胸以上出ている高さをもっているセンタープレイヤーがいた。今後が楽しみなチームかもしれない。
試合終了後、日本にありがちな警備員に注意されることをわかっていながら、選手控え室の前へ…。
そこへカペ登場!
さっそく話をすることができた。以前は英語がほとんどだったが、今回はフランス語のみ!カペはそれに驚いていた。
記念に写真一枚!よく考えると、彼とはいつでも写真を撮っている。彼は今の心境を話してくれた。
「オレは来シーズンからスペインリーグに移籍するんだ…(抜粋)」
この言葉に驚愕した。
せっかく友達になったカペがスペイン…?
その場は「頑張れよ!」としか言えなかったが、正直ショックだった…。
そのあと、アンティガ、グランボルカ、そしてキャプテンのダカンと話ができた。
長野まで来た甲斐はあった。
この1試合しか見れないけど、フランスで彼らに会って、改めて話そうと思う。
話の途中で警備員に注意されて断念…。自分とフランスチームの関係も知らないし、聞きもしない。
きっと日本のバレーファンだって、選手と接したいだろうし、写真も撮りたいだろう。
フランスでは、そこまで警備員は厳しくはない!ファンに対しては絶対的なサービスが当然のようにある。警備員や役員による選手の通り道を作ったり、壁を作ることは絶対にしない!
もしこれを読んでくれて、フランスなどのリーグや試合に来ると、イメージが全く違うことに気づくだろう。
フランスは、バレーボールのファンは多い。選手のファンも当然多い。
本当の意味で、選手とファンの距離が近くなるのはいつなんだろう…?
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2003年11月03日
以前、「セッターの醍醐味」ということを述べた。
重複するかもしれないけど、自分の考えているのは『他人には考えられないトス回し』―。
自分は基本的に、他人と同じことをすることが嫌い…この性格がプレーにも通じている。基本に忠実なプレーも当然だけど、それ以外に、「こういうことは、普通やらないだろう…」ということを、あえてやるのが大好きだ。
みんなと同じ事をしても”個性”というものが全くない!
”個性”ってすごく大切だと思う。バレーだけじゃなくても、すべてにおいて言える―。
最近は、同じような服や容姿が目立っているが、自分は他人と同じもの、同じことは極力したくない!万が一していても、それには自分の中でそれなりの理由がある。
バレーにおいても、セッターとしての”個性”を全面に出していきたい。
~オレじゃなきゃできないトス回し~
これが自分の目指すスタイル!
言われたことをやるんなら誰にでもできる!
でも、あえて違うことをやってみるのも楽しいし、充実する。自分の考えで失敗しても後悔はしないけど、他人の指示で失敗したら、これ以上の後悔はない…。
どうせなら、自分の考えを最優先するべきだと思う。
セッターとして、独特のプレーや独特の世界を作り出すことってすごく楽しいし、最高のやり甲斐を感じる。
ゲームの組み立て全体を作り出すことができるのは、はっきりいってセッターだけだろう…。
こういうことを考えると、「自己主張」がはっきりできるフランスの環境は自分にとって、すごく恵まれている。
それ以外では、不便なことも多くあるけど、「それ」だけを考えると十分恵まれている。
フランスに来て、間違いはなかった―!
この先、フランスでどのくらいできるかは今はわからないけど、精一杯やっていきたいと思っている。
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