2009年08月29日
世界選手権の予選を取材するのは初めてです。
上位2チームが出場できるとはいえ、3日間での短期決戦。もはやアジアも簡単に勝てる状況ではありません。試合前は、見ているこちらも少し緊張しました。
日本の勝因を1つ挙げるならば、やはり阿部選手のトスワークだったと思います。
相手ブロックだけでなく、味方のアタッカーの動き、調子がとてもよく見えていましたし、誰より阿部選手がいい声を出していました。
宇佐美選手が積極的にセンター線を使っていましたので、センター線へのマークと、清水選手もライトからの速いトスに対応できることを警戒したカザフスタンのブロックが3枚ともレフト側(日本の攻撃からすれば、センターのBクイックとライト側)へ寄っていたのを見て、バックセンターの福澤選手をうまく使う。
ノーマークで決まったパイプ攻撃は、とても鮮やかでした。
明日の相手はイランです。
ラリーでもクイックを多用し、ジャンプトスの際にはほんの一瞬、トスアップの前にフェイントを入れてブロッカーを翻弄する。今日の韓国戦では終盤になるほどセッターの好プレーが目立っていました。
ブロックはきっちりシステム化されているという印象は受けませんでしたが、あのクイックはかなり警戒しなければならないでしょう。
短期決戦には、短期決戦の戦い方があります。
劣勢を振り払った今日の阿部選手は、まさに短期決戦を勝つための戦い方をしていました。
基本技術や戦術があったうえでの、気合や勢い。短期決戦を勝つためには不可欠なそれらを手にするのはどのチームか。今日よりは緊張せずに明日もしっかり見てこようと思います。
posted by tanaka yuko |01:37 |
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2009年08月07日
東龍の強さは本物でした。
最後まで崩れないコンビバレー、決勝戦の試合は東龍にとって間違いなく今大会ベストゲームでした。
なかでも、エースの長岡選手は素晴らしかった。優勝を決めた最後のライトからのスパイクは、高さ、キレ、精度、すべてが圧巻でした。
長岡選手を初めて取材したのは、彼女が1年生時の春高バレー決勝後でした。
優勝して喜び合う選手の輪の外で、誰よりも泣きじゃくっている選手がいた。それが長岡選手でした。
スパイクを打つときのポイントを聞かねばならず、泣いている彼女に声をかけたところ、しゃくりあげながらも丁寧に応えてくれました。聞きたいことを終えた後、彼女が左手で握り締めたいた1枚の写真が気になり、「その写真は?」と尋ねると、嗚咽しながら、声にならない声で、「春高前に父がなくなったんです。ずっと、楽しみにしていてくれたのに」、そう言って、まさに堰を切ったように涙があふれ出しました。
即戦力の1年生として期待されながら、疲労骨折で戦列を離れ、それでも何とか復帰して、初めて迎えた高校生での晴れ舞台。そして、その直前に乗り越えなければならなかった別れ。
高校1年生のまだまだ幼い心でどれだけのことを受け止め、乗り越えようとしたのかと考えると、聞いているこちらも胸がつぶれそうな思いでした。
あれから1年、春高、インターハイと着実に成長した長岡選手の姿を見続けてきました。
昨日の優勝後も、涙ではなく笑顔で、嬉しそうに「お父さんが見守ってくれたんです」と話していました。
本当に、本当に強くなったと思います。
もう1人、悲しい別れを経験した選手がいました。
セッターの栄選手です。
感情を表に出さず、淡々とトスを上げる。
なおかつ技術も併せ持ち、手首からピュッと押し出すようにボールを飛ばせる平行トスとセッターへのクイック、ハンドリング技術にも長けているとても素晴らしいセッターです。
準決勝まではトス回しに苦しんでいた栄選手でしたが、決勝はセンターを積極的に使うことで活路を見出し、まさに思い通りの高速バレーで九州文化学園を圧倒しました。
その立役者は、間違いなく彼女の存在であり、トスワークだったと思います。
優勝を決め、選手同士で胴上げをする際、一番最初に宙を舞ったのが栄選手でした。
そして、その左手には、1年前の長岡選手のようにしっかりと写真が握られていました。
3歳年上のお姉さんでした。
病の床からも、春高に臨む妹を応援し続け、ご両親を「私よりも、絵里香の試合に行ってあげて」と送り出してくれた優しいお姉さんだったそうです。
春高で優勝した喜びから間もなく、直面した不幸。そして長岡選手同様に1つの別れを乗り越え、迎えたインターハイ。栄選手の左手には「お姉ちゃんの分も頑張って、絶対日本一になる!」と書かれていました。
いつも通り、淡々とトスを上げ続けた栄選手が最後に流した涙。悲しい出来事を乗り越え、彼女もまた本当に強くなった1人でした。
この夏も、たくさんの高校生バレーボーラーの話を聞かせてもらい、たくさんのパワーを感じることができました。
純粋にボールを追う姿はとても輝いていました。
ここまで散々書いたものの、今年の男子チームはいろいろと考え、工夫しているチームが多かったことなど、原稿には載せられなかったまだ書きたいことがあるなぁと思えてならないので、インターハイ総括はまた次回にも持ち越そうと思います。しつこくてすみません。
posted by tanaka yuko |15:01 |
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2009年08月05日
準々決勝が一番面白い。
高校野球好きの方から、よく聞かれる言葉です。
インターハイも全く同じ。ベスト8からベスト4を目指して戦う準々決勝は、1点や1本を巡る白熱した攻防が繰り広げられていました。
なかでも、最も印象的だった「あの1本」があります。
東九州龍谷と大和南戦、第1セット終盤での大和南・二見梓選手の「あの1本」です。
東九州龍谷に先行されながらも、粘り強いレシーブと的を絞ったブロックで同点とし、これまで大会では1セットも失っていない東九州龍谷を24-24のジュースへと追い込みます。
やや焦りの目立った東九州龍谷の選手に対し、大和南ののびのびとしたプレーは流れを呼び込み、27-26とセットポイントをつかみます。
守らず攻めたサーブが功を奏し、チャンスボールは大和南へ。エースの二見選手にトスが上がります。
ブロックは1枚、絶好のチャンスでしたが、二見選手はこの1本を決めることができませんでした。
「気持ちばかりが先行して、コースもブロックも見えていなかった」
27-27と再び同点となり、二見選手は悔しさを隠すこともなく、自身への苛立ちをあらわにしていました。
エースにはブロックのマークもきつくなり、それでも決めることを期待されます。プレッシャーも、負担も大きなものであることは確かです。
それでもやはり、こういう場面で勝利に導くスパイクを放てる選手が真のエースになり得る選手なのだと思います。
まだ二年生の二見選手は、その素質と可能性を秘めた選手です。この経験を機にもっともっと大きな、真のエースになってほしいと願います。
これまで全国大会に出場しながら、1勝の壁を破ることができなかった土浦日大が、今大会ではベスト8に進出しました。
準々決勝の古川学園戦は、高さ、速さともに「これまで対戦したことのないスケールと圧倒する力」と1枚上回った相手に完敗を喫しましたが、男子の指導経験を生かした石崎先生のセンター線を絡めたコンビバレーは春よりもずっと多彩で正確なものでした。
敗れた悔しさはもちろんでしたが、1つの目標を成し遂げた達成感からか、選手たちの誇らしげな表情がとても印象的でした。
いよいよ明日は準決勝、決勝です。
どこよりも正確に、大切に、1本、1点をつかむのはどこなのか。
見ていて思わず前のめりになるような、力の入る試合が見られることを期待しています。
posted by tanaka yuko |19:38 |
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2009年08月02日
大塚高校の初優勝で、男子インターハイが閉幕しました。
取材しながら、春高同様に九州勢同士の決勝になるのでは、と思っていましたが見事に外しました。
まだまだ甘いです。
素晴らしい決勝戦でした。
原稿に書ききれないこと、取材をしてきたこと、書きたいことはたくさんありますが、また改めて。
今年もまた、取材ができて幸せでした。
引き続き女子も楽しみな限りです。
posted by tanaka yuko |01:46 |
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