2009年06月28日
今日は完敗です。
試合後の記者会見で、「今日の試合を振り返ってひとこと」を求められたキューバのサムエル・オルランド監督はまず「昨日よりも簡単な試合だった」と言い、さらに「日本はサーブ、ブロックにエラーが多すぎた。もう少し見直して、レベルアップしなければならないだろう」という手痛い課題提示までされてしまう始末でした。
確かに、昨日同様に今日も流れを呼び込んでいる場面でのサーブミスが目立ちました。
ただ、それだけでなく今日は狙いを絞ったサーブで相手のレシーブを崩してもいました。
でも、そこからがよくなかった。
せっかく相手のサーブカットが崩れてチャンスボールが返ってきても、その返球処理でミスをしてしまったり、二段トスが相手コートに返ってしまったのも一度ではありません。
キューバのセンター陣のクイックは高さ、速さ、巧さ、どれをとっても間違いなく世界最高レベルであるのは事実ですが、システムを用いてるわけではなく、1対1で止めに来るブロックは、高さはあるけれど攻略するポイントもありました。
実際に米山選手は身長で20cm近く劣る相手ブロックをうまく使い、リバウンドを取ったり、間を抜くなどとても工夫した攻め方をしています。でも、その後が続かない。試合経過をメモしながら、思わず「もったいない」と書いてしまったミスがいくつもありました。
ミスは敗因につながりやすいポイントであることは確かですが、そうではなく、大事なのはミスした後をどうするか。ミスした、終わり、ではなく、次につなげるプレーを生み出すための切り替えが今日の試合では為されていなかったように見えました。
ワールドリーグは、結果以上に「何をしたか」という経過や、「何のために」という目的が問われる大会だと思います。
残るホームゲームは次の週末、有明大会です。
大切なのは、負けた後どうするか。
相手のホームで勝利したブルガリアを相手にどう戦うか。見ものです。
それにしても。
若者を主体とした新生キューバの破壊力、技術、スケール、可能性。
90年代のようなキューバ黄金期が再び到来するような気がしてなりません。
posted by tanaka yuko |22:03 |
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2009年06月27日
スパイク練習から、キューバの速さと高さは圧巻でした。
センターからクイックを打っているのかと思っていたら、パイプを打っていたり、ライト、レフト平行トスを打っているのに空中で止まっているように見えたり。
身体能力の高さ、とひとくくりにはできない強さ。第2セット以降は、より顕著に試合のなかでその強さが発揮されていました。
まず、キャプテンでもある13番のセンター、シモン・ロベルランディ選手。身長206㎝で最高到達点は358㎝、プログラムに書かれている数字だけでも高いことは十分理解できたのですが、実際のプレーを見て、ボールをとらえる打点の高さとクイックコースの幅、何から何まで驚かされました。
前半、松本選手はコミットで飛んでいたのですが「1枚で飛んでも全くダメ。空中でかわされてしまうし、その技術と高さにこっちが対応できなかった」と言うように、後半からはリードブロックへと切り替えました。
それでもなかなかタッチを取ることすらできない。先週対戦したブルガリア代表チームのニコロフ選手からも「キューバの13番はケタが違う。気をつけろ」と言われていたそうで、十分に注意を払い、対策を整えてきたはずが、「世界の壁のさらにその1枚上を行っている。すごい選手ですよ」と舌を巻いていました。
もう1つ、どうにも対応できていなかったことがありました。
相手セッターのイエレスエロ・ライデル選手の高さとトスワークです。
196㎝で、助走をつけずに飛ぶブロックジャンプが335㎝、手の長い選手です。
つまりそれだけトスアップの位置も高く、とくにネット際のボールに対しては圧倒的優位な状況へとつながります。
キューバはサーブカットを速く、突くように返すのではなく、セッターへ高く返すことを徹底していたため、ボールのさばき位置もそれだけ高くなり、セッターが前衛にいるときはツーアタックなのか、クイックなのか、とくにセンターブロックは見事なまでに翻弄されていました。
松本選手曰く、「あれだけ高い位置で取るセッターは、世界でもそういない」とのこと。手首も柔らかく、サイドへのトスもぶれずに飛ばしていました。まだ21歳、これからが楽しみであるとともに、日本にとってはおそろしい存在になりそうです。
これだけやられたセンター線に、明日はどんな対策で臨むのか。
今日とはまた違う見方を加えて、しっかり見てみようと思います。
posted by tanaka yuko |17:51 |
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2009年06月21日
昨日、今日と福岡でのアジア太平洋カップを見てきました。
日本のメンバーは7月のユニバーシアードに出場する12名。
見事3戦全勝で優勝を飾りました。
この結果はもちろんですが、それだけでなく、前向きな要素をいくつも見ることができ、行ってきてよかった、と思える2日間でした。
まず、チームとしての形がしっかりしていること。
これが満足感を得た最大のポイントでした。
それぞれの役割と、チームスタイル。ウィークローテもありますが、そこを打開する策があり、しかもいくつものパターンがある。
たとえば、昨日、今日はオポジットに入った古田選手の調子があまりよくなかったのですが、そこに千々木選手が入り、高さからスピードへ移行。26本を打って60%を超える決定率を残しました。
セッターの菅選手も、千々木選手を1枚で打たせる場面が多く、「まだまだ上がっていない」と厳しい自己採点でしたが、工夫を感じるトス回しをしていました。
オポジットに古田選手が入ったことで、もともとオポジットの柴小屋選手がレフトに入るのですが、連続失点につながることの多いS1ローテでもライトからの柴小屋選手の攻撃がとても効果的でした。
菅選手は「パターンを1つに決めず、出た人間によっていくつものパターンがあっていいと思う」と話していました。私もまったくもって同感です。あくまで理想ではありますが、コートに入る6人がすべてのポジション、プレーをこなせるチームほど強いチームはありません。
古田選手がオポに入ったときのよさ、柴小屋選手がレフト、またはオポに入るときの利点、千々木選手のレフト、オポに入るときの長所。それぞれが生かされ、磨かれればより強く、楽しみなチームになる。そんな予感を十分に感じ取ることができました。
攻撃を生かすための守備を鈴木選手、永野選手が固め、センターの相澤選手、安永選手が要所でクイック・ブロックで確実に点を取る。
なかなか面白いチームです。
ユニバに限らず、こういうバレーができたら日本バレーが世界でもきっと戦える。とても楽しみです。
posted by tanaka yuko |19:50 |
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2009年06月07日
人に先のことを決められる、すべきことを強要される。
とても私事ですが、何しろこの2つが大嫌いです。
さまざまなスポーツを取材していて、いろいろなスタイルの応援を目にする機会がありますが、みんなで一緒に応援しよう、と声をかけている方々を見るたび、私にはできないなぁ。。と思うことが多々ありました。
私の場合は単なるワガママなのですが、日本のスポーツシーンは、プロ野球の応援団や、サッカーのサポーターの方々など、先導する人に合わせ、みんなで応援するというスタイルが主流です。
盛り上がるし、同じように喜べる。それも楽しみなのだと思います。
ただ、スタンドを見て、声を聞いていて鳥肌が立つ瞬間、というのはまた別に存在します。
昨日の水泳日本選手権、男子200m背泳ぎの決勝を終えたときは、まさにそんな瞬間でした。
日豪大会での驚異的な記録が、水着問題で認可されず、多くの選手が「世界水泳に向けた大会」と位置づけていたジャパンオープンで、入江選手には世界記録の樹立、という大きなプレッシャーが課せられました。
「意識せずに泳ぐ」と言いつつも、周囲の期待の大きさは、会場の雰囲気を見るだけでも十分に感じ取ることができました。
そして、ゴール後。電光掲示板に入江選手のタイムが計測されると、会場は静まり返り、入江選手は悔しそうな表情を浮かべました。
何とも言えない空気が漂います。
でも次の瞬間、会場のどこからともなく、ごく自然に拍手が起こりました。
よく「あたたかな拍手が送られた」と記することがありますが、入江選手に送られたのは、まさにその、あたたかな拍手でした。
悔しさから、安堵へと表情は移り変わり、入江選手は二度、赤くなった目元を手で拭いました。
「悔しかったけれど、あの拍手が本当にうれしかった。プレッシャーはそれだけ多くのひとが期待してくれるということだと改めて知った。いいものなんだと思えました」
疲労がたまり、たとえ本調子ではなくともそれを言い訳にせず、チャレンジする。
そんな姿勢が、自然発生の拍手へとつながったのだと思います。
「プレッシャーに負けた」「調子が悪かった」「○○がうまくいかなかった」
言い訳はいくつものパターンを持ちますが、まずは潔く勝負に挑む姿勢が見たい。勝ち負けだけではなく、そんな楽しみを持って会場へ足を運ぶ人も少なくないはず。
また次の取材現場へ、そんな思いを抱きながら向かおっていこうと思います。
posted by tanaka yuko |20:32 |
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2009年06月02日
5月29日、金曜日。
体育館でトレーニングに励む選手たちは、普段と変わらぬ笑顔でウォームアップのサッカーから、汗を流していました。
「休部」について。
A4の紙に、短い言葉で記されたリリースが流されたのは、選手たちが6キロのダンベルを持って「このトレーニング、きつい」とマットに横たわっていたのと同時刻でした。
これまで、何度も休部、廃部、と報道が先行しました。
そのたびにファンの方々は情報を求め、何ができるかを考え、署名活動をされた方、青い紙でロケットを折って事務局へと送った方々、ゴールデンウィークで交通も宿泊も取るのが容易ではないなか黒鷲旗を見に行った方。
すべてのひとたちが「知りたい」と思うしかなかった。
でも、何一つ語られることはありませんでした。
黒鷲旗の最中、ある記者の方にこんなことを言われました。
「我々もね、こうして選手にぶつけるのはきついんです。だって、選手だって何もわからず、でも頑張っているわけでしょ。話すべき人が話してあげないと、かわいそうだよね。矢面に立つのは選手なんだから」
まさに今日、休部報道を受けての全日本始動会見。
囲み取材で、最も多くの記者に、長い時間囲まれていたのが前田選手でした。
もちろん、聞かれるのは休部報道について。正式な記者会見もないなかでは、表に出てくる選手に聞かざるを得ません。
1つ1つ、丁寧に答えていましたが、初めて全日本に選出された喜びや、自身のプレーを語る前に、別のことを語らなければならない前田選手がとても気の毒でしたし、前田選手が囲まれている間、所在なさそうに部屋のすみにいた他の選手たちも、とても気の毒でした。
企業にも事情がある。それは当然のことです。
ただ、説明責任はあり、紙1枚ではなく、直接の言葉で伝えられる機会はなかったのか。そう考えずにはいられません。
そして、選手はなにも悪くないかと言えば、それも決してそうではない。
女子バレー、ラグビーが存続するということは、男子バレーが存続することの価値を会社に伝えられなかったこと、組み取ってもらえなかったこと、それだけの価値なのだと認めさせることができなかった。残念ながら、それも事実です。
新体制を迎え、結果は伴いませんでしたが、これからにつながる可能性を感じさせる、楽しみなチームでした。
ある選手のひとことが、忘れられません。
「悔しいね」
ブルーロケッツの選手だけでなく、他チームの選手、そしてこれからの未来を担う大学生や高校生を含めた若い選手たち、すべての選手が1人でも多く、望む場所でバレーボールができるように。
ただ寄りかかるだけでなく、自力でその場所を築いていける選手が1人でも増えることを願うとともに、自分のすべきこと、できることを再考しようと思います。
posted by tanaka yuko |04:34 |
バレーボール |
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