2007年12月14日

5年ぶりの優勝 【フェンシング日本選手権】

昨日から大分県日田市で開催されている、第60回全日本フェンシング選手権大会。
昨日は男女フルーレ個人戦が行われ、男子は太田雄貴選手(同志社大学)、女子は巻下陽子選手(秋田クラブ)が優勝を果たした。

世界ランキングは7位、周囲からも「フェンシング界始まって以来の逸材」と言われてきた太田選手も、2002年からは「日本一」を決めるこの大会では勝つことができず、
「いくら世界で戦えるといわれても、日本で勝てないもどかしさがあった。どうしても優勝したかった」
大きなウェイトを持った大会だった。

予選プールから相手を寄せ付けず、危なげなくエリミナシオン・ディレクト(決勝トーナメント)へ進出。準決勝では昨年の優勝者であり、普段から一緒に練習をしている福田佑輔選手(警視庁)と対戦するも、
「(太田の)勢いに対応することができなかった」
と福田選手が語るように、前半から攻めに転じて先行し、15-10で勝利。決勝では千田健太選手(中央大学)を15-10で下し、5年ぶりの栄冠を手にした。

北京オリンピックに向け、メダル獲得を視野に入れ、日本フェンシング協会は今年から思い切った強化プランを打ち出している。
ナショナルチームの拠点を「国立スポーツ科学センター」とし、これまで練習拠点が関西だった太田選手や、女子日本代表の菅原智恵子選手(宮城クラブ)、川西真紀選手(香川クラブ)など、男女フルーレ代表選手も近隣に住まわせ、フェンシングに専念できる環境をつくった。また、専任コーチとしてクロアチアのオレグ・マチェイチュクコーチを招聘し、さらに強化に努めた。
その結果、
「これまでは強化合宿でなければ練習できなかったような、レベルの高い選手と普段から一緒に剣を合わせることで、質の高い練習ができるようになった」(太田選手)
「技術面、精神面はもちろん、あまり重点を置くことができずにいたウェイトトレーニングも専門スタッフの指示のもとで、目標を絞って取り組むことができるようになった」(菅原選手)
効果は如実に表れ、男子フルーレ団体はワールドカップ5大会で金メダル2個、銀メダル1個、銅メダル1個を獲得し、世界ランキング1位にも輝いた。

「身近に世界ランク1位の男子がいることが刺激になり、自分たちも高い意識を持てるようになった」(川西選手)
女子団体フルーレも、今週・ロシアで開催された世界選手権では、団体戦で3位に入り、世界選手権では日本フェンシング界初のメダル獲得という栄誉を成し遂げた。

来年のオリンピックに向け、着々と成果を上げているフェンシング界。
それぞれの選手の高い意識や、努力の積み重ねによって得られたものであり、金銭面・環境面におけるスポンサーの存在など、支援体制が整えられたことも大きい。

だが、「躍進」の中心にいるのはやはりこの人、太田選手だろう。
「太田選手は、高校生でアテネオリンピックに出場するなど、常に先陣を切って僕らの道を切り開いてくれた。彼の存在が、高いモチベーションを保つことに大きな役割を担ってくれている」(市川恭也選手・警視庁)

結果を残すことで多くの人から注目を集めたい。
これから始めようとする選手や、今フェンシングをやっているという選手には
「僕を目標にしてほしい」
と言い切る。

世界選手権では10位に終わり「しばらく剣も持てないほど落ち込んだ」と振り返るが、この経験もきっと北京に続く糧となるに違いない。
「フェンシング界始まって以来の逸材」であり「天才」が、きっと何かを成し遂げる。そんな気がしてならない。



全日本フェンシング選手権の太田選手


posted by tanaka yuko |13:55 | オリンピックに向けて | コメント(0) |
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