2006年11月29日
2次ラウンドもいよいよ大詰め。
世界選手権も残すところ3日。
日本チームもあと3試合です。
今日のセルビアモンテネグロとの試合は、セルビアの組織力の高さが際立っていました。
数字に残らぬつなぎの部分、コンビの組み立て、すべてにおいてセルビアモンテネグロは強かった。
緩急をつけたサーブ、試合巧者ぶり、さすがでした。
試合後、グルビッチ・ウラジミール選手は、かつて日本でプレーしていたことから、日本との一戦は自身にとって特別だということを挙げ、「最初は緊張して弟に迷惑をかけた。でも、日本は確実な成長を遂げている」と話していました。
代表メンバーは12名。
試合に出ている選手もいれば、スタートではない選手もいます。
きっと、心のなかに抱く思いはそれぞれ違うと思います。
出ていれば、そこでいろいろなことがあり、出ていなければそれはそれでいろいろな思いがあります。
勝負の世界で生きている人たちゆえの、いろいろな葛藤があり、それぞれの世界選手権の日々を選手たちは過ごしています。
今日、久しぶりに阿部選手と直弘選手が試合に出場しました。
彼らは、いつ試合に出ても自分の役割ができるように、万全の準備を整えてその瞬間を待っています。
身体も心も、準備を整えておくことは難しいけれど、その瞬間のために彼らが物言わず待っていることに変わりはありません。
一度だけの結果や、記録だけではなく、あと3試合、そのすべてを通して12名に選ばれた選手たちの姿を見ていてください。
その人にしかないプラス要素がいっぱい、いっぱいあります。
日本戦はもちろん、今日のEプール第3試合、ポーランド×ロシアの試合も、終わった瞬間思わず涙が出てしまいそうなほど、感動する、バレーって面白い!と思わせる試合でした。
応援も、意図的なものではなく自然発生的な、これぞ世界選手権という応援でした。
あんな試合を1人でも多くの人に見てほしいと願ってやみません。
明日の仙台では、決勝ラウンド進出が決まるアルゼンチン×カナダ戦もあり、今年から松下電器でプレーするソト選手と、NECでプレーするファイディ選手が属するプエルトリコ×チュニジア戦、ともに全勝対決のポーランド×セルビアモンテネグロ戦があります。
あと3日。
どうぞみなさま、バレーボール世界選手権を堪能して下さい。
バレーボールの面白さが1人でも多くの方に伝わりますように。
posted by tanaka yuko |02:08 |
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2006年11月22日
アルゼンチンに3-1で勝利。
まだ明日のポーランド戦が残っていますが、25日から仙台で行われる第2ラウンドへの進出が決まりました。
それにしても。
試合後に千葉選手が言っていた
「中国戦で負けた悔しさでチームが同じほうを向きだした。そこにプエルトリコ戦の(山本)隆弘の活躍が、『絶対決めてくれるエースが帰ってきた』というチーム全体の信頼、安心につながり、より強く1つにまとまることができている」
という言葉がとても印象的でした。
途中出場の阿部選手も、「今日のできは70点」とのこと。
もっと速攻を絡めたり、できるコンビがあったのにうまく合わせられなかったことが-30点の要因だそうです。
ミックスゾーンで阿部選手に取材している際、思わぬ乱入(?)者が。
今年5月に引退した青山繁さんでした。
青山さんに気づいたときの阿部選手、とても嬉しそうで「明日からまた頑張ります」と言っていました。
引退する際に、「悔いが残っているのは、もう一度五輪の舞台に立つことができなかったこと」と言っていた青山さんに、今の全日本はどう映るのだろう。
そんなことも考えてみたり。
何はともあれ。二次ラウンド進出決定。
さらなる進化に期待します。
それから、「明日以降もチームを底で支えます」と言っていた千葉選手、立ち上がりの5連続得点の立役者なのに、レセプションに苦しみ試合後も喜びながらも少し悔しそうにしていた越川選手にも。
posted by tanaka yuko |00:53 |
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2006年11月20日
勝負ごとは、何が起こるかわからない。
そんな試合が連日続く、男子バレー日本代表の戦い。
昨日の試合は、数字にならないミスが多すぎた。
たとえば。
相手スパイクに対するフォロー体制。
レシーブが崩されたときの二段トスの正確さ。
チャンスボールをきちんとチャンスにしているか否か。
数字になるところでは、レセプション成功率も低く、コンビを生み出すに至らず、相手ブロックにかかることも多かった。
その経験を踏まえ、今日のプエルトリコとの一戦。
どのように報道されていたかどうかはわからないが、今日のスタメンの千葉選手のサーブカット返球率はとても安定していた。
レシーバーというのは、目立たない。
そんなときこそ、すべき働きがなされていると思う。
バレーボールのセオリーは、サイドアウトはセンターで取り、チャンスはエースが決める。
つまり、相手サーブからの切り替えしは、正確なサーブカットを返して、センターのクイックで相手ブロックをつかせずに切る。
反対に、相手の攻撃をしのぎ、自チームにチャンスが生まれたらサイドやバックのエースに託し、点を取る。
これが一般的なセオリーであり、1、2セットは久しく見たことがないくらい、この形が完璧に近いほどにできていた。
世界選手権で初めて(日本男子戦で)ストレート勝ちだなと思っていた。
負ける気がしなかった。
それが急に崩れだす。
相手が徹底してこちらのレシーバーを絞って狙ってきたこと。
セッターの朝長選手が、自身も言っていたように「相手がセンターに対して警戒してくると思い、あえてセンターを外した組み立てをしたが、相手が思ったよりセンターに対して警戒せず、策が裏目に出てしまった」ということ。
1、2セットで完璧に近いほど組み立てられていたスタイルが崩れ、3セット目を奪われ、4セット目も苦戦した。
コンビを組み立てた朝長、それに応えた斎藤、山村の両センターだけでなく、前半の功労者は間違いなく千葉だった。
安定したレセプションが、確実にチャンスを生み出し、サイドアウトを取る原動力になっていた。
でもこれで勝ちきれない。
「それが今の、日本の男子バレーの置かれた状況であり、一歩先に進めないところ」、試合後に千葉が言ったように、あと一歩が決めきれない。
決めるべき人が決めなければ勝てない。
それは石島でもなく、越川でもなく、山本だった。
彼の復活が必要だった。
苦しい場面でトスが挙がり、それを決めるのがエース。
「あの場面になれば、技術の問題じゃない。すべて気持ち。みんなの気持ちが伝わってきたから、自分も気持ちを込めて打った」
これをずっと待っていた。
朝長は「隆弘さんに決めてほしかった」と言い、千葉は「隆弘が決めてくれると思っていた」と言った。
困難な状況であることは変わらない。
しかし間違いなく1つの光明が差し始めた気がしてならない。
そう願っているのかもしれない。
何はともあれ、36-34というバレーボールとは思えないスコアでつかんだ2勝目。
2次ラウンドの仙台へ向け、火曜のアルゼンチン戦、水曜のポーランド戦も楽しみです。
posted by tanaka yuko |01:45 |
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2006年11月10日
今日のトルコ戦で、日本は2次ラウンド初勝利!
「みんなが1つになった」「チームとして戦った」という言葉とともに、すべきことが、明確になったある種の開き直りから生まれたすがすがしさがとても印象的だった。
とても大きな勝利だったと思う。
とはいえ、明後日、そしてその翌日に対するはセルビア・モンテネグロ、イタリア。
どちらもかなりの強敵だ。
世界ランクだけ見れば、セルビア・モンテネグロは30位。世界大会への出場も少ない。
「セルビア・モンテネグロ」という国として出場する最初で最後の世界大会が今回。国の代表として戦う誇りが彼女たちを強くしている。その見かたは間違いではない。
でも「これで最後」というメンタル面のプラス要素以外に、まず、セルビア・モンテネグロのバレーの堅実さは半端ではない。
レセプション(サーブカット)、ディグ(スパイクレシーブ)など、数字に残るディフェンス面の効果だけでなく、数字に残らない確実なプレーのもとで、セルビア・モンテネグロのバレーは成り立っている。
これはイタリアももちろん同様。数字に残らない確実なプレーが強さのベースになっている。
たとえば。
ブロックフォロー1つとっても、バックプレーヤーがきちんと枚数をアタッカーに伝え、フォロー体勢になって構え、ボールが上にあがる形でレシーブの面をつくる。
相手の強打をセッターがレシーブした場合も、誰がそのボールを挙げるかという明確な約束ごとがあり、そのセオリー通りにコートの6人が動く。
安易なミスがない。
これは強いチームをつくる絶対的要素だと思う。
そのうえで、セルビア・モンテネグロや、イタリアには決定的場面で決めきる能力を持つアタッカーがいる。
強いはずだ。
では、こんな堅実で高さのあるバレーには、日本を始めとするアジア勢はどう立ち向かうべきか。
韓国の金監督曰く「強い力を持ったブロッカーとレシーブの連携が取れなければならない。これまではオフェンスのコンビネーションばかりに着目してきたが、これからはディフェンスのコンビネーションプレーもより固めていかなければならない」とのこと。
シンプルな要素をつきつめることほど、難しいことはない。
なかなか容易な道のりではなさそうだ。
名古屋での2次ラウンドはあと2戦。
日本がどんな戦いを見せるのか。
勝敗だけでなく、これからのアジア勢の戦いぶりに大きなヒントを与えるような試合が見たい。
posted by tanaka yuko |00:48 |
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2006年11月06日
世界バレー1次ラウンドもいよいよ今日が最終日。
既報の通り、日本代表はポーランド代表に3-1で勝利し、2位で2次ラウンド進出を決めました。
名古屋での2ndステージも楽しみな限りです。
日本代表もさることながら、この1次ステージ代々木会場(Aブロック)で、私が最も強い印象を抱いたのはケニア代表チーム。
結果は5戦全敗。惜しくも勝ち星は挙げることはできなかったけれど、キャプテン・ナコミチャ選手の試合終了後の会見で発した言葉がとても印象的なものだった。
1次ラウンドすべてと、今日の韓国戦の感想を述べられ、彼女はまず淡々とした表情で、「今日が最後の試合だったのでベストを尽くそうと試みたが、昨日の敗戦のショックを拭いきることができず、ムードに乗ることができなかった」と話した。
通訳が訳し、同じ質問を韓国代表の選手に振ろうとしたところ、それを彼女は制し、「もう1つだけ」と続けて話し始めた。
「この場を借りて、菅原監督にお礼が言いたい。私にとって、ケニアチームにとって、監督はバレーのコーチであるとともに父親のような存在だった。もう一度一緒にケニアに戻り、また監督に指導してもらいたいと強く願っています」
あまりにストレートな感謝の言葉に、思わず涙腺が緩みそうになった。
そして、ナコミチャキャプテンに「あなたが菅原監督から教えられたことのなかで、特に大きなことは何でしたか?」と聞いた。すると彼女は、1つ1つを噛み締めるように言った。
「私は監督に出会うまではケニアの外でバレーをする経験などなく、ただジャンプしてボールを打つだけ、レシーブもスパイクも基礎を何も知らなかった。そんな私たちに、監督は日本で練習する機会を与えてくれて、プロとしてプレーするきっかけもつくってくれた。常に監督の指導を受け続けられたわけではなかったけれど、監督が自分のよさを生かすプレーを教えてくれた。この年齢(今年36歳)で現役を続けている選手はほとんどいないし、同じ頃にプレーした選手たちはみんな引退している。そのなかで私が現役選手としてモチベーションを保ちながらプレーすることができているのは、監督のおかげだと思う。本当に感謝しています」
心のなかの思いを、言葉にして一気に吐き出すかのように、ナコミチャは言った。
そして、監督より先に退席する際に、菅原監督とがっちり握手をした。
とても美しく、胸を打たれる光景だった。
2人の強い信頼関係を感じた。
特別なコートなどなく、体育館の数も限られている。
野原に穴を掘り、木をポール代わりに立てて、そこにネットを張り、1つしかないボールを使ってゲーム形式の練習をする。
それがケニアでのバレーボールの風景であり、バレーボール事情だという。
かつて柳本監督の指導にもあたり、現在はバレーボール協会強化副委員長を務める菅原監督が、ケニアチームの指導に携わり始めたのは3年前。ケニアからの要請にこたえるかたちで、監督としての指導が始まった。
英語を話すことができず、選手たちに思うように意思疎通がはかれない。
「自分が情けなくて、情けなくて、毎晩ひとりで涙を流していた」
67歳になる指揮官は、そうつぶやいた。
何とかして伝えたい、教えてあげたい、そんな必死の思いが、カタコトの単語とジェスチャーを介して、少しずつ選手たちに浸透し始め、今では顔を見るだけで選手が何を考えているか、何が言いたいのかがわかるようになった。
世界選手権に向けて、「3ヶ月間で1年分の強化をしよう」とハードな毎日を過ごした。
朝は7時20分に宿泊先を出発し、それから17時過ぎまで一日7時間以上に及ぶ練習をした。
「まだまだ世界大会にでるには恥ずかしいレベルかもしれない。でも少しずつ、新しい芽も育っている」(菅原監督)。
次なるステージへ向け、世代交代の必要性を訴えた後で、「でもナコミチャだけは別。彼女には40歳まで現役を続けろと伝えてあります」と笑った。
ここでもまた、2人の信頼関係が垣間見えた気がした。
最後に「みなさんが期待してくれたものに応えられるバレーが見せられなくてすみません」と笑顔で残し、菅原監督は立ち去った。
謙虚に、相手を立てることを忘れない真摯な人だった。
自国の強化委員が、他国のバレーのために指導にあたるということに、異を唱える声も少なくなかったという。
しかし菅原監督がケニアに残したものこそがバレー普及のための大きな功績であり、こういう人こそが、名将と呼ぶにふさわしい人なのだと思う。
ケニア代表は明日、日本を後にする。
彼女たちを率いた父である、菅原監督は日本に残り、帰国する彼女たちを見送る。
結果だけを見れば、ケニアは勝利を挙げることはできなかった。
けれど、確かな絆と信頼関係のもとで築かれた大切なものを残してくれた。
いよいよ水曜からは2次ラウンドが始まる。
勝敗だけでなく、きっとたくさんの物語がそこに存在していることだろう。
楽しみは尽きない。
posted by tanaka yuko |03:03 |
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2006年11月04日
対ケニア戦、3-0のストレート勝ちで2勝目。
いよいよ明日は韓国戦。
今日のケニア戦では、ここまでスタートを外れ、サブに回っていた杉山選手が3セット目から出場し、開始早々にブロックやクイックなど、杉山選手らしい動きで、しっかり存在をアピールしました。
世界バレーが開幕した31日、今日と同じように途中からの出場となった杉山選手。入ってすぐのコンビで、思い切り跳んでBクイックのおとりに入っていた姿がとても印象的で、試合に出たい、打ちたい、流れを変えたい、そんな強い思いを感じました。
きっと今まで、そんな思いを味わっていた宝来選手が、今このコートに立ってプレーし、活躍しています。
途中交代とはいえ、宝来選手も決して悪かったわけではなく、柳本監督もそう明言しています。
それほど熾烈なレギュラー争いであり、杉山選手曰く「レギュラー争いは今始まったことではなく、今までもこれまでもずっと同じように繰り広げられてきた」ことです。
だからこそ、今コートに立ったときに全力を尽くす。
そんな姿が、今日の杉山選手のプレーだったと思います。
笑顔が戻ってよかった。
いい笑顔でした。
今年からはNECのキャプテンを任された責任感は、こんなところでも生きている気がしてなりません。
それにしても、ケニアチーム。
末恐ろしい。
レシーブのコース取り、ブロックのシステム、要所でセンターを絡めるコンビ、どれをとっても伸びる要素がいっぱいです。
何より、見ている人が思わず応援したくなるような楽しそうな雰囲気。明るさ。
また見たいと思わせるチームです。
あの身体能力にシステムと細かい技術が加わったら……。
どうなることやら。
でもちょっと楽しそう。見てみたい。
明日は日本対韓国もそうですが、チャイニーズタイペイ対ポーランドの全勝対決もあり、楽しそうにバレーをすることでは引けを取らないケニア対コスタリカの試合もあります。
明日も要注目!
posted by tanaka yuko |01:59 |
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2006年11月03日
まさかの敗退から始まった、日本代表にとっての世界選手権。
昨日のコスタリカ戦の勝利で、1勝1敗。
明日(正確には今日ですね)からはいよいよ3連戦。
ケニア、韓国、ポーランドとの戦いです。
ここまでの試合、もっとやってくれるはず!と思う選手もいれば、どんなときもいつもと変わらぬ安定感を出している選手、きっとあの場に立てばこんなプレーをするのに!と思わせる選手、いろいろな表情があります。
もしも会場で観戦する機会がある方がいたら、試合前の練習時の選手が放つスパイクの「音」に注目してみて下さい。
調子の善し悪しをはかるのに、これ以上正直な証拠はありません。
もちろん日本以外のチームも同じ。
世界のバレーから学ぶこと、見えることはたくさんあるはず。
結果も1つの楽しみ方だけれど、いろいろな楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか?
posted by tanaka yuko |01:56 |
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