2008年08月25日

男女バレー決勝を見て

北京オリンピックもいよいよ閉幕。
昨日は男子バレー、一昨日は女子バレーの決勝を見てきました。

これまで、2試合が1カテゴリーとされていた予選ラウンドでは、日本戦と中国戦がほぼ同じカテゴリーに含まれていたため、中国人の中国チームを応援する熱気は実際に見て、知っていました。
中国女子は3位決定戦に出場しますが、3決、決勝が続けて行われる男子と異なり、女子は3位決定戦、決勝が昼、夜にそれぞれ行われるためチケットのカテゴリーも同じではありません。

果たして、両チームが出場しない決勝戦はどうなるのか。
会場は盛り上がるのか。
どれほどの人が来るのか。

いろいろな憶測を持って入場してみると、「盛り上がるのか」などという危惧は、全くの愚問であったことを知らされます。
もちろん、ブラジル、アメリカ両国の応援団も多くいますが、それ以上に、純粋にバレーを楽しもうと来場した地元の人たちの熱気は予選ラウンドと変わりはなく、頬には相変わらず中国国旗をペインティングしていましたが、ブラジル国旗を持ったり、アメリカ国旗を持ったり、男女とも、決勝戦に訪れた観客の盛り上がりは予想以上でした。

そんななか行われた男女決勝。
既報の通り、女子はブラジル、男子はアメリカの優勝で幕を閉じました。

何が勝敗の差になったのか。
私が見ていて思ったことは、まず女子では二段トスの正確性です。
ブラジルのエリア・ソウザ(フォフォン)選手はトスワークだけでなく、ディグの能力にも長けているため、ソウザ選手がレシーブをした場合、センタープレーヤーが二段トスをあげます。
その二段トスが、非常に正確で、ただ単純に「あげただけ」というものではありませんでした。
アメリカ戦では、センターのファビアナ選手が二段トスをあげる際、アメリカブロッカーはセンターからライトサイドへ移動(攻撃側から見るとレフト側)しましたが、そこでファビアナ選手はライトへきれいに二段トスをあげ、1枚になったシェイラ選手がクロスにスパイクを決める場面もありました。

もちろんこれはデータに基づき、綿密に練られた戦術あってのパターンであることに間違いはありません。
ただ、それもそこに対応しうる技術あってのこと。
スパイクやブロックの場合は「身体能力でかなわない」ということもありますが、二段トス、レシーブはそれだけではありません。
実に地道な作業ですが、大事な場面でこうして形に表れるものでもあります。

同様に、男子の場合は鍵になったのが、相手ブロックをどう使うかということだったように思えました。
相手ブロックにスキがなく、しかも1人1人のブロック能力も高い。そこで得点するために、いかにリバウンドを取るか、また、守る際にはどのコースをあけて、どこを絞るか。
これも細かなデータ分析に基づいて、さまざまな策が練られています。
でも、やはりそれができる、できないは技術の差。アタッカーがスパイクをブロックに当ててリバウンドを取っても、それをフォローする人がセッターに返せる技術があるか。その練習をしているか。フォローレシーブがチャンスボールにならなくても、トスへつなげられるか、スパイクにつなげられるか。
細かく言えばいくらでも出てくるのですが、とくに終盤、アメリカがブラジルに勝っていたとしたら、その第一はつなぎのプレーだったと私には見えました。

陸上4×100mリレーでも、日本男子はバトンの受け渡し技術に優れているといわれ、そのつなぎ能力の高さで80年ぶりの短距離競技でのメダルを獲得されたと言われています。
バレーでも、最高峰の戦術、技術がぶつかり合うオリンピック決勝の場面で、やはりその差になったのはつなぎ。
清水選手も「自分はつなぎのプレーが足りないから、そこがこれからの課題」と言っています。今回のオリンピックを体験して、それがより顕著に感じられ、克服されていけばとても楽しみだと思います。
ただそれだけに、さまざまな事情もあると思いますが、男子バレー日本代表チームが、決勝の試合を会場で見ていなかったことは残念に感じられました。

鳥の巣の聖火も消え、また新たな4年の戦いが始まります。
今回の五輪も、それぞれの思いを持って迎えた選手、過ごした選手、見ていた選手。
これからの4年。長いようで、あっという間です。
今日の北京はまた、白い空。ロンドンへの4年が始まりました。

posted by tanaka yuko |12:57 | 北京五輪 | コメント(3) |
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