2006年12月04日
ブラジルの優勝で閉幕した2006世界選手権。
10月31日の開幕以来、いろいろなことがありました。
最終日の今日、最も印象的に残ったのは、セルビア・モンテネグロのウラジミール・グルビッチ選手。
5年前に日本でもプレーし、今季限りで代表引退を表明しているグルビッチ選手。
「セルビア・モンテネグロ」という国の代表として臨んだ最後の大会。
試合を終えてしばらくの間、コートの端に座り込んだまま立ち上がらなかったグルビッチ選手。5分ほどして、意を決したように立ち上がり、ミックスゾーンへ。
その間、日本でも知名度の高い彼のもとには、写真やサインを求め多くの人が列をつくった。
ついさっきまで、がっくりとうなだれて下を向いていたのに、その要望に彼はできる限り応えた。
笑顔で手を振り、ミックスゾーンにやってきた彼に、自身にとっても、国にとっても最後になるこの大会について、終えて今の率直な思いを聞いた。
「ブルガリアのほうが準備ができていた。我々が準備が足りなかったわけではないけれど、彼らのほうがその準備がよりできていたということ。銅メダルがほしいという思いに変わりはない。侍のように強い気持ちで一瞬一瞬の勝負に臨む以上、それが足りなかったというだけ」
一気に、そう言った。
有終の美を飾るべく臨んだ最後の大会で、4位という結果に終わったことについて、何が足りなかったと思うかという問いに対しても、
「信じあえる気持ちが足りなかったのかもしれない」
と、嫌な顔をすることなく、どこか淡々とそう言った。
これで代表引退を表明していることについて触れ、「悔いはないか?」という問いに対して、グルビッチは言った。
「ない」
笑みを浮かべて。
そして、最後にもう1つ。
「あえて悔いを挙げるのであれば、あと10年この国の代表としてプレーすることができないことかな」
すべてを出し尽くした、そんな表情だった。
これまで1試合も負けずに進んできたポーランドも、決勝で敗れ2位になった。
表彰式では、昨年交通事故で不慮の死を遂げたチームメイトのナンバーと名前が刻まれたユニフォームをまとい、2位という成果を彼に捧げた。
監督、キャプテンともに、
「優勝できなかったことは悔しい。でも、この2位という結果を誇りとして堂々と胸を張って国に帰りたい」
そう言った。
日本代表は8位。
目指していたベスト8を達成し、1つの満足感はあったと思う。
でも、確かな課題は残った。
最終戦になり、やはり「荻野頼み」という感があったことも否めなかった。
この結果から見えた課題、成果、さまざまなものが浮き彫りになった。
試合後、手を振りながら荻野キャプテンを先頭にコートを一周した日本代表選手の姿を見ていたら、確かな手ごたえも得られたのかもしれないと思った。
でも、まだまだ足りない。
目指すべく五輪は、2年後に迫っている。
男女合わせて22日間の戦いが、実りあるものであったという舞台は、また先に用意されている。
清々しい表情で「悔いはない」と言い切る終わりを迎えるためには、取り組むべき課題はまだまだあるはずだ。
posted by tanaka yuko |03:26 |
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