2008年11月24日
JT、東レのアップに注目
今シーズンのバレーボールは面白い。 先週、先々週同様に、仙台市体育館での4試合も非常に見ごたえのある試合が繰り広げられました。 各チームの戦いぶりについて、いろいろと書きたいことがあるのですが、とりとめもなく長くなりそうなので、最も気になった2つのことをここでは記そうと思います。 まず1つ。 今季のJTのブロックは必見です。 きちっと組織化されたブロックで、「抜かせる」「打たせる」という意識ではなく、サイドブロックが「止め」、それをセンターがフォローする。キルブロックだけでなく、ワンタッチを取ったボールは後衛が確実にレシーブでつなぐ。 非常にシンプルで、当たり前のことを書いているように思われるかもしれませんが、この土日のJTを見ていて、正直なところ、ブロック能力、ブロックシステムの質の高さに度肝を抜かれました。 面白い。 これにはいくつもの裏づけ要素があると思いますが、その1つとして、私が気になったことがありました。 ウォームアップも含めた、トレーニングの変化です。 試合開始前、JTの選手たちのトレーニングを見ていたら、股関節を意識させるためのランジウォークやサイドランジ、四股が取り入れられていました。もちろん股関節のみならず、肩甲骨周囲の筋群や体幹部へのアプローチも組み込まれていて、「どこを意識すべきか」というのがとてもわかりやすい内容でした。 トレーニング効果はすぐに出るものではありませんが、意識の効果は表れます。宮下選手、町野選手といったミドル陣のサイドへの移動時も膝から動くサイドステップではなく、股関節から動くということが意識づけられていて、身体の軸がぶれずにブロックに入っていたので、相手のスパイクにも簡単には弾き飛ばされず、ワンタッチを取った後のフォローへの移行も早い。1試合で16本という数字だけでなく、JTブロックの素晴らしさにワクワクしてしまいました。 ブロックという最大の守備を生かすための、リベロの酒井選手や守備に定評のある徳元選手を中心にレシーブ体系もしっかりと構築されています。また次の試合が見てみたい。今季のJTはそんな期待を抱かずにはいられません。 そしてもう1つ。 東レのウォームアップ、対人、スパイク練習です。 試合前のアップでは、全員でコートをジョグで周りながら、サッカーのブラジル体操のように、身体をひねる、伸ばす、振り上げる、など複数の要素が組み込まれています。 JTのアップが「股関節」を重点的に意識していたように、東レのアップはまず肩甲骨周囲へのアプローチから始まり、体幹、股関節へと移行します。とくに身体的にも発展途上の高校生には、学ぶべきこと、取り入れるべきことが多くあるように感じられました。 そして、ボールを使っての対人レシーブ。 私は個人的に、対人練習を見るのが大好きで、この練習をいい加減にしている選手はどれほど他の評価が高かろうとあまり好きになれません。なぜなら、ボールを打つ、拾う、つなげる、バレーボールで最も大切な基礎要素が含まれているのがこの対人レシーブだからです。 いい加減に打ち、いい加減に拾っていてもそれなりにボールはつながりますが、生きたボールにはならず、生きた練習にはなりません。もしも試合開始よりも1時間以上前に来場できる方がいれば、ぜひ東レの対人レシーブを見て下さい。 なかでも、越谷選手、田辺選手、掛川選手の対人は必見です。 さらにもう1つ、スパイク練習。 オリンピックやワールドカップなど、国際大会を見ていて、1つ感心したことがありました。イタリア女子が試合前に行っているスパイク練習です。 普通は2人のセッターが入り、スパイカーは2コースからそれぞれのコンビ練習を行っているのですが、イタリア女子はレフト側でスパイク練習を行う際、アンテナに近いセッターはA、Bクイックを上げ、コート中央に近い選手はサイドへのトスを上げ、スパイカーもそれぞれがあわせたい位置からスパイクを打つ練習法を取り入れていました。もしかしたら私が不勉強なだけで、非常にポピュラーな練習法かもしれないのですが、自分の目で見たことはなく、イタリア女子のコンビ練習を見て、「何と効率的な練習だろう」と感心しました。同様の練習法が今回、東レでも見られたので思わず見入ってしまいました。 移動に時間がかかり、余裕を持って体育館に入れないこともありますが、JT、東レの練習を見ていたら、今後は出来る限りさまざまなチームの試合前練習に注目してみたくなりました。 今季初勝利をフルセットで飾ったNECも、前節、前々節ではつまらないスパイクミスが出ていましたが、今節ではバックアタックのライン踏み越し、チャンス時のスパイクアウトはなくなりました。とくに金子選手、前田選手が自主練習時にはサイドからのストレート打ちと、バックアタックを繰り返し練習していました。その確実な成果が、ここに現れたのだと思います。 勝利で自信を得た、今後の戦いがさらに楽しみです。 先週までは「有言実行」で好調を保っていた豊田合成ですが、今週は得意の「サーブ&ブロック」に持ち込むことができず、連敗を喫しました。 会見時に松田監督が発するコメントも厳しい言葉が多くなりましたが、1週空いて再来週のホームゲームでどんなバレーを見せてくれるか。苦境からの建て直し、まずその第一として島野選手、高橋選手のトスワークに注目したいと思います。
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posted by tanaka yuko |04:02 |
バレーボール |
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