2007年04月08日

セミファイナル第2戦、大阪

チーム一丸となって臨む短期決戦、セミファイナル。
しかし「勝利」を手にするために、絶対に不可欠なのが「柱」となり、「軸」となる存在。 

セミファイナル第2戦、サントリーサンバーズと、東レアローズを勝利に導いたのは、強く、折れない2人の“柱”だった。

初戦をストレート勝ち、攻撃陣の調子もよく、さらにそこに加えてセミファイナルやファイナルを何度も経験している強みもあるサントリーサンバーズ。
第2戦目の豊田合成トレフェルサ戦でも、レオナルドを中心に、破壊力のある攻撃にプラスして、センター線からのコンビをうまく絡め、序盤から優勢に試合を運ぶ。

1セット目を先取し、2セット目も危なげなく連取。
迎えた第3セットもサントリー優位は変わらない。
しかし終盤に近づき、後がなくなった合成もエースのファビアノを中心に攻め込み、反撃に転じる。
いくつもある攻撃の枚数。そのどこを使うことで、よりチームを勝利に近づけることができるのか。
20-22、21点目と23点目をかけた攻防。合成のサーブはファビアノ。
バックアタックと見間違うほどの強烈なサーブがサントリーコートに見舞われる。
しかし、そのボールを荻野が処理し、ボールはセッター・栗原へ。
迷わず、栗原はレフトの荻野へトスを挙げる。
「荻野さんからの『自分のところにトスをもってこい』という視線を感じながら挙げた」
笑みを浮かべながら、振り返る栗原。
強固なる大黒柱が、サントリーに2勝目をもたらした。

2試合目は、初戦をストレート勝ちのパナソニックパンサーズと、ストレート負けの東レアローズ。
すでにサントリーが2勝目を挙げている。ここで負ければ、東レには決勝進出のチャンスがなくなる。

スタートメンバーのなかに、背番号「11」がいる。
試合前に何本もの痛み止め注射を打ちながらも、「痛みについてはここで話をすることもできないほど」というほどの痛みを抱えたニコロフがコートに立った。

「東レさんはもう後がない。当然ニコロフが出てくることも予想していた」
パナソニック下村監督の予想をもはるかに上回る、ニコロフの不屈の精神力からなるプレーが、試合開始から随所で展開される。
自身が放つ最初のサーブをサービスエースで飾り、ベンチに向かって「どうだ」とばかりに指を差す。大事な場面で帰って来た、絶対的エースに抱きつく東レの選手たち。
1セットだけで3本のサービスエースを奪うニコロフの活躍で、第1セットは東レが先取。

「最後に決めてくれる存在がいてくれるということがチームにとっても大きかった」
昨日の敗戦後とは一転、安堵の表情で試合を振り返った東レのキャプテン・篠田。
前日の敗戦後、選手同士で「もう一度、自分たちのバレーに帰ろう」と話し合い、コートの中を走り回りながらプレーすること、その姿で相手に対してプレッシャーを与える“東レバレー”への回帰が、価値ある1勝の要因になったと語った。

シーズンを通しても、あまり賛辞の言葉を出すことのない矢島監督も、この日の試合を「ベストゲーム」と述べ、その理由をこう示した。
「優勝した年を除いて、大事な試合ではなかなか勝つことができなかった。それが今日のようなプレッシャーのかかった試合で、選手たちが最高のモチベーションを持って臨んでくれた。自分たちでつかみ取るという、非常にいい状態でできた試合だった」

勝因は1つではない。
いくつもの条件が連鎖して、ベストプレーやベストゲームが生まれる。

ニコロフは言った。
「ケガをしたときは楽観的な状況であるとは言いがたい。でも、プレーするのが不可能な状況のなかで、チームドクターやトレーナーがそれを可能な状況にしてくれた。彼らの力がなければ私はここに立つこともできず、この勝利もなかった。そのことに、まず感謝したい」

決勝へ進出するのは2チーム。
王者になるための権利をかけた戦いに臨むことができるのはどのチームか。
勝因の引き出しを、より多く持ちえるのは、果たして――。

posted by tanaka yuko |10:29 | バレーボール | コメント(0) |
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