2007年04月07日

セミファイナル第1戦、大阪

セミファイナル第1戦、対するはレギュラーラウンド第1位のサントリーサンバーズと、第2位の東レアローズ。

対戦成績は2勝2敗。
これまでの勝敗は関係なく、この3戦のみの勝敗で決勝進出が決まる、一発勝負といっても過言でない短期決戦。
レギュラーラウンドとはまた異なる、独特の緊張感が漂う。

出だしから、レオ、高杉、オポジットの両選手を中心とした攻撃で、互いが点を取り合うサイドアウトの攻防が続く。
1点、1点と刻まれていく展開を打破したのは、サントリーのキャプテン、栗原のサーブだった。
サーブレシーブをするサイドの今田、リベロの田辺のちょうど間、絶妙な場所に放たれたサーブがエースになり、まず1点。
栗原のジャンプフローターにレセプションが乱されたところを、山村のBクイックでまた1点、そして焦りから打ち急いだ感が否めない今田のスパイクミスでまた1点。
12-12だった得点は、15-12とサントリーが一気に突き放し、二度目のテクニカルタイムアウト。

ベンチアウトの勝野、山本がメガホンを持ち、コートの選手に声援と指示を送る東レ。
雰囲気は悪くない。
しかし、短期決戦に必要な「勢い」を得るための突破口がなかなかみつからない。
セッター・近藤の丁寧で堅実なトス回しから、今田や高杉が攻撃を仕掛けるも、流れを再び引き寄せるほどの爆発的な攻撃力とは言いがたい。

「序盤の勢いに乗りたいところで、レオがよく決めてくれた」
セッター・栗原の言葉通り、第1セットで10本中8本のスパイクを決めたレオナルドの活躍で、まずサントリーが25-19で先取。

続く第2セット。
「流れを変えるためのキッカケになればと思って、選手交代を試みた」(矢島監督)
セッターは近藤から阿部へ。
高さのある阿部。第1セットと比べて、東レのブロックからの返球率、攻撃決定率が少しずつ上がり始める。
5-7とサントリー2点リードの場面、ベンチでは矢島監督がニコロフを呼ぶ。

今季の東レの絶対的エースとして、チームを牽引してきたニコロフ。
レギュラーラウンド最終週の堺ブレイザーズとの試合中に捻挫をするというアクシデントに見舞われ、このセミファイナル出場も危ぶまれていた。
「起こってしまったことは仕方ない。今いる戦力で臨むだけ」
矢島監督はただそう言い続けた。

13-14、ニコロフ投入。
「何かを変えてほしかった」
競り合いのなかで、ニコロフがコートに入ることで、逆転に向けた起爆剤を生み出してほしい。
わずかなところでつかめずにいる“流れ”と“勢い”を手にしたかった。

大事な初戦。
「ウチはブロックされた選手ではなくて、ブロックフォローができなかった選手、しなかった選手を叱る。そこは徹底しているはずですよ」
今季からコーチを務める東レ・小林が言うように、徐々に本来のリズムを取り戻し始めた東レ、キャプテンの篠田や阿部のフォローから、攻撃が繰り広げられ、今田、斉藤の攻撃で応戦する。

しかし、
「ついていくのにやっとという状態だった」(矢島監督)
「今季一番のゲームができたと思う」(サントリー・河野監督)
指揮官の言葉が表すように、勢いの差は歴然としていた。
ピンチサーバー・吉田のサーブが功を奏し、第2セットの競り合いも制したのはサントリー。
「終盤の苦しいところで、レオが決めてくれた。2セット目を取ったことで気持ちに余裕が生まれ、3セット目にうまくつなげられた」(サントリー・越川)

2セット目を得たことでサントリーには「余裕」が生まれ、東レには「焦り」が生まれる。
「レギュラーラウンドから、センター線へのマークがきつくなることは予想できたので、あえて最初はサイド中心に組立て、サイドの選手がそれに応えて頑張ってくれた。3セット目からはブロックがそこに振られていたので、逆にセンター線を使ったことで、よりよく機能できたと思う」
司令塔・栗原の巧みなトスに、翻弄される東レ。
攻守の連係が崩れ、第3ット序盤に喫した7連続失点が響き、第3セットは25-15と大差をつけてサントリーが手にし、セットカウント3-0、最高の形でセミファイナル初戦を終えた。

「2セット目を取られたことで後がなくなり、コートにいたメンバーのプレッシャーが空回りして、ミスが出て、声も出なくなった。3セット目は、何もできなかった」
試合後、そう振り返ったのは篠田キャプテン。
ニコロフが投入されてもコートの雰囲気は変わらなかったこと、サーブで崩せなかったことで思い通りの展開に持ち込むことができなかったことを敗因として挙げた。


1位、2位対決に続いて行われたのは、レギュラーラウンド第3位のパナソニックパンサーズと、第4位の豊田合成トレフェルサの一戦。

「楽しくバレーをしようという気持ちで、この試合に臨んだ」
これまでVリーグで、どうしても「四強」の壁を打ち破ることができなかった豊田合成。松田監督の「楽しんでバレーを」という思いに加え、
「四強が決まるか、決まらないかというプレッシャーのもとで戦うほうがつらかった。今日はそのときよりもリラックスして試合に臨めていた」(盛重キャプテン)、肩の力がうまく抜けたプレーで、序盤はまず豊田合成が先行する。

17-19、豊田合成2点のリード。
抜群の跳躍力を活かしたソトのスパイクで18-19、その差を1点とし、続く19点目は宇佐美がブロックで豊田合成のエース・ファビアノを仕留める。
このブロックで一気にパナソニックが流れを引き寄せ、怒涛の7連続得点。25-20と逆転でパナソニックが第1セットを先取する。

勝敗を決するプレーは1つではない。
しかし、流れを引き寄せるための大きな鍵となり得るプレーというものがある。
「サーブで崩してブロックで仕留める。これができたときは、うちがすべきバレーができているときだと思う」
下村監督がそう発したように、山本、宇佐美が放つ強烈なジャンプサーブで合成の守備を崩し、2セット目だけで3本のブロックを記録した今井がまさに「壁」となり、その攻撃を阻む。
「まだまだきっちりしたバレーはできていない」(宇佐美)としながらも、ブロックで勢いを得たパナソニックが2セット目も連取し、第3セットも優勢に試合を運ぶ。

ここで松田監督は、セッターを島野から高橋へ、さらに盛重に代えて諸隈を投入。
「レシーブでつないで、二段トスをファビアノが決めるという展開はできていたと思う」(川浦)というように、中盤からジリジリと豊田合成が追い上げに転じ、第3セットはフルセットへ突入する。
短期決戦で大切なのは精神的強さ。「勝ちたい」という気持ちがどれだけ上回ることができるか。そんな気持ちの勝負を象徴するかのように、1つのボールに飛びつき、必死でつなぐ両チーム。
しかし、その思いが最後で上回ったのはパナソニックだった。
豊田合成・甲斐のスパイクを宇佐美がブロックし、最後はソトのスパイクが決まり、27-25、熱戦を制し、初戦を勝利で飾った。

2日目の今日。
サントリーが豊田合成に勝利し、パナソニックが東レに勝利すれば、両チームの決勝進出がほぼ決まるといっても過言ではない。

初戦を制した余裕が勝るか、それとも巻き返しに向けた意地が上回るか。
間もなく、その幕が開かれる。








posted by tanaka yuko |11:22 | バレーボール | コメント(0) |
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