2008年08月04日
クロアチア国内リーグ優勝チーム、『Croatia Osiguranje Zagreb』。
保険会社がメイン・スポンサーのこのチームはザグレブをホームとしています。
チームに関する詳しい情報は次回にして、まずは一番最近のニュースを。
クロアチア男子ハンドボールチームがザグレブから北京に向かったのは8月2日に
なりますが、その前夜である8月1日にクロアチア・オシグラニェ・ザグレブ(以下COZ)
とイヴァノ・バリッチ選手の契約が正式に結ばれました。約5ヶ月にわたる契約交渉に
やっと終止符がついた模様。
バリッチ選手は以前から、北京に向かう前に移籍問題の決着をつけ、ベストの状態
で五輪の舞台に立ちたいと強調していたのですが、ぎりぎりになったものの彼の願い
通りに全て解決。この契約成立に至るには、クラブだけではなくザグレブ市や財務省
も動いたことが報じられています。多額の移籍金を解決するためのようですが、その
金額についは以前直接本人から聞いた800000ユーロという説、700000ユーロという
説も流れており、COZとサン・アントニオ(昨季、バリッチ選手が所属)が最終合意した
金額については、現在のところ確実に把握できていません。
彼の移籍は、来年地元開催される男子ハンドボール世界選手権の優勝に向けて
大きな一歩になることは間違いがなく、欧州チャンピオンズリーグ制覇も同様です。
COZは次にペロ(メトリチッチ、シウダーレアルで残り2年の契約期間)の来季の
移籍を主な計画にしているとチェルバル監督が言明しています。
昨年から着実に進んでいるCOZの『クロアチア代表選手を母国に呼び戻す作戦』
(勝手に命名、仮称)は、ただ単にクラブチームの優勝を目標としているのではなく、
もっと広大な夢と期待を包括しているものです。
このことについては、いずれ詳しく記したいと思います。
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2008年07月30日
先程、知ったばかりで・・・半ば放心状態で、こちらを記します。
プロらしくない文章になるかもしれませんが、お許しください。
クロアチアハンドボールチームの右ウィング、イヴァン・チュピッチ選手が利き腕の
左手薬指を切断。7月23日晩のことだそうです。事故の詳細を書くのは辛すぎるので、
もう少し時間が経って、落ち着いてからにいたします。付け加えておくならば、この
事故は誰のせいでもないということ。そして、彼の選手生命が断たれるという最悪の
事態ではないの(それも今後の経過次第)ですが、彼が今回の北京五輪に出場する
ことは絶望的になりました。切断は左手薬指半分と報じられています。
私がチュピッチ選手と初めて会ったのは、今年初めの欧州選手権ノルウェー大会
のときです。インタビューに冗談を交えながら語る彼は、22歳とは思えない落ち着き
ぶりでした。その後、ザダルの最終予選で会いましたが、私が彼を19歳と間違えた
ことから何かとよく話すようになり、祝賀会でワイングラスを手にした彼に「日本では
お酒は20歳からだよ」と言うと「22だよ!」と、ぼけ(私)とつっこみ(チュピッチ選手)
ができる仲になっていました。みんなで一緒に散歩に出かけたとき、肩の高さ位まで
あるフェンスを越えるのに、最初に手を差しのべてくれたのもチュピッチ選手でした。
「今度は北京で会おう!」、そう言っていたのに・・・
バリッチ選手が話していた、「みんなが怪我がないように」
私も願っていたことですが、それは難しいこと、大きすぎる望みなのでしょうか。
少しだけ、ブログをお休みします。ご了承ください。
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2008年07月11日
バーバラはこう続けました。
スリッチは本当に素晴らしい選手だった。当時のヴォリよりもずっと上手かった。
彼は事故によって五輪出場を奪われ、1年以上を治療に費やしたと思う。奪われた
のは五輪出場だけじゃない、新しく結んだクラブとの契約も破棄されたはずよ。
ヴォリはスタメン起用されて、どんどん伸びていった。正直あんなに上手くなるとは
みんな思っていなかったかもしれない。
ヴォリが与えられた場に見合う、期待を大きく上回る活躍をしたのは、彼も見えない
ところで多くの努力を積み重ねたからだと思うの、あくまでも私の想像だけれど・・・。
うん、うん・・・ハンカチで目を抑えて、ただ頷いていました。
懸命にリハビリに励むスリッチ選手とコートで必死に走りこむヴォリ選手、金メダル
を得たヴォリ選手と五輪をテレビで見つめるスリッチ選手。4年前のそこまでの状況を
見る術も知る術もなかった私だけれど、2人の姿は目に浮かぶようでした・・・想像だと
言うヴォリ選手のことも、恐らくはバーバラの言葉通りなのだろうと。
そして、座っているときに膝をさするジョンバの癖、試合中に時折手を気にするペロ
の横顔、「怪我を抱えていない?大丈夫?」と訊ねても「ハンドボール選手なら誰でも
どこかに故障は持っているからね。いずれにしてもありがとう。僕のは心配ないよ」と
答えるヴェニオの静かな微笑み。そういったことが不意に思い出され、涙が止まらなく
なりました。もっともっと、話すことがあった、そんな気がして・・・。
最終予選の2週間前にジョンバは脚の手術を受けていました。今年に入って2度目の
手術だったと思います。私が見ている限り抱えていた痛みは相当なもので、最終予選
後に再び手術の必要があるかも、と話してもいました。しかし代表としてチームに所属
している間、大袈裟に脚を引きずるようなことを絶対に彼はしませんでした。プロとして
のプライド以前の問題だと私は思っています。
ペロは予選が終わって間もなく、手の手術を受けました。経過は良好ですが、まだ
リハビリ期間中で、五輪に間に合うかどうかをチェルバル監督が心配している状況に
あります。
スリッチ選手は事故の後、1年のリハビリを経て怪我を克服。現在はスロヴェニアの
強豪チーム、チェリエに所属しています。事前合宿のメンバーに入っているかは確認
がとれていませんが、Euro08でも活躍していましたし、北京入りする可能性は十分に
あるでしょう。(追記:スリッチ選手は1次合宿のメンバー22名に選出されていました!)
ヴォリ選手は深刻な怪我を抱えてはいないようです(最終予選時)。
余談ですが、私と50cm近い身長差がある彼を見上げながら「本当に背が高いわね」
と告げると、「うん、(自分は)とても高いよね。(ゆきは)とても小さいね」と答えました。
一瞬の沈黙の後、「英語の教科書のような会話だよね」と私が言うと、噴き出し笑いを
して頷き、「北京に来る?」と普通の会話(?)をしてくれました。
五輪までひと月をきり、きっと合宿で歯を食いしばっている頃です。
バリッチ選手が五輪への抱負として言った「みんなが怪我のないように」という言葉。
心からそうであるように願いながら・・・Idemo, Hrvatska!
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posted by yuki |00:33 |
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2008年07月10日
少し前の最終予選のクロアチアでの話しに遡ります。
前々から、最終予選が終わった翌日の6月2日はザダルに滞在して、バーバラと彼女
のご主人であるトモと3人でゆっくり過ごすことになっていました。たまたま3日に2人は
ザグレブに移動する必要があり、「Yukiも一緒に乗っていこうよ~」と薦めてくれたので
ご好意に甘えることにしました。
予選期間中、観光をする余裕がなく過ごしていた私を知っている2人は、海の近くの
見晴らしのよいところを車で走ってくれました。そんな中、無謀な運転をする車を見て、
怒りをあらわにしたバーバラが話題にしたのは、レナート・スリッチ選手のことでした。
ちょうど4年前のことだそうです。
スリッチ選手は2004年アテネ五輪の事前合宿メンバーに選ばれていて、練習(確か
初日だったと思う、とバーバラは付け加えています)に向かおうとして家を出た、まさに
家の前で、事故に遭いました。彼の膝を直撃し、当時医師が復帰は絶望的だという程
の重傷を負ってしまったのだと・・・。
バーバラもスポーツに身を捧げた人ですし、彼女の夢は小さい頃から常に「五輪に
出場すること」でしたから、スリッチ選手のことを思い出すと彼の無念さを考えずには
いられず、感情を抑えられないようでした。そんなバーバラを見て昔と変わらないって
安堵すると同時に、スリッチ選手の「ずしずしっ」とした重みある動きを思い出して目が
曇り、言葉を失ってしまうだけでした。
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2008年07月09日
Pakleni ・・・ クロアチア語の直訳で『魔王』、ハンドボール男子チームの別称
クロアチアチームでピボット(日本語ではポストですね)、トップディフェンスをこなす
イゴル・ヴォリ選手。今年初めのヨーロッパ選手権ではベスト・ディフェンダーに選ばれ
ました。203cm、107kgという恵まれた体格を持ちながらも、相当な運動量を持つ彼は
今世界で一番目をひくピボットではないかと思います。私個人としてはそこまでの身長
がなくても、どこか存在感のあるフランス代表のジル(弟、二の腕の太さに驚きました!)
選手のようなピボットが好きなのですが、ヴォリ選手の場合は「まだ伸びていくのかな」
という期待感があり、ここ数年は特に注目していました。
クロアチアでは有名なピボットがもうひとり・・・レナート・スリッチ選手がいます。
スリッチ選手のプレーは、無駄な動きがないように見受けていました。オフェンス側で
ゴールが決まった後、走るときに一瞬呼吸をおくような動きがあることに気付いたのは
いつだったか。ジョンバの怪我の状態がひどいときの動きと似ていて、彼も足に故障を
抱えていることは何となく理解しました。ただスリッチ選手の場合、動きのひとつひとつ
に「ずしずしっ」と音がするような重みがあって、同じピボットでも軽やかな印象のヴォリ
選手とは対称的でした。
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2008年06月27日
Pakleni ・・・ クロアチア語の直訳で『魔王』、ハンドボール男子チームの別称
クロアチアチームに関することを、気まぐれに綴ります。
先日、カレブ選手が引退を明らかにした記事を読みました。
以前は北京五輪もしくは来年の世界選手権後を時期として考えていたようですが、
代表に呼ばれる可能性が少ないことから、今季での引退を決断したそうです。怪我を
抱えていたとも聞いていますが、若手も着実に成長しているクロアチアだからこそ、
彼も決断できたのではないかと思います。
代表の引退に関しては、友人であるジョンバもまた、以前から言明しています。
彼は来年の世界選手権で代表を退くとのこと。北京五輪までと考えてもいるようです
が、チームの状態を見ながらのようです。
本人は「長く代表にいることは十分に伸びてきている若手のために良くないと思う」、
そう言っていました。世代交代の時期を見極めることができて、安心して後を託すこと
ができるのは、幸せなことかもしれません。
話しが戻りますが、カレブ選手はアテネ五輪に見せたシュートで有名です。
こちらからどうぞ。
また、先日記事を書かせていただいたバリッチ選手のシュートや名アシストを集めた
ビデオクリップも以前からご紹介したいと思っていました。こちらからどうぞ。今年初め
のヨーロッパ選手権のものです。
posted by yuki |07:45 |
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2008年06月18日
= The Arena : Ernst Happel @ Vienna =
スポーツナビ+の記事ジャンルを選択するのにサッカーを探したところ、サッカー関連
だけで4つも!あることに動揺を隠せない私です。今までハンドボールかバレーボール
の選択だったので気付かなかったのですが・・・欧州ハンドのカテゴリーができるのは
何年先、何十年先、いえ100年先かもと思いつつ(ため息)。
こちらでリンクをはらせていただいている10数年来の友人、長束恭行さんのブログを
拝見しつつEURO2008を楽しんでいましたが、クロアチアはグループBを首位通過!!
歴史的勝利と称された対ドイツ戦の後のビリッチ監督のコメントには、胸が熱くなり
ました。ぜひ長束さんのブログを訪れてみてください(こちらです)。
余談になりますが、昨日記したクロアチア男子ハンドボール監督リノ・チェルバル氏
のコメントといい、代表監督の言葉には深く考えさせられるものがあります。多角度に
物事を見ながら、己の言葉で表現する聡明さ、個人独特の言葉の魅力・・・魔力とでも
言いましょうか、そういったものを皆さんが持っています。そうであるが故に、その立場
にいらっしゃるのかもしれません。
準々決勝進出は既に確定し、対戦相手はトルコ、6月20日20:45キックオフ。
準々決勝に勝てば、19日に行われるポルトガル対ドイツの勝者と対戦。
10年前の興奮を思い出します。
1998年ワールドカップ・フランス大会、3位決定戦はクロアチア対オランダでした。
当時夏休みを利用して、ひと月だけですがクロアチアの語学学校に通っていた私は
シベニックでバーバラと共にその試合を観戦しました。
3位を決めたあの日、あの頃のクロアチアを一生忘れることはないでしょう。
Idemo, Hrvatska!!
posted by yuki |00:13 |
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2008年06月10日
= The Arena : Sports Hall Visnjik @ Zadar =
" U BOJ, U BOJ!"
メイン・サポーターが叫ぶと、ザダル・アリーナの反対側から自然に応えてくる。
" ZA NAROD SVOJ!"
その意味は・・・「戦え、戦え!祖国のために!」
サポーターの応援はその掛け声と歌と共に、60分間、会場に響きわたりました。
練習したわけでもなく・・・ただ皆がひとつになって止むことなく続くあの応援。
スポーツイベント・ハンドボール編集部さんの言葉を借りるなら「鳥肌が立つほど」、
久保弘毅さんの言葉を借りるなら「観客も含めて、クロアチアには世界のトップを争う
資格があります」。
試合後・大会後には、選手も監督も、サポーターに感謝すると何度も何度も繰り返し
告げます。インタビューに応える選手の誰もがサポーターへの感謝を伝えました。
サポーターが応援し、選手が結果を出し、言動でもその応援に応え、サポーターの
次も次も・・・という応援へと繋がっていく。関係者たちは選手の出す結果とサポーター
の応援にふさわしい場を作ろうとする。
クロアチアは来年、男子ハンドボール世界選手権の開催地となっています。
強いということ。
その何よりの強さは、そういう良き循環がまわっていくことなのだと思います。
彼らが「オオオーオオオオオー」と歌っていたのは、以下の曲のアレンジです。
SRCE VATRENO
ロシア戦が終わってからサポーターに応えるように、クロアチアの選手たちがコート
の中で歌い踊っていたこの曲。私の頭から離れるのは、しばらく先のようです。
(ロシア戦終了、円陣を組んだ後、メインサポーターの方を見るクロアチア選手たち)
posted by yuki |16:30 |
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