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国別対抗戦を終えて、改めて団体戦を考える

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国別対抗戦が終幕し、16-17シーズンの競技会が全て終了した。 日本は、2012年以来の優勝を飾ったが、 まさかカップル競技のレベルがさほど変わっていないのに優勝できるとは。 一昨年の国別の際、「国別対抗戦でメディアが「優勝」と煽るのはいい加減やめてほしい」という記事を書いた通り、男女シングルが力を出し切った上でいくつか番狂わせが起きなければ優勝は難しかった。 しかし、今回その番狂わせが細々としたところで割と起こっていた。 今大会好調を維持していたのは、日本チームと各国のカップル競技。 海外のシングル選手は総じて調子を落としていた(メドベデワは別格だけど……)。 ロシアは肝心のカップル競技で一度もTOPを獲ることができず、 カップル競技が好調だったアメリカ・カナダは大きな得点源となるシングル勢がイマイチ。 カップル競技で得点が抑えられても、 男女ともに力を出し切った日本に優勝が巡ってきたと言えるだろう。

そもそもこの国別対抗戦というのは、明らかに日本のために開催されている大会である。 思うに日本スケート連盟が大金をつぎ込んで、 主にカップル競技の強化と、若手にチャンスを与えるべく作られた大会ではないか。 開催国は毎年日本(東京)で、日本が強いシングルからの出場枠は男女2人ずつ。 (オリンピックの団体戦では、各種目1組ずつ。) しかし、海外勢とISUにとって全くメリットがないかと言えばそんなことはない。 ISUは、観客動員が見込める日本開催で、 チケット収入とTV放映権料で莫大な収入を得ることができる。 各国の選手にとっても、例え自国開催だとしても客席がガラガラの状態でやるよりは、 どの国の選手にも拍手を送ってくれる日本の観客の前で滑りたいだろう。 (他国で開催される世界選手権に、様々な国の国旗を持参して観戦するなんて日本人だけだろう。) 実際、他国で行われている試合を見ていると、GPSであっても空席が目立つことがある。 しかも今回の国別対抗戦では、日本では人気がないと言われているカップル競技でも客席はほぼ満員だった。 また、シーズン最後のお祭り騒ぎという空気があるためか、良い演技をした選手に対しては、選手たちも国を超えて拍手を送っている姿も見ていて気持ちがいい。 得点も、全種目において高得点が出やすい傾向にあった。 ノーミスで滑った選手はほとんどがPBを更新していたのではないだろうか。 日本の樋口・三原も世界選手権の雪辱を晴らし、 来シーズンに向けて良い滑り納めとなったと思う。

一方でオリンピックの団体戦。 正直ソチの団体戦は、開催国ロシアのための種目だったと思っているので、 優勝どころか出場すら不可能な韓国開催の五輪で団体戦が行われるのかは非常に疑わしい。 しかし、もし開催されるとしたら、日本スケート連盟はソチと同じ轍を踏まないように、ぜひ作戦を練って欲しい。 ソチ五輪で、ロシアは団体戦を本当に“上手く使った”。 優勝したことはもちろんだが、ペアとアイスダンスで2組ずつ出場させ、特に知名度のなかったアイスダンスのイリニフ・カツァラポフ組とペアのストルボワ・クリモフ組をジャッジに売り込んだこと。 彼らに共通するのは“国際大会での実績の少なさ”である。 2組ともまだ若く、ペアの二人に至っては世界選手権の出場経験すらなかった。 彼らが団体戦でジャッジに強烈にアピールしたことが功を奏し、 ペア銀メダル・アイスダンス銅メダルに貢献したと思っている。 本来、リプニツカヤもその予定だったのだろうが、 団体戦の出来が良すぎてあまりにも注目されすぎてしまい、 かえってメンタル・コントロールが上手くいかなくなってしまった。 皮肉な話だが、彼女がロシア人でなかったら、 または開催国がロシアでなかったら結果は変わっていたかもしれない。 しかし結果として、団体戦メンバーに選ばれなかったソトニコワが金メダルを獲得することになり、ロシアとしては結果オーライだろう。

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