専らフィギュアスケート

真央ちゃん引退で思うこと

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浅田真央が現役引退を表明した。

浅田は、日本で最も愛されているフィギュアスケーターだと言っていいだろう。 人気こそ、今は羽生の方が上かも知れないが、 フィギュアスケートに興味のない人からも特別な視線を送られているのは彼女だけではないか。 日本人みんなでその成長を見守ってきた……という点で、卓球の福原愛と共通する部分がある。 もちろん実力はある選手たちだが、幼い頃から注目を集めることで 実力以上の期待を早くから背負ってきた選手たちだと思う。

浅田真央の競技人生を振り返って思うことはただ一つ。

「オリンピックに縁がなかった……。」

通常、フィギュアの女子選手は、二次性徴開始直後の10代中盤に1回目のピークを迎える。 そして選手によっては、精神的に成熟し、体の成長も落ち着く20代前半に2回目のピークを持ってこれる。 しかし浅田真央に関して言えば、少なくとも身体的には2回目のピークは訪れなかった……。 (ここで言う“ピーク”とは、競技人生のPBとは必ずしも一致しない。) ソチのフリーは、ピークをとうに過ぎた体に鞭打って、努力と練習で成しえたものである。 彼女のピークはやはり、トリノシーズンの05-06シーズンだったのだと思う。

あのトリノの時、日本中から「なぜGPF優勝した真央ちゃんがオリンピックに出れないのか」と大論争になった。 しかし、五輪シーズンの競技ルールについては2年も前に決まっていて、 あんな直前に日本どころか世界中で騒いでもどうにもならないもので、 浅田本人は自分がトリノに出れないことは幼少期から知っていただろう。 だから浅田としてはもともと2010年のバンクーバーに照準を合わせていたはず。 それより4年も早くピークが来てしまったことは彼女にとっても想定外だったろうし、 当時まだ若かった彼女は今の状態がずっと続くと思っていたかもしれない。 あの時、真央ちゃんがあと数ヶ月早く生まれていたら……、という声があったがそうではない。

「年齢制限が14歳以上だったら」、もしくは 「オリンピックがあと1年遅かったら……」である。

浅田のピークは14歳と数ヶ月のあの時期だからこそ訪れたピークだ。 しかし当時の無双状態の浅田であれば、 07年に五輪が行われていれば金メダルを獲れたかもしれない。

オリンピックは4年に一度。 特に体の成長のタイミングが大きく影響する女子フィギュアにおいて、 五輪シーズンに競技人生のピークを合わせられるかは、半分は運みたいなものである。 そして、女子のフィギュア選手において1回目のピークはレベルの差こそあれ、ほぼ全ての選手に訪れるが、2回目のピークは全員が迎えられるわけではない。

何度か書いているが、私はずっと「真央ちゃん派」ではなかった。 「なんでそんなにみんな、真央ちゃん好きかなあ?」とずっと思っていた。 一方で、フィギュア熱が高まるのに比例して「フィギュア=真央ちゃん」みたいな風潮になり、まだ10代の彼女にかかる期待の大きさを思って浅田に同情していた。 過去記事で、「私たちは彼女に何かを背負わせることを止めて」と書いたが、 私はソチ五輪のずっと前から浅田に色んなものを背負わせ過ぎではないかと危惧していた。 ソチ五輪SPの結果を受けて、インタビュアーが浅田になんて声をかけたか、覚えているだろうか。

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