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世界選手権のハイレベルぶりが、男女ともにハンパない

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お久しぶりです。 虹風 憂璃です

世界選手権、開幕。 既に男子SP、女子FSは終了し、残念ながら平昌での女子シングルの枠は2枠が確定した。

宮原の欠場は確かに大きな要因の一つだが、それ以上に世界のレベルの急激な進歩がハンパない。 昨シーズンまでなら、本郷・三原・樋口がベストを尽くせば3枠は余裕だったと思うが、 今シーズンは3人が死力を尽くしてようやく……というレベルになっている。

次回オリンピック、各国の代表枠は以下の通り。

3枠:ロシア、アメリカ、カナダ 2枠:日本、イタリア、カザフスタン、韓国(開催国枠で+1?) 1枠:中国、フランス

今大会、というか今シーズン、一番の衝撃は、個人的にカナダ勢の台頭だった。 まず、ケイトリン・オズモンドがPBを大きく更新してGPSで2位となり、大変驚いた。 以前私は彼女が好きではなかった。 演技は悪くなかったが、2年前までの彼女は フィギュアスケーターとして真面目に練習をしていたらありえない体形だった。 それが、1年休んで復帰したら相当絞り込んできて、見た目からして全く違う。 筋力をつけたら体力もついたのか、ジャンプが安定し、 元から持っていた表現力、スケーティングの美しさが爆発した。 そして、彼女の後を追うように、ガブリエル・デールマンも頭角を現し、 カナダは世界選手権で史上初のダブル表彰台である。 この二人がオリンピックでどんな演技を魅せてくれるか、今から楽しみである。 カナダは、ジョアニー・ロシェットの引退後、低迷期が続いていたが、 これで脱出したと言っていいだろう。

このカナダ勢、そしてアメリカのカレン・チェンなど、若い世代の活躍を引っ張っているのは、確実にロシアのメドベデワである。 弱冠17歳であるが、世界選手権二連覇を果たし、 目下次のオリンピックでは金メダル最有力候補。 このピークを来シーズンまで維持するのは容易なことではないが、 彼女の場合少しくらい調子が落ちても負けない。 一方、ポゴリラヤとソツコワの自爆は予想外だった。 メドベデワはともかく、他の2人は来シーズンどうなるか、誰も分からない。 トゥクタミシェワやリプニツカヤの復活もあり得るし、ずっと休戦状態のソトニコワも恐いし、ジュニアWC優勝のザキトワも上がってくる。 最大の3枠があるとはいえ、世界一熾烈な代表争いになるだろう。

一方、3年もの間出場停止処分のために出られなかったイタリアのコストナーが、 このレベルに食らいついていることも凄い。 彼女は浅田真央やアシュリー・ワグナーと同世代。 復帰後、ヨーロッパ選手権では3位に入り、ロシアの牙城を崩した。 もし、あの出場停止処分がなければ、ソチの銅メダルをもって引退したのではないかと思われるが、処分を受けたことで逆に復帰してきた。 何とかもう一度五輪に出て、引退の花道としてほしい。

その昔、浅田真央が「200点超え」を目標にしていて、当時は「男子じゃないんだから……」と思っていたが、今や200点超えは表彰台ラインの1つの目安となっている。 一方男子もSPは神演技連発で、得点がハイパーインフレ状態だった。 90点を超えてもTOP6でフリーを滑れない……。 合計300点を超えても、メダルを獲れない可能性すらある。。。

女子FSは、SPと比べると自爆大会になってしまった。 ここ数年、男子は4回転を複数組み込む高難度プログラムを各選手が用意するために自爆大会になりやすいが、今年は果たして……。



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記事カテゴリ:
世界選手権
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カロリーナ・コストナー
エフゲーニャ・メドベデワ
ケイトリン・オズモンド
女子フリー
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この記事へのコメントコメント一覧

世界選手権のハイレベルぶりが、男女ともにハンパない

kenya様

コメントありがとうございます。
私も、体の軽いジュニアのうちから練習すべし……というのは、確かにそうだと思います。
しかしそれはやはり、スケーティングの基礎がしっかりできていればこそです。
スケーティングがガタガタなのに、骨が成長しきっていないジュニアのうちから大技に挑戦すると、大けがをして選手生命に関わることもあり得ます。
浅田真央も安藤美姫も、「3回転が5種類跳べるようになったら次は3Aにいくか4回転にいくか」とコメントしていました。
しかし彼女たちは、ジュニア当時既に一定のスケーティング技術を持っていました。
今ジュニアのトップクラスで滑っているような選手たちは、スピン・ステップは本番でできるかは別としてレベル4の構成を組んでいます。
PCSも、ノーミスで滑ればそこそこ高い点を取ってきます。
そういう選手が大技に挑戦するのは反対しません。
紀平は今季3Aに成功しましたしね。
しかし、いくら体が軽いうちから……とはいえ、基礎がないうちにどんどんジャンプを跳ばせるのはやはり反対です。

浅田真央のSPのPBは確かにメドベに引けを取りません。
彼女はGOEの伸びはメドベに劣りますが、総合的に高い技術を持っていて、SPではノーミスならメドベデワと張れるかもしれません。
しかしフリーでは技の数が多く、GOEの1つ1つの積み重ねが大きく得点に影響します。
浅田のフリーのベストスコアは、ソチ五輪の142.71ですが、あのフリーはあんなに素晴らしかったのにGOEの合計点は、6.69。
低すぎます。
今回の世界選手権でのメドベデワのGOEは約16点。
あの時浅田の滑走順が早く、得点が抑え気味だったかもしれないことを考えても、仮に浅田がTOP6でフリーを滑っても、GOE16点は難しいのではないでしょうか。

男子で、大技の効力が大きく作用するのは、

・複数回入れる
・3Aは男子にとってもはや大技ではなく通常仕様

からだと思います。
特に羽生や宇野など3Aが得意な選手は、後半に2本の3Aを入れて高得点を稼げます。
ボーヤンやネイサンが飛ぶ4Lz+3Tは、それだけで20点近い基礎点なので、チャンやジェイソン・ブラウンなどGOEで稼ぐ選手に充分対抗できるでしょう。
しかし女子では、3Aまたは4回転1度……多くて2度です。
そのうち、4回転をポンポン跳ぶような新人類が女子でも出てくるかもしれません。
私もそんな選手が登場するのを早く見たいです。

世界選手権のハイレベルぶりが、男女ともにハンパない

私も皆が大技に挑戦すべきとは思っていません。選手に各々個性があります。キムヨナ選手のように3Aを諦めてGEOやPCSで高得点を狙うのもよし、浅田選手のように3Aに拘り続けるのもありだと思います。
ただし、GEOやPCSを高めたのちに大技に挑戦すると言う意見に賛成出来ません。女子の場合、3Aのような大技は、体の軽いジュニアの頃からかなり練習しないと習得できないという専門家の意見があります。宮原選手のミスの無い演技は本当に素晴らしいと思いますが、彼女のジャンプの高さでは3Aは無理だと思いますし、本田選手も今の時点で3Aを練習で一度だけ飛べたことがあると言っているようでは今後試合に3Aを入れるのは不可能でしょう。
練習時間は限られています。各選手の長所に合わせた練習と戦略を考える時期に来ていると思います。そうでなければ女子フィギュアは4回転時代で盛り上がる男子に完全に置いて行かれます。
最後に浅田選手は、3―3無しでもメドベと遜色ない78.56点のSPの記録を持っています。

世界選手権のハイレベルぶりが、男女ともにハンパない

追記です。

大技の習得についてですが、例えば宮原や本田真凛など、すでにGOEとPCSで高い得点を獲っていて、あと少しで勝てる……という状況で大技を入れてくる、というのはもちろんありだと思います。
実際彼女たちが4回転や3Aを練習しているというニュースも見ます。
しかし、スケーティングの基礎をまだまだ身につけなければならないジュニア時代からどんどん高難度ジャンプを入れたり、本郷のように大技以外でまだまだ伸ばすべきところがある選手が大技にエネルギーを費やすのはあまり得策ではないと思います。

世界選手権のハイレベルぶりが、男女ともにハンパない

kenya様

コメントありがとうございます。

確かに点数的にはほとんど変わっておらず、TOPのメドベですらジャンプ技術は後半に5本、3-3+タノジャンプで止まってますからね。
ただ、平均点は確実に上がっていますし、全体的に底上げされています。
以前までならあの3人がベストを尽くせば……と書いたのは、あのレベルの演技をする選手が前はもっと少なかったからです。

タノジャンプはともかく、後半にジャンプを集中させるのが技術革新でないとは思いません。
10年前、安藤美姫が女子では史上初めて後半に5本のジャンプを入れて優勝した時は、画期的でした。
10年たって、女子でもTOPクラスなら後半5本のジャンプは当たり前、ジュニアでは7本のジャンプ全てを後半に持ってくる選手も現れています。
(これについては賛否ありますが、あのプログラムはジャンプをまるでスッテプのように跳んで後半の盛り上がりに繋げているので私は好きです。)

また、海外勢への対抗策として大技を習得させるというのも私はどうかなと思います。
もちろん、選手が挑戦するのは良いことですが、女子ではまだいくら大技を決めてもPCSとGOEを伸ばさなければ勝てない、というのが現状だからです。
今の浅田真央が、トリプルアクセルを持ってしても、ジャンプを全てクリーンに決めても、GOEでメドベデワに勝てません。
大技を演技に入れるのはGOEとPCSを伸ばし、質の高い3-3を跳び、スピン・ステップで安定的にレベル4を獲れるようになってからでも遅くはありません。

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