2009年05月31日

麒麟杯で得た収穫

 まるでバルセロナ五輪で優勝した時のスペイン代表のようなデザインのユニフォームを纏ったベルギーだが、スパーリング・パートナーとしてはかなり物足りなかったといわざるを得ない!
 まさか、秋葉原にでも買い物に行くことで頭がいっぱいだった…なんてことはないと思うが、80年代~90年代半ばまで世界を席巻した“赤い悪魔”の面影は、残念ながら見あたらなかった。
 同じスコアでも、最後まで油断ならない相手だったチリのほうが、遙かに骨のある相手だったことはいうまでもない。

 とはいっても、麒麟杯2試合を終えて、例年以上の収穫を感じたのもまた事実だ。

 特にドイツW杯での大惨敗以降、「組織ではそれなりに戦える。後は局面を打開する個の力が足りない」とは、事あるごとにいわれてきたこと。
 といっても、一朝一夕でそんな選手がポンポン表れるモノでもないのだが、この麒麟杯ではヒサシブリにそういった意味で、本当の可能性を感じさせてくれる選手がいた。

 本田圭佑岡崎慎司だ。

 きっと、多くの人が同じように感じたことだろう。

 本田はオランダ二部とはいえ16GOAL13アシストの大活躍で、TEAMの一部復帰に大貢献!この2試合でもとにかく成長した姿を披露してくれた。
 一番目を見張ったのが身体の使い方だ。
 元々スキルの高い選手でGOALへの意欲もあったが、身体…特に腕の使い方が抜群に上手くなっていたのには驚いた。

 巨人揃いのオランダ人、しかもテクニック面で劣る二部はよりフィジカルに頼った戦いになるのはどこの国でも相場だ。決して身体能力に恵まれてるわけでない日本人が、そこで活躍するためには相応の工夫が必要だと見るが、厳しい環境に揉まれる中で、1RANKレヴェルを上げた印象を受けた。

 SHOOT!の意識があっても、詰めてくる相手に吹っ飛ばされれば当然打てない。自分がFINISHするためのスペースと時間を創り出すにはどうしたら良いのか??を、高い意識を持って突き詰めた結果が、先にあげたGOAL数に繋がったのだろう。

 本日対戦したベルギーも巨人揃いという点ではオランダにも負けないTEAMだが、複数人にプレスを掛けられながらも、当たり負けせず、上手にボディバランスを取ってマイボールを保持し続けたKEEP力は目を見張るモノがあった。

 また、チリ戦で岡崎の先制GOALのアシストとなったブレ球ミドルも、SHOOT!まで持っていく一連の動きに感心させられた。寄ってくる相手を交わしながら流れてコースを探し、GOALへの道を見つけるや否や素速く左足を振り抜いたのだが、あの状況下にあって尚ブレ球ミドルを正確に枠内に放てる余裕。人任せの選手が多いなかで、「俺が打つんだ!」という強い意識がビンビンに感じられた点も◎(だからといって独りよがりなわけでもない)。
 俊輔とはまた違った種類のFKという武器も持っているし、個人的にはこの2試合で南アフリカW杯メンバーの当確切符を手に入れたと見ている。それぐらいインパクトがあった。

 岡崎もこの2試合でFWのポジション争いから一歩抜け出すような活躍を見せた。3GOALという結果だけではない。何よりも賞賛したいのは、この選手、点を獲る形があることだ。嗅覚に優れているのはもちろんだが、ここでパスを受けたらこう動いて、このコースへ打てばGOALが決まる!というストライカーらしい自分の形を持っているように見受けられた。

 久しく代表レヴェルでこういうFWはいなかったのではないだろうか!?
 ちょっと記憶を辿ってもKING-KAZU以来ではないか!?という気がする(REALで浮かびません…)。。。

 わりと汎用性が高く、多岐に渡って平均点以上…というFWは幾人かいたかもしれないが、SHOOTを打って確実にGOALを決められるというストライカーは、まさに日本代表にとって待望久しい人材といっていいかもしれない。

 (最も、これまでにそんな選手がいればドイツで大惨敗を喫したり、常に「FWが得点力不足」などと嘆かれ続けることもなかったはずだが…。。。)

 前戦でも大活躍した二人だが、この試合でも本田が起点になって展開、右からの大久保嘉人のクロスを岡崎がダイビングHEADで押し込むという目の覚めるようなGOALがあった。
 二人のPLAYを見ていると、「アピールするってのはこういうことだ!」というモノを示している、体現しているような気がしてならない。これまたヒサシブリに、観ていて「伝わってくるモノがある選手」という点でも好感なのはいうまでもない。他の選手たちにとっても良い意味で刺激になったのではないだろうか。

 個人的にはW杯アジア予選に関しては結構楽観的だ。何だかんだといいつつも、次のウズベキスタン戦でドイツの時に続いてW杯切符世界第一号を掴むのではないかと思っている。今の日本の力であれば、それを手中にするのに苦戦したり逃すことのほうが大事件である。

 問題はその先だ。

 岡田武史監督は「W杯Best4」を目標として掲げているが、これまでの戦力や戦い方ではGroupリーグを突破できるか否か…というのが、客観的且つ冷静な視点で日本代表を見つめた時の位置付けだろう。

 岡田監督が就任してから約1年半、組織&戦術というTEAMとしての熟成の度合いを深めているのは間違いない。骨子もほぼ定まりつつある。後はそこに味付けをする“個”というスパイスがどれだけ出てくるか…という点がキーになると見ていただけに、本田と岡崎の覚醒した感もあるこの麒麟杯での活躍ぶりは素直に喜びたいところだ。
 決して真剣度の低い親善試合だったからとは思っていない。二人のPLAYの質は真剣勝負の場でも何かを起こせそうなモノだったと見ている。

 願わくば、もっともっとこういった選手が出てきてほしい。
 今季セリエAで一皮剥けた感もある森本貴幸はじめ、可能性を秘めた選手はまだまだいるはずだ。

posted by JIN18 |22:27 | ○蹴球雑記系 | コメント(6) | トラックバック(1)
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2009年05月28日

Visca Barça! Triplette!!

【FCバルセロナ】
 GK:V・ヴァルデス
 DF:プジョル、Y・トゥレ、ピケ、シウヴィーニョ
 MF:チャヴィ、ブスケッツ、イニエスタ、メッシ
 FW:エトオ、アンリ


【マンチェスター・ユナイテッド】
 GK:ファン・デル・サール
 DF:オシェイ、R・ファーディナンド、ヴィディッチ、エヴラ、
 MF:アンデルソン、キャリック、ギッグス、朴智星
 FW:C・ロナウド、ルーニー

 Previewの項でも触れたように、ほぼ互角ながらも若干ユナイテッドのほうが有利なのではないかと見ていたが、発表されたスタメンを見てみると、ユナイテッドもかなりバルセロナを意識しているように感じられた。

 ここのところ好調を維持しているカルロス・テヴェスやディミタール・ベルバトフではなく、朴智星をスタメン起用したのをはじめ、運動量とDFでより効果を発揮できる選手をSELECTしたような印象を、個人的には受けたからだ。

 例外はライアン・ギグスのみ。ベテランのTEAMイチともいえる経験を買ったのかもしれないが、それならばポール・スコールズでも良かったはず。そこには、アレックス・ファーガソン監督だけが知りうる目算があったのだろう。

 バルセロナではクラシコで負傷したティエリー・アンリが何とか間に合った。累積警告で出場停止のダニエウ・アウヴェスとエリック・アビダルの穴をどう埋めるかが注目されたが、カルレス・プジョルを右にシフトし、左にはシウヴィーニョを起用するという形で対応してきた。



 開始1分、クリスチアーノ・ロナウドの挨拶代わりのFKをV・ヴァルデスが弾いたところ、朴智星が詰めるが噴かしてしまう。その後も、ユナイテッドが押し気味に攻める時間が続く。 
 6分にも左からのパスを受けたクリスチアーノ・ロナウドが左足を一閃!ポスト右を掠める惜しい一撃を放った。

 バルセロナのほうは緊張で身体が動かないのか?或いは自重しているのか?目だったアクションもないまま10分になろうかというところ。アンドレス・イニエスタのスルーパスを受けたサミュエル・エトオが、右からエリア内へ侵入、内へのワンフェイントで対峙するネマニャ・ヴィディッチを交わすと、素速い振り足の右アウトでSHOOT!エドウィン・ファン・デル・サールの脇を抜けたボールがGOAL内へ転がった。 

 ここまで1本もなかったSHOOT!を初めて放ったバルセロナが、あっけなく先制。。。
 
 この1点で緊張感がほぐれたのか。ようやく良いリズムで細かいパスを回す“バルサらしさ”が出てくる。そして、そこに時折混ぜられるリオネル・メッシのドリブルが良いアクセントになっていた。

 先制点を奪われたとはいえ、ユナイテッドに特に動揺は感じられない。早い時間帯だったということもあるし、昨年も同じ舞台で戦っているだけに、決勝の雰囲気を知り、また、そこで勝利した自信が良い意味での余裕を与えているのかもしれない。

 15分、クリスチアーノ・ロナウドの突破に翻弄されたジェラール・ピケが身体でSTOPしてしまいを受ける。ピケは去年までユナイテッドに所属していただけに、二人はTEAMメイト同士だったことになる。良し悪しも癖も知っているのだろうが、それでも止められない。。。改めてクリスチアーノ・ロナウドの凄さを垣間見た気がした。
 試合はまだ序盤だ。ここでCARDを受けたことがその後のDFにどう影響するかが、この段では懸念されたが…。
 ここで得たFKを今度はギグスが蹴るがバーの上。

 負けじと18分には、右から内へ切れ込んだメッシが左足で思い切ったミドルを放つが、こちらも僅かにバーを超える。

 惜しいSHOOT!に場内からは「Woo!」

 その1分後にはクリスチアーノ・ロナウドがポスト右を掠める左足SHOOTを放つなど、瞬時に入れ替わる攻防には一瞬たりとも目が離せない。

 そんな状況がしばし続いた。

 しかし、互角に見えた攻防は20分を過ぎたあたりから、よりバルセロナのほうに傾き始める。
 26分にチャヴィが惜しくもバーを超えるFKを放ったが、バルセロナはそのFKをファウルで得るまで、何と!1分以上フィールドの至るところでボールを保持し、回し続けたのだ。
 スタンドからは思わず拍手と歓声があがる。

 このあたりになってくると、ピッチ上で両TEAMのスタイルが如実に表れてくるようになる。バルサはいわゆる“スペインらしい”横への展開をふんだんに織り交ぜたパス回しで、時間を掛けながらもポゼッションを高めて相手の隙・穴を窺う。一方のユナイテッドは縦への速い展開を意識しているように見受けられた。

 ともに高いKEEP力を誇るチャヴィイニエスタが中盤を支配する場面が目に付くようになる。ここでタメを作ることで、必然的にユナイテッドのMF陣は押し込まれていくことになる。バルセロナのMFはKEEPして攻めることで、逆に相手MFの攻撃力を封じているのだ。逆に、ここを潰さないことにはユナイテッドの好機はなかなか得られない。ボールを奪ってもMF陣の位置が低く、バルセロナのプレスが効いていることもあって、なかなか全体が押し上げられず、ボールの落ち着かせどころがないようにも感じられた。



 HALF TIMEを経て、局面を打開すべくファーガソン監督はテヴェスを投入。朴智星が左に移りギグスが一列下がった布陣にシフトした。

 前半の勢いそのままに最初に好機を掴んだのはバルセロナだった。48分、左でボールを受けたアンリが個人技でDFを交わしSHOOT!ファン・デル・サールが辛うじて弾き事なきを得るが、後半もバルサPACEは変わらない。

 その1分後には左のシウヴィーニョからのクロスにエトオが中央で飛び込む。ボールはエトオの鼻先でファン・デル・サールにキャッチされるが、直後にも右から個人技で崩したエトオのスルーパスが、あわや中央のメッシへと通りそうになる。惜しくもタイミングがずれたが、繋がれば超決定機になるところだった。

 52分にはペナルティエリア中央すぐ外で得たチャヴィのFKが右ポスト直撃!ユナイテッドにまだ運が残っていたか!?

 55分、右のウェイン・ルーニーからのクロスが、GOAL前のクリスチアーノ・ロナウドと朴智星を掠める。ユナイテッドにとっては久しぶりに得た決定機だったが、これを機に徐々にサイドからチャンスを演出するようになる。DF陣もバルサの個人、或いはTEAMのやり方にようやく慣れてきたのか、自由を与えない場面が目に付くようになってきた。

 66分にはベルバトフが朴智星に代わってIN。ピッチ内にFWを4人揃えることで、ユナイテッドがなりふり構わず同点GOALを狙いにきた。

 次の1点が雌雄を決するであろうことは、どちらもTEAMもよく分かっているはずだ。 
 再び攻守が入れ替わる時間帯が続く。

 そして、その1点を得たのはまたしてもバルセロナだった。
 プジョルのパスカットから始まった攻撃。エトオのクロスの零れ球を再びチャヴィがGOAL前へ上げると、ファーでDFを外したメッシが身体を精一杯伸ばし、ジャンプしてのHEAD。GKを超えたボールがGOAL右へゆっくり吸い込まれていく。

 2-0

 これで試合の行方は大方決まったようにも思われた。しかし、ユナイテッドはトリプルを達成した1999年、バイエルン・ミュンヘンに90分間主導権を握られていながらも、ロスタイムでひっくり返したことがある。タイムアップの笛が鳴るまでは何が起こるか分からない。

 直後、右からのグラウンダーにギグスとクリスチアーノ・ロナウドが詰めるが、DFとGKのブロックによりGOAL成らず。当然のことながら、まだまだ諦めてはいない。サイドからの崩しで何とか活路を見出そうとしているように見受けられた。

 しかし、バルセロナは中央のDFもそうだが、サイドで起用されたプジョルとシウヴィーニョも、この試合において攻守になかなかの奮闘ぶりを示していた。特にプジョルは2点目の起点になったPLAY以外にもタイミングの良い攻撃参加を都度都度披露することで、逆に対面のパトリス・エヴラの攻撃を封じ込んでいた。

 75分、チャヴィの右からのクロスにプジョルがドンピシャHEAD!!もGK正面。しかし、追加点を奪って以降、試合の流れは再びバルサのPACEに。高いスキルを生かしたパス交換が頻繁に行われるようになる。

 84分にはパス交換の間に右から入ってきたプジョルにボールが渡りGKと1対1!ボールを浮かせようとするが、ここは果敢に飛び出してきたファン・デル・サールがブロック。

 何とか点を返したいユナイテッドも、86分、右CKからベルバトフがHEADで合わせるが、ボールは無情にもバーを超えた。

 勝利を確信したスタジアム内のバルサFANの歓声が一層大きくなり、そして、ロスタイムがちょうど3分を過ぎたところで、主審のマッシモ・ブサッカがゆっくりと試合終了のホイッスルが鳴らした。

 バルセロナ優勝!!
 
 スペインのTEAMとしては、コパ・デル・レイ、リーガ、チャンピオンズ・リーグを制した初めての三冠制覇TEAMとなった。



 それにしても予想以上にバルセロナの強さが目立った試合だった。苦戦した準決勝でのチェルシー戦を思い起こせば、同じプレミア勢で更にワンランク強そうなユナイテッド相手には、結構苦しめられるのではないかと見ていたのだが…。
 速さと強さを要する相手に対し、パス回しでいなしていく様は、何かEURO2008決勝で、スペインがドイツ相手に見せたPLAYを思い出させてくれた。素晴らしいの一言に尽きる。

 しかし、“ペップ”グァルディオラ監督は何という強運の持ち主だろう。ありとあらゆるタイトルを獲得した就任1年目は、SEASONを通してほとんど非の打ち所がないようにも感じられる。この結果はもちろん運に依存するものではなく、彼の持つカリスマ性や指導力が結実した証でもあるのだが、就任1年目でこれだけ完成されたTEAMはなかなか構築できるものではない。その確かな手腕には敬服するのみだ。

 GWにバルセロナを訪れた際は、日程が合わず観戦叶わなかったのだが、今さらながらそれが残念でならない。「このTEAMを生で観てみたい!」そんな思いを強く抱かせてくれたバルセロナの見事な勝利だった。

 Visca Barça!!

posted by JIN18 |22:48 | ◎世界蹴球雑記系 | コメント(6) | トラックバック(2)
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2009年05月27日

CL Final Preview Show

 考えうる限り、現在、地球上で最も強く且つ魅力的なTEAMの顔合わせになったといっても過言ではないだろう。
 昨年末のクラブW杯に続き、先ほどプレミア・リーグ3連覇を達成したマンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)。こちらもコパ・デル・レイに続きリーガ・エスパニョーラを制し、国内二冠と無類の強さを誇るFCバルセロナ。
 
 今季3つめのタイトルを狙う両TEAMは、決してこの大会にのみ的を絞ったわけではなく、それぞれの母国でも圧倒的力を示してきたのだ。質の高いサッカーを見せている好調同士の激突には、久しぶりに対戦前から胸の高鳴りを覚える。
 
 正直、ここ数年、CLに対する興味を失いかけていた。プレミア勢の寡占が続き、スペイン勢やイタリア勢など他国のTEAMも、例え世界に名だたる強豪といえど新鮮味がない。もはやかつてのステアウア・ブカレストやツルヴェナ・ズヴェズダのように、アウトサイダーが時にサプライズで覇権を握る可能性は、現行のシステムでは限りなくゼロになってしまった…。
 
 御馳走も毎日食べれば飽きてしまう。
 
 要は毎回同じようなTEAMが勝ち上がってぶつかる顔合わせに、食傷気味になっていたのだ。イヤ!なっていたと思っていた。
 今回の決勝に進んだ両TEAMはもちろんCLの常連だ。にも関わらずいつになく興味を惹かれる理由。それはやはり真のチャンピオンズの激突だと、今季の戦いぶりを観た限り深く認識できるからだろう。
 
 マンUは、今季、ドローすら挟まず、プレミアで10連勝!を達成するなど、とにかく強さが安定している。試合のツボをよく心得ているともいえる。一気に攻めるべきところ、しっかり守るべきところ、熟成されたTEAMが織り成すPointを逃さない試合運びは、負ける姿を想像することすら容易ではない。
 
 バルセロナも攻守の安定度では引けを取らない。数多のタレントが繰り出す攻撃力は、今季何と!リーガで104GOALを記録した。年間100GOAL越えという数字は、少なくとも主要リーグにおいては過去にもちょっと記憶にない。。。
 失点34もリーガ最小。ただ、攻めるだけのTEAMでないことが窺い知れる。流麗なパス回しに個人技の絡んだ攻撃は、娯楽性に富んだ、観ていて非常に楽しいものだ。
 
 この両TEAMの激突で、どちらが勝つかを予想するのは本当に難しい。というか困難だ。。。
 強いてあげれば、マンUのほうがより勝利に対してリアリストになれる印象がある。肉体的な速さや強さの面ではプレミアのほうがHARDなだけに、その点が全面に出る展開になると、マンUのほうに分があるだろう。
 
 しかし、EURO2008で他国のプレスすら圧倒するボール回しを見せ栄冠に輝いた、スペイン代表で中核を担っていたチャヴィやイニエスタを擁するバルセロナだ。攻撃力・ボールの動かし方は、ハマればマンUのそれをも凌駕できるだけのものがある。
 
 僅少差で点の入らない試合ならばマンU。
 逆に点差が付くような展開になればバルサの勝利。
 
 そのように予想立ててみたが、さて。。。
 
 注目の決勝は20:45(日本時間28日3:45)、ローマのスタティオ・オリンピコでキックオフされる!

posted by JIN18 |13:55 | ◎世界蹴球雑記系 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2009年05月26日

13節:ダヴィの不敗神話も崩壊!名古屋が迎えた正念場

 「1試合少なくて7位は、悪い結果とは思っていない。われわれにとっては、いい時期に休みに入る」
 試合後のPIXY監督のコメントだ。
 最初に述べた部分は決して本音ではナイだろう。Awayでの対戦とはいえ、概ね磐田にGAMEを支配され苦杯を喫したのだから。内容的には相当ストレスが溜まる敗戦だったはずだ。TEAMを束ねる監督という立場だからこそ、敢えてそういった心情を抑えて発言したのだろうし、或いは自らにそう言い聞かせていたのかもしれない。

 「いい時期に休みに…」というのは逆に本心だろう。
 修正すべき点もある。負傷者の回復にも充てたい。客観的に見ても、良いタイミングで中断期間に入ったと感じる。
 初参戦のACLではGroup1位通過を決め、J1でも今節磐田に敗れたのが3敗め。成績自体は悲観するほど悪くはないのだが、内容がもう一つという状態が続いている。昨季の良いときに感じたようなインパクトを受ける試合に乏しいのだ。

 ここのところJ1では3試合連続のドロー。11節の神戸戦ではロスタイムに津田知宏のGOALで辛くも追いついた。前節の大宮戦も81分にダヴィの同点弾で追いつくまでが精一杯。そして今節、磐田に押され気味ながらも凌いでいたが、81分に小川佳純が2枚目のイエローで退場になると、DFのバランスを崩し失点を連ねて敗退。
 さすがに3試合連続で土壇場に黒星から逃れることはできなかった。「ダヴィが決めると負けない」という不敗神話も崩壊した。

 点を獲られるタイミングも運がなかった。一人人数が欠けたところで先制点を許し、反撃を試みようと杉本恵太を投入した直後、成岡翔に鮮やかな左足ミドルを決められる。そこで完全に勢いを失いそうなところで、FKからダヴィがHEADで1点を返し、玉田圭司が鋭い左足の振りからGKに弾かれる惜しいSHOOTを見舞った反発力は買えるが、やはり残り時間が少ないところでの連続失点は痛かった。

 開幕以降、決して良い内容でなくとも悪いなりに勝ち点を拾えるあたり、昨年以上の地力が付いたと判断したが、ここまでJ1において胸の空く勝利がほとんど観られないなると、まだまだTEAMが整っていないと見る向きが正しいだろう。

 磐田戦では立ち上がり、相手の出足の良さに戸惑っていた。高い位置でボールを奪いにくる素早いチェックに、なかなかボールを前へ良い形で運ぶことができない。
 主導権を握られ、サイドの攻防も後手後手に廻らざるをえない状況だった。コンビネーションで勝る磐田のサイドを生かした素速い展開にDFで対応せざるをえないため、序盤は効果的なオーバラップを絡めた崩しができないでいた。

 試合が進むに連れ、左の阿部翔平が思い切って攻め上がる場面も幾度かあったが、何か攻撃で分厚さを感じない。
 この日の名古屋は玉田、杉本、田中隼磨がベンチスタート。更に負傷のマギヌンをも欠く布陣。攻撃力でBest布陣より見劣りする感は否めなかった。
 先発FWでは巻佑樹が起用されダヴィと2TOPを組んだが、これも前線にPointを増やしてよりダヴィに自由を与えたい意図だったのか?ダヴィに近いところで攻撃に絡める選手がいない分、よりダヴィ個人に依存する部分が増している印象は拭えなかった。

 後半は、先発の右サイドバックに起用された竹内彬(66分に田中隼磨と交代)が、ウイング張りの高い位置に陣取るなど、強引にでも?お得意のサイド攻撃から活路を見出そうと試みたが、攻撃のリズムや変化に乏しく、なかなか決定機までには至らない。

 ただ、前回、5節で名古屋を取り上げた際、今季の出来がもう一つだと感じた小川佳純が、その後本来の力を発揮し、ACLやJ1で印象的な活躍を続け、この試合でも懸命に攻撃のタクトを揮い奮闘していたのは好材料。
 70分以降、玉田や田中隼磨の投入も効いてか、かなり名古屋が磐田を自陣に押し込む時間帯が続いていたのだが、小川が2枚目のを受け退場となった直後に失点を喰らったのは、中心として機能していた選手を失った影響が、間違いなくあったのだろう。

 約1ヶ月の中断期間前の最後の試合、やはり勝ってそこに入りたかったというのが正直なところだが、そこは気持ちを切り替えて、もう一度TEAMを鍛え、自分たちのスタイルというものを磨き直してほしい。
 5勝3敗4分の勝ち点19。消化試合が1試合少ないとはいえ、首位の鹿島とは勝ち点10差(鹿島も1試合少ない)。覇権を狙うという観点でいうと、この段でも既にかなり厳しくなりつつある。
 就任以来最大の窮地に立たされたPIXY監督が、この1ヶ月でどうTEAMを立て直すのか。再開後のTEAMの出来に注目したい。

 磐田についても少々。
 昨季は入替戦の末残留、今季も開幕から6試合白星なしで最下位を走るなど、いよいよ斜陽の時を迎えた感もあった磐田が、李根鎬の加入後、劇的にTEAMを立て直したのは周知のとおり。この試合を観る限り、一時の悪い流れは完全に払拭されたように感じられたし、メンバー的にも下位に低迷するようなTEAMではないと見受けた。

 名波浩が引退し、田中誠が移籍、鈴木秀人や中山雅史は控えに回るなど、黄金期を築いたメンバーが一線から退くなか、今季は世代交代を図るべき1年と見るが、この日魅せたサッカーが継続できれば、J1で十分闘っていけるそれなりのTEAMに仕上がるのではないだろうか。

posted by JIN18 |22:58 | ■J-League 2009 | コメント(4) | トラックバック(0)
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2009年05月21日

12節:気が付けば3位浮上の新潟!

 2004年にJ1初参戦以降、その座を堅持し続けているアルビレックス新潟。チケット無料配布など地道な努力の結果、今ではJ1屈指の観客動員数を誇ることが有名だが、成績のほうも常に中間あたりをKEEP、J1でもすっかりお馴染みのTEAMとなっている。

 2006年から指揮を執る鈴木淳監督体制は今年で4季め。14位⇒6位⇒13位と推移して迎えた今季は開幕から好調を維持し、気が付けば前節終えた時点で4位!という好位置をKEEP!リーグの1/3を終えた段でのこの成績は、この先、ACL出場権を狙うことをも視野に入れた戦いすらできそうだ。

 決して下馬評が高かったとはいえないTEAMが、良い滑り出しを見せたサッカーとはどんなサッカーなのか。HOMEにヴィッセル神戸を迎えた12節の試合を観てみた。



 降りしきる雨の中キックオフされたこの試合。
 立ち上がりからAWAYの神戸の積極さが目立つ。宮本恒靖を中心に据えたDF陣が高いラインをKEEPし、サイドを使い積極的なアタックを試みていた。新潟のほうも決して押されているというわけではなく、GOAL前でのしっかりとしたDFで対応し、ボールを奪うと素早く前線に繋いで、カウンター気味の逆襲を仕掛けるという展開。

 ただ、まずDFに目がいったことからも分かるように、それぞれのDFの良さが目立ったこの試合。
 裏を返せば、攻撃に関していうと、ラインが高い分押し上げのある神戸のほうが攻めに掛かる人数こそ多かったが、どちらもほとんど決定機もなく、試合として面白みに欠ける感は否めなかった。

 雨のコンディションで慎重になり自重しているのか、リスクを犯した攻撃だとか、スピードやスキルをフルに発揮するようなPLAYは乏しく、それぞれ逆に濡れたピッチや雨模様を考慮に入れたミドルレンジからのSHOOT!を放つ場面が目立つ。

 後半に入ると、さすがに両TEAMともGOALをより意識した攻撃を見せるようにはなったが、試合に対する印象を覆すには至らず…。

 それでも勝敗を分けたターニング・ポイントを探すとなると、やはり71分の宮本の途中交代だったか!?
 左内転筋に違和感を訴えての負傷交代だったが、或いは神戸の積極的DFの歯車が、統率者を失ったことによって微妙に狂いを生じたのかもしれない。

 78分、新潟は右サイドで得たFKから上がったボールを、ニアのGOALエリア外で千代反田充が、身体を半身に捻りながらのダイビングHEADで、GOALに突き刺し遂に先制!FW顔負けの難しい体勢からのHEADだった。

 87分には松下年宏がエリア外に零れてきたクリア・ボールに対し、ダイレクトで思い切りよく右足を振り抜きGOAL左へ突き刺してダメ押し!ちなみに先制点のFKも松下が蹴ったモノ。前節、今節とスタメンを外れた悔しさを晴らす、1GOAL1アシストという見事な交代出場での活躍だった。

 結局、そのまま2-0でタイムアップ。

 前述の通り、サッカーの質では新潟を上回るモノがあっただけに、神戸にとっては惜しいGAMEを落としたといえる。宮本の負傷交代もそうだが、良い試合をしながらも勝てない、GOALを奪えないというのは、昨季リーグを一時席巻した大久保嘉人レアンドロの抜けた穴を、埋め切れていないようにも映った。この敗戦で順位は14位になったが、相手GOAL前で最後に仕事ができる選手が表れるか否かが、今後の浮沈の鍵を握ると見る。

 新潟は、この勝利によって3位!にまで順位がUP!
 いつの間にか…というと失礼だが、正直、気が付けばTOP3にまで昇ってきたという印象が強い。ある程度結果を残しているTEAMの常だが、DFがそれなりに安定しているというのが一番の強みだろう。DFライン+ボランチの本間勲を主としたDF陣は、派手さこそないが、粘り強く堅実な印象を受けた。

 ただ、攻撃に関していうと、正直、それほど強さや面白さは感じなかった。4-3-3のワンボランチというシステムの割りには、あまり厚みを感じなかったし、そこで前目に位置する選手が全て機能しているようにも思えなかった。
 試合前に抱いた興味に対する答え…という点でいうと、去年までの印象を大きく覆すには至らなかったというのが、この試合を観ての率直な感想だが、雨中ということを割り引く必要もあるかもしれないので、そのあたりは次回新潟戦を観戦する折り、もう少し注視してみたい。

 両TEAMのDFが目を惹いたのは前述のとおりだが、それぞれに個人で今後もちょっと注目してみたくなった選手がいた。

 神戸では身体を張ったDFが際立っていた北本久仁衛だ。かつて土屋征夫、シジクレイとともに、スキンヘッド3人組で形成されたDFライン、『ピカッと3(スリー)』の唯一の神戸生き残り?となった北本だが、相変わらずフィジカルの強さ、身体能力の高さは健在のようだ。個人的には、代表に中澤の控えのような形で入れてみるのも面白いと感じたが、如何なモンだろう??

 新潟の千代反田のクレヴァーなDFも目を惹いた。対人PLAYは元よりカヴァーリングにも秀で、DF陣を統率するリーダーシップもある。往年の井原正巳とダブる…というと言い過ぎかもしれないが、こんなに良い選手だったか!?というちょっとしたインパクトを与えてくれた。

 正直、ともにこれまで特に気にしたこともなかったのだが、この日のPLAYぶりを観て今後ちょっと気に掛けてみたいと思わせてくれた。そういった発見があったという意味では、試合内容はイマイチでも意義のある観戦だったのかもしれない。

posted by JIN18 |22:27 | ■J-League 2009 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2009年05月17日

止まらない強力2TOPの活躍で、ヴォルフスブルクがリーチ!

 佳境に入ってきた欧州各国リーグ。Bundesでは33節を終えて依然ヴォルフスブルクが首位を堅持している。26節でバイエルンを5-1で粉砕して首位に立って以降、その座を譲っていないのだから、今季が未曾有の混戦模様であることを考えると大したモンだ。

 僅差で追いかけてくるTEAMはあるが、最終節がHOMEであること、2位:バイエルンvs3位:シュトゥットガルトが次節潰し合いを演じてくれることを考慮すると、このまま優勝する可能性はかなり大きいのではないか。

 個人的には勝ち点3差の4位、ヘルタにも頑張ってほしいところだが、例え最終節で勝利したとしても得失点差からして逆転はほぼ不可能だろう。




 今節、ハノーファー96と対戦したヴォルフスブルクは、AWAYにも関わらず自慢の攻撃力を如何なく発揮し5-0と粉砕!エディン・ジェコHAT TRICKグラフィチが2GOALと、ここまでBundesダントツの75GOALをあげている強力2TOPがこの試合でも火を噴いた。

 ジェコはスピードはさほど感じないのだが、GOAL前でとにかく落ち着いている。急成長を遂げるなかで、それだけ自信を付けたということか。この日の試合でも、右からの早めのクロスをエリア外で胸トラップして、そのまま右足ボレーで叩き込んだ先制の一撃は圧巻!だった。

 得点RANKでもグラフィチに次いで1差でジェコと仲良く1、2位に付けるこの二人。年間を通してコンスタントにGOALを積み重ねてきたグラフィチに対し、ジェコはウインターブレイク後の爆発が凄まじい!
 前半戦、GOALを量産しまくり得点RANK首位を独走していながら、ウインターブレイク中のテストマッチで今季絶望の怪我を負った、同じボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表のヴェダド・イビシェヴィッチのツキ?が乗り移ったかのようなジェコの荒稼ぎは、ウインターブレイク後のリーガ16試合で、何と!!20GOAL!!という。。。

 最終的にどちらが得点王になるかにも注目だが、今季開幕前に、ここまで二人で51GOALもGETするとはいったい誰が予想したことだろう。だいたいそんな目算が経っていれば、ウインターブレイク中に大久保嘉人を補強することなどなかったはず。ジェコの後半戦での覚醒が、大久保加入が刺激になったのかどうかは定かではないが、来季CL出場がほぼ確定とはいえ、煽りを食った状態で大久保がこのまま居続けるのは、日本代表的に考えると微妙ではある…。


 
 それにしても、ボスニア・ヘルツェゴヴィナをホント!W杯で観たい!
 ジェコ、イビシェヴィッチにギリシャでPLAYするズラタン・ムスリモヴィッチ(PAOKサロニカ)といったストライカー陣、お膳立てを担う司令塔ズヴィエズダン・ミシモヴィッチ(ヴォルフスブルク)、セニヤド・イブリッチ(ハイドゥク・スプリト)、セヤド・サリホヴィッチ(ホッフェンハイム)あたり擁する攻撃陣は、間違いなくワールド・クラス、それもかなり強力な部類に入ると見るからだ。

 ジェコとミシモヴィッチには、まずはBundesでマイスター・シャーレを獲得して、大きな弾みを付けてもらいたいものだ。後は最終節を残すのみ!

posted by JIN18 |16:32 | ◎世界蹴球雑記系 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年05月17日

11節:真のBIG CLUBへの道

 時代によって多少の差異はあるかもしれないが、とにかく弱かった頃から、浦和レッズのスタイルはリアクション・サッカーという印象が非常に強かった。その見方は新世紀以降、J1を制し亜細亜を制したときもあまり変わっていない。

 本質的なスタイル変わらずとも好成績を収められた要因は、抱える選手の質の向上とそれに伴うカウンターの礎となるDF面の整備が成されたことに尽きる。

 いつの時代もスピード豊かなFWとカウンターに必須の優れたパサーを擁していたこと、或いはJ1イチの人気CLUBゆえ、常に結果をどこかで意識しなければならない状況が、リスクの大きいもう一歩進んだスタイルへの脱却を計れない足枷になっていた面もある。また、一応の結果を伴っていたがゆえ、成功を収めている現状に変化を求めきれなかったという部分もあったに違いない。

 しかし、6年ぶりに無冠に終わった昨季。二度の監督解任など揺れに揺れたTEAMは、結局7位でSEASON終了。結果も内容も伴わないサッカーは、FANは元より選手にも多大なストレスを与えたと聞く。

 そんな状況を打破するべく!新しいスタイルを確率するべく白羽の矢を立てられたのが、フォルカー・フィンケだった。若手育成に定評があるという新指揮官が掲げたのはコンビネーションを重視するパス・サッカー。

 「浦和は今季パス・サッカーのできるTEAMを目指している」

 マスコミを通して喧伝されればアッ!っという間にTEAMの代名詞のようになるし、そんな類の謳い文句は既にいろいろなところで見聞きしている。

 しかし、新しいスタイルというのは、実際そう易々と浸透するものではない。昨季躍進を遂げた名古屋は、今や“サイド攻撃”が一つの代名詞のようになっているが、実際毎試合それを遂行できていたかというとそうでもない。絶えずマスコミでその言葉が使われることによって、いつもそういう戦い方ができているIMAGEが作られていた感は否めない。
 浦和に関していうと、試行錯誤をしながらもやりたい形は見えてきているとの声も聞くが、リーグ1/3の段で実際はどんなモノか。。。興味を惹かれたので注視して観ることにした。

 ここでチョイスするのは前節の川崎F戦。本日、スコアレス・ドローに終わったG大阪戦も後半から(汗)観たが、攻撃に関する内容でいえば全般的には川崎F戦のほうが良かったと感じたし、先々を考えると見どころがありそうだと見受けたからだ。


 
 最もSHOOTを打っているTEAM(川崎F)と、被シュートが少ないTEAM(浦和)の対戦となったこのCARD。川崎Fの強力な攻撃をいなしながら、浦和がどう相手を切り崩していくのか!?という面でも非常に興味深い対戦だった。

 試合は、立ち上がりからAWAYのしかも埼スタに臆することない川崎Fの積極的な攻撃が目に付いた。HOMEの大観衆を背に、当然!浦和も守ってばかりなどいられない。機を見て反撃に転じる。

 それにしても、川崎Fのフロント陣はやはりJ1屈指の破壊力がある。強さの鄭大世と変幻自在のジュニーニョが2TOPを組み、左MFに速さと上手さを兼備するヴィトール・ジュニオール、右MFにTEAMを操る中村憲剛が据えられた立ち上がりの布陣だったが、この4人だけでも驚異なのに、時に森勇介や谷口博之が絡む攻撃は相当なブ厚さを感じさせてくれる。

 ただ、浦和もDFに関しては定評あるところ。センターバックが厳しく2TOPをマークし、サイドやボールの出所もある程度抑えられていたのが前半だった。

 31分には負傷のポンテに代わって先発出場したエスクデロ・セルヒオのCKを、エジミウソンが倒れこみながらHEADでGOALに突き刺し先制したが、そのCKを得るまでの一連のPLAYの流れに、目指すべきスタイルが少し観て取れた気がした。

 外へ開いた原口元気へボールを叩いた細貝萌がその大外をフリーランニングで追い越していく。ボールを受けた原口も前の山田直輝へワンタッチで出すと、自らもフリーランニングで内へ切れ込んでくる。この時点で山田には選択肢が2つ。それだけDFの意識も分散されることになる。山田はダイレクトで外の細貝を使い、細貝がダイレクトで内へクロスを供給する。
 中央のDFのクリアでCKにはなったが、複数人が連動する攻撃は見応えがあった。

 簡単に叩いた山田直は、先輩に遠慮しているということはナイとは思うが、やや我を出すことに控えめであるとするならば、現状はそれが逆にPLAYのシンプルさに繋がり功を奏しているように映った。それがボールの流れの円滑さに繋がっていたからだ。

 GOALを決めたエジミウソンも全般的に目を惹いた。昨季は何か動きが重く、心ここにあらずといったPLAYだったが、2年目を迎え心身ともにフィットしてきたということだろうか。今のTEAMで第一FWに据えられているのも納得できるし、今季はそれなりにGOALも連ねていくのではないか!?

 相手の力量を考慮すれば、前半を1-0で終えたのはまずまずといっていい折り返し方だ。

 後半に入ると、川崎Fが追い付き追い越すべくギアを一段上げてきた。55分にはレナチーニョをIN。FWを3枚にしてよりその姿勢を強めてきた。
 同点GOALはこの交代によって右から左にシフトした森勇介から出たボールを、前で身体を張った鄭大世がダイレクトで軽く擦らしたボールに、反応したジュニーニョがGOAL右を狙い澄ましたように決めた一撃だった。
 偶然で直接的ではないにしろ交代采配の妙なのか!?

 試合途中まであまり見せ場がなかった中村憲剛も、3TOP+ヴィトール・ジュニオールという布陣の一つ後ろに位置することで相手のプレッシャーが軽減されたのか、決勝GOALの起点になるなど、レナチーニョ投入以降効果的な配球をようやく都度都度見せるようになった。

 タイスコアになったことで両TEAMが次のGOALを狙いに出たため、試合としてはかなり面白くなった。

 そして、最終的にそんな試合の勝敗を決したのは、良くも悪くも闘莉王だったような気がする。

 最新のSportivaでインタビューを受けたイヴィツァ・オシムが、ストレスに強い選手に闘莉王の名を挙げながらも、「ただ、彼は耐えられなくなると、とんでもないことをしてしまう(笑)。まあ真面目なときは大丈夫だ」と付け加えていたコメントを読んで、さすがによく見ていると感じたし、上手いことを言うモノだと感心したのだが…。。。

 この試合の終盤を観るにつけ思わずそのオシムの言葉を思い出した。

 64分、スローイン後のGOAL前の混戦から、思い切り良く左足を振り抜き勝ち越し点を奪ったあたりは、さすがFW顔負け?の決定力を持つ男の面目躍如だったが、71分にエリア内に侵入してきたジュニーニョへの対応が遅れ、足を踏んで倒してしまいPKを与えてしまうと、後は勝手にHEAT UPするばかり(に見えた)!

 それまでは冷静なDFで相手FWにあまり仕事をさせていなかったのだが、MISSを犯した自らに苛立っているのか?やたらと判定に食って掛かる場面が増えた。そして、自ら勝ち越しGOALを狙うべく、どんどん前へ上がっていくようになるのだが、結果としてこの上がりが決勝GOALを決めた鄭大世へのマークが遅れるという形で裏目になってしまった。

 実際、ガンガン上がることが裁量を委ねられたうえでの独断なのかどうかは分からないが、TEAMの意思統一の元に成されているならば、カヴァーする選手がマークしていたはず。
 或いはそのあたり全員捨て身で行け!という指示が出ていたのか。常に浦和の試合を観ていないので何とも言い切れないが、闘莉王HEAT UP後、TEAMはバランスを失したように個人的には感じられた。

 その後、猛追も及ばず、スコアは動くことなく試合は終了。。。

 注目していた浦和の選手の新しいスタイルへの適応という点に関していうと、選手の意識の中に「こういうことがしたい」というものは随所に観て取ることができた。
 少ないタッチで速い球回しを何本も行うというのは、失礼ながら昨季まではあまり観られなかった光景だ。
 元々、技術も経験もある選手たち。後は判断のスピードをどれだけ上げていくかだろう。
 言うは易し!だが、冒頭でも述べたように浸透にはまだまだ時間が掛かるはず。面白いコンビネーション・サッカーをしている広島だって今のスタイルを確立するのに2、3年掛かっている。

 これだけの人気TEAMでプロであることを考えると、成績を度外視することはできないのだろうが、そのうえで根気良く、強くて楽しいサッカーを目指していってほしい。その国を代表するBIG CLUBは、それなりにリーグを牽引する立場にあるはずだ。そんなTEAMはやっぱり!強いのはもちろん!面白いサッカーをしていなければならない!と強く思うからだ。

posted by JIN18 |00:30 | ■J-League 2009 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年05月14日

10節:シャムスカ・マジックよ!再び!

 浦和、山形、神戸、FC東京、柏、G大阪、大宮、横浜相手に4節から続く大分の止まらない8連敗。
 昨季、J1では過去最高の4位、悲願の初タイトル獲得となったナビスコ杯制覇と大躍進を遂げたTEAMのここまでの低迷は、予想だにしなかった事態といっていい。シャムスカ監督の卓越した指導力とそれを体現したTEAMは、決して内容のないフロック的な勝利を積み重ねていたわけではないからだ。

 ようやく九州にしっかりとした礎を築くTEAMが登場したことは、J1というよりも日本サッカー界全体で考えると、大きな意義がある。そう見ていただけにこの低迷ぶりは非常に気に掛かる。連敗も8つ重なれば一過性とはいえないし偶然でもないはず。。。

 いったい大分に何が起こっているのか!?
 とにかく現状を観てみようと考え、10節の大宮戦をチョイスして録画した。 

 この時点まで大宮4連敗、大分6連敗。どちらが連敗をSTOPするかに注目が集まった一戦だった。大宮も出だしこそまずまずだったもののこの4連敗で順位は一気にDown↓。
 今季は初勝利をあげた2節の広島戦を観戦しているが、DFがしっかりと整備されよく鍛えられたTEAMで、結構やりそうな印象を受けただけに、その後急降下したのはこちらも意外といえば意外だった。

 この日の大分との対戦でも非常にしっかりとしたサッカーを披露していた。まずDFが安定している。プレス、組織力という点で非常に整備されているし、局面での激しさ、厳しさもある。
 特にCBのマト・ネレトリャクの1対1での強さ、或いはカヴァーリングでの判断力の良さが目立っていた。マトは今季加入した選手だが、少なくとも試合においては早くもJにフィットしているし、質の高いDFはJ1でも有数といって良いのではないだろうか!?
 内田智也、金沢慎の両センターMFも、DF面での貢献は元より、攻撃の一歩目としても散らしや飛び出しで良い働きをしていた。際立ったタレントはいないし、攻撃のバリエーションも豊富ではないものの、とにかくキャンプからしっかりと鍛えられたTEAMという印象が強い。試合を通しての集中力やスタミナも大分を上回るものがあった。この戦いが続けられれば、やはり年間TOTALで低迷することはありえないと感じた。

 と、まぁ、一通り綴っていて気づいたのだが…。。。

 形成する選手こそ違えど、ここにあげた特徴ってまさに昨季の大分の特徴では!? 

 24失点とリーグ最少失点の堅守を武器に、若武者・金崎夢生らが繰り出す速攻でGOALを奪い、そして守り勝つ。。。
 この日、大宮が見せた戦いぶりは、まさに昨季の大分にダブるものだった。

 昨季の…ということは、今の大分にはその面影がないということでもある。8連敗を喫し、最下位に転落するからには、数々の要因があるのだろうが、最大の長所だったはずのDF面での不安定さがまずこの低迷の要因としてあげられる。
 5試合連続無失点を記録するなど、昨季は実に全体の半分にあたる17試合で無失点試合を演じた堅守が、今季は3節・京都戦、4節・新潟戦でゼロ封した以外、毎試合失点を連ねている。となれば8連敗も必然である。

 大宮戦では1失点め、2点めはいずれもクロス、CKと何れもサイドから上げたボールを内で合わされたものだが、サイドからクロスを上げる選手、或いは中で待つ選手に対するマーク、寄せが非常に甘いと感じた。個々人の応対だけではなく、昨季はもっと組織として連動して守っていたような気がする。 
 次世代代表守護神候補・西川周作、昨年9月にはA代表にも選出された森重真人、ファイター!上本大海、攻守に気の利いたエジミウソンと、堅陣を築く顔ぶれに大きな変化はないのだが…。

 連動という部分でいうと、攻撃でもボールを持っている選手に対するサポートが足りないように見受けられた。誰かがボールを持っていても反応する選手が少ないのだ。押し上げにも乏しいなかで、個々人、或いは少ない人数で攻撃を仕掛けても、なかなか結実しないのは自明の理だ。

 あれよあれよといういう間に失点を重ね前半だけで3失点。
 諦めてしまったわけではないだろうが、終盤追いかけてるTEAMのほうが足が止まるというのはちと情けない。連敗中ということで勢いを失している面もあるのかもしれないが、昨季は攻守にもっと運動量があったと思うのだが…。。。

 得点力不足に関しては昨季から課題にはあがっていたところ。前線の核・ウェズレイが負傷により欠場していることによる影響があるのは確かに否めない。
 しかし、期待されながら故障でほとんど使えなかった家長昭博がいるぶん、TOTALの攻撃力は昨季よりUPするのではないかと観ていたのだが、その家長も前半終わって交代するなど、なかなか思うようにはいかない。

 というよりも、やはり安定したDFなくして、安定した攻撃力は望めない。特に大分のようなそれをウリにするTEAMにとっては。復調のキッカケはやはり何を置いてもそこの整備だろうし、知将シャムスカのことだから、当然、既に着手はしていると思うが…。

 昨季は確かにやること成すことが万事結構上手く運んでいる感はあった。出来すぎ…というと言葉は悪いが、持ちうるTEAM力を最大限に引き出されている印象だった。今季は当然そこまで至っていないということになるが、逆にいえばMAXまで引き出せば、昨季並みの戦いはできる潜在能力を秘めているということでもある。一時は優勝争いにも絡むという得難い経験もした。

 リーグの約1/3、11節を終えて、1勝1分9敗の単独最下位。
 もう、落ちるところまで堕ちた。
 後は這い上がれるか否かだけ。

 2005年、最下位争いを繰り広げる大分にSEASON途中に就任後、見違えるように勝ち点を重ね“シャムスカ・マジック”と呼ばれたシャムスカ監督の手腕が今一度発揮されるのか??この先もJ1にはそれなりに強い九州のTEAMがいてほしいと心底思うだけに、ここからの巻き返しに期待したい。 

posted by JIN18 |23:41 | ■J-League 2009 | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年05月10日

スペイン蹴球紀行 ~バルセロナのもう一つのTEAMが見せた咆吼~

 バルセロナの旧市街を横断する形で走る地下鉄2号線。その終点、パラ・レル駅から接続されているフニクラ(ケーブルカー)に乗ると、モンジュイックの丘上に辿り着くことができる。そこまでに殆ど目にすることがなかったが、さすがにフニクラの車内にはエスパニョールのユニフォームを着たり、マフラーを身に纏った人たちがそこらじゅうにいる。この時間にモンジュイックを目指す人々が向かう場所はただ一つ。エスパニョールの本拠地、オリンピック・スタジアムということだ。
 
 前夜のバルセロナの街は歓喜の喧騒に包まれていた。国中の注目を集めたマドリードでの“エル・クラシコ”で、FCバルセロナ6-2という記録的な大勝を収めたからだ。一夜明けてTVでは盛んに試合を振り返る映像が流され、キオスクに並ぶ紙面もほとんどが一面でこの歴史的勝利を取り上げていた。
 
 FCバルセロナがカタルーニャのシンボルであり、世界に名だたる超名門CLUBであることはいうまでもない。街中の至る所でユニフォームやTEAMグッズが売られ、様々な観光名所を持つ大都市にあって、本拠地カンプ・ノウのツアーは一番の観光スポットだという。
 「例えばバルセロナ市民が10人いたとすると、そのうちの9人がFCバルセロナのFANで、残る1人がエスパニョールFANである」といわれるくらい圧倒的な人気を誇る。
 
 多くの市民がそんな愛するCLUBの前夜の勝利に酔いしれる中、この日にバルセロナのもう一つのTEAMが試合をすることなどすっかり忘れ去られてるのではないか!?或いはスタジアムはガラガラの空席だらけなのではないか!?“エル・クラシコ”が試合の数日前から大きな注目を集めていたのに比べると、思わずそんな懸念を抱きたくなる街の風景だったが、パルク・モンジュイックの駅を出ると、車やバス、徒歩でスタジアムを目指す人々が列を成す光景に遭遇。ようやく安堵にも似た気持ちを得た。
 
 スタジアムまでは徒歩で約10分強。途中、右手にミロ美術館が見える。普段はたくさんの観光客で賑わうのだろうが、列を成す一団は当然のことながら目もくれない。程なくしてスタジアムに到着した。
 
 1929年の万国博覧会の会場として造られたオリンピック・スタジアムは、1992年にバルセロナ・オリンピックが行われた折りに56000人収容の現在の規模に改修されたという。
 メインスタンドのある建物は荘厳な外観を誇るが、オリンピックのメイン会場として使われたわりには、もう一つ地味…というか煤けた感があるというのが拭えない率直な印象だ。数日前に訪れたカンプ・ノウは元より、日本のJ1で使用されるスタジアムよりも少し落ちるように映る。当然のことながら陸上競技用のトラックが併設されており、ピッチまでの距離は近いとは言い難い。
 ここを本拠地とするエスパニョールがもっと強いとか、人気があればまたスタジアムを取り巻く環境も違ったのだろうが。。。
 街中ではついぞエスパニョール・グッズに一度もお目に掛かれなかったが、スタジアムに隣接した小さなFAN SHOP、或いは即席の露店で、様々なグッズが売られているのをようやく目にすることができた。
 
 
 
 RCDエスパニョール(Real Club Deportiu Espanyol de Barcelona)は、FCバルセロナに遅れること1年、1900年に創設された古豪CLUBである。リーガでの優勝はなく、だいたいが中位あたりを定位置とする中堅TEAMだ。 
 元日本代表の西澤明訓(現C大阪)が2001年1~6月まで在籍したTEAMとして記憶している方も多いだろう。
 伝統的にCUP戦に強くコパ・デル・レイ4回、コパ・カタルーニャを12回制している。2006-07シーズンにはUEFA杯でも準優勝した。
 
 人気の程については前述したとおりだが、その理由についてはそのCLUB名からも垣間見ることができる。
 「王室の」を意味する“REAL”を冠するということは中央寄りであることの表れで、歴史的背景もあり、反中央気質が強いカタルーニャ自治州においては、なかなか受け入れられないというわけだ。
 
 前節までの順位が16位。今季なかなか調子が出ないTEAMは、概ね降格圏のあたりをウロウロしているような状態だったが、2月の初めには遂に最下位にまで順位を落としていた。
 そのままちょうど2ヶ月ほどが過ぎた4月最初の試合で、デポルティヴォ・ラ・コルーニャを3-1で一蹴すると、その後1分けの後3連勝。ようやく自動降格圏内を脱して迎えたのがこの日の一戦だった。
 
 しかし、対戦相手に迎えたのは強豪ヴァレンシア。リーガの二強には及ばないものの、それに次ぐ力を秘める強TEAMだ。ダヴィド・ヴィジャダヴィド・シルヴァカルロス・マルチェナといった昨年のEUROを制したスペイン代表で主力として活躍した選手は元より、ホアキン・サンチェス、ダヴィド・アルベルダ、ルーベン・バラハ、フェルナンド・モリエンテス…etcお馴染みの元代表選手も数々名を揃える。その陣容はスペイン人の逸材の宝庫といっていい。
 
 エスパニョールが最近調子を上げているといっても、CL出場権を窺うTEAMとの対戦とあっては、下馬評はやはりヴァレンシア有利というのが大方の見方だった。
 
 
 
 19時を少し廻ったところで試合がキックオフされた。
 予想どおりタレント力に勝るヴァレンシアがボールをキープし、エスパニョール陣内に攻め入る展開が続く。ヴィジャを1TOPに据え、右にお馴染みのホアキン、左に期待の新鋭ファン・マヌエル・マタ、ヴィジャの後ろのTOP下にはシルヴァが入っている。それら攻撃陣を支えるべく、バラハとマルチェナがセンターに位置取る。
 
 日が長いスペインではこの時間でも空が明るい。日本の14時過ぎぐらいの明るさだ。だから、ナイトゲームでも観ている感覚はデーゲームのそれだ。日差しもかなり強いので、日なたでは肌がチリチリする。当然、電光掲示板以外の照明が、この段で灯ることもない。
 
 スタジアムは6割ぐらいの入りだろうか。メインとバックにはそれなりに埋まっているが、GOAL裏2階席には空席のエリアも目立つ。スポンサーの広告横断幕でスッポリ覆われている区画もいくつかある。それでも34130人が訪れたというから、事前に不人気ぶりを聞き想定していたよりは遙かに人が入っている。
 ヴァレンシア・サポーターはメインスタンドから観て右側のGOAL裏一角に陣取るのみ。熱心な声援を送っていたが、他は総じてエスパニョールの勝利を願うFANばかり。HOMETEAMのFANが合唱を始めると、オレンジの一団の声は一気に掻き消されてしまう。
 
 拙席すぐ後ろに陣取る一団はセルビア人の方々だろうか…。話の内容までは分からないが、言葉は間違いなくセルボ・クロアチア語だ。エスパニョールにはセルビア代表のミラン・スミリャニッチというMFがいるが、この日はメンバー入りしていない。或いはそういった縁から応援に来ているのだろうか?
 エスパニョール・サポーターはわりと裕福な層が多いとも聞く。そういった先入観があるからかもしれないが、そういえば粗暴な感じのFANというのは、全く見掛けなかった気がする。コーラ片手にヒマワリの種をパリパリと囓りながら、とにかく喋りまくりながら声援を飛ばす姿が、そこかしこで見受けられた。
 
 
 
 
 肝心の試合のほうは相変わらずヴァレンシアが押しまくる展開。シルヴァの小気味良い動きがよく目立つ。スペイン代表では主に左サイドで起用されるだけに、TOP下でのPLAYを観るのはなかなかに新鮮だったが、とにかくボールによく触れるし、仲間もシルヴァにボールを預ける機会が多い。繋ぎで顔を覗かせ、或いは自らボールを持ち込んだりパスを出して散らしたりと、ヴァレンシアの攻撃のリズムはこのシルヴァが形作っていた。
 
 右のホアキンを使う機会が結構多く、そこからチャンスボールがGOAL前に送られる場面も何度かあったが、ホアキンも一頃に比べると随分キレを失した感がある。この日も決して悪い出来ではなかった。しかし、ベティスでデニウソンとともに両サイドを蹂躙しまくり、リーガ他TEAMの驚異となっていた頃を思い起こすと、物足りなさを覚えてしまう。仕掛けて抜き去る場面が圧倒的に少ないのだ。昨年のEUROのメンバーから漏れたのも何となく頷ける気がした。
 
 エスパニョールは身体を張ったDFでGOALこそ許さなかったが、攻撃に関しては特筆すべきチャンスもなく、スコアレスで前半を終えたとはいえ、どう贔屓目に観ても分が悪いように映った。それどころか、AWAYTEAMが大量点を奪って勝利する予感さえした。
 
 それだけに先制点を奪ってからのエスパニョールの勢いと、最終的なヴァレンシアの崩れ方は、どちらも驚きを禁じ得ないものだった。確かに後半に入ってから、攻撃のため前への意識を出したエスパニョールがチャンスを作る場面が少しずつ増えてはいたが、クリアの零れ球をロマン・マルティネスがエリア外からミドルで叩き込んで先制しても、ヴァレンシアが優勢なのは変わらないように思えたからだ。
 
 ヴァレンシアは積極的な選手交代で局面の打開を試みる。72分、疲れの見えるホアキンに変わってパブロ・エルナンデスがIN。78分には前線で孤立する場面の目立ってきたヴィジャの支援にモリエンテスを、よりチャンスメイクをするために元スペイン代表のヴィシェンテ・ロドリゲスを、それぞれバラハとヘドウィエス・マドゥーロというDFで力を発揮する選手に代えて、同時にピッチに投入してきた。
 
 なりふり構わず同点GOALを狙いにきたわけだが、しかし、結果としてどんどんバランスを失していったように見受けられた。エスパニョールのボールを奪ってからの鋭いカウンターが、焦りの見えるAWAYTEAMの喉元をジワジワと抉っていく。
 
 その中心となったのがイヴァン・デ・ラ・ペーニャであったことはいうまでもない。キープ力に秀でるのはもちろんだが、そのパスのタイミングと精度には一見の価値があった。直接のアシストこそなかったが、カウンターで前を走る選手の足元に寸分の狂いもなく繰り出すスルーパスやロビングの質に、㍉単位の狂いもないのだ。受けたFWのSHOOT!がGKにぶち当たるという場面が数度あったが、そこで1本でも決まっていれば試合の趨勢は早々に決していたかもしれない。
 
 正直!バルサを出てから(ラツィオでしたか…?)のデ・ラ・ペーニャのPLAYを観る機会などほとんどなかったのだが、かつて「ロナウドの恋人」として名を馳せた“リトル・ブッダ”のパスセンスが、全く錆び付いていないことを眼前で堪能できたのは、誠に嬉しい限りだった。数々のタレント集うこの日のピッチにあっても、最も高いスキルを有していたのは、間違いなくデ・ラ・ペーニャだった。
 
 思った以上にDFも頑張るし、運動量だってベテランの域に達したわりにはないわけではない。スペイン代表に入っても十分やれるだけのレヴェルにある。のだが、現在の代表の中盤には、平均年齢25.25歳という若き“クアトロ・フゴーネス”が居並ぶだけに、故障者でも重ならない限り、現実的にはそこに割ってはいるのはなかなかに厳しい所業だ。それでも、思わずそういった期待をしたくなってしまう…。それくらいの輝きを放っていた。
 
 80分過ぎにニコラス・パレハが直接FKをねじ込んで2-0となったところで試合の行方はほぼ決した。以降のヴァレンシアは「こんなはずでは…」という行き先を見失った空回りを醸成するような状態。
 
 
 
 PET SHOP BOYSの「GO WEST」の替え歌を熱唱するペリコの声が一層大きくなる。前後左右問わず、スタジアム全体から応援歌が聞こえてくるというのは、J1はいざ知らず日本代表の試合でもないことなので、それはとても新鮮な体験だった。
 選手が惜しいSHOOT!を外した場面では、スタンド全体から「Woo!」の声。プレミアの中継なんかではよく目にする光景で、一度は一緒に言ってみたかったのだが(笑)、その夢がまさかこのモンジュイックで適おうとは。。。
 
 この日はあまり見せ場がなかったラウール・タムードとデ・ラ・ペーニャが交代でピッチを去る際には、スタンディング・オヴェーションでの拍手の嵐。二人がTEAMにとっていかに特別な存在であるかが窺い知れる光景だった。
 
 ロスタイムにもPKで1点をくわえたエスパニョールが、結局3-0で快勝!
 前半を観た段では、ヴァレンシアがそれくらいのスコアで勝利するようにも思えただけに、意外な大勝といって差し支えないだろう。ヴァレンシアが押し込んでいた時間にGOALをあげていれば、また違った展開になったかもしれない。エスパニョールには少ない決定機を確実にGOALに結びつける効率の良さがあった。
 
 正直に告白すれば、ヴァレンシアの勝利と選手の活躍に期待していただけに、残念な結果に終わったわけなのだが、デ・ラ・ペーニャの健在ぶりとその高いスキルを堪能できたという意味では、非常に価値のある観戦だった。
 
 そこで何とはなしに思い出したのが小野伸二だ。タイプ的にはまさにデ・ラ・ペーニャとダブるものあがる。相変わらず?故障が多く、現在も戦列を離れているようだが、何とか持ち味を発揮して、もう一花でも二花でも咲かせてくれないものだろうか…(デ・ラ・ペーニャより3歳も若いのだから)。
 そんなことを思いながらフニクラの駅へ向かう帰路の道すがら、脇をエスパニョールの勝利を祝うサポーターの乗る車がクラクションを鳴らしながら通りすぎた。

posted by JIN18 |12:52 | ◎世界蹴球雑記系 | コメント(8) | トラックバック(0)
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2009年05月03日

2-6 HISTORICO!!

 タイトルは今朝のMUNDO DEPORTIVO紙一面の見出しです。

 過去の最多が何点なのかは分かりませんが、バルセロナがサンチャゴ・ベルナベウで6GOALも叩き込んだわけですから、確かに見出し通り『歴史的事件or事故』といっても良いでしょう!!

 バルセロナは今、朝の10時過ぎ。
 TVでは昨夜の試合の模様と、沸き返る深夜の街(カタルーニャ広場でしょうか?)の映像が早朝から繰り返し流されています。選手は試合を終えて深夜にホーム・タウンに戻ってきたようですが、出迎えの市民が歓喜の輪でバスを囲む映像が、非常に印象的でした。

 実は、昨夜は別用があったため、世界中が注目したこのクラシコをTVですら観ていなかったのですが(汗)、帰宿途中の街中至るところの盛り上がりを目にするだけで、結果とどういう勝ち方をしたかは一目瞭然!

 バルのオープン席でHimnoを熱唱している一団の歌声に混ざって、最後の「Barca!Barca!Barca!」だけ叫んどきましたww

 市の中心へ向かって、クラクションを鳴らしながら走って行く車が幾台もすれ違いましたが、この街中の盛り上がり方を観るだけでも、この街のサッカー文化の一端に触れた気がします。

 以上、バルセロナからの番外編でした…。

 今夜はバルセロナのもう1TEAMの試合(汗)を観に行ってきます。

posted by JIN18 |16:47 | ◎世界蹴球雑記系 | コメント(2) | トラックバック(0)
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