2012年01月30日
いわゆる四大リーグに比べるともう一つ地味な感が拭えなかったフランス・リーグ・アンだが、PSGに関していうとカタール・インベストメント・オーソリティがオーナーの座に就いた昨夏以降、ちょっと異なる様相を呈している。
SDにレオナルドが就任したのを皮切りに、ハヴィエル・パストーレやコパ・アメリカ優勝CBディエゴ・ルガーノを獲得するなど夏の移籍市場を大いに賑わせてくれた。
そのかいあってか新シーズンは優勝を争える位置を維持し続け、折り返しての後半戦に突入し現在に至る。
年末にやや勢いを失し停滞した感はあるが、そこでアントワーヌ・コンブアレ監督を解任したのには正直ビックリした。どうやらカタールのオーナーは、チェルシーのロマン・アブラモヴィッチにも負けないくらい忍耐力に乏しいようだ。好成績を残しながらも地味さ?が気に入られなかったヴィセンテ・デル・ボスケ(当時レアル)のケースが、そこに重なって、ふと、思い出される。
後任に就いたのはイタリア人のカルロ・アンチェロッティ。これまでにミランやチェルシーを率いてきたことから、“顔”という意味では申し分ない。
明日でマーケットが閉じるこの冬の移籍市場でもPSGは話題を提供し続けている。デイヴィッド・ベッカムに始まり、アレシャンドレ・パト、カルロス・テヴェス、そして本田圭佑らの名が次々と「PSGが獲得か!?」と紙上に踊った。実現性が高そうだったベッカムの移籍が家族の希望で立ち消えとなるなど、実際この冬に獲得したのはバルセロナからやってきたマクスウェルのみだが、このチームの財力と即決性を考えると期限ギリギリで何かがありそうな気がしないでもない。
その派手な様はフランスでいうとベルナール・タピがオーナーだった頃のオリンピック・マルセイユを彷彿とさせる(節操のない?監督交代劇も含めて)。
噂にあがった面々を今のPSGに足し込んでみると…
パト
ネネ パストーレ 本田
ボドメル ベッカム
マクスウェル ビシェヴァツ
サコ カマラ
シリグ
CLでも結構期待できそうな、なかなかに面白いチームになる(便宜上ジェレミー・メネズやケヴィン・ガメイロを外してしまったが…)。ラツィオに決まりそうな本田も、個人的にはPSGに入ってほしかった。
実際、今後新たにどのような顔ぶれが揃い、どんなチームになるかはまだ知る由もない。
週末のブレスト戦ではCKからセルビア人DFミラン・ビシェヴァツが決めた1点を守りきって、首位を堅持する勝利をあげた。
パリは華やかな街。
派手な顔ぶれが揃う「名」だけでなく結果という「実」をも兼備することで、その華やかさに見合った薫りが漂うというもの。
PSGにはそんなチームになってほしい。
posted by JIN18 |23:13 |
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2011年12月19日
圧巻だった。
ヴィジャやサンチェスが怪我で欠けようともやはりバルサはバルサ“Barça es Barça”だった。横浜のピッチをまるで自らの庭のように駆け回り、“いつも通り”のサッカーを披露し、終始南米王者を圧倒し続けた90分だった。
とはいえ、4-0というスコアは予想以上の大差ではあるが、バルサが極上の出来だったとも思わない。全員が勝利という一つの目標に向かって、自分たちのやるべきことを、自分たちのスタイルを、普段通り着々と遂行していたに過ぎない。
そう映った。
ただ、その質が他チームより圧倒的に高いがゆえに、気が付けば相手はバルサの後塵を拝している。彼らにとって“普通であること”を着々とこなすことが、試合が進むに連れてどんどん相手との差を拡げていくのだ。
「バルセロナはマシンだ。完全に上を行っていた」
完敗に悔し涙を浮かべた“宝石”ネイマールの「マシン」という表現には大きく頷ける。
最終的なボール支配率が71%:29%。
戦力的にもバルサのほうが1枚上↑という見立てに間違いはないが、正直ここまでの開きが出るとは思わなかった。ネイマール、ガンソをはじめエラーノ、ダニーロ、ボルジェス、ラファエウ。ここ最近の南米代表と比べてみても、サントスはそれなりにタレントを有していると思えたし、何といっても眩い“宝石”がバルサ・レベルと相対しても違いの出せる存在だと見ていた。
だから開幕前には、これまでの南米代表同様劣勢ながらしっかり守り、そのうえで試合を決められる切り札を持つサントスが、来日の遅れるバルサを破って優勝するのではないかと思っていた。
ただ、準決勝の柏レイソル戦を観て、終盤垣間見えたペースダウンとDFの弱さに一抹の不安が過ぎったのは確か。そして、そういった弱さや綻びをバルサはやっぱり見逃さなかった。
これまでの南米代表は概ね欧州代表との力の差(タレントの差?)を自覚し、とにかく相手をよく研究してガチガチの激しいDFで欧州代表の良さを封じに掛かるというイメージだが、サントスにはそこまでのDFの意識は感じられなかった。
(意識はあったのかもしれないが、バルサの凄さがそれを遙かに凌駕していたのかもしれない)
或いは充実したタレントを有しているという自負、結果、攻撃に自信があるという想いが、バルサとの差を見誤る過信に繋がっていたのかもしれない。
「サントスはスピードが遅かった」とはバルサの偉大なるカピタン、プジョルの試合後のコメントだが、ネイマールやガンソといった技巧派を擁するチームは、確かに欧州勢とは異なるブラジル・リーグらしい全体的にはゆったりとしたペースを持ち味としているようにも感じられる。そのまま真っ向から挑んだ結果が玉砕に繋がったともいえまいか。
GOALを決めたメッシやチャヴィのプレーは確かに輝いていたが、バルサの一番素晴らしいところはとにかくDFが良いところだ。ボールを奪いに行く一つの動きに全員が連動しているから、その奪った先にどうするかまで阿吽の呼吸で11人が理解し合ってるようにすら見える。
そして、ボール奪取能力が高いだけでなくDF陣はフィード力にも長けるので、奪ってからの次への展開が良い形で繋がり、よどみなくどんどん速く流麗な攻撃が仕掛けられる(何だかアリゴ・サッキのACミランをふと思い出した…というか、今のバルサの守→攻への連動と切り替えの速さはそれ以上だ)。
かと思えば、時に中盤でパスを繋ぎじっくり相手の隙を窺ったりもする。
この速さとリズムのメリハリに終始サントスは翻弄され、自陣に引いていく動きを強いられ続けた。本来、攻撃に持ち味があるチームだけに、この試合展開はサントスには本当に堪えたことだろう。
アッ!という間に2点差が付き、尚も止まることをしらない猛攻を前にして、サントスの選手はどうしたら良いのか分からなくなってしまったのではないだろうか。
勝負はその時点で決していたといっていい。
クラシコでレアルを余裕の逆転勝利で粉砕し、そしてCWCで南米王者を圧倒しての世界一。
地球上最強のチームはある意味完成の域に達している。ペップがいつまで監督を務めるのか?選手がどう入れ替わっていくのか?先々は知る由もないが、今後どのように進化するのか?或いはその余地がまだあるのか?には非常に興味がある。
誰が目にしても恐らく賛辞以外の言葉が浮かばないくらいの力を見せ付けた今のバルサは、間違いなく“Dream Team Ⅲ”といって良い。
posted by JIN18 |22:31 |
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2011年12月06日
週末の欧州主要リーグのダイジェストを観ていて、チリ人プレーヤーの活躍が大きく印象に残った。
セリエAではマウリシオ・イスラ(ウディネーゼ)が強豪インテルを撃破する値千金の決勝GOAL。アルトゥーロ・ヴィダル(ユヴェントス)は勝利を決定付ける追加点となるPKを確実に決めた。リーガでは鳴り物入りで加入したアレクシス・サンチェス(FCバルセロナ)が、前節の2GOALに続きレヴァンテ戦でも大勝に繋がる4点目をGET!
いずれも今夏コパ・アメリカでの活躍が光ったプレーヤーたちだが、所属クラブでも確実に輝きを放っているようだ。
これだけのタレントを擁するチリだが、10月から始まった2014年W杯予選では不安定な戦いに終始している。
アルゼンチンに1-4で大敗スタートすると、ペルーには勝利を収めたものの、続く現南米王者ウルグアイには0-4で惨敗。4節のパラグアイ戦に2-0で勝利し、ようやく順位を5位にまで上げてきた。格上相手に全く歯が立たない完敗を続ける様は、コパ・アメリカで最も面白いサッカーを披露していると感じただけに、少々心配にもなる意外な不振ぶりだ。タレントの好調さがチームに還元されている成績とは言い難い。
南アW杯、そしてコパ・アメリカでファンを魅了したスタイルは、豊富な走力とチーム全体が連動した組織力の賜物だった。その礎を築いたのが前監督のマルセロ・ビエルサなのは周知の通りだが、後任クラウディオ・ボルギが就任してもうすぐ1年。まさかビエルサ時代の遺産を同じアルゼンチン人が食い潰してしまった…とは思いたくないものだが(仮にそうだとしても、それはビエルサの指導やスタイルがそれだけ特殊である証左といえなくもないが…)。
W杯予選の試合に関しては観れていないので詳細には語れないが、ヴィダルやジャン・ボセジュールをはじめとする主力5人が規律違反を犯し、代表追放となった影響も気に掛かる。
監督は替わり、いずれ選手も入れ替わっていくだろう。
それでも、世界のサッカーファンに驚きを与え魅了したその攻撃的スタイルは、チリ・サッカーの伝統としてこの先の世代にも是非とも受け継いでいってほしい。
チームを取り巻く状況や戦いぶりが安定しない一方で、エドゥアルド・バルガスという新星の登場は明るい材料だ。この22歳のFWはチェルシーやリヴァプール、ミラノの二強など欧州トップクラスの強豪が獲得を狙っているという。「サントスのネイマールより優れている」なんて声も聞こえてくるが、チリはチャンス数のわりに決定力が物足りない面もある(だからこそたくさんチャンスを創ることに拘っているともいえるが)だけに、この若武者が“至宝”の評に恥じない決定力を有するとすれば、攻撃サッカーにまた一つ強力な武器が備わることにもなる。
2014年、“王国”で躍動するチリの姿が観たい。
来年は復調してくれることを期待する。
posted by JIN18 |18:29 |
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2011年10月25日
古豪と形容するほどではないにしろ、新世紀以降栄華を誇る“王者リヨン”の後塵を拝し、すっかり“かつての強豪”という位置付けに成り下がった感もあるパリ・サンジェルマン(以下PSG)。
ウェアがいてライーがいて、ジノラやル・グェン、ラマがいて、国内リーグや欧州カップ戦で華々しい活躍を見せていた90年代。エッフェル塔が刺繍された胸のエンブレムが誇らしかったであろう頃を知る身としては、少々寂寥感をも禁じ得ぬのが昨今だった。
その間、決して選手に恵まれていなかったわけではない。若かりしロナウジーニョや点獲り屋のミゲル・パウレタ、“ジェイ・ジェイ”オコチャなどなど、少なくともリーグ・アンの中にあってはそれなりのタレントを抱えていたはずだが、なかなか順位という結果には結びつかずにいた。特に新世紀以降はトップ3に収まったのも03-04シーズンの一度(2位)だけ。時に降格の危機に怯え、タイトル争いを遠くから眺めることがすっかり定番になりつつあった。
ところが、今シーズンのPSGに関していうとちょっと様相が異なるようだ。
日曜に行われた11節を終えて首位を堅持。安定した戦いぶりでリーグを引っ張る存在となっている。
その原動力となっているのが今季から加入したハヴィエル・パストーレなのは既に周知の通りだ。
この華奢なアルゼンチン人を引っ張ってきたのがこれまた新たにSDに就任したレオナルドだった。パストーレが昨季の活躍で一躍注目を集める存在になったとはいえ、パレルモはセリエのプロビンチアの一クラブに過ぎない。ミランやレアルで名を上げるのとは少々訳が違うということもあり、当初は移籍金47億円での獲得に対し懐疑的な視線があったようだが、レオナルドは早速自らに確かな慧眼が備わっていることを示したといえる。
その点に関しては、既に立派なコラムがあり詳細に触れられているのでこの場では割愛する。
■名門パリ・サンジェルマンに異変あり -パストーレら宝石を買い集め、欧州の強豪を目指す-
好調PSGとその原動力パストーレをこれだけ賞賛する記事を読んだからには、試合を観ないわけにはいかない。というわけで23日に行われたディジョン戦の中継を観戦してみた。
結果は2-0でPSGの勝利。
ディジョンには今季から松井大輔が加入しているが、左足首の怪我でこのパリへの遠征には不参加とのこと。松井が好調PSGに挑む姿も観てみたかっただけに、その点に関しては残念な限りだった。
前半についていうと、正直!ほとんど互角のように映った。名門と昇格組の対戦だけにもしかしたら結構一方的な試合になるかと予想していたが、ディジョンの面々からは「一泡吹かせてやろう」という強い意気込みが感じられたし、強いフィジカルを生かした攻めで何度も決定機を創出していた。
期待のパストーレもしばしボールの流れの中でプレーに絡む以外大した見せ場もなし。むしろPSGでは前半ロスタイムに先制GOALを決めたネネのほうがより目を惹く存在だった。
先制して前半を終えたとはいえ、相手を圧倒するほどの強さは見受けられない。今季のPSGはスロースターターといわれているようだが、その言葉通りの展開だったのが前半だった。
折り返してもスコアが変わらぬまま試合は推移していくが、時間の経過とともに、徐々に両チームに差が出てきたように感じられた。それは個々の選手の質の差といっていいかもしれない。パスの精度やトラップの大きさ、或いは判断力の速さや創造性などプレーにおける選択肢の差が、局面々々に表れるようになってきたのだ。
そう考えると、それがスコア差だと捉えることもできる。前半にPSGがメネズの正確なクロスをネネが抜け目のない動きでGOALに沈めたのに対し、ディジョンは好機を得ても拙いフィニッシュなどで逃し続けていたからだ。
時間の経過とともにようやくパストーレがプレーに絡む機会が増えてきた。
187cmの長身細身の体躯で柔らかいボールタッチが一際目を惹く。
一番の長所は“速さ”だろうか。決して俊足の部類ではない。ここでいう速さとは動きのキレ、一歩目の動き出しや(判断してから行動に移す)プレーの速さという意味での瞬発力があるということだ。
決してメッシやテヴェスのように一人で何とかできてしまうわけではない。自分でボールを運んで、相手をドリブルで抜き去るといった芸当を披露するわけではないが、味方に一度預けてリターンをもらって、でもってフィニッシュする。チームの中にあって、周囲の味方選手と連動して協調してこそより生きるタイプだと感じられた。ドリブルを駆使しないアイマール(周囲の生かし方が)…というと少し違うか。。。
ゲームメイク能力よりも、瞬時の判断とプレーが要求される局面でのチャンスメイク能力に長けているように映った。
とにかくアルゼンチン人らしからぬ?スマートなプレーが印象的で、それがエレガントと形容されることもあるようだがどことなく頷ける。あのプラティニが以前パストーレのプレーを観た際、「ジダンのようだ」とコメントしたという。タイプ的に同じかどうかは何ともいえないが、そういった雰囲気が、“将軍”の眼力にも訴えかけるものがあったのだろう。
確かにパストーレにはフランスの薫りがよく似合う。
アルゼンチン代表でメッシがバルセロナの時のように輝けないと母国で批判を浴びるようになって久しい。
そして、その理由として最終的に必ずといっていいくらいあげられるのが、「バルセロナにはチャヴィやイニエスタがいて、アルゼンチンにはいない」ということ。
そもそもこの二人の替わりを務められる存在などそうはいるものではないのだが…。
メッシをサポートできる存在。南アW杯では大ベテランのヴェロンを招集したがそれでもダメだった(ポジション的にもチャヴィ的な役割を期待されていたのだろう)。
パレルモで評価を受けているのは知っていたが、正直、これまでにパストーレのプレーは今夏コパ・アメリカでわずかに出場していたのを観たことだけしかなかった。全容を窺い知ることができていなかったわけなのだが、ディジョン戦を観た限りだとやはりチャヴィやイニエスタの趣とは少し異なるかもしれない。無理を承知でいうならば多少はイニエスタに近いところがあるかもしれないが…。
とはいえ、ジダンと比較されるその才が希有なのは確かなのだろう。今のアルゼンチン代表のアタック系の選手の中でも他にいないタイプでもある。アルゼンチン代表新監督に就任したアレハンドロ・サベージャには、是非ともパストーレを上手に融合させて、メッシと共存し且つその負担を軽減できるようにチームを仕上げてもらいたいものだ。
ディジョン戦の勝利は、終了間際にもエリア外から鮮やかなミドル弾を決めたネネの活躍あってのものだが、気が付けばいつの間にかパストーレのプレーに目を奪われ、そればかりが気になるようになっていた。
既に今季リーグ・アンの最重要選手の座は約束されたようなものだが、そのプレーがセレステ・イ・ブランコでどのくらい生きるものかを重ねつつ、また、今後の試合を観るのを楽しみにしたい。
最後に、ふと、思ったのだが、もしかするとパストーレは、“ジダン以降”に悩み続ける?今のレ・ブルーにこそ打ってつけの人材なのではないか。伝統的にエレガントなイメージがあるフランス代表でこそ、パストーレのスタイルはアルゼンチン代表よりも遥かにフィットしそうな気がする(もしかすると、アルゼンチン代表でメッシと共存するのは難しいかもしれないし…)。
とはいえ、パストーレが既にアルゼンチン代表でプレーしている以上、それはもはや決して叶わぬ夢物語ではあるが…。
パストーレがPSGで活躍するたびに、フランス人たちがほぞを噛むような想いを抱く日が訪れるのは、きっとそう遠い将来ではないだろう。
「やっぱりパストーレにはフランスの薫り(のほう)がよく似合う」と。
posted by JIN18 |23:27 |
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2011年10月07日
アンジ・マハチカラ。
日本人にとって何か不思議な響きを秘めたような、或いは魔法使いの名前でもあるかのような?このクラブが、近頃にわかに蹴球界を騒がしている。
広大なロシア連邦の南西の端、ダゲスタン共和国に位置するクラブは1991年創設の新興チーム。そのほとんどを下部リーグで過ごし、ロシアのトップリーグであるロシア・プレミアリーグでのタイトルも獲得したことはない。
突如として注目を集めるようになったのは今年初めに大富豪スレイマン・ケリモフが新たにオーナーに就任して以降。それは、ピッチ内での純粋なサッカーの力量からというよりも、ピッチ外での話題を次々に提供してくれるからに他ならない。
セレソンやレアル・マドリーで活躍したロベルト・カルロスの獲得を皮切りに、今夏はチェルシーからロシア代表ユーリ・ジルコフを、更にはインテル・ミラノからサミュエル・エトオを獲得するという、豊富な資金力にモノをいわせた力業で世界中を驚かせた。
春→秋開催で佳境に差し掛かった今季リーグは、前節終えて8位と目を惹くような成績ではないが、9月29日にガジ・ガジエフ監督が解任されたのを受けて、何と!ロベルト・カルロスが暫定ながらプレーイング・マネージャーに就くという人事を敢行。これまた世界をアッ!っと驚かせた。
本田圭佑がCSKAモスクワでプレーすることもあってか、11-12のJ-SPORTSでは毎節1試合ロシア・プレミアリーグのゲームをカバーしている。
おあつらえむきとでも言おうか。ちょうどロベカルが監督に就任したこのタイミングで、先週末のアンジの試合がピックアップされた。
アシスタント・コーチとの二頭体制のようなので、実際、宣伝の色合いが濃いのではないかと察するが、まさか、ピッチ内のロベカルが選手交代の指示を出す…なんてことは恐らくないにしても、それでも心の片隅でちょっとはそんな珍しい場面を期待して観てみたくなる。
といったところでvsロコモティフ・モスクワ戦を観戦したが…。
結果は0-1での敗戦。
ロベカル監督もピッチに立つことなく試合を終えた。
まぁ、ここまでの順位を鑑みれば、ロマン・シシュキンやデニス・グルシャコフといったロシア代表を擁し、今季ELにも出場する強豪ロコモティフ相手なら、ある程度妥当な結果ではある。
開始5分、右のウラジスラフ・イグナティエフからのクロスを、コパ・アメリカでの活躍も記憶に新しい、エクアドル代表FWフェリペ・カイセドがアッサリとヘッドで決めた1点を、ロコモティフが最後まで守り切った形となった。
クロスが上がった瞬間、アンジの最終ラインは何かエアポケットにでも入ったかのように全員足が止まってしまった。或いはオフサイドとでも判断したのだろうか。一人ジャンプしたカイセドが楽々と頭でコンタクトしたGOALだった。
その後、ようやくエンジンが掛かったアンジがポゼッションでは終始圧倒する形で推移。27分には波状攻撃から惜しいバー直撃弾、29分もマハチ・ガジエフのシュートをロコモティフDFがライン上でクリアと、オーナーの手腕同様立て続けに力業で好機を演出していった。
左のジルコフは再三キレのあるドリブルでチャンスを創出していた。チェルシーでは成功したとはいえないジルコフだが、水を得た魚のように左サイドを切り裂き、攻撃力だけでいえば、正直、アシュリー・コールよりも遙かに上だと思えた。ただ、かなり攻撃的なため攻守のバランスを考えると、常勝チェルシーにあってプレーの安定感、リスクの回避という点では、総合力でアシュリー・コールのほうが勝ったということなのだろう。とにかくヒサシブリにキレのあるジルコフのプレーを堪能できたのは、嬉しい限りだった。
それでも結局アンジはGOALできなかったわけで…。
ロコモティフのDFは堅く、押され気味でも最後まで要所を締めていた。(あらゆる意味で)“自由な狩人”エトオは徹底的にマークされ、最後までその自由を与えられなかった。
チームとしても勢いに乗った時は押せ押せなのだが、そうでない時間との差が試合の中でもあり、これはペース配分…というよりも1試合の中でもムラがあると見たほうが良いだろう。力はあるが、そういった意味ではまだまだ発展途上のチームだといえる。
だが、今後の大型補強への期待も含め、先々の可能性は確かに感じられた。ロシア国内は元より、欧州の舞台でどれだけピッチ内の力量で注目を集められるようになるか。
ロシアの大富豪が作り上げたチームというとロマン・アブラモヴィッチのチェルシーが真っ先に脳裏に浮かぶ。同じように資金力にモノをいわせて選手を買い漁るところからはじめ、やがてプレミアトップクラスを常に堅持できる安定性を身に付けた。
ケリモフのアンジも自国内において、同じように大きな成功を収めることができるだろうか。
今はまだアブラモヴィッチがチェルシーのオーナーに成り立ての頃のように、選手の獲得で世を賑わせている段階にあると見る。
(※アブラモヴィッチ・チェルシーというよりも、ベルナール・タピ時代のオリンピック・マルセイユにもダブりそうな印象も受ける)
周知の通り、ロシアは先ほど2018年W杯の開催国に決定した。そこに向けて、これから急速に変革が進むであろうロシア・サッカー界の中で、既に革新的な?動きを示し始めているアンジの果たす役割は、この先も決して小さなものではないはずだ。
Anzhi, Anzhi
Where will it lead us from here?
posted by JIN18 |23:33 |
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2011年08月27日
2011-12シーズンCLの組合せが決まった。昨季の活躍を鑑みて期待していたFCポルトはGroupG。同居するのはシャフタール・ドネツク、ゼニト・サンクトペテルブルク、アポエル・ニコシア。ファルカオ・ガルシアの放出が決まり戦力ダウンも懸念されたが、これは幸運な組合せといって良いだろう。
シャフタールあたりは油断ならない相手ではあるが、FCバルセロナやマンチェスターUが同じ組に入るよりは、遙かに与しやすいのは間違いない。ヴィトール・ペレイラ体制で新たなスタートを切ったばかりだけに、よりチームを熟成させる時間が得られたとすら思える。
同じように注目したいリールは、強豪インテル・ミラノのいるGroupBに入った。CSKAモスクワやトラブゾンスポルは、ロシアの気候的な面やトルコの常軌を逸した熱狂度に晒されるアウェー・ゲームは要注意だが、普通に戦えばリールのほうがやや格上と見て良いだろう。
むしろリールで気になるのは主力選手の動向だ。オフにジェルヴィーニョがアーセナルへ、アディル・ラミがヴァレンシアへ移籍と、着々と昨季リーグ・アン制覇に寄与した主力が引き抜かれている。昨季得点王のムッサ・ソウと“至宝”エデン・アザールはまだチームに残っているが、依然として他チームの熱い視線が注がれる存在だけに、移籍期限ギリギリまで予断を許さない状況が続く。ここの状況如何がある意味今季の浮沈を握るといってもいい。
もう一つ個人的に期待したいのが予備戦を勝ち抜いて本戦に辿り着いたヴィジャレアルだ。アウェーで0-1で敗れていたオーゼンセをホームで3-0と一蹴し、トータル逆転で本戦出場を勝ち取った。
ベスト4に進出した昨季ELでは準々決勝でトゥウェンテに2試合計8-2(5-1、3-1)、準決勝ではポルトに敗れたが2試合計4-7(1-5、3-2)と真っ向勝負で派手な撃ち合いを演じた。
元々攻撃的なスタイルに定評あるが、昨季の(裏?)最強ポルトに正面からぶつかっていくというその心意気が気に入ったし、引き続きそこが継承されるのであれば今季も推したいチームだ。ホームのオーゼンセ戦ではFCバルセロナへの移籍も噂されたジュゼッペ・ロッシが2GOAL。得点感覚に優れた昨季チーム・トップスコアラーのロッシが残っているのはチームにとってかなり大きい。ニウマールとの2トップは、リーガ他チームにとって少なからぬ脅威となるからだ。
サンティ・カソルラが恩師マヌエル・ペジェグリーニに請われる形でマラガに移籍したのは大きな戦力ダウンだが、思えば昨季も選手層が懸念されながら、下部組織出身選手の台頭もあり上手くやりくりして好成績を残した。ここのカンテラは優秀な人材を輩出することで定評があるだけに同じような再来への期待感はあるし、昨季経験を積んだ若手の成長も確かなものがある。
バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、ナポリと一筋縄でいかぬ強豪揃いのGroupAを抜けるのは、なかなかに困難な所業といえそうだが勝ち上がりに期待したい。
マンチェスター・シティのエディン・ジェコ、セルヒオ・アグエロ、ダヴィド・シルヴァの攻撃トライアングルも結構なお気に入り(そういえば、ナスリまで入るのか!)だけに、この両チームの対戦は個人的にはかなり楽しみなカードだ。
スペイン経済不況の煽りを食って、リーガのチーム約半分がユニフォームの胸スポンサーも決まらない状態だというが、CL予備戦を戦ったヴィジャレアルのシャツも胸は“El Submarino Amarillo”の黄色い生地のみ。チームの運営面においてスポンサーが付かないというのは大きな痛手には違いないが、CLで活躍することによってどこか良いスポンサーでも付かないだろうか?なんてことを、ふと、思ったりもしたが…。
今季のCLはまずはここにあげた3チームの旋風に期待したい。
posted by JIN18 |00:43 |
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2011年08月25日
デ・ヘア(マンチェスターU)、アグエロ(マンチェスター・シティ)に続きフォルランのインテル・ミラノへの移籍が発表された。アトレティコ・マドリーは主力中の主力をこんなに放出して大丈夫か!?とファンでなくても危惧してしまいそうな状況だったわけだが…去る者あれば来る人あり。昨季FCポルトでEL得点王に輝いたファルカオ・ガルシアの加入が決まった。
アグエロとフォルランのマイナスをそう容易く埋められるとは思わないが、ファルカオ・ガルシアの加入は多少なりともその穴を補うものになるだろう。
FCポルト寄りの見地で考えると、シーズン開幕直後のこのタイミングでの移籍は微妙だ。ポルト寄りの…というよりも今季のポルトに期待していた者といったほうが良いか。
昨季のポルトガル・リーグとELを圧倒的強さで制したチームが、今季CLでどれくらいやれるのかが非常に興味深かっただけに、好調だった昨季のチームをベースにした布陣で挑んでほしかったからだ。100億を超えるという違約金が設定されたフッキはそうそう他チームが触手を伸ばせる存在ではないが、願わくばこれ以上戦力が欠けることなくCLに臨んでほしいものだ。
とはいえポルトにとっては、チェルシー監督に就任したビラス・ボアスが抜けた穴がもしかすると一番大きいのかもしれない。後任のヴィトール・ペレイラはビラス・ボアスのアシスタントを務めていたが、強かった前任者のチームを継承・維持できるのか。注目したい。
posted by JIN18 |23:24 |
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2011年07月30日
興味や集中の度合いは別として、結局ほとんどの試合を観戦したコパ・アメリカ。優勝したウルグアイについては、前回の決勝レビューで触れたとおり。他、大会総評を綴ろうかとも考えたが、それほど入れ込めなかったので、正直、大したモノも書き残せそうにない。といったところで思い付いたのが独断と偏見に基づく!?大会ベスト11選出。
うん。これなら楽しめそうな気がする☆
まずは優秀選手23人を選定したい。基本的には決勝Tに進出したチームからのみ。Groupリーグで散った選手の中にもジョエル・キャンベル(コスタリカ)など楽しみな選手がいたが、12チーム中8チームが決勝Tに進めるという楽~♪なGroupリーグでは、トップスコアラーになるくらいの活躍をしてくれないとなかなか選べない。
【GK】
フェルナンド・ムスレラ(ウルグアイ)
フスト・ヴィジャール(パラグアイ)
セルヒオ・ロメロ(アルゼンチン)
【DF】
ディエゴ・ルガーノ(ウルグアイ)
パウロ・ダ・シルヴァ(パラグアイ)
オスワルド・ヴィスカロンド(ヴェネズエラ)
マイコン(ブラジル)
マウリシオ・イスラ(チリ)
パブロ・アルメロ(コロンビア)
ヴィクトル・ジョシマール・ジョトゥン(ペルー)
【MF】
アルヴァロ・ペレイラ(ウルグアイ)
ディエゴ・ペレス(ウルグアイ)
ファン・アランゴ(ヴェネズエラ)
ファン・マヌエル・ヴァルガス(ペルー)
リオネル・メッシ(アルゼンチン)
アルトゥーロ・ヴィダル(チリ)
フレディ・グアリン(コロンビア)
【FW】
ルイス・スアレス(ウルグアイ)
ディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)
ホセ・パオロ・ゲッレーロ(ペルー)
セルヒオ・アグエロ(アルゼンチン)
アレクシス・サンチェス(チリ)
ラダメル・ファルカオ・ガルシア(コロンビア)
二強が早い段階で姿を消し、攻撃に面白さがあったコロンビアやチリも上位に進出できなかった今大会。ペルーやヴェネズエラのように躍進を遂げたチームもあるが、何れもベースとなるDFがしっかりと整ったチーム、そこに特徴があるチームが勝ち上がった印象が強い。
攻<守となるわけだから必然的にGKが目立つ場面も多く、各チームのGKはなかなかに印象に残る良い選手が多かった。というわけで今大会では3人を選んだ。2人に抑えようかとも思ったが、何れも外しがたい存在。
W杯でも優秀選手に選んだムスレラは風格すら感じさせる安定感があったし、ヴィジャールはぶっちゃけ!彼のPK戦をはじめとする好セーブ連発の活躍がなければ、パラグアイは決勝まで残ることはできなかっただろう。ロメロも安定した良いプレーを見せていた。ロメロには決勝に進んだ二人以上に好印象を抱いたので、この3人選出はまさにロメロのため…といえなくもない。
DFではSBに特徴ある選手が揃った印象が強い。右SBでは攻守にツボを押さえたプレーぶりが際立っていたマイコン、サンチェスらと絡んで超攻撃的な攻め上がりが印象深いイスラ。左のアルメロもタイミングの良い攻撃参加が目を惹いたし、若きジョトゥンもやはり攻撃に特徴ある楽しみな存在だった。
チャンスメーカーとしての色合いが濃く、実際にその部分での貢献が光ったメッシは今回はMFに入れた。ヴィダルやグアリン、ヴァルガスあたりは誰が選んでも名をあげるのではないか!?というくらいの活躍を示した。アランゴもヴェネズエラの躍進に大きく寄与した。
優勝チームの二人、まずアルヴァロ・ペレイラは、大会序盤、Groupリーグでなかなかチームが波に乗れずGOALも奪えない中、2試合連続でGOALをあげたインパクトが大きかった。大会後半はスアレスやフォルランが本領発揮で結果を残したが、Groupリーグにおいてはチームのラッキーボーイといえる存在だったと思う。MFやSBなど試合によって異なるポジションを器用にこなしていたのも印象深い。ペレスは準々決勝のアルゼンチン戦では早々に退場→準決勝は出場停止■となるわけで、出場時間やそこから鑑みる貢献度という点では異論もあるだろうが、ピッチにいる時の“潰し屋”としての存在感が何故かとても脳裏に残る。ウルグアイの中盤は何れもDF能力・潰し能力に長けた選手が揃っていたが、“ウルグアイのガットゥーゾ”とでも形容したくなるペレスのプレーぶりは一際目を惹くものがあった。
アタッカーはほぼ無難な選出といっていいだろう。ここに前述のキャンベルか、ホセ・ロンドン(ヴェネズエラ)あたりをサンチェスと代えて入れる以外、誰が選んでもあまり差異はないのでは!?
当初は控えの位置付けながら、実力と結果でレギュラーの座を勝ち取ったアグエロはもう少し観てみたかった選手の一人。ファルカオ・ガルシアも安定したポストプレーなどCFWとしてのプレーは際立っていたが、フィニッシュに昨季トップスコアラーに輝いたELの時ほどの決定力がなかったのが残念。コロンビアは数多くチャンスを創出しながらなかなか決めきれない試合が続き、結果準々決勝で敗退したわけだが、非常に面白いチームだっただけに早期敗退は悔やまれる。
同様なことはチリにもいえる。サンチェスは「バルサが狙う男」としての片鱗は随所に覗かせたが、これから本領を発揮するという準々決勝の段で敗退。ウンベルト・スアソの決定力のなさ、緒戦で異才を放っていたマティアス・フェルナンデスを負傷で欠いたのも痛かった。昨年のW杯同様、Groupリーグで注目を集めながら、決勝T緒戦で敗退…と、もう一山が超えられない。
以上の23人の中からベスト11をSELECT。
スアレス ゲッレーロ
ヴァルガス メッシ
グアリン ヴィダル
アルメロ イスラ
ヴィスカロンド ルガーノ
ヴィジャール
GKはパラグアイ準Vの立役者ヴィジャール。CBは堅守ウルグアイの要・ベテランのルガーノと、躍進ヴェネズエラのヴィスカロンド。両SBは攻撃に持ち味があるイスラとアルメロを選択した。
CMFには今大会の際立った活躍で、大会期間中にもビッグクラブの視線を集め続けたグアリンとヴィダルを配置、LMFはゲッレーロとのコンビでペルーの攻撃を大きく担っていたヴァルガス、RMFはGOALこそなかったものの数々のチャンスを演出したメッシを開催国から唯一人チョイスした。
2トップは得点ランクの1,2位コンビ。パートナーのクラウディオ・ピサーロが膝の怪我でエントリー漏れという事態にあって、3位決定戦でハットトリックを決め、結果大会得点王に輝いたゲッレーロの活躍はお見事!という他ない。
いわゆる南米の二強からの選出が少なくなったため、やや寂しい顔ぶれにも映るが、改めて思い起こせば決勝に進んだ2チームはそれぞれアルゼンチン、ブラジルを屠っているわけで…。何だかんだといっても決勝まで残るだけのことはある。
大会MVPはやはりスアレスをおいて他にないだろう。キレのある動きでDFを蹂躙し、準決勝でチームの全得点となる2GOAL、決勝では先制弾と、大事なところで決定力を発揮した。1月に加入したリヴァプールでは、新シーズンもレギュラー間違いナシ!だろうが、そこでの活躍をちょっと期待したくなる。もしかすると、前エースのフェルナンド・トーレスの醸し出していた存在感や活躍度に匹敵するものを示してくれるかもしれない。そんなことを予感したくなるくらい大会ではキレていた。
最後にオマケ的に最優秀監督優秀を選んでみたいが、優勝したウルグアイの名将、“マエストロ”ことオスカール・タバレスも捨てがたいが、ここは思い切ってヴェネズエラの38歳の青年監督、セサール・ファリーアスとしたい。南米10ヵ国で唯一W杯経験のない弱小国を、過去最高の4位に導いた手腕は高く評価されてしかるべき。緒戦でセレソン相手に無失点ドローを演じるなど組織的守備を浸透させ、攻撃陣にもホセ・ロンドンなど楽しみな若手が台頭してきた。
次の2014年W杯予選でこの成果が結実するのか、一つ楽しみなチームである。
posted by JIN18 |22:23 |
◎世界蹴球雑記系 |
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2011年07月29日
ウルグアイがパラグアイを3-0で下し大会史上最多となる15回目の楽天南米王者に輝いた。
何だか、久しぶりに胸のすく試合を観た気がする…。
ドローで点の入らない試合が多く、観ているほうも消化不良を起こしそうだった今大会だが、決勝Tに入り着実に調子を上げていったウルグアイが、見事栄冠を勝ち取った。
ウルグアイは昨年の南アW杯で南米勢最高の4位という成績を収めているが、1年後に開催されたの今大会ではほぼそのチームをベースにしていることもあり、その遺産、自信、錬度の高さが大きく表れた格好となった。
ともに堅守をベースにしたカウンターが持ち味というチーム同士の顔合わせとなったファイナル。立ち上がりから積極的だったのはウルグアイのほうだった。押し気味に試合を進めると、12分にはルイス・スアレスが早々に先制GOALをGET!ディエゴ・ペレス(だったか?)の浮きパスに反応してエリア内で受けると、巧みにDFを交わして左足で蹴りこんだシュートがポストを叩いてGOALに収まった。
パラグアイはやはり2試合延長PKの疲れがあるのは否めない。決して強力とはいえない攻撃で、エースのロケ・サンタクルスをGroupリーグで負った怪我で欠いたのは痛かったし、決勝の大一番で監督とヘッドコーチが準決勝での退場処分でベンチ入りできなかったのも少なからぬ影響があったはず。
だが、そういった点を差し引いてもウルグアイのほうがよりアグレッシヴに映ったし、チームとしてもより有機的に機能していた。放送でも触れられていたが、両チームの差は守→攻への切り替えの速さ、そしてその連動の質の差にある。ともにDFには定評あるだけに攻→守へのスイッチは速いが、ボールを奪って攻撃に転じる際、ウルグアイのほうがより攻撃を意識する選手が多く、その動きの差が攻勢へと繋がっていた。
そんな守備から即攻撃に繋がる一体の形が2点めを生み出す。42分、エヒディオ・アレヴァロが中央高い位置でプレスを掛けパスカットからボールを奪取すると、左でフリーになっていたディエゴ・フォルランに即座にパス。フォルランがこれを左足ダイレクトでGOALに突き刺し、前半終了前の良い時間帯にチームをグッと楽にする追加点を奪った。
得点王に輝いた昨年のW杯以降1年間代表でのGOALがないことから、母国では批判の声も出始めていたというが、大一番で貴重なGOALをあげるあたりはさすがに役者である。この大会でも決して調子が悪かったわけではなく、異才といって差し支えない特筆すべきキックの精度で数々のチャンス創出に貢献していた。プレー自体が不調だったり錆びついていたわけではない。最後のフィニッシュだけが惜しくも決まらないという場面が続いていたのだが、試合終了間際にもダメ押しの3点めを決め外野の揶揄する声を封印する活躍を見せた。
試合を締めくくるこの素早い淀みないカウンターからのGOALは、まさにウルグアイらしい攻撃だった。相手CKからの二時攻撃、自陣GOAL前で奪ったボールを左へ展開すると、開いていたエディソン・カヴァーニが受けて駆け上がりボールを中央へ。これをスアレスが絶妙なヘッドでDFライン裏に送ると、間合いを測っていたフォルランが一気に抜け出し、飛び出してくるGKの眼前で左足でGOALにプッシュ!するという思わず見惚れるような綺麗な流れだった。
この試合でも都度都度見られたが、スアレスとフォルランの二人は阿吽の呼吸ともいえるコンビの良さを、大会の中で随所に披露した。両チームの差を守から攻へ移る際の意識や動きの速さにあると触れたが、ウルグアイが切れ味鋭いカウンターを武器にできるのも、どちらもお膳立てができどちらもフィニッシュできる質の高いこのコンビを有するからであるともいえる。パラグアイや他のチームにも良いFWはいたが、これだけのレベルの2TOPを揃え、且つ息が合い能力を遺憾なく発揮していたチームは今大会他にはない。スアレスの突破力と決定力、フォルランのキックの質と精度は、それぞれ真のワールド・クラスと呼ぶに相応しい、比類なき素晴らしい個性だった(特にスアレスには新シーズンのリヴァプールでの活躍に期待したくなる)。
Groupリーグでは1勝2分。ドロー2つの後、3戦目で今大会一奮わなかったといっていいメキシコを相手に1-0と僅差での勝利を収めGroup2位での決勝T進出を決めた。決して低調だったわけではなく、随所にW杯4位チームらしい片鱗は覗かせていたが、ペルー戦での失点はじめ、らしくない一面があったのもまた事実。オフ明け即の大会だったこともあり、試合勘や勝負勘を取り戻せていなかったのかもしれない。
そんなチームのターニング・ポイントとなったのは、やはり準々決勝の開催国との対戦、“La Plata derby”だろう。早々に退場者を出しながらもラプラタ川を挟んだ隣国相手に一歩も引かぬ戦いを演じ、PK戦の末勝利を収めたが、まさにダービーの名に恥じぬ一戦だった。この熱き一戦を経て、気持ちの面でのコンディションも完全に整ったように感じられたし、結果、準決勝、決勝では見事な快勝劇を収めた。
攻守に整い面白かったコロンビア、W杯で魅せた攻撃的スタイルを継承していたチリ、上り調子になりつつあったアルゼンチン。この3チームはある意味ウルグアイ以上に魅力があり、優勝しても良かったと思えるチームだが、攻守のバランスや熟成度という点ではウルグアイは大会の中でも一際輝いていたし、優勝して然るべきチームだった。
記録上5引き分けで決勝まで進んできたパラグアイが再びPK戦を制して優勝でもしたら、それはそれで珍事として記憶に残ったことだろうが、一方で凡庸で退屈な大会の総決算という印象しか残らなかったかもしれない。
ウルグアイの決勝Tに入ってからの戦いぶりと優勝は、準々決勝が終わった段でその結果全般から一度は失われ欠けていた大会への興味をもう一度呼び覚ましてくれた。
長く低迷が続き“古豪”と形容されることも多かった昨今だが、昨年のW杯4位、そして今回のコパ・アメリカ制覇。セレステは着実に復活への道のりを歩んでいるといえるかもしれない。
¡Enhorabuena! La Celeste
※文中でも触れましたが、今大会は個人的にはなかなかに観賞には耐え難い、正直いって面白いかという微妙な試合も多かった印象が強い大会でした。
当初は毎試合レビューを綴っていたのですが、準々決勝でカード別に推していたほうの4チームが全部見事に敗退するのを目の当たりにして、完全に記事をUPする気力が失せ…。
でもって、開幕からずっと書き続けてて途中でいきなり途絶えるという流れもバツが悪いので一旦はUPしていた記事を全て削除するという荒業を行使してしまいました(そもそも試合がイマイチ面白くなく、それについて書いていてもイマイチ乗れず、不満が残る記事ばかりだったというもあるのですが…)。
ただ、そこにコメントを下さった方に対しては、予告もなくいきなり記事と一緒にコメントが消えてしまう事態になったこと申し訳なく思っております。大変失礼致しました。
posted by JIN18 |16:30 |
◎世界蹴球雑記系 |
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2011年07月01日
いよいよコパ・アメリカが開幕する。
一時は日本が参加する方向で進んでいた恩恵か!?今大会全試合を観戦できるのは嬉しい限りだ。
各国エントリーメンバーも決定しているが、こちらの【リンク先】はなかなかに綺麗にまとめられている。背番号まで分かるのはGoo!である。
ご丁寧に欠場選手リストなるものまであるが…。
スタイルが結構好きで注目していたメキシコが、周知の通り開幕直前に不祥事から8選手が追放になった。さすがにこの土壇場で8人もの入れ替えとなると、好成績をあげるのは難しいだろう。国民の視線も国内で開催されているU-17W杯のほうに向いたりなんかして…!?
優勝候補はやはり地元アルゼンチンと、W杯4位のウルグアイ、そして永遠のサッカー王国ブラジルだろう。メッシというアンタッチャブルな存在を擁するアルゼンチンが一歩リードと見る向きが多いが、個人的にはこの3ヵ国といえども飛び抜けて強いとまでは思わない。
個人的に期待したいのはコロンビアだ。
ELで大活躍したファルカオ・ガルシアとそのEL決勝で唯一のGOALをアシストしたフレディ・グアリンのFCポルト・コンビがちょっと気に掛かるからだ。今のところ二人とも移籍の声は聞こえてこないが、このコパ・アメリカでの活躍次第では、一気にビッグクラブへ移籍なんてことも!?
代表を率いるのは二度目になるエルナン・ダリオ・ゴメス監督は、確かかつてフランシスコ・マトゥラーナがナシオナル・メデジンやコロンビア代表で前衛的な素晴らしいチームを作り上げた時、右腕的存在としてアシスタントを務めていたはず。当時ほどのタレントはいないものの、コンパクトで堅実で組織だったチームができているようだと面白い。
FCポルトといえばフッキ!
あれだけ活躍したのに落選してしまうとは…。。。
層が厚いといえばそれまでだが、国内の好景気も相まって、良い選手がブラジルに残っていることもあり、四大リーグあたり以外でプレーする選手は、なかなか呼ばれづらくなっていくのかもしれない(特にアタッカーは人材が豊富だけに…)。
この大会での新たなSTAR☆の誕生も楽しみにしたい。
posted by JIN18 |22:53 |
◎世界蹴球雑記系 |
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