2008年07月12日
6月29日(日本時間30日早朝)の決勝が終わってまだ10日を過ぎるぐらいですが、もう何だかEUROが随分前のことのような気もする今日この頃。
大会前の予想からはじまってここまで31回綴ってきたEUROの項、『アルプスの麓で目指すアンリドロネーの頂!』も、今回の大会Best-GOAL選定を締めにひとまず終了としたいと思います。
【5位】 ウェスレイ・スネイデル(オランダ) イタリア戦
相手CKボールをDFがクリアした落下点に入ったスネイデルが、ワンタッチで横のファン・デル・ファールトへ落として自らは縦へDASH!ファン・デル・ファールトはそのまま縦へは出さず、センターサークル付近で左を見やると、一気に左サイドを駆け上がってきていたファン・ブロンクホルストへ長いスルーパスを通す。受けたファン・ブロンクホルストが早めに逆サイドへ長いボールを送り、それをカイトがHEADでGOALニアへ落とす。最後はスネイデルがダイレクトボレーで飛び出すGKブッフォンのニアを抜きGOAL!
今大会猛威を奮ったオランダの強力カウンターのなかでも、世界王者の焦りを誘ったこの2点目のGOALは印象深く意味深い。スピードとダイナミックな展開力が凝縮された、まさにオラニエらしい一撃だった。
【4位】 フィリップ・ラーム(ドイツ) トルコ戦
ドリブルで内へ切れ込んだラームが、ヒッツルスベルガーにボールを預けてGOALエリアに侵入すると、リターンを受け取りGOALへ向き直る。飛び出し滑り込んできたGKリュシュトゥの上を抜きGOAL上方へ突き刺すSHOOT!は、この試合のドイツの決勝点となった。
この試合で一旦は同点に追いつかれるセミフのGOALが生まれた際、クロスを上げたサブリにサイドで抜かれたり、決勝でも先にボールに追いつくと思いきやSPEEDを緩め、フェルナンド・トーレスに上手く裏から回られ決勝点をかっさらわれるなど、DF面では都度都度課題を残したラームだが、積極的に攻撃参加したときは幾度もチャンスに絡むなど、持ちうる攻撃センスの高さを存分に示した。
【3位】 ズラタン・イブラヒモヴィッチ(スウェーデン) ギリシャ戦
スローインからのボールを受けたイブラヒモヴィッチが反転。ラーションとのワンツーでDFを交わし、エリア外あたりまで走り込むと、リターンをダイレクトで撃ち抜くSHOOT。真っ直ぐ伸びた弾道が、そのまますごいSPEEDで左ネットに突き刺さった。ちょっと日本人では打てないだろうな…という、まさに驚弾!と呼ぶに相応しい一撃だった。
このGOALが生まれるまで、代表では何と!2年半強GOALがなかったというが、ちょっと信じられない!?
続くスペイン戦でも、決してフィジカルの弱くないセルヒオ・ラモスに尻餅を付かせるブロックを決めて、シュートコースを作りGOALをあげるというSUPERな一撃を見舞ったが、これで今大会コンディションは完璧ではないというのだから、完調の暁にはいったいどうなるんだ!?
CLUBレヴェルでの活躍に疑いの余地はないが、代表ではまだその持ちうる才の片鱗を覗かせたにすぎない。もっとスゴイことをやってのけそうなポテンシャルを秘めていると感じるし、今後それを披露することに期待したい。
【2位】 シャヴィ・エルナンデス(スペイン) ロシア戦(準決勝)
センターサークル内のセナがその外にいるシャヴィへパス。素速く反転したシャヴィが縦へドリブルすると左のイニエスタへボールを送り自らはエリア内へ。大外をカプデヴィラが上がりDFの注意を引きつけた一瞬、エリア内で手前へ切り返したイニエスタがDF間を通す低い浮き球を送ると、加速したシャヴィがダイレクトで右足ボレー。
普段から同CLUBでPLAYする息のあったバルサコンビが生み出したGOALは、美しいと呼ぶに相応しい一撃だった。スペインは同じような?GOALをフェルナンド・トーレスがスウェーデン戦で決めているが、こういった形は十八番!?
【1位】 バスティアン・シュヴァインシュタイガー(ドイツ) ポルトガル戦
左サイドセンターライン付近でポドルスキが、2つのワンツーをダイレクトで交わして一気に縦へSPEEDで抜けると、GOAL前へグラウンダーのクロス。このポドルスキの一連の動きに連動して、センターサークル付近から一気に加速してGOAL前まで走り込んでいたシュヴァインシュタイガーが、そのSPEEDを緩めることなく右足スライディングボレーで、このボールをGOALに突き刺した一撃!
ダイレクトボレーのSHOOT!という点で、シャヴィのGOALとどちらを1位にするかかなり迷ったが、ドイツが誇る若武者2人が、文字通り相手陣内を縦一杯に切り裂いたSPEED感溢れる電光石火の一撃を、今大会BEST-GOALに選定したい。
ともに23歳(大会期間中)という2人は、今後もドイツを背負っていく逸材だ。
今大会ではポドルスキ3GOAL、2アシスト。
シュヴァインシュタイガー2GOAL、2アシスト。
シュヴァインシュタイガーのGOALはいずれも、左からポドルスキが上げたクロスを決めたものだ。
左右の両翼を担い今大会でも印象に残る活躍をした2人は、これからもしばらくドイツの攻撃の中心に据わり続けることだろう。
それなりのGOAL数があがった今大会ですが、いざBEST-GOALを選ぶとなると、結構迷わされました。数はあっても、何か突出したSUPERなGOALに欠ける印象は否めません。
SELECTするにあたって、ドイツW杯で選んだBEST10GOALを見返してみましたが、その文字面眺めていてもSCENEが浮かんできそうな、なかなかバラエティに富んだGOALが名を連ねていました。
今大会に関していうと、いわれている通り新しいボールの影響もあったでしょうか。。。FKは確かバラックとデ・ロッシの二発。ロングレンジからGOALに突き刺さるSHOOT!というのもなかった気がします。
ただ、昨今、上のステージへいくに従ってGOALが減る傾向にあるのが、今大会は準決勝、決勝あたりでも結構点が入ったり良いチャンスができてたりしていたのは、良い傾向だと思います。
というか、ドイツからまさか2つも選ぶとは。。。
TEAMとしてはもう一つ感もあったドイツですが、GOALの場面は結構印象深いものがあったということでしょうか!?
惜しくも?選からは外れましたが、決勝でのフェルナンド・トーレスのGOAL、ペペのトルコ戦での先制点、アルシャフィンのスウェーデン戦でのスライディングシュート、或いはニハトがチェコ戦で決めた逆転弾なんかも結構印象深いGOALだったことを付け加えておきます。
posted by JIN18 |23:58 |
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2008年07月04日
EURO2008の優秀選手23名とBest11を、独断と偏見で選んでみたいと思います。
まずは優秀選手の23名。
GK
ジャンルイジ・ブッフォン(イタリア)
イケル・カシージャス(スペイン)
DF
ペペ(ポルトガル)
ハミト・アルティントップ(トルコ)
カルロス・マルチェナ(スペイン)
クリスティアン・パヌッチ(イタリア)
クリストフ・メッツェルダー(ドイツ)
ダニイェル・プラニッチ(クロアチア)
ユーリ・ジルコフ(ロシア)
MF
アルダ・トゥラン(トルコ)
ルカ・モドリッチ(クロアチア)
バスティアン・シュヴァインシュタイガー(ドイツ)
ミヒャエル・バラック(ドイツ)
オルランド・エンヘラール(オランダ)
マルコス・セナ(スペイン)
ダヴィド・シルヴァ(スペイン)
ディニャル・ビリャレトジノフ(ロシア)
FW
ルーカス・ポドルスキ(ドイツ)
アリエン・ロッベン(オランダ)
ダヴィド・ヴィジャ(スペイン)
ロマン・パヴリュチェンコ(ロシア)
セミフ・シェンテュルク(トルコ)
アンドレイ・アルシャフィン(ロシア)
決勝Tに勝ち進んだTEAMからというのがまず一つの条件。なので、ハカン・ヤキン(スイス)、ダヴィド・ロゼフナル(チェコ)、ズラタン・イブラヒモヴィッチ(スウェーデン)などなど、印象に残る活躍をしたものの、GroupリーグでTEAMが敗退した選手は省いている。
GKは大ベテラン、エドウィン・ファン・デル・サール(オランダ)あたりもあげたいところだが、やはり、ブッフォンの安定した力とカシージャスの今大会での働きを考慮すると、そのどちらかを外すことはできない。
DFは、試合を経るごとに安定感を増した、スペインのセンターバックからどうしても一人入れたかった!カルレス・プジョルの頑張りは目を惹いたが、逆に地味ながらも淡々と相手の攻撃を跳ね返していたマルチェナのほうをここでは選定。
右のセルヒオ・ラモス(スペイン)も捨てがたかったが、やはり、『トルコ劇場』の数々の好機を演出したアルティントップと、センターバック兼任で良い働きをしていたパヌッチを入れるとなると、惜しいところだが選外にせざるをえない。。。
ドイツの強力センターバック・コンビも双方捨てがたかったが、準優勝TEAMだけに、ここではより印象に残ったメッツェルダーのほうだけを残した。
MFでは、大会序盤に圧倒的な強さを誇ったオランダ勢から新たな発見だった?エンヘラールを抜粋。もう一つぐらい勝ち上がっていたらウェスレイ・スネイデルあたりも選びたいところだった。中盤の底で攻守を支え続けたセルゲイ・セマク(ロシア)、様々なポジションを高いレヴェルでこなしたメフメト・アウレリオ(トルコ)も印象に残ったが、選出数には限りがあるということで、残念ながら落選。UEFA選定の大会MVPに輝いたシャヴィ・エルナンデスも、非常に迷ったところだが、スペイン勢MF3人は多いし、かといってセナやダヴィド・シルヴァも落としがたい。。。というわけでゴメンナサイ!
FWはロッベン以外の5人はすんなり出てきたが、最後の一人を決めかねた。というか!今大会、FWで活躍した選手があまり多くなかった気がする。カリム・ベンゼマ、ティエリー・アンリ、ニコラ・アネルカなど期待のフランス勢はGroupリーグ敗退で問題外。クリスチアーノ・ロナウドも期待通りの活躍をしたとは言いがたい。ドイツが優勝していたらミロスラフ・クローゼを入れても良かったのだが、決勝で良いところなく敗退。大会を通しても総じてあまり奮わなかった印象が強いので×に。
最終的にはルート・ファン・ニステルローイ(オランダ)、ニハト・カフヴェジ(トルコ)、そしてロッベンの中から一人を選ぶことにしたが、2試合の出場ながらキレキレの動きで最も目立っていたロッベンを入れることにした。
さて、上記23人のなかから更にBest11をSERECT。
ヴィジャ
アルシャフィン
ダヴィド・シルヴァ シュヴァインシュタイガー
モドリッチ
ジルコフ セナ アルティントップ
メッツェルダー ペペ
カシージャス
大会得点王のヴィジャとセンセーショナルな活躍を見せたアルシャフィンの2TOPは文句ナシ。決勝Tに入ってからドイツの攻撃を一人で牽引した感もあるシュヴァインシュタイガー、出場した全ての試合で水準以上のPLAYをしたモドリッチも入れたいところ。中盤の底は当初はエンヘラールを入れるつもりだったが、大会TOTALで利きまくっていたセナは外せない。
ペペは個人的に今大会No.1センターバックと見る。さすがにタレント王国ポルトガルが、敢えてブラジルから帰化させただけのことはある。不安定な左サイドのDFを支えたメッツェルダーの円熟の堅守、アルティントップの印象度については既に上記で述べた通り。
迷ったのが左サイドバックと左MFだ。ジルコフ、プラニッチともに攻撃力がかなり目を惹いた選手だが、最終的にはBest4まで進んだジルコフを入れることにした。左MFも準々決勝を終えた段ではビリャレトジノフを一番手と見ていたが、その後の試合で更に安定した活躍を披露したダヴィド・シルヴァが上回った。ポドルスキが得点RANKトップに並べばここに入れる手もあったのだが。。。
最後にGK。前回の項で述べたように、今大会のスペインのターニング・ポイントになったのは準々決勝のイタリア戦だと思っている。そこで勝利を手繰り寄せることができたのは、間違いなくカシージャスの働きが大きい。早くから将来を嘱望されていた逸材が、今大会では名実ともに世界を代表するGKの仲間入りを果たしたといって良いだろう。
大会MVPも前回の項で触れた通りカシージャスを選出したい。今大会のスペインに関しては、特定の誰が…というよりもTEAM全体が素晴らしかった!というのが本音だが、敢えて一人をそこから選ぶとするならば、キャプテンとして素晴らしいTEAMを牽引したカシージャスにMVPを捧げたい。
あくまでも私個人の独断と偏見によるものなので選定を曲げる気はありませんが、「あの選手も良かった!」とか「この選手のここが素晴らしい!」といったご意見があれば、忌憚なく寄せて頂ければと思います。
posted by JIN18 |21:30 |
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2008年07月02日
“永遠の優勝候補”が遂にビッグタイトルを手にした。
W杯やEUROの予選、或いは本大会のGroupリーグあたりでは無敵の強さを誇っても、いざ、決勝T入るとコロッと負ける脆さ儚さ。「今大会こそは!!」と信じてもいつも裏切られる…それがまたスペインらしいといえばスペインらしいのだが。。。
しかし、今大会では遂に!その悪しき伝統?に終止符を打った。
マドリードでの凱旋パレードには100万人が詰めかけたという。
とにかく地域意識が強いスペイン。従って代表TEAMのへの興味は薄く、むしろ、人々はその地域を代表するクラブTEAMのほうに情熱を注ぐ…なんていうのは有名な話。従って代表TEAMの試合も、集客・サポートが望めない大都市のスタジアムではなく、地方の小都市で開催されることも珍しくない。
選手にしてもカルレス・プジョルなどは「カタルーニャ代表があれば間違いなくそちらを選ぶ」というし、ドイツW杯に出場していたサンティアゴ・カニサレスはフランコ将軍に心酔する親スペイン派?マドリー育ちのラウール・ゴンサレスやフェルンナンド・トーレスも、カニサレスほどの国粋主義ではないにしろ考え方としてはそっち寄りだとか。。。
かつてのロッカールームでは中央集権の象徴カスティージャ(レアル・マドリー勢)と、反中央集権の象徴カタルーニャ(FCバルセロナ勢)の対抗意識が、そのまま反映されていた時代もあったという。それではいくら力があっても、眼前の試合にBestを尽くせるはずもない(かつてのユーゴのようなモノか?)。。。
しかし、今大会に関していえば、伝え聞くところでは、ベンチの雰囲気が最も素晴らしかったのはスペイン代表だったという。それは、決勝の最後の瞬間まで、勝利に対する集中力が切れないPLAYを見せていたことからも窺える。
「イタリアW杯でユーゴが優勝していれば、国の分裂は避けられたかもしれない」
かつて、イヴィツァ・オシムがどこかで語っていた言葉だが、同じようなことは?スペイン代表に関しても常々いわれ続けていた。「代表TEAMが結果を残せば、人々の代表TEAMに対する関心も変わってくる」と。
この大会ではTEAMだけではなく、観戦するFANも同じように団結していたという。それが呉越同舟なのかは分からないが、スタジアムに足を運ぶFANは、贔屓クラブに関係なく、レアルFANもバルサFANもアトレティコFANも、手を取り合って進撃を続ける代表TEAMに声援を送っていたという(それぞれの地元でどういう扱いかは知らんが…)。
団結するTEAMの進撃にシンクロするように周りの空気も一体化したとき、スペインは本来持つポテンシャルの高さをいかんなく発揮し、遂にはアンリ・ドロネーの頂に登り詰めたのだ。
緒戦のロシア戦はダヴィド・ヴィジャのハットトリックの活躍もあって4-1で完勝。“クアトロ・フゴーネス”+1TOPが有力視されていた布陣だが、蓋を開けてみればルイス・アラゴネス監督はフェルナンド・トーレスとヴィジャの2TOPを採用した。
大会前には若きエース、フェルナンド・トーレスがTEAMにフィットしないことが懸念材料としてあげられていた。1年間、縦に速いプレミアでPLAYしたことで、横への展開を得意とするスタイルになかなか合わなかったのだ。しかし、現在のスペイン最高のアタッカーとしての能力を考慮すると、簡単に外せる選手ではない。そこへきてのヴィジャの大活躍。二人のコンビが良かったことや、“クアトロ・フゴーネス”の一人セスク・ファブレガスが負傷上がりだったこともあるが、結果としてアラゴネスは、この試合での二人の活躍を受けて、“クアトロ・フゴーネス”ではなく2TOPを今大会の基本布陣にする決意を固めたようにも思える。
次戦スウェーデン戦でもこの2TOPが仲良くGOALを決めて2-1で勝利。
Group最終戦ではスタメンで10人の選手を入れ替えながら、前回王者ギリシャを2-1で一蹴!スウェーデン戦のヴィジャの決勝GOALが92分、ギリシャ戦でのダニエル・グイサの決勝GOALが88分と、終了間際に相手を突き放す勝ち方もTEAMに勢いを与えた。
3戦全勝でのGroupリーグ突破。しかし、今回のTEAMがホンモノかどうかはまだ分からないというのが正直なところだった。日韓W杯やドイツW杯でも最高のSTARTを切りながら結局は失速…という前例があるだけに、どうしても見方が慎重になる。
そういった意味でスペインの真の実力を推し量るには、準々決勝で対するイタリアは恰好の相手といえた。今大会芳しくないとはいえ、何といっても現世界王者だ。格下相手では力を発揮するスペインも、いわゆる大国相手だと踏ん張りきれない。大国同士の激突は準々決勝でも屈指の好カードと目された。
予想通りともいえるが、結果的にイタリア戦は今大会でスペインが最も苦しめられた試合となった。イタリアの“カテナチオ”の前に自慢の攻撃力を発揮できずスコアレスでのPK戦突入。何度も泣かされてきた準々決勝の壁だけに嫌な予感が過ぎったが、イケル・カシージャスの活躍で辛くも突破を果たすと、ようやく呪縛を解かれたのか!?準決勝ではロシアに3-0と完勝!
そして、決勝でもスコアこそ1-0と最小得点差だったが、内容的には圧倒的にドイツを上回り見事栄冠を手にした。
振り返ると、やはり、イタリア戦が最大のターニング・ポイントだったという印象だ。内容的にはイタリアの試合だったし、PK戦の段でも勝負弱さという悪しき伝統を考えると、どうにも分が悪いように思えてならなかった。その後の試合を観ると、やはりこのイタリア戦でのPLAYには、選手のなかにも“壁”という意識がどこかにあったのではないかという気がする。
一人威風堂々としていたカシージャスが、抜群の反射神経で勝利と覇権への道を手繰り寄せ、後はTEAMが一気に突っ走ったようにも感じられる。
UEFA選定の大会MVPでは、中盤で活躍したシャヴィ・エルナンデスが選出されたようだが、そういった意味↑では個人的にはカシージャスを大会MVPに推したい。PKの場面だけでなく、常に安定したPLAYでDFを最後尾から支える様には風格すら漂っていた。キャプテンとしてもTEAMをよくまとめ牽引していたに違いない。
カシージャスの好守はいうに及ばず、決勝T以降は無失点とDF陣もよく頑張っていた。ウイーク・ポイントとも見られていたセンターバックの2人は試合を重ねるごとに安定、大会前の風評を吹き飛ばす活躍ぶりだった。セルヒオ・ラモスとホアン・カプデヴィラの両サイドバックもDFだけでなく、都度都度効果的なオーバーラップを見せ攻撃に厚みを加えていた。
中盤の底では攻守のバランスを司るマルコス・セナが抜群に利いていた。本音をいえば、シャビ・アロンソが好きなだけに、大会前はセナが起用されることに不満を抱いていたのだが、この大会での活躍を見ればそれも納得…といったところか。
高いスキルとパスセンス、豊富な運動量を誇るシャヴィ、アンドレス・イニエスタ、ダヴィド・シルヴァのMF陣、そして前述の2TOPの働きぶりについては、ただただ賞賛を送るのみ。
とにかく全員が高いレヴェルで活躍したという印象が強い。UEFAの大会優秀選手にスペインから9人が選ばれたというのも大いに頷ける。前述通りMVPにカシージャスを選定したが、実のところ誰を選ぶか非常に迷った。ヴィジャが負傷せず最後まで出場していたら選んだかもしれないし、準決勝でアクロバティックなSHOOT!を決めたシャヴィの働きも捨てがたい。ダヴィド・シルヴァやセナは常に安定していたし、プジョルの身体を張った頑張りも目を惹いた。
個々に質は高いが誰かが突出していたりそこに依存していたわけではなく、TOTALでTEAMとして素晴らしかった。やはりそんな印象が強い。
■ 今大会のスペインのスコアラー
ヴィジャ×4
セスク
フェルナンド・トーレス×2
デ・ラ・レッド
シャヴィ
グイサ×2
ダヴィド・シルヴァ
7人の選手で計12GOAL。ちなみに12GOALはもちろん今大会出場TEAM中最多だ。
大会序盤はヴィジャの爆発もあったが、その後はまんべんなくいろんな選手がGOALしている。そのことからもTEAMとしてどこからでも攻撃できるTOTALの質の高さが窺えると思う。セスク、ルベン・デ・ラ・レッド、グイサと、控えの位置付けの選手がGOALを重ねている点からは、層の厚さが見て取れる(ギリシャ戦で控えがスタメンだったこともあるが)。
特にセスクは、交代出場で流れを代える支配力を度々披露した今大会のラッキーボーイ的存在。「スペインのベンチに居並ぶ選手は、ウチにくればみんなレギュラーだ」とは、対戦したスウェーデンのラルス・ラーゲルベック監督のコメントだが、ベンチにこのレヴェルの選手がいるということが、いかにスペインのメンバーが充実していたかを物語っている。
2010年に向けての期待は前回記載したので割愛するが、この“無敵艦隊”の進撃はまだまだ続きそうだ。
W杯での最高成績は1934年と1950年のBest4。今EUROでの優勝は44年ぶりだが、1950年といえば何と!58年前!マノーロおじさんも生まれたばかりといった時代の話だ!?
このEUROでの栄冠の余勢を駆って、続くW杯でも新たなる領域・未曾有の頂に足を踏み入れることができるのか。“無敵艦隊”の大航海時代は今まさに幕を開けた!
と信じたい。。。
posted by JIN18 |23:11 |
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2008年07月01日
■ ESPAÑA CAMPEÓN ~44年ぶりの戴冠~
【 ドイツ 0-1 スペイン 】
0-1 33' フェルナンド・トーレス(スペイン)
右利きを右、左利きを左に配置して縦へ突破しての攻撃を重視するドイツ
右利きを左、左利きを右に配置して内へ入っての攻撃を重視するスペイン
直前の番組で紹介されていた配置の対比だが、両TEAMの特徴を非常によく表している。
速いパス回しからなるポゼッション・サッカーのスペイン。縦への速さと強さのドイツ。より具体的なTEAMのスタイルという点でも、当然のことながら対局に位置する。
スペインのそれが世界屈指のレヴェルにあることは、今大会屈指のプレスを誇るロシアとの準決勝で、相手に全くサッカーをさせなかったことからも実証済み。ドイツ相手でも十分に通じることは予想が付く。
とはいえ、勝負所でギアを上げ↑無骨ながらも相手を吹き飛ばす勢いで、機を逃さない一気呵成の攻めを見せるドイツの集中力も侮れない。
今大会ここまでの戦いぶりを元に、戦前からスペインのほうが有利ではないかと見られていた対戦だが、逆境になればなるほど真価を発揮するのがドイツの真骨頂だとすれば、本来の出来でないまでも、逆にそれで決勝まで勝ち上がってきたという事実は、底知れない不気味さを感じさせる。
戦前の様々なデータでは、好調なスペインがほぼ全ての項目で勝っていたが、国際舞台の実績という点では圧倒的にドイツが上回る。
実際のところ、勝敗の行方を占うのが非常に難しい顔合わせだ。
90分のなかでどちらの特徴が相手を上回るか。当たり前すぎることかもしれないが、それが焦点になると思われた。
スペインは、太股の負傷で欠場したダヴィド・ヴィジャに代わってセスク・ファブレガスをスタメン起用。今大会はじめてSTARTから“クアトロ・フゴーネス”が顔を揃えた。ドイツは準決勝でふくらはぎを負傷したミヒャエル・バラックの出場が危ぶまれていたが、無事メンバーに名を連ねた。
キックオフからの15分弱、見るからにスペインの動きが堅い。思い切りの良いPLAYが見られず、激しさや積極性・柔軟なリズムの変化も乏しい。これが幾度もタイトルを獲得してきたTEAMと、44年タイトルがないTEAMの差なのか。。。明らかに勝利に対する重圧はスペインのほうに重くのし掛かっていた。
逆にドイツのほうは平常心で試合に臨んでいるように見えた。必然的に序盤はドイツが前に出て、スペインがそれを受ける時間帯となった。
しかし、押し気味に試合を進めながらも、最初に決定機をつかんだのがスペインなのだから、サッカーとは分からないものだ。14分、シャヴィ・エルナンデスからのスルーパスで抜け出したアンドレス・イニエスタが、エリア内で切り返して内へ入れたボールがDFに当たりドイツGOALへ。咄嗟に反応したイェンス・レーマンがこれを弾き何とか難を逃れるが、ドイツにとってはあわやオウン・ゴールという場面だった。
スペインはこれでようやく動きがほぐれてきたようだ。若武者フェルナンド・トーレスのスピードを生かす縦への攻撃が徐々に目に付くようになる。パスの繋ぎにもリズムがでてきて、リスクを犯すPLAYも見られるようになってきた。
22分、上がってきたセルヒオ・ラモスが右からフワリとしたクロスを入れると、眼前の198cmペア・メルテザッカーより遙かに高い打点で捉えたフェルナンド・トーレスのHEADが右ポストを直撃した。
大会前にはTEAMのスタイルへのフィットという面で懸念されていたフェルナンド・トーレスだが、試合を重ねるごとにそういった声は聞かれなくなっていた。この試合でも、精力的な動きっぷりでTEAMの攻撃を牽引、前線で身体を張り、負傷したヴィジャの穴を補って余りある働きを見せていた。
ドイツが最初に迎えた決定的チャンスは24分。左サイドから上がったクロスをファーで折り返し、最後はバラックがボレーでSHOOT!する。しかし、スペインのセルヒオ・ラモスが身体でこれをブロック。惜しくもGOALはならなかったが、ドイツにとっては狙い通りの形でシュートまで持ち込めた展開だった。
一進一退の攻防が続くなか、均衡を破ったのはスペインだった。33分、GOALに背を向けてマルコス・セナからのパスを受けたシャヴィが素速く反転。走り出していたフェルナンド・トーレスへスルーパスを送る。フェルナンド・トーレスは一歩先を行くフィリップ・ラームをスピードで追い抜くと、出てきたGKの鼻先でボールを浮かせる技アリSHOOT!
再三持ち前のスピードでドイツDFに驚異を与えていたフェルナンド・トーレスの、『速さ+強さ+巧さ』が結実した見事なGOALだった。
直後にはまたも絶好機が生まれる。左サイドから切り込んだイニエスタが切り返してクロスを逆サイドへ。上がってきたフリーのダヴィド・シルヴァがこれをダイレクトで狙うが、ここは惜しくも噴かしてしまった。が、先制点で完全に重圧から解き放たれたのか、スペインが自分たちの特徴を生かしたサッカーを全面に出し勢いに乗る。
後半もその勢いが止まらない。
8分、セスクが右のフェルナンド・トーレスにパスを通す。警戒したドイツDFがラインを整え引いたところ、フェルナンド・トーレスが一旦ボールを戻すと、エリア外にポッカリ空いた空間にフリーで待ちかまえていたシャヴィがミドルでGOALを狙った。これはレーマンが弾きポストを僅かに逸れたが、そこで得たCKのこぼれ球をシルヴァがSHOOT!そのボールをセルヒオ・ラモスがヒールでコースを変えようと狙うが、これもポストを逸れる。
何とか状況を打開したいドイツは、トーマス・ヒッツルスベルガーに代えてFWケヴィン・クラニィを投入する。59分には左から入ったクロスを中央のバスティアン・シュヴァインシュタイガーが戻し、バラックがミドルレンジから狙うが、ボールは惜しくもポスト左に外れた。懸命に反撃を試みるドイツの当たりが激しくなり、前への意識が一層強くなる。
ここで守りに入ればドイツにやられる!ということはスペインも重々承知していたのだろう。攻撃に転じ好機を掴むことで、ドイツの反撃の意識をいなしていく。
66分にはFKから入ったボールを、オフライド・ラインの裏へ抜け出したセルヒオ・ラモスが、フリーでドンピシャ!ダイビングHEADを見舞うが、これを咄嗟に反応したレーマンがパンチで弾き出す。そのCKをショートコーナーで受けたイニエスタの強SHOOT!も、ライン上のトルステン・フリングスが弾き飛ばした。直後、右サイドからサンティアゴ・カソルラがエリア内に入れたスルーを受けたイニエスタの素速いSHOOT!は、またもやレーマンが胸で止める。
GOALにこそ繋がらなかったが、スペインの支配力、特徴が完全にドイツを上回ってきた。
75分には、クリストフ・メッツェルダーのパスをセンターライン付近でCUTすると、右のシャヴィがボールを持ってオーバーラップ。左から上がってきたシャビ・アロンソにアーリークロスを送る。シャビ・アロンソがダイレクトで逆サイドにボールを落とすと、走り込んでいたフェルナンド・トーレスが再び内へグラウンダーのクロス。DFに戻っていたバラックに当たりCKとなるが、左右に相手を振っての綺麗な崩しだった。
ドイツはミロスラフ・クローゼに代えてマリオ・ゴメスをIN。完全にクラニィとマリオ・ゴメスの高さを生かした攻撃を意図しての交代と見受けられた。
80分、スペインに超!決定機が訪れる。ドリブルで駆け上がったマルコス・セナが右へボールをはたきGOAL前へ。右のカソルラが上げたクロスを逆サイドのダニエル・グイサが丁寧なHEADで中央に落とす。フリーのマルコス・セナはボールに触れるだけで良かったが、何と!これを空振り!ここでGOALが決まれば完全に試合が決まる場面、ドイツは辛くも難を逃れた。
スペインは最後までDFの集中力が落ちない。ロングボール攻撃をしたいドイツに対し、ボールの出所になる低い位置にもプレッシャーを掛けにいく。ドイツの“ゲルマン魂”を更に上回るかのような勝利への執念が感じられる。
3分28秒のロスタイムの後、ホイッスルが高らかに鳴った。
スペイン優勝!!
“無敵艦隊”が遂に戴冠を得た。
地元マドリードでハンガリーを下して欧州王者に輝いたEURO1964以来、実に44年ぶりの国際タイトル。
名物応援団のマノーロおじさんのスペイン代表応援歴が35年というから、それよりも遙か以前!いかに長い時を経てきたかがよく分かる。
今大会はロシアやオランダなど好TEAMが存在したが、大会で最も素晴らしいTEAMがスペインだったという点で異論はない。これまで、“良いサッカー・面白いサッカー”をしながら、なかなか結果が伴わなかったスペインが、ここで覇権を手にしたことは、世界のサッカーという観点でも大きな意義がある。
W杯やEUROといったビッグトーナメントで結果を残すこと。それは即ち、その後の2年間の世界のサッカーの流れに道標を付けることを意味する。“良いサッカー・面白いサッカー”をするTEAMが結果を残せることを示したことで、世界のサッカーの潮流が、そういった方向に向かうのであれば、これからの2年間、或いはその集大成となる2010年のW杯はかなり面白い大会になることが予想される。
ルイス・アラゴネス監督は今大会限りでの勇退が濃厚のようだが、フェルナンド・トーレス24歳、ダヴィド・シルヴァ22歳、アンドレス・イニエスタ24歳、そしてセスク・ファブレガスに至ってはまだ21歳!国内には17歳のボヤン・クルキッチのような逸材もいる。中心選手に若手を揃えるTEAMはまだまだ伸び代が期待できる。2年後のW杯で欧州以外のブラジルやアルゼンチンといった強豪と対峙したとき、どんな試合になるのか…、想像するだけでも楽しくなるし、今からその日が訪れるのが待ち遠しい。
posted by JIN18 |22:29 |
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2008年06月28日
■ バルセロナ型○→アーセナル型◎!?
【 ロシア 0-3 スペイン 】
0-1 50' シャヴィ(スペイン)
0-2 73' グイサ(スペイン)
0-3 82' ダヴィド・シルヴァ(スペイン)
さすがはスペイン通!?
原博実が紙面で面白いことを言っていた。
曰く、「スペインは序盤はシャヴィやイニエスタを中心にボールを回すバルセロナ型で攻めて、後半にセスクが入ることで縦へのスピードが生まれるアーセナル型に推移するが、相手にとってこれは嫌だろう」といった類。
確かに嫌だろう。DFでようやく相手のやり方に慣れてきたと思ったら、全く違うスタイルにスイッチするわけだ。世界を見渡してみても、なかなか二つのやり方を完遂できるTEAMはいない。
プレーする選手たちにそこまで使い分けの意識はないかもしれないが、スペインの個々の能力・TEAMとしての熟成度がかなり高いことが窺える。
そして、この日のゲームでkeyになったのが、まさにそのスイッチを司るセスク・ファブレガスだった。
Groupリーグ緒戦で相対した両TEAM。
そのときはスペインが4-1で完勝を収めている。スペインの強さばかりが目立った試合で、正直、その試合を観た段では、ロシアがここまで残るようなTEAMにはとても思えなかった。しかし、その後、ロシアが劇的に覚醒を遂げたのは周知のとおり。
大会期間中もHARDなトレーニングを続けているというTEAMは1試合毎に成長し、準々決勝では今大会圧倒的強さを誇ったオランダを力で上回り打ち破った。
緒戦の快勝で精神的にはスペインが幾分優位かもしれないが、そのときのIMAGEで相手を舐めて掛かると、手痛い目に遭うことは容易に察しが付く。
くわえて、「はたして、フース・ヒディンクが二度同じTEAMに負けるだろうか!?」という点がやけに引っ掛かった。分析力と状況判断力に長けた魔術師が、適材適所でタクトを揮う昇り調子↑のTEAMの勢いを、スペインがどう受け止めるか。
いずれにしろ、非常に結果の予想が立てにくいCARDともいえた。
先のオランダ戦のように、走力と勢いを全面に出してロシアが仕掛けると思われた立ち上がりだが、蓋を開けてみるとスペイン選手の動きの良さが目立った。決して走れていないわけではないが、ロシアのほうは逆に慎重になっている感。攻撃でも守備でも、これまでは積極さがウリだったが、やや引いた位置でラインをキープしているようにも映る。予想に反してスペインの軽快なアタックをロシアが受け止める形でのSTARTとなった。
今にして思えば、ここでロシアが先に「今日の自分たちはGroupリーグのときとは違うぞ!」という部分を見せられなかった時点で、ある意味試合の趨勢は決していたのかもしれない。
6分、エリア内でダヴィド・ヴィジャからのパスを受けたフェルナンド・トーレスが、反転してDFを交わしSHOOT!ロシアはGKのイーゴリ・アキンフェエフが左足で弾きCKに逃れた。
11分のヴィジャのミドルレンジからのSHOOT!もアキンフェエフが横っ飛びで弾き飛ばす。
反撃に転じたいロシアは、ロマン・パヴリュチェンコが長い距離からのFKやSHOOT!でGOALを狙うが、整ったDF陣とGK聖カシージャス擁するスペイン・ゴールを割るまでには至らない。
優勢に試合を進めながらもGOALをあげられない時間が続いたスペインだが、突如アクシデント!に見舞われる。ここまで今大会得点王のヴィジャが、FKを蹴った際右太股を痛め、プレー続行が不可能になってしまったのだ。
前半34分という早い段階で交代を余儀なくされたエースに代わってピッチに入ったのは、同じFWではなくMFのセスク。
奇しくも“クアトロ・フゴーネス”が顔を揃えたのは、大会緒戦のロシア戦以来のことだ。その時は54分にセスクが投入されてから、77分にダヴィド・シルヴァが退くまでの僅か23分間だった。
アクシデント絡みとはいえこの早い時間帯で一同に介するということは、“クアトロ・フゴーネス”の全容が今大会で初めて披露されたようにも感じられた。
ヴィジャ交代の虚を突いて、ロシアは左から斜めに入ったフィードを、エリア内で胸トラップしたパヴリュチェンコが、左足で至近距離からSHOOT!を放つが、ここはDFが懸命のブロック。フィニッシュの精度を欠くこともあるが、パヴリュチェンコは相変わらずシュートまでの形が良い。スペインにとっては肝を冷やした場面であり、ロシアにとっては前半最大の決定機だった。
時間の経過とともにヒサシブリに揃った“クアトロ・フゴーネス”が真価を発揮していく。
後半の始め、ハーフタイムで気合いを入れ直したロシアが高い位置からかけてくる厳しいプレスを、“クアトロ・フゴーネス”を中心に速い球回しで容易くかいくぐる様は、世界中とはいわないまでも、少なくとも欧州ではスペイン以外のTEAMにはできそうもない芸当だ。
先制点はFCバルセロナのコンビから生まれた。中央のシャヴィが左のイニエスタへボールをはたきそのままGOAL前へランニング。左のペナルティエリア内、フェイントでコースを作ったイニエスタがゴールエリア方向へ浮き球を送ると、スピードを上げフリーで飛び込んだシャヴィが、ドンピシャのタイミングで右足ボレー。今大会でも屈指といえる美しいGOALが決まった!
これで気を良くしたスペインの動きが攻守に一層良くなる。ロシアはスペインの変幻自在な縦横への展開と、二列目からの飛び出しを捕まえられない。
この試合の一つの見方として、中盤の攻防をどちらが制するかが鍵になると思われた。豊富な運動量を誇るロシアの中盤と、高いスキルを有するスペインの中盤。序盤から後者が押し気味ではあったが、ヴィジャの負傷退場でセスクが入ったことによって、怪我の功名ではないが、結果的にスペインの中盤はより厚くなった。こぼれ球をスペインが拾うケースが増える。
追加点も鮮やかなボール回しから生まれた。ダヴィド・シルヴァから出たボールを、交代出場していたダニエル・グイサが右サイドで受け、一旦後方のセルヒオ・ラモスへ戻す。セルヒオ・ラモスがツータッチで出したパスを、セスクがダイレクトの柔らかい浮き球でGOAL前へ。横への動きで右サイドから中央へ入ってきていたグイサが、このボールを胸トラップすると、右アウトで飛び出したGKを超すSHOOT!を決めた!
一度も相手に触れさせることなく、5人の選手を経由してのGOAL。まさにロシアにとっては為す術なく奪われた追加点だった。
そして、ダメ押しGOALはまたもやセスクのアシストから決まる。イニエスタが左のオープンスペースへ素速く出したボールに追いついたセスクがそのままドリブルで駆け上がり、余裕を持って中央の上がりを確かめてからクロスを送ると、最後はシルヴァが落ち着いてGOAL左へ流し込んだ。
これで勝負は完全に決した。
豊富な運動量に2アシスト。司令塔としてゲームの流れを変えコントロールしていたセスクは、もしかすると今大会のスペインのラッキー☆ボーイかもしれない。
TEAMとしても決勝に大きな希望を抱ける最高の勝ち方をした。ロシアを圧倒したこのボール支配・パス回しは、決勝の相手ドイツをも凌駕できるだけのものがある。レギュラー陣は軒並み好調で、途中から出てくる選手も皆活躍している。無敵艦隊はついぞ“幻”の冠を拭い去ることができそうな予感が漂う。
ロシアは何もできないまま敗れてしまった。スペインの速いパス回しに翻弄されたということもあるが、プレスの厳しさや走力といった、ここまでの勝ち上がりを支えてきたものが出せないまま終わってしまった。或いは連続した激戦の疲労で燃料切れに陥っていたのか!?それとも緒戦大敗がどこかでトラウマになっていたのか!?
とはいえ、ここまで残ったことは賞賛に値する。実際の戦力よりも「ヒディンクがまたやるんじゃないか!?」という見方ばかりで注目されてきたTEAMだが、監督だけでなく、選手たちも自らの価値を大会のなかで十分に示した。
この試合でこそ全く見せ場がなかったアンドレイ・アルシャフィンだが、その才を高く評価するFCバルセロナへの移籍が噂されているのは周知の通り。パヴリュチェンコやディニャル・ビリャレトジノフ、ユーリ・ジルコフ…etcといった選手たちも、恐らく西欧のビッグクラブから高い評価を受けているに違いない。
何よりもこのTEAMはまだまだ完成していない。そもそもヒディンクは2010年のW杯を見据えてこのTEAMの指揮を請け負ったはず。欧州予選でイングランドがコケるというタナボタ?で出場した今大会でここまでの旋風を巻き起こしただけに、2年後への期待はいやがうえにも高まる。02年韓国や06年オーストラリアは一つの大会を目安に強化を計ってきたが、このEUROで一つの成果をあげた今、2つ目のビッグトーナメントに向けてロシアにどういった強化を施していくのか、今後も要CHECK!が必要だ。
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2008年06月28日
■ トルコ劇場閉幕
【 ドイツ 3-2 トルコ 】
0-1 22' ウーゴ(トルコ)
1-1 26' シュヴァインシュタイガー(ドイツ)
2-1 79' クローゼ(ドイツ)
2-2 86' セミフ(トルコ)
3-2 90' ラーム(ドイツ)
「またやった!!」
リードされていたトルコが同点に追いついた!
86分、右サイドのコーナー付近、個人技でフィリップ・ラームを抜き去ったサブリ・サリュオールが、グラウンダーでニアサイドに送ったクロスにセミフ・シェンテュルクが反応する。キャッチを試みるイェンス・レーマンの鼻先に飛び込んだセミフがコースを変えると、角度が変わったボールはレーマンの脇を抜けGOALに吸い込まれていった。。。
トルコ劇場はまだまだ終わらない!!
それにしても!トルコのこの粘りはいったい何なのだろう??
『言葉では説明が付かない不思議な神通力のようなものが宿っているとしか思えない』と、対クロアチア戦の項で述べたが、その不思議な力が、この準決勝の土壇場でまたもや発揮されたのだ。
恐らく、大会前にこの顔合わせの準決勝を想像した者は、ほとんどいないだろう。優勝候補筆頭のドイツの勝ち上がりは順当といえるが、トルコのGroupリーグ突破とここまでの進出は、その勝ちっぷりも含めて奇跡的な旋風といってもいい。Group緒戦のポルトガル戦を落として以降、3試合連続で終了間際やロスタイムに同点、或いは逆転GOALが生まれるという離れ業。
従って、下馬評で圧倒的にドイツ有利と見られるこの対戦も、実際やってみるまでは何が起こるか分からない。
とはいえ、トルコのほうが不安要素を抱えているのは確かだった。
何しろ、負傷、累積警告による出場停止で、登録メンバー23人中9人が準決勝出場不可能だという。先発でピッチに立つのが11人、控えの一人がGKであると踏まえると、実質交代要員が2人しかいないという非常事態。交代枠すら埋まらない状況なのだ。当然、スタメンを選ぶ余地もない。
半面、ドイツはGroupリーグこそクロアチアの後塵を拝し2位通過となったが、準々決勝のポルトガル戦では、大会初スタメンを飾ったバスティアン・シュヴァインシュタイガーの活躍もあり、今大会最高ともいえる出来で準決勝に駒を進めてきた。決勝Tに入って調子を上げるあたり、いかにも力の入れ処を心得た大国らしい。幾度も大きな大会を制している経験を生かし、いよいよドイツが本領を発揮してきたように感じられた。
第二次世界大戦後、復興を目指す当時の西ドイツに大量の移民が流入するなど、トルコとドイツは浅からぬ関わりを持つ間柄だ。現在のトルコ代表にも、エムレ・ベロゾールやハミト・アルティントップなど、ドイツ生まれドイツ育ちの二世選手が存在する。ちなみに、一世を風靡したイルハン・マンスズ、或いは日韓W杯で活躍したイェルディライ・バシュトゥルクやユミト・ダヴァラも同ルーツだ。
1980年代、まだトルコ・サッカーが低迷していた時代に、ユップ・デアバル(元西ドイツ代表監督)がガラタサライの監督を務めるなど、その後のトルコ・サッカーの躍進に繋がる礎を築き、大きく寄与したのも有名なところだ。現ドイツ代表監督のヨアヒム・レーヴもフェルバフチェの監督を務めていたことがあるという。
そんな様々な角度から注目を集める一戦は、立ち上がりから予想に反して?トルコのペースで推移していった。準々決勝では延長PKまでもつれる激戦を経て、休養日もドイツより1日少ないことが懸念されたトルコだが、思った以上に動きが軽く運動量も豊富だ。逆にドイツは相手の様子を窺っている。というよりも油断しているのだろうか!?ドイツらしいアグレッシヴな動きが見られず気の抜けたMISSが頻発する。
13分過ぎにはトルコが立て続けにチャンスをつかむ。
GOAL前の競り合いからセミフがHEADで落としたボールに、ライン際でアイハン・アクマンが追いつき、マイナスに戻したパスを、エリア外から走り込んできたカズム・リチャーズがSHOOT!ボールはクロスバーを強烈に叩いた。
その跳ね返りを拾ったハカン・バルタが、今度は左サイドからクロスを上げると、上手く身体を入れてDFの前に出たセミフがスライディングSHOOT!これは惜しくも右ポストの脇へ逸れた。
その後も立て続けにCKを得るなど、全くドイツに付けいる隙を与えない。
そんな勢いのままトルコに先制GOALが生まれる。スローインを受けたサブリが右から入れたクロスに、カリムがダイレクトでコンタクト。緩やかに山なりの弧を描いたボールがバーを叩き、跳ね返ったところを詰めていたウーゴ・ボラルが左足で押しこんだのだ。
トルコが先制しドイツが追いかける。。。試合の展開としては、これ以上にない興味深い展開になった。
しかし、そんな想いも束の間…。その4分後、間髪入れずにドイツが試合を振り出しに戻す。左のオープンスペースにトーマス・ヒッツルスベルガーが出したパスにルーカス・ポドルスキが追いつき、ワンフェイントでコースを作ると素速くクロスを供給。ニアへの動きでDFを外したシュヴァインシュタイガーが、右アウトで自らの右後方へ角度を変え流し込んでのGOAL。
全体に動きが重いドイツのプレイヤーのなかにあって、唯一精力的な動きが目立っていたシュヴァインシュタイガーが決めるあたり、やはりドイツの勝負強さを感じる。
前半はそのままタイスコアで終了した。
迎えた後半、交代で入ったトルステン・フリンクスがドイツの中盤を活性化させると、それに伴ってようやくTEAMに動きが出てくる。逆にトルコは連続した激戦の影響か、立ち上がりのような動きの鋭さが徐々に見られなくなってきた。次第に中盤にはスペースが空くようになり、膠着した時間帯に突入していく。
はたして、その均衡を先に破ったのはドイツだった。79分、左のラームが低い位置から早めに右足で入れたクロスに、DF2人と飛び出したGKに競り勝ったミロスラフ・クローゼがHEAD一発!!
滞空時間が長く、打点の高い見事な一撃だった。この大会、精彩を欠くようにも見受けられた“不動のエース”だが、準々決勝のポルトガル戦といい、大事な試合で貴重なGOALをきっちり決めるあたりは、まさにエースの名に恥じない働きぶり。
残り時間を考えると、これでドイツの決勝進出はほぼ決まったと思われた。
しかし、ここで諦めないのが今大会のトルコだ。冒頭で触れた通り、残り4分でセミフが同点GOALをGET!「夢よ再び」といったところか。トルコ劇場はまだまだ終わらない!!
そのまま試合は延長に突入しそうな気配が漂い始めていた。
ところがロスタイム寸前、決勝点があっけなく生まれる。セミフのGOALが生まれた際、自陣左サイドでサブリに抜かれる失態を演じたラームが、内へドリブルでスルスルと切れ込むとヒッツルスベルガーとパス交換。縦へ抜けてリターンを受けると、右足でGKの右脇を抜いてネットに突き刺した!
ドイツ3-2トルコ
さすがにここからのドイツは同じ過ちを二度犯さない。タイムアップのホイッスルが鳴り、遂にトルコ劇場の幕が下りる時がきた。
最後は、今大会のトルコのお家芸“ロスタイムの劇弾”のお株を奪う形でドイツが勝利を収めた。
ドイツにとっては決して芳しい内容ではなかった。
正直、ポルトガルを破った試合以外は、内容的にはもう一つといった試合が多い。が!それでも勝利をきっちり収めるところが、ドイツのドイツたる由縁といったところか!?逆にいえば、本調子でなくとも決勝まで進むあたりが、このTEAMの地力を物語っているともいえる。勝負強さは健在だ。
不振を囲っていたクローゼがGOALをあげた点、ポドルスキ&シュヴァインシュタイガーといった若手が相変わらず元気なことは明るい材料だ。DF面の修正が計れれば、大会前の評判通り覇権を手にする可能性はかなり大きくなる。最後の1試合までの3日間でどう立て直してくるか!?
今大会を大いに盛り上げたトルコの快進撃は賞賛に値する。最後は矢も尽きたような状態に陥りながら、それでもドイツを大いに苦しめた。個々の能力の高さは存分に示したといえる。
ただし!毎試合失点を重ねたことからも分かるように、戦前からいわれていたDF面の不安は、多数の負傷者を抱えていたとはいえ改善されていたとは言い難い。
劇的な勝利を積み重ねた『トルコ劇場』も、裏を返せば、安定した戦いができなかったことの表れでもある。今後も続けて好成績を残せるかには疑問が残る。この大会を経て選手の経験値は上がった↑はず。今大会での躍進が勢いだけではないことを示すには、その経験を確実に生かしていくことが重要になる。
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2008年06月23日
■ 乗り越えたBest8の壁と大国コンプレックス
【 スペイン 0-0 イタリア (PK4-2)】
120分の終わりを告げるホイッスルが鳴った。雌雄はPK戦で決せられることになった。
「これはスペインに分が悪いな」
瞬間的に脳裏にそんな想いが過ぎった。
最近20年、スペインがビッグトーナメントでPK戦を戦ったのはEURO96の準々決勝(PK2-4でイングランドに敗退)、2002年日韓W杯の決勝T緒戦(PK3-2でアイルランドに勝利)+準々決勝(PK3-5で韓国に敗退)の三度。この試合の対戦相手のイタリアや、一頃のイングランドあたりに比べると、まだPK戦に苦しんでいるほうではない(1勝2敗)。
しかし、いつの時代も良い勝負をしながら土壇場で踏ん張りきれず、どうしてもBest8の壁を超えられないだけに、思わず「また駄目か…」と先入観で判断してしまった。しかも相手のGKは世界No.1とも謳われるジャンルイジ・ブッフォン。どうにも分が悪い。。。
大国同士の激突は、戦前の予想ではスペイン有利と見られていた。
今大会ここまでの戦いを振り返れば、そういう見方になるのは至極当然だといえる。3連勝で余裕のGroup1位通過だったスペインに対し、イタリアのほうは最終戦でフランスに勝利を収めて辛くも決勝T進出を果たした。
くわえて、累積警告による出場停止で、この試合、イタリアはアンドレア・ピルロとジェンナーロ・ガットゥーゾを欠いていた。豪華な中盤を擁するスペインに対し、本来のセンターMFを2人も欠くイタリア。苦しい戦いになることが予想された。
ただし!逆境になればなるほどしぶとさを発揮するというのもまたイタリアの真骨頂。準々決勝はここまで、各Groupを2位通過したTEAMが全て勝ち上がっているという点も、イタリアが生来持つ粘りに加味しての不気味さを醸し出していた。
見知った顔が多いということもあるが、スコアレスで推移しているわりには、目が離せない退屈しない試合だった。予想通りスペインがボールキープする時間が長い。イタリアは8人が自陣に引いて守備を固めている。さすがは元祖ゾーンプレスの国!否カテナチオの国!守りに入ったときのイタリアのDFは本当に崩せる気がしない。
スペインはなかなか複数で連動した崩しができない。というよりさせてもらえない。GOALに近いところだと、前半の終わりにイニエスタとヴィジャのコンビでエリア内に侵入し好機を作ったぐらいではないだろうか!?後はミドルレンジからのSHOOT!を繰り返すばかり。それは引いた相手を前に出すための手だてというよりは、行き詰まってそうせざるをえないようにも見受けられた。イタリアのほうもそのくらいではなかなか前に出てきたりはしない。距離があるSHOOTならばブッフォンがいればかなりの確立で防げる。
スコアレスで終了した前半。SHOOT数10:2。ボールキープ率はほぼ60%:40%と、データ上はいかにもスペインが押しているように映る。
しかし、一見攻めているように見えて、その実、スペインは攻めさせられていた。
イタリアのDFはボールを持っている対人に対してもそうだが、持っていないフリーの選手やスペースに対するケアも非常に厳しい。スペインが得意とする速いパス回しがほとんどできない。引いてしっかり守るため、2TOPがDFの裏へ抜け出すという場面もあまりなかった。
後半に入ってもその様相は変わらない。ルイス・アラゴネス監督は早めに思い切った交代策をとり、局面を打開しようと試みるが、それもなかなか功を奏さない。
ピルロとガットゥーゾを欠くイタリア。しかし、特定の個に依存することがないぶん、むしろ、TEAM全体にバランスとまとまりが感じられる。ある意味、“イタリアらしさ”というものが、今大会最も出ている試合だった。
後半もスペインのボールキープ率は高いが、GOALに近い位置での決定機はほとんど作れない。中盤からのDFもそうだが、クリスティアン・パヌッチ&ジョルジョ・キエッリーニが細心の注意を払い上手い守備を見せ、最後尾にはブッフォンが君臨。まさにGOALに“鍵”をかけた状態だ。
そして、守備に比重を置きつつも、時折見せる刃は鋭い。60分、スペインGOAL前の競り合いから零れたボールを、ゴールエリア外からマウロ・カモラネージが思い切り右足でSHOOT!これにカシージャスが驚異的な反射神経で反応し、左足一本で弾き飛ばす!!この試合最大ともいえそうなイタリアの超決定機だった。
80分、マルコス・セナが地を這う30m級SHOOT!を放つ。低く屈んだブッフォンが難なく胸でキャッチ。と思いきや!ボールが零れてGOAL方向へ。一瞬肝を冷やす場面だったが、ボールが右ポストを叩き難を逃れる。やはりイタリアのほうにツキがあるのか!?
両TEAM、決して勝利の意志がないわけではないが、互いに負けたくないという気持ちも相当強いのだろう。なかなかGOALの予感が漂わないまま推移した試合は90分を終え、120分を終え、いよいよPK戦にもつれ込んだ。
スペインが思うように進められなかった120分、そして相手GKブッフォンの存在を考えると、流れはまさにイタリアに傾いている。
しかし!スペインには“サン(聖)・カシージャス”がいた。抜群の反射神経を誇るレアルの守護神が、まずイタリア2人目のダニエレ・デ・ロッシのキックを弾き出す。これでスペインが幾分有利になったような気がした。
ところが、イタリアも百戦錬磨のブッフォンが、スペイン4人目ダニエル・グイサのSHOOT!を左に飛んで弾き出す。
振り出しに戻った。。。
そう思われた矢先、続くイタリア4人目アントニオ・ディ・ナターレが放った1本をまたもやカシージャスがSTOP。
スペインは5人目のセスク・ファブレガスが決めれば勝利となる。
プレッシャーのかかる場面だが、セスクは落ち着いてブッフォンの動きの逆を突き、GOAL右に決めて勝負に終止符を打った。
まさに“サン・カシージャス”だ。STOPした以外の2本も、きっちりコースには反応を見せていたその反射神経は恐るべし!だ。悪い流れのまま突入したPK戦で、一人で悪しき伝統を断ち切り勝利を手繰り寄せたように感じられた。
これまでは良いサッカーを披露しながらも勝負弱かった。
この日は内容はイマイチだったが結果を出した。
試合自体は間違いなくイタリアの試合だった。
しかし、形はどうあれBest8の壁をようやく超えるとともに、大国コンプレックスをようやく乗り越えた。スペインがビッグトーナメントでBest8以上に歩を進めるのは、EUROで準優勝を飾った1984年以来実に24年ぶりのこと。苦しみながら勝利を手にした“無敵艦隊”は、更に歩を進めることができるだろうか!?
準決勝で対戦するロシアはGroupリーグ緒戦で4-1と大勝を収めている。しかし、その時と今とでは、全く違うTEAMになっているといっても過言ではないくらい、大会期間中ロシアは成長を遂げている。そして、その勝ち上がりには勢いがある。厳しい戦いになることが予想されるし、正直!どちらが勝つか予想が付かない。だが、長きに渡る呪縛をようやく解き放ったスペインもまだまだ期待できるTEAMだ。目が離せない好ゲームになることだけは間違いないだろう。
posted by JIN18 |22:38 |
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2008年06月22日
■ ロシア発“ヒディンク号”の冒険尚続く
【 オランダ 1-3 ロシア 】
0-1 56' パヴリュチェンコ(ロシア)
1-1 86' ファン・ニステルローイ(オランダ)
1-2 112' トルビンスキー(ロシア)
1-3 116' アルシャフィン(ロシア)
ロシアのフース・ヒディンク監督がオランダ人であることは、今更説明する必要もないことだが、EURO2008準々決勝において、ヒディンクはその母国と相対することになった。
Groupリーグを圧倒的強さで突破し、今や覇権に一番近いと目されるオランダに対し、若さと勢い溢れるロシアが、名将ヒディンクの指揮の下どう挑むか!?
注目の一戦は試合開始から両TEAMが互角の攻防を繰り広げた。ともに相手が自陣に入ってきたあたりからしっかりとプレスを掛けにいく。攻撃ではどちらも鋭いカウンターを擁するだけに、一瞬たりとも気を抜けない。
サイドの攻防をどちらが制するかも、この試合の一つの鍵になると思われた。この大会の両TEAMはサイドからの攻撃が一つの武器。ロシアはこれまで左のMFで起用されてきたディニャル・ビリャレトジノフが、オランダは負傷明けで徐々に調子を上げてきたアリエン・ロッベンがスタメンから外れた。戦略的な側面によるものだろうが、このあたりの切り札のカードをいつ切るかも、試合の行方を左右する重要な要素となる。
GKに好セーヴされたユーリ・ジルコフのFK。
CKから零れたところを叩いたデニス・コロジンの強烈ミドル。
完全にフリーで捉えながら枠を外したロマン・パヴリュチェンコのHEAD。
これまでの勢いそのままに、立て続けにロシアが好機を迎えると、地力に勝るオレンジ軍団も負けじと反撃に転じる。
28分にはFKをラファエル・ファン・デル・ファールトが低いボールでファーポスト際へ送る。マークを外したニヘル・デ・ヨングとルート・ファン・ニステルローイが飛び込むが、それぞれあと一歩だけ届かない。
直後にロシアは、オルランド・エンヘラールからボールを奪うとそのまま素速いカウンター。左からGOALエリアまで切り込んだアンドレイ・アルシャフィンが、対峙するDFとの間合いを計って、枠内を狙い澄ましたSHOOT!これをエドウィン・ファン・デル・サールが弾き出す。
続いてコロジンがまたもや枠内に飛ぶロング・シュートを見舞うが、これもファン・デル・サールが好セーヴ。コロジンはセンターバックながら、この後も度々上がってきては長距離砲を見舞い、際どい場面を演出した。
全く互角の様相で前半を終えた。というよりもロシアがよくやっていると見るべきか!?若き挑戦者たちは「失うものは何もない」を体現するかのごとく、伸び伸びと自分たちのPLAYを披露している。オランダはイタリアやフランスを撃破した試合に比べると、全体的に慎重なようにも見えた。両サイドの守備をケアしているということもあるのだろうが、積極的な押し上げに乏しく、何か受け身に立っているようにも見受けられた。
状況を変えるべく、まず、オランダのマルコ・ファン・バステン監督が動く。右サイドのディルク・カイトを後半頭からロビン・ファン・ペルシに代えてきた。より攻撃に掛かることへの意志を示す、この大会のファン・バステン監督に見られる強気の采配だ。
ところがこのファン・ペルシが全く機能しない。元々好不調の波がある選手だが、この日は全く奮わなかった。持ちうる潜在能力が、対面のジルコフを抑える効果は多少なりともあったかもしれないが、最後まで攻撃面では良いところがなかった。
更にファン・バステンが動く。右サイドバックのハリド・ブーラルーズをヨニー・ハイティンハに交代。立て続けに右サイドをいじることで、何とかこのサイドの状況の改善しようと試みたわけだが、少なくとも攻撃面に関しては、この2つの交代は成功したとは言い難い。
ロシアの先制点が、ピッチに入ったばかりのハイティンハのところから生まれたのは、何たる不運か皮肉か!?直前に際どいFKを放ったアルシャフィンが、左サイドを上がってきたキャプテン、セルゲイ・セマクへパスを送る。セマクが中央へクロスを供給すると、最後はパヴリュチェンコが左足で合わせて先制!した。
オランダのボール保持率が上がり、ロシアの運動量がやや落ちてきたようにも映ったこの時間帯。Groupリーグ3戦目で主力をほとんど休ませたオランダは実質中7日。対するロシアはわずか中2日という強行日程。勢いを失しそうになりかかったところでの先制点は、ロシアの選手たちに再び活力を与えた。その後もロシアはオランダの不安定な右サイドから数々のチャンスを創出する。
追いかけなければならないオランダのピッチが一向に上がらない。むしろ、息を吹き返したロシアのほうが明らかに動きが良くなっている。
62分、ファン・バステン監督が早くも最後の交代カードを切る。中盤のエンヘラールに代えてイブラヒム・アヘライの投入。これで、対戦前ヒディンク監督が最も恐れていたというロッベンがこの試合で出場する機会はなくなった。
1点を追う展開。停滞する攻撃。局面を1人で打開できる能力をTEAMで最も有するロッベンの投入を行わなかったこの采配には疑問が残る。かつてのオランダであれば、DFを削ってでもFWをどんどん入れて、遮二無二GOALを奪いくところなのだが。。。
69分、ヒディンクはようやく最初の選手交代を行いビリャレトジノフをピッチに送る。ただ1点を守りにいくのではなく、隙あらば追加点をというメッセージが伝わってくる。
同点GOALを狙うオランダの攻撃には勢いがなく、反対にロシアがカウンターで決定機を創出する。アニュコフのGKとの1対1など、オランダは絶体絶命のピンチを、何度もファン・デル・サールの落ち着いたセーヴで凌いだ。
局面を打開できず、息詰まった感もあったオランダだが、残り時間5分を切ったところで得たFKから同点GOALが生まれる。左サイド、ウェスレイ・スネイデルが蹴ったボールに、ファン・ニステルローイがHEADで合わせた起死回生の同点弾!
この試合、前述の28分の場面を含めFKの場面で、オランダのキッカーの低く巻いてファーへ向かうボールに対し、ロシアDFがオランダの選手を捕まえられず、その度にフリーでわずかでもボールに触れば…というシーンが幾度もあった。土壇場でそんなDF面の不安が再び顔を擡げるとは…。。。
試合は延長戦に突入する。
前日のクロアチアvsトルコ戦の例に漏れず、追う者と追われる者では通常後者の勢いが上回るもの。ところが延長に入って尚も活発なのはロシアのほうだった。パヴリュチェンコがバー直撃弾を放つなど、同点GOALのSHOCKなど微塵も感じさせない。零れ球への反応も速い。オランダはスネイデルがミドルレンジからシュートを放つのが目立つだけ。
迎えた112分、ロシアが再び勝ち越す。この試合も際どい好機を幾度も演出していたアルシャフィンが、左サイドを切り崩しクロスを上げると、ファーに走り込んだドミトリー・トルビンスキーがポストギリギリのところ左足で押しこんだ。さらにその4分後にはスローインを受けたアルシャフィンが、右サイドを素速く駆け上がりGKと1対1になると、最後はファン・デル・サールの股間を抜くSHOOTを決めて3-1!!
勝負あった。もはやオランダに追いつく力は残されていなかった。
“ロシア発ヒディンク号”は遂に準決勝へ駒を進めた。
Groupリーグのオランダの出来を考えれば、金星といってもいい1勝だ。ロシアの選手たちの臆することない戦いぶりは見事という他ない。賞賛に値する。それを導いたのはやはりヒディンクの功績か。選手のモチヴェーションを上げ、戦う気持ちを鼓舞する心理学者的側面こそまさに“ヒディンクMAGIC”の最たるものなのかもしれない。
ビリャレトジノフをINするタイミング、或いは決勝GOALをあげたのが81分からピッチに入ったトルビンスキーといったところにも、采配の妙を感じさせる。これまでの実績に関係なく、自らの采配に必要な選手をSELECTし、機に合わせて使いこなす。そして、使った選手が結果を出す。
また、以前から触れているが、そんなTEAMの礎となるスタミナ・走力も驚異的だ!まるで中2日とは思えない走りっぷり。かつて韓国を指揮した際、「韓国の選手はスタミナがあるといわれているようだが、私にいわせればまだまだだ」と言って尚もHARDに鍛え上げたというが、その韓国やオーストラリア同様、ロシアも決して相手に走り負けないTEAMに仕上がっている。
しかし、決勝Tの戦いがGroupリーグのそれとはまた異なることは重々承知しているつもりだったが、今大会ほど様相がガラリと変わるのが顕著な大会も珍しい。
トルコ、ドイツ、ロシアと、ここまで準決勝に勝ち上がったTEAMは全てGroup2位通過。フランスが決勝Tに進めなかったことからも分かるように、出場各国の力の差はほとんどないということを痛感する。
クロアチアやオランダといった順風満帆にBest8に残ったTEAMが、急激に失速し敗退する姿を見るにつけ、中何日だ何だといったところで、最後には執念と勢いと結束力が勝るTEAMが勝つ!というのが今大会の傾向のようにも思える。
準決勝の相手は今夜の結果次第。だが、どちらと相対してもロシアが決勝に進む可能性は十分にある。イタリアとは今の両TEAMの状況を鑑みれば、正直!決して劣ってはいないはずだ。スペインにはGroupリーグ緒戦で大敗を喫したが、当時と今とではTEAMの出来がまた違う。大会期間中もHARDなトレーニングを続けるというロシアは、間違いなく一戦々々成長している。そして、ヒディンクが同じTEAMにはたして二度負けるだろうか!?いずれにしろ、また、楽しみなCARDになることは間違いない。
オランダのこの失速は全く予想が付かなかった。といいたいところだが、前日のクロアチアの姿を見ていただけに、嫌な予感が過ぎったのも事実。3週間の長丁場、ピークを維持し続けるのは至難だといわれるが、通常大会で優勝を狙うTEAMが決勝Tに入った段にそれを合わせるものだとするならば、Groupリーグで絶好調だったオランダは“死のGroup”に属したがゆえに、最初から全力で戦わなければならなかったのかもしれない。そしてその反動がこの段で出たのか!?
それにつけても予想以上に疲弊していた。全体の押し上げに乏しいためボールが走らず、いつもの流麗なオランダ・サッカーが全く披露できない試合だった。ロッベンを使わなかったこともそうだが、追いかける時間帯、センターFWを入れて前線をもう一つ厚くするという手もあったと思うが…。。。Groupリーグで超!攻撃的で強気な采配を見せたファン・バステン監督がそれを放棄?したとき、オランダの歯車は狂い始めていたのかもしれない。
今大会限りで退任するファン・バステン監督の後任が誰になるかは定かではないが、クラース・ヤン・フンテラールやアウェライといった新星も出てきた。北京オリンピック組からA代表に昇格する選手も出てくるだろう。2010年に向けて、オレンジ軍団がどういったTEAMに変貌を遂げていくか、こちらも楽しみにしたい。
posted by JIN18 |19:38 |
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2008年06月21日
■ 儚き一瞬の夢 ~二度あることは三度ある!?~
【 クロアチア 1-1 トルコ (PK 1-3)】
1-0 119' クラスニッチ(クロアチア)
1-1 122' セミフ(トルコ)
一瞬の歓喜の夢に浸った後、クロアチアに突きつけられた現実は、あまりにも残酷だった。
両TEAMノースコアで迎えた延長後半終了1分前。
右サイドのGOALライン際に勢いなく流れたボールに、真っ先にルカ・モドリッチが反応する。追いついて反転すると、左足でクロスを中央へ。これをニアでイヴァン・クラスニッチが軽く頭で合わせると、モドリッチに詰めに行ったGKのリュシュトゥ・レチベルが懸命に戻ってくるその鼻先で、ボールはGOALに吸い込まれた。
クロアチア 1-0 トルコ
誰もがPK戦突入かと思い始めた時間帯。遂に破った均衡。スラヴェン・ビリッチ監督がすごい勢いで歓喜の疾走をしている。クラスニッチに駆け寄った選手たちの大きな喜びの輪が拡がる。
だが、試合はこのままでは終わらなかった。
ロスタイムも終わる寸前、相手オフサイドで得たFK。センターサークル手前からリュシュトゥ・レチベルがGOAL前へロングフィードを送る。それはリードされてもう時間のないTEAMが見せる、何の変哲もないPLAYだった。ところが、ペナルティエリアに入ったところで複数の両TEAM選手が競ると、零れたボールがセミフ・シェンテュルクの目の前へ。詰めたセミフが思い切り左足を振り抜くと、放たれたボールは勢いよくネットに突き刺さった。
クロアチア 1-1 トルコ
直後に延長戦タイムアップのホイッスル!
何ということだろう。。。
このトルコの驚異的な粘りはいったい何なのだろう。。。
二度あることは三度ある!?
ロスタイムに決勝点をあげたスイス戦、残り3分で逆転したチェコ戦に続いて、トルコがまた神懸かり的なことをやってのけた。確かに攻撃に出ると決めたときの思い切りの良さは、大会参加TEAMのなかでも目を見張る勢いがある。しかし、3試合続けてのこの結末。言葉では説明が付かない不思議な神通力のようなものが宿っているとしか思えない。
【独断と偏見に基づくクロアチア選手の採点】
1.プレティコサ 6
5.チョルルカ 5.5
4.R・コヴァチ 6
3.シムニッチ 6
22.プラニッチ 6
10.N・コヴァチ 5.5
14.モドリッチ 6.5
11.スルナ 5.5
19.クラニチャル 5
(65m 21.ペトリッチ 5.5)
7.ラキティッチ 6
18.オリッチ 5,5
(97m 17.クラスニッチ 6.5)
正直、準々決勝のCARDのなかでは、一番予想がしやすく順当な結果に落ち着くものと考えていた。確かにトルコの勝ち方は勢いの付く勝ち方だけに侮れないものがあるが、大国ドイツに完勝を収めたクロアチアのほうが一枚上手と捉えていたのだ。
くわえて、Groupリーグ3戦を全力で戦ったトルコには、さほど余力がないようにも思えた。試合間隔こそトルコ中4日、クロアチア中3日と、トルコのほうが1日多く休養に充てている。しかし、2戦目でGroupリーグ突破を決めたクロアチアは最終戦でほとんどの主力を休ませている。ということは実質中7日。しかもトルコは負傷や出場停止で6人のレギュラーを欠いている状態。
TEAM力、コンディションといった劇勝の勢い以外の要素は全てクロアチアが勝っているように見受けられた。スタメンはドイツを撃破したときの11人!
ところが!立ち上がりから、トルコの動きが思いのほか良い!試合巧者クロアチアに対して全く臆することなく、正面から与していく。一方、休養十分のはずのクロアチアの足取りがどこか重たそうに感じられる。ややトルコのほうが押し気味に映るというのは予想外の展開だった。
それでも、組織力で勝るクロアチアが、時折鋭い牙を剥き決定機を作る。19分には右のエリア付近を突破したモドリッチのクロスをイヴィツァ・オリッチがFINISH。。。も!ボールはクロスバーに弾かれる。跳ね返りに詰めたニコ・クラニチャルがHEADで反応するが、このボールはクロスバーを超える。
前半最大の決定機!芝生を両手で叩いて悔しがるモドリッチの姿が印象的だった。
これまでのような躍動感に欠ける多くのクロアチア選手のなかにあって、モドリッチだけは終始元気で溌剌としていた。先制点のアシストを含め、キレのある動きで都度都度攻撃に変化を与える好PLAYを披露。特にオリッチには幾度か好機のお膳立てをするが、これが決まらない。
オリッチはこの試合でも惜しみない運動量で攻守に貢献していたが、何かこれまでの試合のような鋭さが感じられない。左のダニイェル・プラニッチも序盤こそ再三の上がりを見せていたが、次第にそれが影を潜めていく。右のダリヨ・スルナにもキレがなく、FK以外ではさほど目立った場面もない。クラニチャルに至っては上記の惜しい場面を除いては存在感すら希薄だった。
TEAMとして、攻撃時の押し上げが乏しくサポートも少ない。DF時もこれまでの試合のような前線からの激しいプレスが見られない。Groupリーグ3戦を戦って力を出し尽くしたのはクロアチアのほうだったのか!?
トルコのほうも主力を大勢欠くこともあってか、予想されたスタミナ切れこそ起こしていないものの、有機的な攻撃を構築できない。なかなかペースアップしないまま試合は推移し、気が付けば試合は延長戦に突入していた。
両TEAMの最後の力を振り絞った攻防のなかから、ようやくクロアチアが先制点をあげたのは冒頭に記したとおり。前戦で肝臓移植手術後、代表で久しぶりのGOALをあげたクラスニッチが、この試合でも延長途中から入って決勝点!ともなれば、遂にTEAMに待ち望んだLUCKY BOY誕生か!?とも思わせたが、それは幻想に終わった。。。
追いつく方と追いつかれた方。当然前者のほうが精神的には優位になる。しかもクロアチアにとっては延長後半ロスタイムに追いつかれてのPK戦だ。全選手がキッチリ決めたトルコに対して、クロアチアはモドリッチ、スルナ、イヴァン・ラキティッチが失敗!若い選手には気持ちの整理・切り替えができていなかったか!?
とてつもなく悔しさが募る敗戦だ。今大会では旋風を巻き起こす可能性があると見ていたが、その座はトルコに奪われてしまった。
“Šahovnica”
シャホヴニッツァとはクロアチアの国旗やユニフォームでも御馴染みの赤と白の格子模様を意味する。このシャホヴニッツァが全面に散りばめられたものがTEAMのファースト・ユニフォームとなるが、今大会のクロアチアは緒戦以降Groupリーグ全ての試合で、青がベースとなるセカンド・ユニフォームを着用。このトルコ戦でも青いユニフォームを着て勝利!となれば、いよいよ“青のジンクス”“青の旋風”めいたものが叫ばれそうなところだったが、それも叶わなかった。。。
TEAMには若い選手が数多く残ることに希望を託したい。
モドリッチ22歳。ラキティッチ20歳。クラニチャル23歳。チョルルカ22歳。
36歳の大ベテラン、ニコ・コヴァチは恐らく今大会を最後に代表を退くだろうが、後継者としてオグニェン・ヴコヴィッチやニコラ・ポクリヴァチュが大会のなかで可能性を示した。怪我で大会エントリーができなかったエドゥアルド・ダ・シルヴァが復帰すれば、2010年には今大会で経験を積んだ若手をベースに、より熟成したTEAMに仕上がる可能性は十分にある。
旧ユーゴFANとしては、この悔しさの整理はなかなかに付きにくいものがあるが、新しいTEAMへの期待を寄せることで紛らわすことにしたい。スラヴェン・ビリッチの作ったTEAMは確かに良いTEAMだった。
準決勝に進んだトルコだが、ドイツとの対戦は今度こそ苦しそうだ。試合間隔や延長を戦った疲弊度もそうだが、この試合でイエロー・カードを受けたアルダ・トゥランとトゥンジャイ・シャンルは次戦出場停止。くわえて、延長後半にはここまでTEAMを牽引していたキャプテンのニハト・カフヴェジまでもが負傷で交代。ドイツ戦ではここまでトルコの攻撃陣を形成してきた3人を一気に欠くことになる。負傷で2戦目以降欠場のエムレ・ベロゾールは結局この試合も出ていない。復帰の目処は立っているのだろうか??同じく欠場したDFの要セルヴェト・チェティンの怪我の具合は!?
とはいっても同じような状況で勝利を収めたこのクロアチア戦の模様を見ると、準決勝でも想像しえない何かが起こらないとは限らない。ポルトガルを破り昇り調子↑のドイツとの対戦は厳しい戦いになることだろうが、トルコ劇場がまだまだ続くのか、或いは閉幕を迎えるのか、しっかりとこの目で観ておきたいところだ。
posted by JIN18 |22:35 |
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2008年06月20日
アーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲル監督が、スウェーデン戦でMVPに選ばれる活躍を見せたロシアのアンドレイ・アルシャフィンの獲得を熱望しているという。身体能力には恵まれているわけではないが、“ロシアのマラドーナ”の異名をとるTEAM最大のSTAR☆は、小粋なテクニックとスピードを兼備する、いかにもヴェンゲルが好みそうなタイプだ。
PIXYは元より、フレブ、セスク、ロシツキー…etc常々、ヴェンゲルとは選手の好みがカブると思っているのだが、もし獲得が成功すれば、アーセナルのFootballにもフィットしそうな面白い補強だと思う。約22億円の移籍金を用意しているとのことだが、今大会更に活躍するようだと、それに比例して価値も更に上昇↑していくことだろう。
■ ←悪童疾走!!
【 ポルトガル 2-3 ドイツ 】
0-1 22' シュヴァインシュタイガー(ドイツ)
0-2 26' クローゼ(ドイツ)
1-2 40' ヌーノ・ゴメス(ポルトガル)
1-3 61' バラック(ドイツ)
2-3 87' ポスチガ(ポルトガル)
準々決勝最初のCARDはポルトガルvsドイツの対戦。それぞれGroup首位の本命と目されていただけに、ドイツのGroup:B2位抜けで実現したこの段での対戦は、大方の予想より一つ早まったといったところか!?
ドイツW杯の3位決定戦でも対峙したこの両国。その時はバスティアン・シュヴァインシュタイガーの全得点に絡む活躍もあって、開催国でもあったドイツが3-1と勝利を収めている。
当時のTEAMが熟成され、今大会では堂々の優勝候補にもあげられるポルトガルとしては、是非とも当時の雪辱を果たしたいところ。一方のドイツも、Groupリーグではもう一つ調子が出なかったものの、大会前には優勝候補筆頭と目された大国の意地にかけて、負けられない一戦だ。
ドイツはこの試合でスタメンを大きく代えてきた。
肋骨を骨折したトルステン・フリングスに変わってトーマス・ヒッツスルペルガー。
右サイドMFで起用されていたクレメンス・フリッツ→シュヴァインシュタイガー。
そして、この大会期待されながら、全く爆発の兆しが見られないFWのマリオ・ゴメスがスタメンを外れ、代わりにMFのシモン・ロルフェスが起用された。
TOPはミロスラフ・クローゼの1TOP。その後ろに左からルーカス・ポドルスキ、中央にミヒャエル・バラック、右にシュヴァインシュタイガーと並ぶ布陣となった。
一方のポルトガルは今大会勝利を掛けた試合においては不動のメンバー。多くの選手がGroupリーグ最終戦を欠場したため、休養十分ということになる。
緒戦のポーランド戦で勝利を収めて以降ドイツが低調な出来なだけに、ポルトガルがやや有利かと思われたが、試合は立ち上がりからドイツの動きが思いのほか良い。パワーとスピードを武器に、アグレッシヴな姿勢でポルトガルGOALを目指す。一方のポルトガルもデコがゲームを作り、持ち前のテクニックを織り交ぜ反撃に転じる。序盤からお互いの意地と力がぶつかり合う展開となった。
先制点をあげたのは劣勢も予想されたドイツだった。
バラックとのパス交換を経て左サイドをスピードで一気に突破したポドルスキがグラウンダークロスを中央へ。これをハーフライン付近からポドルスキに連動して、TOPスピードでGOAL前まで詰めてきたシュヴァインシュタイガーが滑り込みながらダイレクトでGOALに蹴りこんだ。
まさに電光石火と呼ぶにふさわしい一撃!
これでドイツが勢いに乗る。
そのわずか4分後にはシュヴァインシュタイガーがGOAL前へ入れたFKを、ラインの裏へ抜け出したクローゼが頭で合わせ追加点GET!眠れるエースが遂に目覚めのGOALをあげ、前半の半ばで早くも2点のリードを奪った。
まだ残り時間があるとはいえ、この展開はポルトガルにとっては予想外だったことだろう。クリスチアーノ・ロナウドが左から積極的なアタックを見せ反撃に転じるが、今大会好調だったジョアン・モウチーニョが負傷で交代を強いられるなど、2点のリードで余裕のあるドイツDFの前になかなかGOALに直結しない。
それでも前半も終わりに差し掛かる時間に1点を返す。裏へ抜けたクリスチアーノ・ロナウドのSHOOT!をレーマンが弾き、そのボールがヌーノ・ゴメスの脇へ転がる。素速い動きでこれに反応したヌーノ・ゴメスが左足で叩き込みスコアは1点差に。ヌーノ・ゴメスにとってはEURO2000から数えて3大会連続でGOALを記録したことになる。まさにポルトガルの“ミスターEURO”と呼ぶにふさわしい働きぶりだ。
そのまま迎えたハーフタイムを折り返し、試合の行方は次の1点をどちらが獲るかが焦点となるように見受けられた。ドイツが1点を奪えば安全圏に突入するし、ポルトガルが同点に追いつけば俄然勢いが増す。
しかし、こういった拮抗した戦いでの勝負強さという点では、やはりドイツに一日の長がある。61分、左サイドライン際からのシュヴァインシュタイガーのFKを、今度はバラックがHEADでGOALを決めた。
この試合でドイツは、前戦で退席処分を受けたヨアヒム・レーヴ監督がベンチ入りできないという緊急事態だったが、“ピッチ上の指揮官”として君臨するバラックがその不安を見事に払拭する一撃を見舞った。
これはポルトガルにとってはかなり苦しくなる1点だった。その後、ドイツが守りの態勢に入ったため、ボールの保持率は上がるが、GOAL前の白い壁に阻まれてなかなか決定的な形が作れない。苦し紛れにボールを入れても屈強なドイツDFにいとも容易く弾き出される。
ドイツDFはクリスチアーノ・ロナウドに対するDFにおいても工夫が見られた。複数でチェックには行くが、無理にボールを奪いに飛び込まず一定の距離を保つ。抜き去る間合いがつかめないクリスチアーノ・ロナウドは、仕方なしに周りにパスを送る。
刻一刻と時間が過ぎるなか、ポルトガル・ベンチにも焦りがあるのか!?先制点をあげた“ミスターEURO”ヌーノ・ゴメスをナニとの交代でベンチに下げ、クリスチアーノ・ロナウドをセンターFWに据えるがこれがあまり機能しない。ほどなくしてエルデル・ポスチガをFWに入れ、クリスチアーノ・ロナウドに再び自由を与える。
87分にそのエルデル・ポスチガがナニのクロスをHEADで決めて1点差まで詰め寄るが、そこから更に同点に追いつくにはあまりにも時間がなさすぎた。
かくして注目の対決はドイツが3-2で勝利を収めた。
今大会前から不調を囲っていたシュヴァインシュタイガーにとっては、このポルトガル戦が初スタメン。ドイツW杯時の対戦に続いて、この日も全てのGOALに絡むなど勝利に大きく貢献した。クロアチア戦で相手のファウルに報復して退場になるなど、とかく悪童のIMAGEも付きまとうが、ここぞというときに見せる勝負強さはさすがだ。コンディション、フォームともにほぼ戻ってきていると見て良さそうだ。
初GOALをあげたエースのクローゼとともに、不調が伝えられていた二人の活躍は大きい。
この試合を観ても尚好調時の8割ぐらいに見えるドイツだが、クロアチア戦、オーストリア戦よりは明らかに上向いてきている。試合を経ることによって、もう一段ギアが上がるようだと、大会前の評価に相応しい位置まで登り詰めるのではないだろうか。準決勝ではクロアチアvsトルコの勝者と当たるが、クロアチアに二度負けるとは思えない(心情的にはクロアチアを推すが…)し、トルコにも取りこぼすとは思えない。戦前の予想通り、取りあえず決勝までは勝ち上がるような気がしてきた。。。
posted by JIN18 |23:00 |
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