2009年01月25日

KINGがKINGたる理由

「もうボロボロのカスカスになるまで使ってほしい」

 昨夜、幾つかの番組でKAZUの特集が組まれていたが、そのなかで語っていた印象に残る言葉だ。“KING”と呼ばれる男には似つかわしくない言葉にも思えるが、本当にいつまでもPLAYERとしてサッカーをしていたいという想いが、そこからひしひしと伝わってくる。

 しかし、KAZUがKINGと呼ばれるようになったのはいつの頃からだろう??
 恐らくはフランスW杯予選前ぐらいだったのではないかと記憶している。そして、KINGは今も尚KINGで在り続ける。

 2月の終わりには42歳になる。既に日本代表からは外れて久しく、今季戦う舞台もいわゆる二部リーグのJ2だ。それでもこの男の輝きが色褪せることは全くない。

 若い時以上に絞り込まれた肉体からはいかにストイックな日常を送っているかが容易に察せられる。文字通り全てをサッカーに注いでいるのだろう。
 今もって尚、「上手くなりたい。もっとPLAYERとして成長したい」と本気で思っているからこそ、自らをそこまで追い込むことができるのだろう。

 今のKAZUが語らうその言葉には大変な重みを感じる。

 20代の選手が同じような台詞吐くのとは、ちょっと訳が違う。イヤ!KAZUも若い頃からいつもそう思い、そう語ってきたに違いないのだろうが、42歳を迎えようとする今、改めてその言葉を聞くのは胸に大きく響くものがある。

 

 90年代のはじめ、Jリーグ開幕を見据えてブラジルから帰国したKAZUは、所属TEAM或いは日本代表ですぐさま中心選手になると、常に周囲の期待に応える活躍を見せてきた。かくいう私も、特別なFANではなかったが、日本代表のKAZUには期待を寄せていた一人だ。

 順調にキャリアを重ねていた男の最大の挫折は、やはりフランスW杯メンバーからの落選だろう。日本代表でW杯に出るためにブラジルから帰国したにも関わらず、夢描いていたピッチを目の前にしながらそれが潰えてしまったのだから。

 気分転換をしたいという想いもあったのだろう。
 98年末、KAZUはその年のW杯で世界3位に輝いたクロアチアの名門クロアチア・ザグレブへの移籍を果たした。当時既に31歳、ベテランと呼ばれても良い状況での大いなる決断!どんな状況に置かれても衰えないチャレンジ精神。この選択には感服するものがあった。

 そして、翌99年春、ザグレブを訪れた際、異国でも何ら変わらぬ練習や試合での積極的な姿勢や、取材陣や我々FANに対する真摯な応対を観るにつけ、遅まきながら?一気に本当のFANになってしまった。KAZU自身もこのクロアチアでの経験が、後に「現役生活をずっと続けていくうえでのターニング・ポイントになった」とはよく語っているところだが、その瞬間をわずかでも直に垣間見ることができたのは、とても幸運だった。そして、その姿を観るに付け、彼のサッカーに対する想いや言葉には、何一つ偽るべきものはないと、そこで本当に初めて思えるようになった。



 冒頭でも触れたように、その発する言葉の“重み”は歳を重ねるごとに増している。

「サッカーに対してリスペクトしなければならない」

 練習、試合に留まらず、起用法やTEAMの状況…etcサッカーに関わる全てを包括したものこそがサッカーであり、それに対して常に真摯に向き合い受け入れることが、サッカーをリスペクトすることだという。

 キレやスピードは衰え、疲労度やその回復度合いも若い頃とは格段に違ってきている。それでもその事実に素直に向き合い受け入れることも、また、サッカーをリスペクトし楽しんでいるということなのだろう。 

 常に日本サッカー界の第一人者であり続けるということは、必然的に大きな注目や期待を集めることになる。しかし、それさえも当然のように受け入れ、自然に楽しんでいるように見える。その度量の大きさこそがKINGのKINGたる所以だと感じずにはいられない。

          「日本代表は今でも常に意識している」

 他の40代選手から聞けば滑稽にも思えそうな言葉でも、KAZUがいうと自然に聞こえてくるから不思議だ。「この男は本気でそう思っているのだろう」と感じてしまうし、実際、2010年のW杯のメンバーに選ばれてほしいとさえ思ってしまう。

 最近は、引退後について尋ねられる機会も多くなったというが、「(引退して現役でない自分が)IMAGEできない」という言葉に偽りはないだろう。サッカーを始めたときからここに至るまで、イチPLAYERとしてピッチに立つことが至福で在り続けたわけだ。

 何と純粋な想いだろう。

 老いてなおサッカー小僧ここに在り! 

 今季迎えるはプロ生活24年目。
 もうできる限りずっと現役でいてほしい。ピッチの上のKAZUをまだまだ観ていたい。

 “そこ”にKAZUがいることが重要なのだ。

 「使ってくれるのであればどこでもやる」というが、本当にDFもGKでも請われればやってしまいそうだ。さすがにそれは大袈裟だとしても、起用が噂されるサイドやボランチで経験からくるいぶし銀のPLAYを観るのも、また、楽しみだ。

 今季は是非とも三ツ沢に何度か足を運びたいと思う。

posted by JIN18 |11:39 | ○蹴球雑記系 | コメント(8) | トラックバック(1)
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2009-01-26 17:49 | 続きを読む
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KINGがKINGたる理由

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KINGと言い出したのって中東のメディアだったような気がします。(違ってたらすみません

posted by   | 2009-01-25 12:14

KINGがKINGたる理由

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 先ほど、自分が少し調べてみたところだと、「94アメリカW杯の予選の北朝鮮戦で2ゴールを決めたとき、翌日の地元の新聞に書かれた」のが最初、或いは「香港の新聞がつけた見出しから発生した」とか、いろいろ諸説あるようですね。

 いずれにしろ、ちょっとPLAYが良いくらいの選手じゃなかなか呼ばれる称号ではありません。

posted by JIN18 | 2009-01-25 13:55

KINGがKINGたる理由

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実の所、日本サッカーには疎いものの、KAZUとゴンは同世代とあって気になります。
KAZUは渡伊の際、「通用すると思うか?」との質問に対し、「通用しないから行くんだ」みたいな返答してませんでした?あれ、謙遜じゃなく自信の表れで、挑戦意識の強さだと。そうでなければ、挫折してもそのたび起き上がって来られませんよ。
ボロボロのカスカスでクタクタになるまで自分に挑戦し続けて欲しいですねぇ。

posted by マティヒェン | 2009-01-25 17:29

KINGがKINGたる理由

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一昨年、三ツ沢で観た広島戦のヘディングが今でも目に焼きついてます。
あれは嬉しかったな~。

40を超えてもJリーガーであり続けることだけでなく、日本サッカーを強くしたその功績を称えられ続けてる選手ですね。オレがサッカーにハマるきっかけになった選手です。

フランスW杯直前の落選が一層カズの価値を高めましたね。
W杯という舞台で活躍する姿を今でもファンが追い求めてるように思います。オレはその一人です。

2010年のW杯に出場した暁には、岡ちゃんがカズを呼ぶという粋な計らいがあることを信じてやみません。

posted by 赤きN | 2009-01-25 22:07

KINGがKINGたる理由

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■ マティヒェンさん
 セリエでは確か1点で終わり、実際通用したかというと微妙なんですけど、帰ってきたSEASONにJ1で得点王を獲るあたり、さすがだな!と感心したものでした。

 もう、ホントに何GOAL獲るとかそういうのではなくて、“そこ”=ピッチにKAZUがいればそれで良いってカンジです。こんなご時世ですから。それだけでも勇気を与えられそうなそんな気がします。

posted by JIN18 | 2009-01-26 21:07

KINGがKINGたる理由

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■ 赤きNさん
 あー、あのGOALは痺れたねぇ。
 ホント!あれだけでも観に行ったかいがあったと思ったモンだ。

 アナタはホント!KAZU世代でしょう。

 岡ちゃんには是非ともKAZUをINさせてほしいけど、そうとう恨んでるらしい?ので、たぶん、無理じゃないかなぁ。。。

 ってゆーか、この記事やけにアクセス伸びる(KINGの威光で皆さんの興味を惹いてるかと思ってた)と思ったら、また、おすすめエントリーにセレクトされとる!?この短期間に二度も取り上げられるとはビックリです。

 部下Nもそろそろ何か書けよ。

posted by JIN18 | 2009-01-26 21:15

KINGがKINGたる理由

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じゃあ、そろそろTAKEDAがTAKEDAたる理由とか書こうかな。JOがJOたる理由でもいいけどね。

posted by 部下N | 2009-01-26 23:57

KINGがKINGたる理由

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■ 部下N!
 ぢゃあ、伊達男TAKEDAが何でずっと独身なのかを、深く考察して綴ってくれ(笑)。

posted by JIN18 | 2009-01-27 11:56

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