2008年07月02日

大航海時代の幕開け!

 “永遠の優勝候補”が遂にビッグタイトルを手にした。
 W杯やEUROの予選、或いは本大会のGroupリーグあたりでは無敵の強さを誇っても、いざ、決勝T入るとコロッと負ける脆さ儚さ。「今大会こそは!!」と信じてもいつも裏切られる…それがまたスペインらしいといえばスペインらしいのだが。。。

 しかし、今大会では遂に!その悪しき伝統?に終止符を打った。
 マドリードでの凱旋パレードには100万人が詰めかけたという。

 とにかく地域意識が強いスペイン。従って代表TEAMのへの興味は薄く、むしろ、人々はその地域を代表するクラブTEAMのほうに情熱を注ぐ…なんていうのは有名な話。従って代表TEAMの試合も、集客・サポートが望めない大都市のスタジアムではなく、地方の小都市で開催されることも珍しくない。

 選手にしてもカルレス・プジョルなどは「カタルーニャ代表があれば間違いなくそちらを選ぶ」というし、ドイツW杯に出場していたサンティアゴ・カニサレスはフランコ将軍に心酔する親スペイン派?マドリー育ちのラウール・ゴンサレスやフェルンナンド・トーレスも、カニサレスほどの国粋主義ではないにしろ考え方としてはそっち寄りだとか。。。
 かつてのロッカールームでは中央集権の象徴カスティージャ(レアル・マドリー勢)と、反中央集権の象徴カタルーニャ(FCバルセロナ勢)の対抗意識が、そのまま反映されていた時代もあったという。それではいくら力があっても、眼前の試合にBestを尽くせるはずもない(かつてのユーゴのようなモノか?)。。。

 しかし、今大会に関していえば、伝え聞くところでは、ベンチの雰囲気が最も素晴らしかったのはスペイン代表だったという。それは、決勝の最後の瞬間まで、勝利に対する集中力が切れないPLAYを見せていたことからも窺える。

 「イタリアW杯でユーゴが優勝していれば、国の分裂は避けられたかもしれない」

 かつて、イヴィツァ・オシムがどこかで語っていた言葉だが、同じようなことは?スペイン代表に関しても常々いわれ続けていた。「代表TEAMが結果を残せば、人々の代表TEAMに対する関心も変わってくる」と。
 この大会ではTEAMだけではなく、観戦するFANも同じように団結していたという。それが呉越同舟なのかは分からないが、スタジアムに足を運ぶFANは、贔屓クラブに関係なく、レアルFANもバルサFANもアトレティコFANも、手を取り合って進撃を続ける代表TEAMに声援を送っていたという(それぞれの地元でどういう扱いかは知らんが…)。

 団結するTEAMの進撃にシンクロするように周りの空気も一体化したとき、スペインは本来持つポテンシャルの高さをいかんなく発揮し、遂にはアンリ・ドロネーの頂に登り詰めたのだ。



 緒戦のロシア戦はダヴィド・ヴィジャのハットトリックの活躍もあって4-1で完勝。“クアトロ・フゴーネス”+1TOPが有力視されていた布陣だが、蓋を開けてみればルイス・アラゴネス監督はフェルナンド・トーレスとヴィジャの2TOPを採用した。

 大会前には若きエース、フェルナンド・トーレスがTEAMにフィットしないことが懸念材料としてあげられていた。1年間、縦に速いプレミアでPLAYしたことで、横への展開を得意とするスタイルになかなか合わなかったのだ。しかし、現在のスペイン最高のアタッカーとしての能力を考慮すると、簡単に外せる選手ではない。そこへきてのヴィジャの大活躍。二人のコンビが良かったことや、“クアトロ・フゴーネス”の一人セスク・ファブレガスが負傷上がりだったこともあるが、結果としてアラゴネスは、この試合での二人の活躍を受けて、“クアトロ・フゴーネス”ではなく2TOPを今大会の基本布陣にする決意を固めたようにも思える。
 
 次戦スウェーデン戦でもこの2TOPが仲良くGOALを決めて2-1で勝利。
 Group最終戦ではスタメンで10人の選手を入れ替えながら、前回王者ギリシャを2-1で一蹴!スウェーデン戦のヴィジャの決勝GOALが92分、ギリシャ戦でのダニエル・グイサの決勝GOALが88分と、終了間際に相手を突き放す勝ち方もTEAMに勢いを与えた。

 3戦全勝でのGroupリーグ突破。しかし、今回のTEAMがホンモノかどうかはまだ分からないというのが正直なところだった。日韓W杯やドイツW杯でも最高のSTARTを切りながら結局は失速…という前例があるだけに、どうしても見方が慎重になる。
 そういった意味でスペインの真の実力を推し量るには、準々決勝で対するイタリアは恰好の相手といえた。今大会芳しくないとはいえ、何といっても現世界王者だ。格下相手では力を発揮するスペインも、いわゆる大国相手だと踏ん張りきれない。大国同士の激突は準々決勝でも屈指の好カードと目された。

 予想通りともいえるが、結果的にイタリア戦は今大会でスペインが最も苦しめられた試合となった。イタリアの“カテナチオ”の前に自慢の攻撃力を発揮できずスコアレスでのPK戦突入。何度も泣かされてきた準々決勝の壁だけに嫌な予感が過ぎったが、イケル・カシージャスの活躍で辛くも突破を果たすと、ようやく呪縛を解かれたのか!?準決勝ではロシアに3-0と完勝!
 そして、決勝でもスコアこそ1-0と最小得点差だったが、内容的には圧倒的にドイツを上回り見事栄冠を手にした。

 振り返ると、やはり、イタリア戦が最大のターニング・ポイントだったという印象だ。内容的にはイタリアの試合だったし、PK戦の段でも勝負弱さという悪しき伝統を考えると、どうにも分が悪いように思えてならなかった。その後の試合を観ると、やはりこのイタリア戦でのPLAYには、選手のなかにも“壁”という意識がどこかにあったのではないかという気がする。
 一人威風堂々としていたカシージャスが、抜群の反射神経で勝利と覇権への道を手繰り寄せ、後はTEAMが一気に突っ走ったようにも感じられる。

 UEFA選定の大会MVPでは、中盤で活躍したシャヴィ・エルナンデスが選出されたようだが、そういった意味↑では個人的にはカシージャスを大会MVPに推したい。PKの場面だけでなく、常に安定したPLAYでDFを最後尾から支える様には風格すら漂っていた。キャプテンとしてもTEAMをよくまとめ牽引していたに違いない。

 カシージャスの好守はいうに及ばず、決勝T以降は無失点とDF陣もよく頑張っていた。ウイーク・ポイントとも見られていたセンターバックの2人は試合を重ねるごとに安定、大会前の風評を吹き飛ばす活躍ぶりだった。セルヒオ・ラモスとホアン・カプデヴィラの両サイドバックもDFだけでなく、都度都度効果的なオーバーラップを見せ攻撃に厚みを加えていた。
 中盤の底では攻守のバランスを司るマルコス・セナが抜群に利いていた。本音をいえば、シャビ・アロンソが好きなだけに、大会前はセナが起用されることに不満を抱いていたのだが、この大会での活躍を見ればそれも納得…といったところか。
 高いスキルとパスセンス、豊富な運動量を誇るシャヴィ、アンドレス・イニエスタ、ダヴィド・シルヴァのMF陣、そして前述の2TOPの働きぶりについては、ただただ賞賛を送るのみ。

 とにかく全員が高いレヴェルで活躍したという印象が強い。UEFAの大会優秀選手にスペインから9人が選ばれたというのも大いに頷ける。前述通りMVPにカシージャスを選定したが、実のところ誰を選ぶか非常に迷った。ヴィジャが負傷せず最後まで出場していたら選んだかもしれないし、準決勝でアクロバティックなSHOOT!を決めたシャヴィの働きも捨てがたい。ダヴィド・シルヴァやセナは常に安定していたし、プジョルの身体を張った頑張りも目を惹いた。
 個々に質は高いが誰かが突出していたりそこに依存していたわけではなく、TOTALでTEAMとして素晴らしかった。やはりそんな印象が強い。


■ 今大会のスペインのスコアラー
 ヴィジャ×4
 セスク
 フェルナンド・トーレス×2
 デ・ラ・レッド
 シャヴィ
 グイサ×2
 ダヴィド・シルヴァ

 7人の選手で計12GOAL。ちなみに12GOALはもちろん今大会出場TEAM中最多だ。
 大会序盤はヴィジャの爆発もあったが、その後はまんべんなくいろんな選手がGOALしている。そのことからもTEAMとしてどこからでも攻撃できるTOTALの質の高さが窺えると思う。セスク、ルベン・デ・ラ・レッド、グイサと、控えの位置付けの選手がGOALを重ねている点からは、層の厚さが見て取れる(ギリシャ戦で控えがスタメンだったこともあるが)。
 特にセスクは、交代出場で流れを代える支配力を度々披露した今大会のラッキーボーイ的存在。「スペインのベンチに居並ぶ選手は、ウチにくればみんなレギュラーだ」とは、対戦したスウェーデンのラルス・ラーゲルベック監督のコメントだが、ベンチにこのレヴェルの選手がいるということが、いかにスペインのメンバーが充実していたかを物語っている。

 2010年に向けての期待は前回記載したので割愛するが、この“無敵艦隊”の進撃はまだまだ続きそうだ。
 W杯での最高成績は1934年と1950年のBest4。今EUROでの優勝は44年ぶりだが、1950年といえば何と!58年前!マノーロおじさんも生まれたばかりといった時代の話だ!?
 このEUROでの栄冠の余勢を駆って、続くW杯でも新たなる領域・未曾有の頂に足を踏み入れることができるのか。“無敵艦隊”の大航海時代は今まさに幕を開けた!

 と信じたい。。。 

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posted by JIN18 |23:11 | ☆アルプスの麓で目指すアンリドロネーの頂! | コメント(4) | トラックバック(0)
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大航海時代の幕開け!?

コメント投稿者ID :

タイトルが素敵です。
スペインの優勝でヨーロッパのサッカー・シーンが活性化されますね。もちろん今後にも期待です。

posted by うが | 2008-07-02 23:41

大航海時代の幕開け!?

コメント投稿者ID :

■ うがさん
「無敵艦隊」と「大航海時代」。
実際はこの2つって別物なんでしょうけど、まぁ、時代的には重なるし、他に良いタイトルが浮かばなかったので、強引にシンクロさせてタイトルにしていましました。

前回の項にも書きましたが、良いサッカーするTEAMが結果を残すことは、世界のサッカーの流れを作るという点でも意味があると思います。

若い選手も多いですし、ホント!今後に期待したくなりますね。

posted by JIN18 | 2008-07-02 23:45

大航海時代の幕開け!

コメント投稿者ID :

ついに終わりましたねぇ~。。。
27:30起きの生活も、少し懐かしくなってます。

これでFIFAランクも一気に1位!
ひとつの時代が始まりましたね☆

自分的MVPは、セナですかね~。
攻守ともに、ホント利いてた
(バラックにも、頭突きが利いてたw)。

かつてのマニシェのようなバランサーっぷりでした・・・

posted by 鍋★蹴 | 2008-07-04 20:25

大航海時代の幕開け!

コメント投稿者ID :

■ 鍋★蹴さん
まだ、早起きが身体から抜けない今日この頃…いつでも漁師になれそうです。。。(^^;

セナは確かに利いてました!
さすが、バランサーを観る目は人一倍鋭い鍋★蹴さんらしい選定ですね(笑)。
今日、EUROのBest11を選定しましたが、もちろん入れてますよ~☆

2004年のポルトガルのダイナモ、マニシェは今大会メンバー入りすらしていませんでした。頑張れば南アはベテランとして出れないこともないので、復活に期待したいですね。

棒茄子出たら、ザンテンEURO呑みでもしましょう。めぼしい人材あたっときます。

posted by JIN18 | 2008-07-04 21:42

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