2008年06月18日
EURO2008 Act10 『VATRENO LUDILO』
■ VATRENO LUDILO 【 ポーランド 0-1 クロアチア 】 0-1 53' クラスニッチ(クロアチア) 試合中、ピッチ際で止まることをしらないACTIONが、すっかり有名になりつつあるクロアチアのスラヴェン・ビリッチ監督のもう一つの顔。周知の方も多いだろうが、それは地元スプリトのロックバンド!RawbauのGuitalistとしての顔だ。 Rawbauは今大会前にはVATRENO LUDILO』というクロアチア代表のサポートSONGを発表したが、HARD ROCK調のなかなか良い曲に仕上がっている。タイトルは「炎の狂気」、ヴァトレノ(ヴァトレニの格変化?)はクロアチア代表の愛称を意味する。即ち、EUROでのクロアチア代表の旋風を期待して…の応援SONGということになるが、どうやらピッチの上で戦うクロアチアの選手達は本当に旋風を巻き起こしつつあるようだ。 既にGroup1位通過を決めていることもあって、クロアチアは主力選手を温存、ドイツ戦のスタメンからは9人を入れ替えて臨んだ。対するポーランドは限りなく可能性が低いとはいえ、まだGroup突破の可能性を秘める。油断をすれば前日のポルトガルの二の舞になる可能性も十分にあったが。。。 スコアこそ1-0とはいえ、終始ゲームを支配する展開でクロアチアが難なく勝利を収めた。シチュエーションからいえば、ポーランドが前掛かりになって、遮二無二攻めていてもおかしくないはずのだが、一人一人の確かなスキルに裏打ちされたボールキープで、ゲームを支配するクロアチアがそれを許さなかった。 目を見張ったのはTEAMとしてしっかり機能していた点。なかなか一同に介して試合に臨むことがないはずの、控え選手の集まりとは思えないほど、攻守によくまとまっていた。ぶっちゃけ!主力TEAMとも、中盤の構成力という点を除けばほとんど遜色がないように見受けられた。 唯一のGOALをあげたのはこの大会初出場となるイヴァン・クラスニッチ。ダニイェル・プラニッチからのクロスを利き足の左足からのSHOOT!で正確にGOAL内に突き刺した。二度の腎臓移植手術で長く戦列を離れていたクラスニッチにとって、実に2006年10月のアンドラ戦(EURO予選)以来という代表でのGOAL。 運動量が豊富なタイプではないので、この大会爆発的な走力・運動量を見せて攻守に貢献するイヴィツァ・オリッチの代わりを務めるとは思えないが、テクニックを武器に幾度か決定機に絡み、貴重な戦力であることを示した。 攻撃のアクセントなったのは左のイヴァン・ラキティッチと前述のプラニッチ。高いスキルを武器に左サイドから何度もチャンスを創出した。 ラキティッチはさすがにキッカーを任されるだけあって、FKやCKでは質の良い速くて低いボールを蹴る。今大会ではまだまだ期待の若手扱いだが、例えば2010年、より成熟したプレーヤーになったとき、ニコ・クラニチャルやルカ・モドリッチと形成する中盤は、或いは“黄金世代”と比肩する質に仕上がるのではないか!? プラニッチは時折不安視されたDFを突かれる場面もあったが、それを補ってあまりあるオーバーラップでポーランドの右サイドの驚異となり続けた。 中盤のニコラ・ポクリヴァチュ、オグニェン・ヴコイェヴィッチ、イェルコ・レコは、攻撃で目立つ場面はさほどなかったが、豊富な運動量を武器に、DF力とバランスをとるという点でTEAMを支えていた。 気になるのはダリオ・クネジェヴィッチが前半途中に負傷交代を余儀なくされたこと。ここまでの2試合で終盤に守備固めで起用されるなど、守備のスペシャリスト的な位置付けだっただけに、負傷具合によっては戦力downとなる可能性もある。 逆にクネジェヴィッチに代わってINしたヴェドラン・チョルルカが、通常入る右サイドバック以外でも水準の高いPLAYを披露できたのはPlus要因。 準々決勝で相対するのは2試合連続で劇的な逆転勝利をあげているトルコ。TOTALでクロアチア優位なのは間違いないが、波に乗ったときのトルコの勢いは決して侮れない。しかし、油断と燃料切れを起こさなければ順当に勝利を収めるはずだ。 いずれにしろGroupリーグ3連勝はお見事!という他ない。冒頭では「旋風を巻き起こしつつある」と述べたが、本当に旋風となるには決勝Tでの活躍が不可欠。強豪国にとっての本当の戦いは決勝Tから始まるものだからだ。 【独断と偏見に基づくクロアチア選手の採点】 23.ルニェ 6.5 2.シミッチ 7 6.ヴェイッチ 6 15.クネジェヴィッチ 6 (26m 5.チョルルカ 7) 22.プラニッチ 7 13.ポクリヴァチュ 6 8.ヴコイェヴィッチ 6.5 16.レコ 6 7.ラキティッチ 6.5 21.ペトリッチ 6 (75m 19.クラニチャル 6) 17.クラスニッチ 6.5 (74m 9.カリニッチ -) 最後にこの試合で今大会を去るポーランドについても少々。 あまり良いところがなかったポーランドにはどっかの代表の姿がカブる。それなりに勤勉でエリア外まではボールを運べるが、その先の工夫、変化に乏しいのはどこかで観たことのある光景だ。 それだけの才ある選手が残念ながらいなかったということか。。。 この大会鳴かず飛ばずだったエビ・スモラレクは、後半途中からの出場で際どいSHOOT!を都度都度見舞い、ようやくその片鱗を見せたが、大会直前にブラジルからの帰化を果たし注目を集めたロジェール・ゲレイロは、如何せんTEAMにフィットするには時間がなさすぎた。 オーストリア戦でロスタイムにとられたPKなど、ツキもなかった印象だ。 かつては世界的な名手を幾人も輩出してきた国だけに、その再来に期待したい。 ■ 勝負に水差す不可解!?な判定… 【 オーストリア 0-1 ドイツ 】 0-1 49' バラック(ドイツ) 後半開始早々に得たFKをミヒャエル・バラックが決めて、ドイツが辛くも勝利を収めた。下馬評通りドイツが押し気味の試合だっただけに、「辛くも」という表現は適当でないかもしれないが、それでも敢えて使いたくなる。どうにもドイツがもう一つに見えてしょうがない。 相手GKの好セーヴに遭うなど、追加点こそ奪えなかったが、確かに得点以外にも決定的なチャンスを何度も作っていた。しかし、強いときのドイツが見せるような相手を圧倒する押し込みはあまり感じられない。 やはり、攻撃のフィニッシュを担う2TOPが未だNO GOALと、今大会調子があがってこない点が影響を及ぼしている。前戦のクロアチア戦同様、期待のマリオ・ゴメスはたいした見せ場もないまま、後半、残り時間を30分も残したところでピッチを後にすることを余儀なくされている。 ミロスラフ・クローゼはようやく幾度か良い動きを見せ、惜しいSHOOT!も放ったが、どうしてもGOALの鍵をこじ開けられない。 こういった大会では、使える選手と使えない選手を早期に見極めることも大切な所業になるが、不動のクローゼは据え続けるとしても、いよいよ不振の域に入ってきたマリオ・ゴメスは、或いは決勝Tの段でスタメンから外されるかもしれない。もし、そうなるとするならば、大会前最も期待していた選手の一人だけに、ただただ残念だ。 この試合、前半終了間際、不可解?な判定があった。タッチライン際のヨアヒム・レーヴ監督(ドイツ)とヨゼフ・ヒッケルスベルガー監督(オーストリア)が、突如主審から退席処分を受けたのだ。詳細は理解しえなかったが、握手をしてスタンドへ向かう両監督の姿を観る限り、主審が一人ナーバスになっているようにも見受けられた。 この退席で痛手を被ったのはオーストリアのほうだ。勝利しか次ラウンドへ進めない試合。刻一刻と移り変わる戦況に対し、即座に応じた采配を優位なドイツ以上に奮う必要があるのに、そのタクトを揮うべき指揮官の不在。 ポーランド戦でロスタイムに同点PKを決めるなど、後半途中から出場する切り札的存在のイヴィツァ・ヴァスティッチをどこで使うか!?が、オーストリアにとっては一つのキーポイントかと思われたが、そのヴァスティッチを投入することなく交代枠を使い切り試合が終わってしまった。。。 同じように後がなかったギリシャやトルコが見せた気迫や執念に比べると、何か燃えるものがないまま終わってしまったように感じた試合だった。 結局、この大会、オーストリアはPKで1点をあげた以外、GOALをこじ開けることができなかった。前述のポーランド同様、勝てない、或いは得点が入らないTEAMの例に漏れず、バイタルエリア付近まではボールを運べるが、そこから決定機に繋がるPLAY・創造性に欠けていた。偶発的なGOALを期待する以外は得点を望めそうにもなかった印象だ。共催国スイスとともにGroupリーグで姿を消すことになったが、やはりこの大会で勝ち上がっていけるTEAMではなかったということだ。 ただ、各試合のなかでも良い時間帯が存在したのは確か。アンドレアス・イヴァンシッツなど若手で可能性を感じさせる選手もいる。緒戦の項で「EUROがもう1年遅い開催だったとしたら…」と述べたが、更に成長する可能性を秘めたTEAMではあるので、今後の伸びに期待したい。 ドイツは準々決勝でポルトガルと対戦することになる。正直、今のドイツではちょっと分が悪いような気がしないでもないが、ただ!逆境でこそ力を発揮するのがこの国の真骨頂でもある。メンバーの変更も含めて、決勝Tに入って劇的な変化を遂げる可能性もあるので、いずれにしろ見逃せない一戦になることは間違いない。
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posted by JIN18 |00:37 |
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