2008年06月16日
EURO2008 Act9 『トルコ劇勝』
■ トルコ劇勝 【 トルコ 3-2 チェコ 】 0-1 34' コレル(チェコ) 0-2 62' プラシル(チェコ) 1-2 75' アルダ(トルコ) 2-2 87' ニハト(トルコ) 3-2 89' ニハト(トルコ) 語彙に乏しく、毎度同じ表現になって誠に申し訳ないが、この試合でのトルコの勝利も『劇勝』と呼ぶに相応しい勝ち方だった。 勝ち点、得失点差、総得点と全ての条件が並んだ両TEAM。勝利を収めれば当然勝ち抜け確定だが、タイスコアの場合はPK戦で進出TEAMを決めることになっていた。 立ち上がりの両TEAMはまずは失点しないことに意識を傾けているのか??攻撃を試みてもDFの人数は常に揃えておくという状況が続いた。決して攻める意思がないわけではないが、前夜のギリシャが見せたもう後がない鬼気迫る戦いぶりと比べると、序盤は随分と緩やかな攻防に映った。 ただ、チェコのほうが組織力で勝るぶん、より効果的に攻撃を構築してフィニッシュに近づけているようには見受けられた。右のリボル・シオンコ、左のマレク・ヤンクロフスキを絡めた攻撃で、幾度か良い形を創出する。 先制点もサイドの崩しから生まれたものだ。右のシオンコから上がったクロスを202cmの巨砲ヤン・コレルがドンピシャHEADで突き刺すGOAL。 個々の能力ではトルコが上回るが、組織とDF力でやはりチェコのほうが勝るぶん、TOTALでは僅かに後者が上回るといったところか。。。同点GOALを狙うトルコの攻撃もGKペトル・チェフ、ダヴィド・ロゼフナル、トマーシュ・ウイファルシといったDF陣を中心にいなしていく。 そのまま試合は後半に突入。 迎えた62分。 コレルが1対1の超決定機を外した直後、再び右のシオンコから供給されたクロスをヤロスラフ・プラシルがダイレクトでGOALに叩き込んだ!この大会ここまで、正直!攻撃でほとんど機能している印象がなく、「何でここまで使われているのだろう!?」と密かに思っていたプラシルがあげた追加点。 これでトルコはいよいよ苦しくなったように思われた。 もはや、なりふり構っていられずといった感。とにかくボールを奪ったら素早く相手陣内、相手GOAL前へ運ぶという、昨夜のギリシャ同様後がないTEAMが見せる玉砕覚悟?の捨て身の攻撃。 75分、ハリル・アルティントップがエリア内からマイナスに折り返したグラウンダークロスを、遠目からアルダ・トゥランが正確なSHOOT!でGOALに突き刺した。これで1点差。 しかし、それでもまだチェコには余裕がある。 アルダはスイス戦のロスタイムにも決勝弾をあげている。「もし、トルコが決勝Tに進んだら、今大会のLUCKY BOY的存在になるかもな…」という思いが、ふと、脳裏に過ぎった。 残り時間が少なくなるなか、プレッシャーに苛まれたのか、途中出場の21歳カリム・リチャーズのPLAYが明らかにおかしい。おかしなKICKを連発し、たまらずニハト・カフヴェジやアルティントップら先輩選手たちに「落ち着け!落ち着け!」となだめられている。 尚も時計の針は刻一刻と進む。 残り時間も3分になったところ。 前掛かりになりながらもチェコDFの壁にことごとく弾き返され、誰もがほぼほぼチェコの勝利を確信しそうな時間帯。右サイドのアルティントップがサイドラインに近い遠目の位置からクロスを上げる。中で合わせる選手は誰もいない。。。 GKのチェフがこのボールを難なく悠々とキャッチ。 と思いきや!何と!!着地の瞬間にボールを落としてしまう! 慌てて手を伸ばすが、ボールの零れた先には詰めてきてたどり着いたニハトがいた。ニハトがほとんどダイレクトでこのボールをGOALに流し込む。土壇場での同点劇! 世界No.1GKと形容されることも多い名手のありえないMISS!!が味方選手にも動揺を与えたのだろうか。。。2分後、ラインを上げたチェコDFの裏にスルーパスが通る。ここまで組織的な堅守を誇ったDFラインが乱れた瞬間、抜け出したニハトがこのボールに反応、落ち着いてカーブをかけたSHOOT!がGOALへの軌道を描いた。 トルコ3-2チェコ!! 古い話で恐縮だが、残り3分での逆転というと、2年生の松波兄(元G大阪)や阿部(元鹿島他)を擁した帝京が、強豪市立船橋に同じように残り3分間でひっくり返した高校選手権準決勝の試合を思い出す。。。 とにもかくにも0-2からの大逆転! 試合は尚そのままでは終わらない。ロスタイム、トルコ・ゴール前でのハイ・ボールの競り合いに対して不満を抱いたGKのヴォルカン・デミレルがコレルを突き飛ばし一発REDで退場。 既に3人の交代枠を使っていたトルコは代わりのGKを入れることができず、何と!フィールド・プレーヤーのトゥンジャイ・シャンルがキーパー・ユニフォームを着てマウス前に立つ。 ほどなくして、長めのロスタイムの終わり・タイムアップを告げるホイッスルが鳴ったが、はたしてPK戦になっていたらいったいどうなっていたのだろう!? とにもかくにも、EURO史上に残る激戦を制したトルコが、大方の戦前の予想を裏切り見事にBest8進出を果たした。緒戦を観た段で、DFや組織面では劣るが、個の力・攻撃力ではスイスやチェコを上回る…と見たとおりの結果になった。 準々決勝ではGroup:Bの首位通過を決めたクロアチアとの対戦が既に決まっている。終了間際退場となったヴォルカン、練習中の負傷の影響でこの試合も欠場したエムレ・ベロゾール。そのエムレがいないなか、中盤で奮闘し攻守に存在感を示したメフメト・アウレリオは累積警告のため次戦出場停止だ。テーピングで足をぐるぐる巻きにしながら奮闘するセルヴェト・チェティンの姿も痛々しい。トュメル・メティン、ギョクデニズ・カラデニズも負傷のため、結局この試合のピッチには立てなかった。 TEAMはまさに満身創痍だ。『劇勝』を収めたといっても、正直、決勝まで進んで優勝するほどの余力があるようには見えない。ただし!、あと1試合くらいは、力を振り絞って何かをやらかしそうな気がしないでもない。この逆転勝利は、それくらいの勢いを与えるだけの価値がある1勝だ。 ■ 『Merci Köbi』 【 スイス 2-0 ポルトガル 】 1-0 71' ヤキン(スイス) 2-0 83' ヤキン(スイス) “Merci Köbi(ありがとうケビ)” この大会限りでの勇退が決まっている、スイスのヤコブ・クーン監督に対する感謝の意を表す横断幕を、試合後の選手たちがピッチで拡げる。駆け寄ったクーン監督が一人一人と握手・抱擁を交わす。三度目のEURO出場であげた初勝利に華を添える美しい光景だった。 既にGroupリーグ敗退が決まったスイスにとってはこれが大会最後の試合。消化試合にも関わらずスタンドを埋めた地元FANに是非とも勝利をプレゼントしたいところだ。 1位でのGroup通過が確定しているポルトガルは、主力を休ませ、控え選手にアピールの場を与えるというのがこの試合の位置付け。 決して動機がないわけではないが、しかし、どちらにとってもあまりプレッシャーのない試合。敢えて危険を犯す必要もない。ギリギリの凌ぎを削る局面が乏しいせいか、トルコとチェコの対戦を観た後だとどことなく親善試合のような雰囲気が漂う。 試合は同じくこの試合限りでの代表引退を決めているというハカン・ヤキンの2GOALで、前述の通りスイスが勝利を収めた。思えば緒戦でアレクサンダー・フレイを負傷退場で欠いたのがケチのつき始めだった。続くトルコ戦では先制しながらロスタイムに決勝点を奪われての敗戦。今大会やってるサッカー自体は決して悪くなかったが、何か波に乗るべく流れをつかめぬまま大会を終えてしまった印象が強い。 とはいっても、若手が貴重な経験を積めたのも事実。フィリップ・センデロス、ヴァロン・ベーラミ、ギョクハン・インレル、ヨハン・フォンランテン、エレン・デルディヨクら楽しみな選手たちが、随所に印象に残るPLAYを披露してくれた。2010年に向けて、また、十分期待できるTEAMだ。 欲をいえば、今大会の全ての得点が代表引退を決めているハカン・ヤキンがあげたものだったこと。恵まれた体躯に秘めたPOWERとSPEEDで時に爆発力溢れるデルディヨクあたりが1点でも決めていれば、或いは今後の更なる自信になったかもしれない。 ポルトガルはGKリカルド、DFのペペとパウロ・フェレイラ以外は全て控えの選手がスタメンを飾った。 左のリカルド・クアレスマのラボーナ・クロスをエウデル・ポスチガがドンピシャHEAD☆ ナニの弾丸FKをペペが踵でコースを変えてバー直撃☆ ミゲル・ヴェローゾのスルーパスに抜け出したナニが左から切れ込みSHOOT!もボールは左ポスト直撃! などなど都度都度惜しい場面を創出するもGOALに至らず。個々に「アピールをしたい」という意欲は伝わってきたが、この試合のメンバーで試合をする機会というのもなかなかあろうはずもなく、また、既に決勝T進出を決めているため消化試合というシチュエーションのなかで、スイスほどTEAMとしての勝利への執着心を感じなかったのもまた事実。 同じようにEURO2000でのフランスが、既にGroup突破を決めた状態でオランダと対戦、主力のほとんどを休ませ2-3で敗れたことがあったが、結果的に休養十分の主力が決勝Tで活躍し大会を制している。ポルトガルははたして同じ道を辿れるだろうか!?満を持して臨む準々決勝はドイツとの対戦が濃厚だが、実現すればそれが今大会のポルトガルにとっての、最初の大きなヤマとなるのは間違いない。
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posted by JIN18 |22:34 |
☆アルプスの麓で目指すアンリドロネーの頂! |
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