2008年06月15日
EURO2008 Act7 『奇跡も二回続けば実力だ!!』
■ そこに世界王者の威厳なし… 【 イタリア 1-1 ルーマニア 】 1-0 55' ムトゥ(ルーマニア) 1-1 56' パヌッチ(イタリア) どうやら緒戦でオランダに喫した0-3という衝撃の敗戦が、アッズーリに与えた精神的ダメージは、想像以上に大きいようだ。 この試合、アンドレア・ピルロと並んだセンターには“猛犬ガットゥーゾ”ではなくダニエレ・デ・ロッシを起用、オランダ戦途中同様センターバックにはクリスティアン・パヌッチを据え、両サイドDFにジャンルカ・ザンブロッタ、ファビオ・グロッソとサイド攻撃で威力を発揮できる選手を配置、そして、左のFWにはSTARTからアレッサンドロ・デル・ピエロが入るという、(イタリアにしては)思い切った攻撃的布陣を敷いてきたが、それがどことなく焦りを感じさせる。 こういった大きな大会で、イタリアがキックオフから絶え間なく攻め続ける姿を拝むのはいつ以来だろう!? あまり浮かばないという点で「いつものイタリアじゃない…」という思いが脳裏に過ぎったが、とにかくスタメンを見てもイタリアが相当攻撃に比重を掛けてくることは予想された。 特にデル・ピエロの前線での頑張りが、立ち上がりから目を惹いた。彼が前で生きることによってその後方のピルロも生きてくる。ドイツW杯時の縦の司令塔コンビのような、良好な関係の再来のように見受けられた。 ルーマニアがDFに比重を掛けてくるのは緒戦のフランス戦と同様。押し込まれる展開ももはや慣れたものだ。ただ、フランス戦よりも攻撃に対する意識は感じられた。隙あらばカウンターで1点をという「狙っている」雰囲気が漂う。 前半途中、味方選手同士の接触から早々に予定外の選手交代を余儀なくされるが、そこで“国内最高の10番”といわれるニコラエ・ディカを投入するあたりにも、そんな狙いが見て取れる。 しかし、イタリアは攻めても攻めてもGOALに繋がらない。それが更に焦りをどんどん助長しているようにも見える。 前半ロスタイムのルカ・トーニの完璧なHEADもオフサイドで取り消されるなど、運がない点も気に掛かる。 そして、攻め続けながら先に点を奪われるという、イタリアにとって最も恐れていたことが起こってしまった。 後半の10分過ぎ、右サイドセンターライン付近からの長いFKをザンブロッタがGKにHEADで返したところ、ザンブロッタの死角から入り込んだアドリアン・ムトゥがダイレクトでかっさらいネットに突き刺す!ルーマニアにとっては狙い通りのGOAL。 直後に左CKをジョルジョ・キエッリーニが折り返したところをパヌッチが押し込んですかさずタイスコアに戻すが、次第に試合は膠着状態の様相を呈してくる。 前述のGOAL取り消しは不運としても、トーニが決定力を発揮できない点が気に掛かる。都度都度好機に顔を覗かせるのはさすがだが、枠内にSHOOT!を収められない。その迫力と存在感を考えると、トーニに代わるFWはいない。今大会ここまでノーゴールの眠れるエースがいつGOALをあげるかにもイタリアの命運が懸かる。 58分、ペッロッタ→カッサーノ 77分、デル・ピエロ→クアッリャレッラ 85分、カモラネージ→アンブロジーニ 疲れの見える選手を次々にFRESHな選手に代える。 真っ当な采配には違いないのだが、どうにも机上の論理に思えてしょうがない。ただ駒と駒をすげ替えているように見えるのだ。例えば、気合いの入ったPLAYでTEAMを牽引していたキャプテン・デル・ピエロなんかは、最後まで使っても良かったのではないか!? 緒戦の段から一貫して感じていたことだが、ロベルト・ドナドーニ監督が動きすぎている気がしてならない。それがピッチの実状にJUSTフィットしているか!?というと微妙な気がしてならない。 ベンチもピッチもせわしなく、何か大国らしいどっしりとした落ち着き・身構えが感じられないのだ。 81分、ムトゥのPKをジャンルイジ・ブッフォンが弾き出し、何とか辛くも勝ち点1を手にはした。 しかし、最終戦はこれまたもう後がないフランスとの対戦。Group:Cのイチ抜け二抜け候補のどちらかが姿を消すことになるこの戦い。ドイツW杯決勝の再戦が、こんなシチュエーションで再現されようとは。。。 ルーマニアにとっては本当に惜しい試合だった。件のPKを得たところまでは、思った通りの展開だったに違いない。金星を得るまでには至らなかったが、着実に描いたプランは遂行できている。 3強+1と見られたこのGroup。逆にルーマニア戦をどう戦うかが各国の一つのPointなると見られていたが、ここまでの戦いぶりは本当に素晴らしい。最終戦は現段Group最強のオランダとの対戦だが、痛々しいほど不調で結果の出ないイタリア&フランスと比べると、何やらただでは終わらなそうな雰囲気が漂う。 もはや!ルーマニアがGroupを突破しても何のサプライズでもないだろう。
■ 奇跡も二回続けば実力だ!! 【 オランダ 4-1 フランス 】 1-0 9' カイト(オランダ) 2-0 59' ファン・ペルシ(オランダ) 2-1 71' アンリ(フランス) 3-1 72' ロッベン(オランダ) 4-1 92' スネイデル(オランダ) “ベルンの奇跡” 1954年のW杯スイス大会決勝で、当時世界最強の“マジック・マジャール”相手に、西ドイツが2点のビハインドをひっくり返し初優勝を遂げた試合を形容する有名な一語だ。 オランダが緒戦で世界王者相手に3-0で完勝を収めたのも同じベルンの地。試合後、地元メディアのなかには「二度目の“ベルンの奇跡”だ」と準える声もあったという。 しかし、奇跡というのがほとんど人為では為し難いような事の起こりを表すとするならば、このフランス戦でも完勝を収めた今大会のオランダの進撃は決して奇跡ではない。 それが実力以外の何者でもないことを、ハッキリと示したのがこの一戦だった。 立ち上がりから動きの良いオランダは早々に先制点をあげ、優位に試合を進めていく。9分にラファエル・ファン・デル・ファールトのCKをディルク・カイトがHEADにGOALで突き刺す。以降もフィールドをワイドに使ったパス・サッカーに個人技を織り交ぜ、とにかく気持ち良くPLAYしているように見受けられた。 翻ってフランスだ。どうにも精細を欠いたような動きに映る。時折“元気者”フランク・リベリーが頑張る以外、攻撃にタメがなく緒戦同様リズムの変化に乏しい。ボールを保持していても何か一本調子に見えて仕方がなかった。 この試合では負傷明けのティエリー・アンリを1TOPに据え、右にシドニー・ゴヴ、中央にリベリーを配置するという布陣。前の動きを増やして何とか攻撃を活性化させたいという意図が感じられるが、なかなか複数で連動して攻撃を仕掛けるといった場面が観られない。 それでもそこはさすがに高い能力を持つ個が集った集団!右サイドから入ってきたゴヴが幾度か決定機に顔を覗かせるなど、オランダ・ゴールを脅かす場面を創出した。 オランダはエドウィン・ファン・デル・サールの安定したセーヴでこの難を逃れる。 何か、ファン・デル・サールの落ち着いたセーヴを見ていると、フランスのチャンスをそう感じさせないから不思議だ。大ベテランの存在感と安定感の面目躍如といったところか。 そのまま前半を1-0で終えることとなるが、正直!半分観た段でフランスが逆転して勝利を収めるのは難しいだろうな…と感じさせられた。 はたしてベンチや選手もそれを感じたのだろうか。 後半、フランスのギアが今大会初めてTOP!に入る。アンリが超決定機にループを噴かすなどGOALには至らないものの、相手陣内の前線からプレスを掛けるなど、攻守に明らかにスピードアップした。 リードするオランダも強気の選手交代。 オルランド・エンヘラール→アリエン・ロッベン、カイト→ロビン・ファン・ペルシと故障明けの攻撃的選手を次々に投入。前半のエンヘラールの位置にはファン・デル・ファールトを一列下げるという超!攻撃的布陣で、前掛かりになったフランスを迎え撃つ。 両TEAMが互角の攻防を繰り広げるなか、どちらに次の1点が入るかが試合の運命を決すると思われたが、その1点を手にしたのはオランダだった。 左サイドをスピードで突破したロッベンからのクロスを、右からGOAL前に入ってきたファン・ペルシが左足で合わせてSHOOT!GKに当たって勢いを失ったボールがゆっくりとGOAL内に転がる…。 電光石火のカウンターで、先制点に続いて良い時間帯での得点をあげた。 今度こそ試合の趨勢が決したように思えたが、それでも諦めないフランスは、右のヴィリー・サニョールからの低いクロスをアンリが左足で僅かに方向を変えてGOALに流し込む。何とかあと1点をということで、歓喜もほどほどに試合再開のため自陣へ急ぐフランス選手たち。 しかし、その数十秒後、フランスは今度こそ息の根を止められた。 センターサークルでキックオフされたボールを素速くGOAL前へ運んだオランダが、最後はロッベンが角度がないところからDF2人とGKの隙間を縫ってGOALをぶち抜く一撃! 若く勢いのあるTEAMらしいGOALだった。 老獪なTEAMならもう一度じっくり立て直して攻めようかというところだが、いかにも若さをウリにするオランダらしい、セオリーからいえば予想外のGOALだった。 まさに攻撃こそ最大の防御!というオランダ・サッカーの真骨頂! 仕上げはロスタイムのスネイデルのミドルからの一撃。 世界を席巻した組織とパスサッカー時代を知る者とすれば、カウンターからのGOALが多い今大会のオランダは物足りないと感じるかもしれない。が!はたして世界のどこにイタリアやフランスをこれだけ粉砕できるTEAMが存在しよう!? 故障上がりの本来のレギュラーであろうロッベンやファン・ペルシがフィットしつつある今、定番のお家騒動さえ顔を擡げなければ?オランダは最も覇権に近い存在だといえるのではないだろうか!? 既にGroup1位通過を決めているため、最終戦は控えの選手に経験を積ませて主力を休ませることもできる。シチュエーションとしては2000年のフランスにも似たような状況、近い雰囲気を感じる。 快勝を続けたとはいえ、TEAMはまだMAXでないようにも見受けられる。もっともっと良くなる気がしてならない。どうやら、今大会はオランダを中心にして推移していくことになりそうだ。
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posted by JIN18 |11:46 |
☆アルプスの麓で目指すアンリドロネーの頂! |
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