2008年06月13日

EURO2008 Act5 『雨空の向こうに何が見える!?』

■ 全てを凌駕できる個の脅威
 
【 チェコ 1-3 ポルトガル 】
    0-1    8' デコ(ポルトガル)
    1-1  17' シオンコ(チェコ)
    1-2  63' C・ロナウド(ポルトガル)
    1-3  91' クアレスマ(ポルトガル)
 
 
 最後は地力の差が勝敗を分けたとしかいいようがない。
 クリスチアーノ・ロナウドの今大会初GOALを契機に、均衡した試合の流れが徐々にポルトガルに傾いていく。最後はリカルド・クアレスマが駄目押し弾。緒戦同様ロスタイムのGOALで完全に相手に止めを刺した。
 
 序盤から試合は激しく動いた。
 デコ→クリスチアーノ・ロナウド→ヌーノ・ゴメス→クリスチアーノ・ロナウド。巨人が居並ぶチェコDFの森をすり抜けていくボールをGKが弾いたところ、最後にデコが押し込んでポルトガルが先制!少ないタッチで軽快に繋いだ綺麗な流れからのGOALだった。
 ほどなくしてチェコが追いつく。
 右からのCKをリボル・シオンコがHEADで叩き込む。
 
 この試合、チェコの1TOPに起用されたのは202cmのヤン・コレルではなく、前回大会得点王のミラン・バロシュだった。前線での高さよりも、左右のスペースに流れて起点になること、或いは運動量でボールの出所を抑え、強力なポルトガルの攻撃にプレッシャーをかけたいという意図が感じられた。
 
 緒戦で機能しなかったTOP下にもダヴィド・ヤロリームに代わってマレク・マチョフスキーが起用されたが、右サイドで再三精力的な動きを見せていたシオンコを含め、幾度となく好機を演出する。緒戦の采配といい、さすが名将カレル・ブリュックネルと思わず唸らされた。
 
 ポルトガルは逆に1TOPのヌーノ・ゴメスがなかなか機能しない。というよりは、トルコ戦のようにサイドを上手く使えないため、ボールがFWに良い形で渡らないといったほうが良いか!?
 同点に追いついて以降はむしろチェコ・ペースのゲームだったといえる。
 
 そんな流れを一変させるのだから、やはり、突出した個の能力は貴重な切り札だ。
 大会前、SEASONで活躍しすぎたクリスチアーノ・ロナウドは今大会活躍できないのではないか!?と述べた。確かに注目度No.1だけに相手からのマークも半端ではない。緒戦、そしてこの試合と、彼がボールを持つとアッ!っというまに複数のDFが囲んでくる。しかし、その間隙を縫って決定的な仕事をしてしまうのだから、この男、想像以上に逞しい。
 
 この勝利でポルトガルはGroup1位突破が確定。第3戦では勝敗に関係なく、疲労した選手を休ませたり、控えの選手を試したりといった余裕の試合運びができる。目指す覇権に向けて、まさに理想どおりの大会の進め方だ。
 
 最後は個人の差で敗れたチェコだが、まだ悲観することはない。やっているサッカーの質自体は決して悪くない。持てる駒を有機的にフルに活用しようというブリュックネル監督の采配にも見るべきものがある。
 最終戦で勝ち点をあげてGroupリーグを突破する可能性は十分にあると見て良いだろう。
 
 ただ、惜しむらくは、やはりトマーシュ・ロシツキーが欠けることか。。。
 この試合でも、「ロシツキーやネドヴェドがいればもっと良いサッカーになっているだろうな…」と思う場面があったが、それは全員が勤勉だが、やはり変化を付けたり決定的な仕事をこなせる選手の欠如を表していることに他ならない。
 

 

■ 雨空の向こうに何が見える!?
 
【 スイス 1-2 トルコ 】
    1-0  32' ヤキン(スイス)
    1-1  57' セミフ(トルコ)
    1-2  92' アルダ(トルコ)
 
 
 緒戦を観る限り、この勝利は決して驚きではない。
初日の項でも触れたが、トルコの攻撃力は同Groupのチェコやスイスより上回ると見ていたからだ。
 
 緒戦で勝ち点のないTEAM同士の対戦となったこのCARD。
 前半早々に降り出したスコールのような激しい大雨に叩き付けられながら、両TEAMの選手たちが勝利のみを目指して戦う。激闘の末、頭上に拡がるのは晴れ渡った青空か!?それとも曇った暗雲か!?
 
 スイスのアレクサンダー・フレイが開幕戦の負傷で今大会絶望なのは周知のとおりだが、トルコのエムレ・ベロゾールも緒戦後の練習中に負傷し、この試合のスタメンから外れた。それぞれTEAMの中心的役割を担う選手だけに、この欠場がどちらにとってより痛手か!?それが勝敗の行方に影響を与える可能性もあるかもしれない。
 
 比較的力の拮抗した同士だけに、立ち上がりから積極的にお互いのGOALを目指す攻防が繰り広げられた。
 両TEAMが幾度かの好機を逃した後、均衡があっけなく破られる。
 フィリップ・センデロスが送ったフィードを、オフライドラインを抜け出したエレン・デルディヨクが追いつき右からグラウンダーのクロス。ピッチが雨を含んだ影響でボールがGOAL目の前で急激に止まった。目の前にいたハカン・ヤキンはただそのボールをGOALにPUSH!するだけで良かった。
 
 緒戦で後半から出場し良い動きを見せたハカン・ヤキンは、この試合ではフレイ不在の影響もあってスタメン出場。名前からも察せられるとおりトルコ系の選手で、04-05SEASONにはガラタサライでPLAYした経験を持つ。先制点をあげても大きく喜びを表さなかったのは、或いはルーツの国に対する気遣いもあったか!?
 
 直後にも同じように右サイドからヴァロン・ベーラミが供給したクロスに対し、ニアからファーに流れる動きでDFのマークを外しフリーでコンタクトするが、ボールは惜しくもポストの脇へ逸れた。スイスが勢いづいていたこの時間帯、ハカン・ヤキンがこの超!決定機に追加点をあげていれば、その後のスイスはかなり楽に試合を運ぶことができたかもしれない。。。
 
 負けると後がなくなるトルコは後半開始と同時に一気に2人を入れ替える。GOAL前の人数を増やして得点を狙おうという形だ。ほどなくしてその采配が実った。交代出場したセミフ・シェンテルクが同点HEADをGOALに叩き込んだのだ。
 
 そこから試合は更に一進一退の攻防を見せる。
 両TEAMが死力を尽くした末、勝ち点を分け合うかと思われたロスタイム。エリア外から21歳の新鋭アルダ・トゥランが右足を振り抜いた。DFに当たってコースが変わったボールがGKの頭上を素速く抜けGOALに吸い込まれていく。
 
 まさに劇的な逆転勝利だ。これでトルコは自力での決勝T進出の目が出てきた。前述のポルトガルがこの試合の結果を受けて1位でのGroup突破を決めたこともあり、最終戦のトルコvsチェコ戦では勝ち点をあげたほうが2位通過することになる。
 
 開催国のスイスは連敗を喫したことでよもやのGroupリーグ敗退。決してやってるサッカー自体は悪くなかったが、開幕戦でのフレイの欠場に始まり、何か運がなかった印象だ。ベーラミ、デルディオク、ヨハン・フォンランテンなど若手に良い選手が揃うので、最終戦のポルトガル戦では次の2010年に繋がる良いゲームを魅せてくれることに期待したい。

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posted by JIN18 |13:53 | ☆アルプスの麓で目指すアンリドロネーの頂! | コメント(0) | トラックバック(0)
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