2008年06月09日

EURO2008 Act2 『クロアチアのクライフ!?』

■ クロアチアのクライフ!?
 
 【 オーストリア 0-1 クロアチア 】
    0-1   4' モドリッチ(クロアチア)
 
 
 欲をいえばもう少し点がほしかったが、開催国相手の緒戦という意味では、クロアチアは及第点ともいえるスタートをきったのではないだろうか!?
 とにかく出足が素晴らしかった。前線からの労を厭わぬDFで、オーストリアの出鼻を挫き自分たちのペースで試合を進めることに成功。開始早々にルカ・モドリッチがPKを決めて先制したが、それは出足の鋭さに戸惑ったオーストリアが思わずPKを与えてしまったようにも映った。
 
 モドリッチは大会前から評判の司令塔だ。その風貌+支配力・PLAYスタイルから“クロアチアのクライフ”などと例えられていたりもするらしい(確かに顔つきは結構似ている)。そういえば背番号も同じ『14』だ。
 ボールを保持してFIELD全体を見渡す姿勢の良さ、そこで左右両足から繰り出される長短KICKの精度の良さ。中盤のセンターに位置しゲームをコントロールしていくスタイルは、個人的にはアンドレア・ピルロ(イタリア)が少しダブるようにも感じた。足からボールが離れずにスルスル抜けていくドリブルも非凡だ。
 
【独断と偏見に基づくクロアチア選手の採点】
 1.プレティコサ 6
 5.チョルルカ 6
 4.R・コヴァチ 6
 3.シムニッチ 6
22.プラニッチ 5.5
10.N・コヴァチ 6
14.モドリッチ 6
11.スルナ 5.5
19.クラニチャル 5
(61m 15.クネジェヴィッチ 6)
18.オリッチ 6
(82m 8.ヴコイェヴィッチ  -)
21.ペトリッチ 5
(72m 20.ブダン 5) 
 
 飛び抜けて活躍した選手はいなかったが、全員が平均的に頑張っていた印象が強い。
 特に前半はポジションに関わらず、豊富な運動量でのプレッシングを遂行していた。ムラデン・ペトリッチ、ニコ・クラニチャルといったところは、期待の攻撃面ではほとんど印象に残っていないが、相手にボールが渡った際に献身的にDFを行っていた点で評価下げ止め。
 イヴィツァ・オリッチのピッチを去るまでの無尽蔵の機関車のような運動量にも驚かされた。
 
 しかし、正直、クラニチャルがこんなに守備を一生懸命やっているのは初めて観た気がする。プレミアで揉まれて一皮剥けたのかもしれないが…、いや…ポーツマスでもここまでDFに神経は遣っていなかったはず。。。
 
 後半、クラニチャルに代わってダリオ・クネジェヴィッチが守備固めでセンターバックに入り、ヨシップ・シムニッチがセンターバック→左サイドバック、ダニイェル・プラニッチが左サイドバック→左MFという布陣にシフトしたが、決勝Tでノックアウト方式になり、DFのバランスがより重視・優先されるようだと、この布陣がスタートから重用される可能性もありえる。
 
 98年フランスW杯で、同じようにDFのバランスを重視した結果、最終的に中盤の底にクラノスラフ・ユルチッチが入り、その前にズヴォニミール・ボバンとアリョーシャ・アサノヴィッチが並ぶ布陣に落ち着いたということがあった。
 攻撃センスには疑いの余地がないものの、DF面や運動量で前述選手たちより劣るロベルト・プロシネチュキが、レギュラーから弾かれた格好だった。
 
 前例を繰り返すとは限らないが、全員守備を標榜する以上、クラニチャルとしてもこのまま試合に出続けるには、DFを頑張らないわけにはいかないのだろう。
 
 後半は開始早々から、逆にオーストリアの動きが明らかに良くなっていた。
 前半は開催国のプレッシャーが双肩に圧し掛かっていたのだろうか!?
 ハーフタイムのロッカールームで相当な激でも入ったのだろうか!?
 或いは、先制されて折り返すことで開き直ったのだろうか!?
 遠めからロングシュートを放つのが精一杯だった攻撃が、ボール保持率が上がり複数の連動した動きでクロアチアを徐々に自陣へ押し込んでいく。
 
 逆に序盤から激しいプレッシングを掛けていたクロアチア選手の足取りが、時間の経過とともに鈍くなる。スラヴェン・ビリッチ監督は、疲れの見える選手を代えることで全体のバランスを保とうとしたが、次第に全体が引いてカウンターを狙うような形に推移する。
 
 オーストリアは61分、ユルゲン・ゾイメルに代わって38歳の大ベテラン!イヴィツァ・ヴァスティッチがピッチイン。名古屋時代はFWとしてPLAYしていたが、今は中盤のチャンスメーカーとして渋い働きを見せているようだ。
 
 「イヴォ!イヴォ!イヴォ!」
 
 タッチラインに彼が立ったときにスタジアムを包んだ大歓声からも、人気と期待のほどが窺える。このヴァスティッチがクロアチアのダルマチア地方出身であることはよく知られるところ。91年に旧ユーゴ内戦の影響でオーストリアに亡命、シュトゥルム・グラーツ時代にイヴィツァ・オシムの薫陶を受けて急成長を遂げ、オーストリア代表に選ばれるまでになった。
 生まれの国との対戦となったこの試合、或いは様々な想いがその胸に去来していたかもしれない。
 
 終盤オーストリアが際どい場面を幾度か演出したが、結局PKによる1点のみで試合終了。
 クロアチアは後半のスタミナという点で不安を残した。ペース配分には一考の余地があるだろう。ドイツやポーランド相手に同じような試合をしていては、苦しい戦いを強いられることになる。フィニッシュの精度ももっと上げたいところだ。
  
 オーストリアではアンドレアス・イヴァンシッツ、ロスタイムに惜しいHEADを放ったロマン・キーナストといった若手選手が将来性を感じさせた。EUROがもう1年遅い開催だったとしたら、或いはもっと良いTEAMに仕上がっていたかもしれない。しかし、今大会で旋風を起こすのはちょっと厳しいか。。。
 
 
 
■ ドイツに何ら異常ナシ!
 
 【 ドイツ 2-0 ポーランド 】
    1-0  20' ポドルスキ(ドイツ)
    2-0  72' ポドルスキ(ドイツ)
 
 
 ヨアヒム・レーヴって誰!?
 選手として華々しい経歴を誇るわけでもないので、ドイツW杯後アシスタント・コーチから昇格したレーヴ監督は、イマイチ!マイナーな印象を受ける。が、ユルゲン・クリンスマンが礎を築いたTEAMを着実に真の強豪へ育て上げたことを、この試合で世界に示した。
 
 ドイツW杯でも同Groupだった両TEAM。その時は、ロスタイムのオリヴァー・ヌヴィルのGOALでドイツが辛勝を収めた。
 ポーランドは歴史上ドイツに1回も勝ったことがないという。70~80年代に二度W杯でBest4入りを果たすなど、隆盛を誇った東欧の名門だけに、EURO初出場という点も含めて、とても意外な気がする。ポーランド移民のミロスラフ・クローゼとルーカス・ポドルスキにとっては、ルーツの国との対戦ということになる。
 
 ドイツのスタメンはFW登録の選手が3人。DF登録の選手が5人。トルステン・フリンクスとミヒャエル・バラックだけが本来のMF選手という何とも珍しい?配置。
 序盤から、パワフルな巨人がワイドにFIELDを使ういかにも“ドイツらしい”サッカーを披露した。
 くわえて、DFも中央の堅さは半端ではない。正面から普通に攻めてもなかなか突破することはできないだろう。
 
 期待のマリオ・ゴメスは開始早々の絶好機でMISS SHOOT!その後もシュートがなかなかHITしない。ただし、先制点の起点となるスルーパスを送るなど、随所に才能の片鱗は見せた。
 ただ、この場面、クローゼの抜け出しも確かに上手かったが、正直!オフサイドっぽくも見えたような!?これがOKなら、逆に後半のエビ・スモラレクのGOALもオフサイドではないような…。。。
 
 勝敗を分けたのはフィニッシャーの質の差か。
 ポーランドも後半、ブラジルから帰化したロジェール・ゲレイロが投入されると攻撃のリズムが良くなり、何度か決定機を創出していた。パンチのある選手も多く、かなり力のあるTEAMであることが窺えただけに、このGroupを突破したとしても何ら不思議はない。
 
 この試合でちょうど出場国の半分を観たことになるが、やはりポルトガルとドイツの力が一歩抜きん出ているように見受けられる。順当にいけば、前評判通り両国は確実に覇権を争う一角になるだろう。

posted by JIN18 |23:26 | ☆アルプスの麓で目指すアンリドロネーの頂! | コメント(0) | トラックバック(0)
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