2009年04月02日
“歩く、ひとり民族大移動”まさに私達は見た!!プロレス界が誇った『最強の大巨人』アンドレ・ザ・ジャイアント
初出:2007・6 (筆者注;このコラムは2007・6、当サイト掲載文です。不定期にて過去コラムにおける多数の筆者宛てコメントメールを賜った上位作を再掲載しております。) モンスター・ロシモフ、言うまでも無くのちに“人間山脈”とネーミングされた、アンドレ・ザ・ジャイアントの初来日時(1970年)、国際プロレスでのリングネームである。この初来日時に、あのバーン・ガニアにその素質を見込まれ、乞われるままに渡米、AWA圏内をサーキットしながら、ガニアの指導を受けた。このガニアとの出会いが、ただの“でくのぼう”と評されたアンドレのレスラー人生を一変させた。一年後、国際プロレス主催の第3回・IWAワールドシリーズにおいて、“人間風車”ビル・ロビンソン、“神様”カール・ゴッチを押さえ、堂々の戴冠を得る。 ゴッチとの対戦では、当時としても既に2メートルをゆうに超え、200キロ近い巨体であったが(アンドレは、悲しいかな、巨人病の典型でその後も身長・体重ともに増え続けるという、生まれながらの性を背負っていた).、多くのファンはあの巨体をどういなすのか、注目の決戦となり、有識者の指摘によれば、見事、ゴッチは完璧なジャーマンで投げつけたが、その時、レフェリーは失神していたが為、変わって飛び出してきたサブ・レフェリーにゴッチがカウントされ、敗れるという波乱を生んでいる。 しかし、当時の大人たち、プロレスファンはアンドレのその部類の強さを認め、讃えたはずだ。いまでも残る、一葉の写真。表彰式でのアンドレのなんともいえぬ微笑がそれをまざまざと物語っている。その横に並んだ、ロビンソンとゴッチのこれまた納得づくとも思えし、笑顔。あのまさに“プライド”の塊とも揶揄されたロビンソン、ゴッチがふくよかに笑って写真に納まっている姿にはなんとも言えぬ感慨を抱かせる。この一葉を望むだけでも、残念ながら、その試合をまったく記憶に留めていない私にですら、いかにアンドレの強さが顕著であったか、窺い知れよう。 そうしてその微笑の底から覗く、ひととしての優しさ。ゴッチ、ロビンソンが讃える、強きものが強きものを知る、強きものこそが持つ、慈愛なる精神。まさにその瞬間を捉えた貴重な一葉の写真であろうと思う。 大昔から、プロレスほど世間から、“常識”という目をそそがれ、野蛮だ、八百長だなんだと疎外されてきた格闘ジャンルも無い。その誠に特殊な競技にのめりこんでしまった者達は、ときにひとによっては口泡吹かし抗弁し、時に怒りを胸に潜めつつ反論し、時にフンとただその一々説明せねばならぬ状況に嫌気がさし、横を向いた。 そのような時でもあの、アンドレの有無を言わさぬ大男の佇まいはなんと、プロレスファンに溜飲を下げさせたものか。 「あの、アンドレを見よ!!」 「あのプロレスラーに勝てる格闘家が居るのか!?」 私は幼い時分からアンドレの痛められっぷりに、なんともいえない「怪物退治」というプロレスファンの中でさえ巣くっている、蔑視の目というものが介在しているさまを見出してしまって、そのやられっぷりはほどなく好まざるものになってしまっていた。 いつぞやか、私も子供ながらにその“悲鳴”が演技であると察してはみても、なんだか度し難い想いが込み上げてきて、見ていられなくなってしまったものだ。 後年、そんなアンドレの、実際、演技とはとても思えぬ“醜態”をも見てしまったとき、私は殊更に“巨人”なるものの悲哀を見るようで忍びなかった。試合が経過すればするほど、そのスタミナのロスが露呈してくる。足がもつれ、自身から勝手にマットにくず折れてしまうアンドレ。物心ついた時分に見たアンドレとはあきらかに違う、異体。 (ああ、あれはもしや、もはや・・・) 成人した私の中で翳ってきた思い、憂い。 のち、アンドレは故・馬場氏に乞われ、全日本プロレスに参戦。もはや、あの頃のアンドレに、あの“プロレスラーの強さとしての象徴”その影は微塵も感じられなかった。 1993年1月27日、逝去、享年47歳。 黄泉の国で静かに横たわるMr,アンドレはいまや何を夢見、何の往時を振り返っているのだろう。 ロビンソンとも違う、ゴッチとも違う、テーズの色とも違う、まさに強さという域を超越した“凄み”・・・。 私は今でもこう、思って止まない。 「Mr,アンドレ。プロレスの“凄み”を有り難う。プロレスの“強さ”を有り難う。あなたこそ、プロレス界史上最強のプロレスラーでした」と。プロレスは何も“強弱”ばかりを競う格闘浪漫ではないのだ。その底に見るジャンル特有の“悲哀”・・・…。若くしてそのことに踏み込めた私は誠に幸せ者であった。 ☆筆者・電子書籍ベストセラー作、誠に嬉しき限りです。⇒『魂暴風anthology-Act1 The best selection』 *Thought・10’s chapter title 『はじめに道ありき“新日本プロレス道場編”』 『もはや甦ることは無い “人間山脈”アンドレ・ザ・ジャイアントの微笑』 『12歳の疾走“ミル・マスカラスに想いを馳せた、片路48km” いまもきっと胸に棲む、青春の瞬間(とき)』 『“プロレスの凄みを引き出す”猪木、天龍、小橋が体現してみせた vs“不沈艦”スタン・ハンセン戦』 『脆さと優柔不断ぶり“師に反発し、師をこよなく愛した両雄” 藤波辰爾とジャンボ鶴田』 『“最強”かつてそこに執着した、在るファンが見た一夜の幻!? 小川直也とは一体、何者であったのか!?』 『「プロレス道に悖(もと)る」猪木の求心力を著しく貶(おとし)めた、 あの事件“前田日明”【長州力顔面襲撃事件】』 『“Is it cheerful?(やぁ、元気かい?)”未だ忘れられぬ名優!! “狂犬”ディック・マードック』 『“立ち上ってくる妖気”踏みとどまることを知らぬ小橋建太という、執念』 『“アルバトロス殺法”キラー・カーン“あほうどりが奏でたプロレスラーとしての 矜持ゆえの夢”』 ☆☆☆ さるプロレスラーの方のご招待をお受けし、先だってよりミクシーの方にも参入致しております(笑)。文筆家として柔らかい発想を保ち続けたいとの想いと、こういう輪の拡がりも大事かなと考え、ご招待をお受け致した次第です。 もしや、こちらをご覧の方々でミクシーの方もされておられる方がいらっしゃるかも知れません。どうぞ、コミュニティ“オノレ・ド・バルザック”や“ヘルマン・ヘッセ”で検索してみてください。メンバーの中に私がおりますよ。ミクシーでもお気楽にメッセくだされば嬉しいです。ただいま、マイミク大募集中!!(笑) mixi・url⇒ http://mixi.jp/show_profile.pl?id=22577165
posted by 美城丈二 |11:55 |
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