2010年05月24日

【昭和プロレスは何処?】義を貫き和を愛した“金網の鬼”「無骨を尊び人柄でファンを魅了した、国際の漢」ラッシャー木村

 プロレスリング・ノアの終身名誉選手会長に就任されておられたラッシャー木村さん(68)が24日未明、腎不全による誤嚥性肺炎の為、逝去なされた。ここに哀悼の意を表し、謹んでご冥福をお祈り致します。合掌

 下記文章は、当ブログサイトにおけるラッシャー木村さんに関するコラム再掲作を今一度、トップ記事として掲げたものです。



 ☆本年5月(2008・5)に掲載し、多くのメールコメントを賜りました「ラッシャー木村篇」をここに再掲載させていただきます。いつもながらのご声援、ほんに嬉しき限りです。有難うございます。日々の執筆の糧にしております。


 ラッシャー木村と言えば筆者においては、どうしても“無骨”なイメージが先に立つ。その往年を知るファン、くちさが無い連中にかかれば「どんくさい」という揶揄する向きがあったことも事実だ。何より“金網の鬼”というネーミングである。甘いマスクや華麗極まる業師としてのイメージはファンに植え付けがたいものとなる。
 大相撲・宮城野部屋出身のプロレスラーが我が国初の「金網デスマッチ」を行なう。そこにあるのは薄暗い照明の下で繰り広げられる、大男ふたりのごつごつとした殴り合いが全てか?その朴訥とした人柄など窺い知る術も無い。またそれでも十二分にお客さんが入った時代である。

  監修・竹内宏介(元「月刊ゴング」編集長)、流智美(プロレスライター)に拠る『「不滅の国際プロレス1974-1981」DVD-BOX』を改めて見やる。昨年、購入したものだが、見る度に往時の断片的な記憶が尽きぬ感慨を抱かせる。“人間風車”ビル・ロビンソン、“元祖・怪物”モンスター・ロシモフことアンドレ・ザ・ジャイアント、“人間台風”ドン・レオ・ジョナサン、“岩石男”ジョージ・ゴーディエンコ、“鉄人”ルー・テーズ、“流血大王”キラー・トーア・カマタ、“放浪狼”ジプシー・ジョー、“神様”カール・ゴッチ、ダスティ・ローデスとデイック・マードック“ジ・アウトローズ”として全米を席巻することになるふたりの初来日映像、“帝王”バーン・ガニア・・・・往年のファンにとっては垂涎もののDVD-BOXだが、懐かしくも驚異の漢たちに混じってあのストロング小林と対峙したラッシャー木村の勇姿も垣間見ることが出来る。 
 
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posted by 美城丈二 |21:01 | 美城流追憶稿“あの忘れがたき、漢(おとこ)” | トラックバック(0)
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2008年11月23日

「易々と穏やかな目の、かつての悪童」私見“マイク・タイソン”

 “魂暴風”popular request column

 優しい目を宿していた。さも起きがけの軽食を喰らい、ほっと満足感に浸っているかのような。
 穏やかに易々と伝わってくる、かつて“悪童”と謳われた男の微笑。

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 まるで毒気の抜けた貌(かお)を覗かせている。彼の中で“争い”は終わったのか!?とふと、殊更に思う。思う私は、そんな私に少しばかりの“道化”を感じて、それは淋しさという感情よりも、“時の魔術師”がここにも居たのか?という、嘲りにも似た感情。  時代はとうに過ぎ去ってしまっていたのだ。彼はかつて“最強”を欲しいままにした、そう、屈指のファイターだった。  やがて彼はぽつりと呟いた。  「記憶してもらうだけで幸せだ」  彼にいまや寄り添う風は、もはや彼のものでは無いことをはっきりと自覚しているかのような風情で。      どこにでもいそうな、どこにいても出遭えそうなありふれた目を湛えている。それがまたどことなく温かい思いをも抱かせる微笑であった。  マイク・タイソン。  かつて世界を席巻した、男。  南アフリカの地にて、ロイターのインタビューに応じた際の、彼のこの一言。    「記憶してもらうだけで幸せだ」  婦女暴行罪で刑務所に収監されたことを?  イベンダー・ホリフィールド戦にて無性か否か、耳を噛み千切ろうとしたことを?・・・  子ども向けチャリティー募金活動に勤しむ彼は、 「戦争のない場所であればどこへでも行きたい」と述べ、更に「だが、ケニアには行けない。あそこは内戦状態にあるから」と補足したとも伝えられた。  そうして「もう、自身は“悪童”でもなんでもない。ボクシングへの関心も無い」とコメントを発している。  「年を取り過ぎたと感じる。記憶してもらうだけで幸せだ」と最後に彼は微笑と共にそう、呟いたそうである。
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posted by 美城丈二 |23:32 | 美城流追憶稿“あの忘れがたき、漢(おとこ)” | トラックバック(0)
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2008年08月26日

井上義啓氏について、想い出す事など。

  『プロレスに真実はないが、少なくとも、
  こうであった筈だとの思い込みは存在する。
  その思い込みが真実でなかろうと、
  そう感じ取った人の心には、それはまぎれもない真実となる。』

 プロレス衰退期・黄金期をその波の如し、時に厳しく時に深く時に破廉恥に荒々しく、そして時に芳しく支えてきた、いまや存しない週刊ファイト元・編集長、故・井上義啓氏の言葉である。

 私が学生時分、接見させていただいた時は誠に饒舌な方との印象があり、私とて寡黙な方では無くむしろ“語り部”と揶揄されるほどの当時“うざい”青年ではあったが、その話しぶりに聞き耳を立てるばかりで圧倒され放題であったとの記憶が鮮明に今でも脳裏に甦ってくる。

 振り返れば、時代というフィルターで覆い被さっている霞(かすみ)のような青春群像ではなく鮮烈な陰影を纏った、まさに“若き頃”の青春の一齣なのであり、胸中、思い出の一断片としてまた、氏との語らいも強烈な残像となって私に様々な哀感を未だに注いでくれもする。

 氏は、『猪木大新聞編集長』『猪木擁護会会長』などと反猪木派からよく批難なされてはおられたが、けっしてその猪木氏が彩るリング絵巻の騒乱ぶりに関し、いつもながらの擁護ぶりというわけではなかった。 試みに私が所有する、時の『週刊ファイト』においてもおかしい部分はおかしいときちんと批判なされておられる記述文は多々、見られ、特にUWF出現時以降のものにおいては時に強く、容赦無く、断罪なされてもおられる。

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posted by 美城丈二 |08:15 | 美城流追憶稿“あの忘れがたき、漢(おとこ)” | トラックバック(0)
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2008年04月13日

『爆弾貴公子』ダイナマイト・キッド“思わず、私は誰彼となく問いかけてしまいそうになる。「誰が為の・・・・」”

 初出:2007・6

 世に出回るプロフィールでは、180cm 、98kg、けっして大型のファイターでは無い。コーナーポスト上から繰り出す、誠にスピーディーなダイビング・ヘッド・バットに代表される、空間を広く扱った、後方の観客にもそれと判らしめるダイナミック且つ華麗なる技、そういった飛び技を駆使し、氏は名を成した。

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 言わずと知れた、初代タイガーマスク、最初にして最上最高の仇敵手。マーク・ロコ扮す“暗闇の虎”ブラック・タイガー、そして“虎ハンター”と称された小林邦明、プロレス界最大のスーパーヒーローゆえに、ライバルもひしめきあっていた。 


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posted by 美城丈二 |11:08 | 美城流追憶稿“あの忘れがたき、漢(おとこ)” | コメント(17) | トラックバック(0)
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2008年02月07日

“けっして倒れないという矜持”私が知るあのボクサーへの追憶『ブリーダー(流血者)』チャック・ ウエップナー

 初出1999・3 “魂暴風”popular request column



 「俺の勲章は曲がった傷だらけの鼻だ。既に6回、折れているが、そのたんびに俺は自分に言い聞かせたものだ。この折れ曲がった鼻こそ、俺の勲章というやつじゃないかと」


 1975年3月24日、オハイオ州リッチフィールド・リッチフィールドコロシアム。あまりの追憶の彼方だ。

 
 先年、“キンシャサの奇跡”において当時21歳の若き獅子、ジョージ・フォアマンを破り、WBC・WBAヘビー級チャンプに返り咲いた34歳のモハメッド・アリがまるでひとつの余興でもあるかのようにまるで勝ちは火を見るより明らかだと言わんばかりに組んだ、一戦。

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posted by 美城丈二 |18:59 | 美城流追憶稿“あの忘れがたき、漢(おとこ)” | トラックバック(0)
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2007年11月09日

魂暴風・2007外伝“燃えよドラゴン”未だに焦がれるひとをも生む、稀有な映画人『李小龍』その第1稿

 
 ブルース・リーはすでに地の中のひとである。いや、そうではなく今でも様々な有為の人々の心の中に棲む“黄泉”のひとでありながら、未だに焦がれる人をも生む、誠に稀有な存在だ。

 彼と格闘技人とのことを同列では語れまい。仮想世界と現実世界は違う。同列で物事を論じたならば、リーにも格闘技人にも礼を逸していると言いえることだろうから。

 リアルとリアルでは無い世界。

 筆者は一時期、映画人でもあったはずだが、シナリオどうこうを抜きにしてブルース・リーの主演作には心を躍らされた。

 私にはやはりどうしたって覆らない“強き人”への憧憬があって、幼い、若き時分には彼にも随分、執着したものだ。

 “強さの中に秘められた、憂い”
 “時代を呼び込んだときにこの世に存していないという、まさに時空を超えてしまっているという凄絶感”

 そういう、誰しもが感慨を抱ける雰囲気、佇まい、時代背景なるものが、彼をただのアクション・スターの域から大きく逸脱させている。そう、そう想う瞬間、人々の彼への憧憬は共鳴を生み、やがて仮想世界を遊離し、その生涯をかけて彼が目指していた現実世界とはなんであったのか、朧(おぼろ)げながらにも突き詰めてみたくなる。

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posted by 美城丈二 |22:35 | 美城流追憶稿“あの忘れがたき、漢(おとこ)” | トラックバック(0)
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