2007年07月27日

一度でいい、“キレた”永田裕志を見てみたいものだ!?

 
 先般、さる永田裕志選手の大ファンですと名乗るお方から、「何故、永田裕志は時代を取り損なったのですか?美城さんの忌憚無いご意見をお聞かせください。」なるメールを頂き、誠に言葉窮した。困ったな、弱ったな、忌憚無いご意見と言われても、どこまで忌憚無い意見を記述してよいものやら、筆者、大いに考えあぐねた次第である。 

 
 しばし黙考のち、ええいままよと、私なりに思うさまを気持ちを込めて返信させて頂いた。

 「たとえば、白目を剥(む)く永田選手の試合を私は二度ほど見ているのですが、本当に腕を折るんじゃないかだとか、本当にキレたんじゃないかだとか、私には残念ながら思い難かった。新日本に限って申せば、時代を取った男とは、猪木氏しかり、形は違えど前田日明氏、そしてあの長州選手と、皆、本当にキレたら凄まじいんじゃないかという、プロレス特有の深み、怖さ、ひいては“いざとなったら懐刀(シュートに対応出来る技術、心得)を抜くんじゃないか”と思わせるだけの佇まいを感じさせたものです。永田裕志選手にはそういう部分が伝わってこないという、顰(ひそみ)が感じられます。テクニシャンではあってもスポーツライクな感覚というんでしょうか?残念ながらその域を超える何かが感じられない。これからの新日本はともかくこれまでの新日本のトップにはきっとファンはそういう部分にも着目していたのではないか?私なりに思うところですが、いかがなものなのでしょうね?」
 
 一概にそうとばかりも言えぬだろうが、好むと好まざるに限らず全盛時の猪木氏にはそういう“怖さ”が感じられたものである。強い、上手い、そして近寄りがたい怖さ。識者によって見解は分かれるが、ペールワン戦、パク・ソンナン戦、アリ戦、ボック戦、グレート・アントニオ戦等はそういう香りが漂ってくる代表的な一戦であったように思う。

 前田氏もその“実力”は折り紙つきだ。vsアンドレ戦が“そういう試合であった”とファンの間で白日のもとになったのは有名でもある。リングスでは“真剣試合”に踏み込んでもいる。

 長州選手についてはハイスパート・レスリング、或いはラリアット・プロレスなる揶揄する向きもあるが、あのUWFインター攻防戦における安生洋二選手との一戦を望むに唸らせるものがあった。“キレてないですよ”とは後年におけるあのタレント・長州小力氏のパロディギャグだが、踏み込まずとも“キレかかったのではないか?”と思わすに十分な範囲内の一戦、まさに安生選手の前に仁王立ちとも言うべき佇まいを呈していたと思われる。

 往年の新日本のファンは欲張りだから(笑)流れるような攻防戦以外にそういう危険な香りを放つ一戦をも見たいが為に会場に足を運んだとの側面も見てとれよう。

 永田裕志選手にはそういう“怖さ”を感じさせる香りがなかなか容易に漂ってこないという顰があって、実力は内外高評価だけに誠に残念である。

 そういう意味で、先年のvsミルコ戦、vsヒョードル戦における敗戦はやはりかなり痛い失点と思わずにはおれない。  

posted by 美城丈二 |15:38 | 魂暴風【pickup report】 |
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