2007年06月28日

彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

 
 “藤田ァァ~!! 出て来~いッッ!!!”

 真の実力には筆者は?マーク、疑心いっぱいではあったがそんな筆者の意に反して当時、『霊長類ひと科最強』と謳われていた、あのケアーをアグレッシブに攻め立て、圧倒的な存在感を指し示した時、多くのかつてのプロレスファンからのPRIDE流れ者、すなわち筆者みたような連中は色めき立った、はずだ。

 元新日本在籍のれっきとしたプロレスラー上がり、猪木氏のアレンジしたバージョンとは申せ、“炎のファイター”BOMBAYA入場曲を携えて勇躍躍り出でた。注視しないはずは無い、いやまさに注視したのだ!!。

 くちさが無い者達に、師匠は現役時、八百長に揉まれていたくせに弟子達には真剣勝負を強いる、などと揶揄される蔑視論、どこ吹く風、その弟子のひとり、ひところの藤田にはやはり威風漂う“闘う者の、強さへの飽くなき追求心”が見て取れて、私なんぞにはあまりに猛々しく映り見え爽快そのものでさえあった。

 まず面構えが良かった。強者特有の鋭い眼光は、或いはこれから這い上がろうとする武辺者は、恒にいまにも挑みかからんほどの鋭い眼光を有しているもので、格闘家としてはまったくこの威風は不可避なものであろうと考える。

 時代としてもプロレス界衰退、MMA勃興という波にその背を押され、もともとレスリング全日本学生選手権4連覇という偉業をバックボーンに持つほどの男であるから、「挑戦、無論、ここぞと参る!!」とばかりに、PRIDEのリングへと猪突、邁進した。結果は云うまでもない。時代が彼を押し上げたと各論者は絶賛、ものしたものだった。


 ☆PRIDE GRANDPRIX 2000
  開幕戦2000.01.30 
 ○ ハンス・ナイマン 
  1R 2分48秒  ネックロック
 ☆PRIDE GRANDPRIX 2000 
  決勝戦2000.05.01
 ○ マーク・ケアー 
  1R終了 判定 3-0
 × マーク・コールマン
  1R 0分02秒 TKO(タオル投入)
 ☆PRIDE.10
  2000.08.27
 ○ ケン・シャムロック 
  1R 6分46秒 TKO(タオル投入) 
 ☆PRIDE.12
  2000.12.23
 ○ ギルバート・アイブル 
  2R終了 判定 6-0
 ☆PRIDE.14
  2001.05.27
 ○ 高山 善廣 
  2R 2分18秒 TKO(肩固め)
 ☆PRIDE.26
  2003.06.08
 ×エメリヤーエンコ・ヒョードル 
  1R 4分17秒 スリーパーホールド 
 ☆PRIDE無差別級GRANDPRIX2006開幕戦
  2006.05.05
 ○ジェームス・トンプソン
  1R 8分25秒 KO(スタンドでのパンチ)
 ☆PRIDE無差別級GRANDPRIX2006 2nd
  2006.07.01
 ×ヴァンダレイ・シウバ
  1R 9分21秒 TKO(タオル投入)
 ☆PRIDE男祭り2006FUMETSU
  2006.12.31
 ○ エルダリ・クルタニーゼ
  1R 2分08秒 KO
 ☆PRIDE.34
  2007。04.08
 × ジェフ・モンソン 
  1R 6分37秒 スリーパーホールド 


 PRIDE以後、そのPRIDEに限った戦績を見れば、またぞろくちさが無い者達はヒョードル戦のち「終わった!!」と弾劾するのかも知れぬ。だが、そういう見方をしたが最後、プロレス者はその希求癖を遂には枯渇してしまう事態に陥るというものだろう。この戦績を望めば、あらぬ水面下での“しがらみ”が見え隠れしており、藤田のけっして平坦では無かった“闘う男の、浪漫”まさしく性が感じ取れ、筆者にはあらぬ思いがふつふつと沸き立ってくる。

 燃える闘魂、猪木イズム、最期の継承者・・・猪木現役時、最期の付き人であった彼は、いつしかそう、謳われるようになった。新日本からのPRIDE転出時、あの前田日明氏との遣り取りや猪木氏との因縁を経て、いつしか藤田にはそういう冠が附されることとなったのである。


 (ここからは筆者のいつもの繰言です。そのおつもりで読了願えれば幸いかと存じます。)


 そんな彼がいつの頃からか迷い始めていると筆者には見てとれて、胸中、穏やかではいられなくなった。次第に憂いが帯び始め、ファイトスタイルにもその迷いは如実に現れ、新日本のIWGP選手権者、再び戴冠のちそれらはまさしく顕著に誰しもに判る形で露わになってしまった。

 その師はいうまでもなく、格闘技とプロレスを棲み分けぬ主義のひとだ。無論、猪木氏の現役時を鑑みれば、それは至極妥当な帰結だろう。だが、実際にMMAにてリング上、相対した時、藤田、彼にはあきらかな現行プロレススタイルとの違いが感じられたはずだ。なにより猪木氏全盛時のそれとは、日々の修練、鍛錬方法からしてまったく違うのだから、当然と言えば当然の感慨であったのかも知れない。

 氏が望んだ“棲み分けぬ格闘浪漫”を現行のプロレス世界に持ち込もうと企ててはみたが、あまりの価値観の相違を持って断念、それでも躍起になって自身の哲学を押し付けようとした師への反発?、遂には“最期の継承者”の道も断念?することとあいなった!?・・・。

 私は藤田がIWGPチャンプにあってその方向性へと向えばまだ新日本の未来は明るいと見ていた大馬鹿者だったのだが、いまやそれも気泡と化してしまったようだ!?

 この4月中旬から海外へと旅立ち、グアム、パラオに入り長期合宿を張っていたという藤田。いまや彼は何を目指して自身の“格闘浪漫”を紡ぐというのだろうか?

 買収のち、先の見えぬPRIDEにあってこのまま意気地を貫き、たとえリングに一敗血にまみれてもそれ相応しいとは思うが、果たしてその道に飽くまでも拘ろうとするのか?

 或いは・・・・・・?

 ケアーを圧倒し、コーナーポストに駆け上がり吼えた藤田には万来の拍手と惜しみない喝采が四方八方からあがり、新しい世紀のプロレスラー誕生を予感せしめた。

 まだ道はある。

 「道は険しくとも、笑って歩もうぜ!!」(師、のほほんとそう、曰く・・・)

 藤田和之・・・筆者は詮無い物言いではあろうが、或いは誠に僭越なる言いっぷりではありましょうが、“ただ一方的に勝てば良い”世界とは一線を画す世界に再び名乗りをあげてもらえぬだろうかという思いも未だに人知れずあるがいかがなものだろうか?

 格闘家としての佇まいは近年、浮上してきた誰よりも屹立しているように感じられる、藤田和之という、男。このまま、静まっていてはあまりに勿体無い。筆者は思うのだ。師の“危急”を救うのは藤田和之、或いはあなたではなかろうかと?師はまさしく望んでいよう(口にこそ出されないが・・・)。

 継承者とは遺伝子を享く者と悟りたし。

 “藤田ァァ~!! 出て来~いッッ!!!”

posted by 美城丈二 |18:37 | 魂暴風Personal【格闘技の在り処】 |
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この記事に対するコメント一覧
Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

噂ですが、正道会館の道場で見かけたという話を聞きましたので
私はHERO'S移籍じゃないかと思っています
PRIDEにおいてはもう商品価値はないでしょう(というかPRIDEヘビー級自体無くなると思っています)
ジョシュ・バーネットもDSEとの契約が残っているので他の団体ではMMAの試合はできませんが、
契約解除後はHERO'Sではないかと(日本でPRIDE以外にMMAヘビー級があるのはそこくらいだし)

posted by アイ | 2007-06-29 01:40

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

藤田は新日で妙にプロレスをしようとして不器用な部分だけが目立ったいましたね。「プロレス向けに」体重を増やしてきたことも猪木さんに否定的に言われてましたっけ。
下手に新日のプロレスに迎合しようとせずに自分のスタイルを貫けばよかったと思うんですけどね。

posted by T | 2007-06-29 03:10

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

さらに蛇足ながら、藤田は総合ではアマレス出身者の多くがぶつかる壁にもろにぶつかってしまいましたね。タックルは読まれ、なんとかテイクダウンしてもその後の展開がパンチ以外になく、それもすでに防御法が完成されていて結局なすすべがなくなっていく。
立ち技の打撃に活路を見出そうとしても体系的にも立ち技向きではないし…。結局不器用なのかなあ…。

posted by T | 2007-06-29 03:14

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

 アイさん、
 故意にギャラを吊り上げる悪漢あって、契約上、縛らざるを得ないのでしょうね。HERO'SとなるとFEGですか?私はIGFに前田氏協力を夢見た大バカ者でした。或いはその線で、藤田選手参戦あるかなと思ってもおりましたが・・・。現行プロレスに価値観を見出しにくい以上、HERO'S移籍も致し方無しなのでしょうね。プロレスとMMAを棲み分けぬ・・・現代では難しい観念、実際の戦い模様なのでしょうね。

 Tさん、
 藤田選手は新日本在籍時、長らくプロレスなるものの世界に活路を見出せず、悩んでおられましたよね。PRIDE戦績でも明らかなように合間合間のプロレス界参戦、二足のわらじはかなり精神的にも度し難いものがあられた様子。藤田選手、シューターとしての実力を有したプロレスラー、私が夢見た選手のひとりでもございますから今後の推移は気にかかります。僭越なる物言いではございましょうが、私は不器用でもどうにかなるレベルかなと思っておりましたが、小川選手といい、こうも“棲み分けられた世界”では二足のわらじはほんに大変そうですね(苦笑)。

 御二方、コメント、誠に有り難うございました。今後ともお見知りおきくだされば幸いに存じます。丈

posted by 美城丈二 | 2007-06-29 07:15

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

藤田選手は小川選手以上に猪木イズムを売りにしてきたので猪木事務所からPRIDEに移籍した際に入場テーマ曲が変わってしまったのは非常に残念でした。あとでテーマ曲を変えたのはPRIDE側の要望であって藤田選手も変えるかどうか迷ったという話を聞いてちょっと救われたような気がしましたね。

新日本で試合していた時は新日本に合わせないといけない部分もあり本来の力が発揮できてなかったように思えますし本人も戸惑ってる感じが試合に出ていたように思えましたので、その時は格闘技でがんばってほしいなと思ってました。

今回、旗揚げするIGFは猪木さんの団体です。藤田選手のスタイルを受け入れられ本来の力を自由に発揮できシュートを仕掛けても仕掛けられても対応できる選手が集まってるリングに思えますがどうでしょうか。

それにしてもホントにカードが当日になるとは。猪木さんの戦略にはまってしまってるんでしょうかね、私は今日になっても最後の最後でのサプライズで藤田選手の登場や驚くようなカードになるんじゃないかと密かに期待してます。

posted by りこ | 2007-06-29 11:09

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

 りこさん、
 IGFは遣りようによっては面白い色が出せる団体?興行になれる要素を秘めておりますね。藤田選手、わだかまりさえ捨てれば、自身の色を打ち出せる可能性がありますが、このわだかまりという奴がまた厄介そうで・・・(苦笑)。いよいよですね。かつもくして待っております。毎回、コメント、誠に嬉しく思っております。有り難うございます。丈

posted by 美城丈二 | 2007-06-29 12:22

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

美城さま、お久しぶりです。
IGFには、レスナー、アングルがおります。
体格的に似ているが、スケールが違うレスナー。
アマレスでの実績が違いすぎるアングル。。。
そこでは藤田は全く輝かないのではないかと。
だからIGFではいらないと思います。
小川が、アレクや石川から熱いプロレスを勉強し、盛り上げていってほしいモノです。

上でも書かれた方とかぶりますが、炎のファイターを捨て、
自分を「格闘家」と呼んでしまった藤田にはプロレスファンは微笑まないと思います。
ケアーを倒した時が藤田の絶頂期です。
また、猪木は藤田をあまり評価していないと思います。
猪木のように、戦う美しさや技術がありませんから。

posted by tyahan | 2007-06-29 18:22

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

猪木さんは新日に上がる藤田に、新日に合わせないことを期待したんだと思います。だから、「プロレス用」の体を作ってきたことに失望を感じたのではないでしょうか。
自分がやってきたこと、やりたいことを素直になればよかったのではないかと。たとえばタックルからの袈裟固めで秒殺でもよかったんじゃないかと…。
いつからプロレスはリアクション芸みたいになってしまったんでしょうね。餅つきみたいに胸板をぺちぺち打ち合ったりするのはプロレスではないと私は思うんですけどね…。
ガチかどうかなんてのはどうでもよくて、昔の新日の試合には緊迫感と美しさがあったと思うんですよね。
これはプロレスの試合だからと言うのはただの言い訳でしかないと私は思っています。

posted by T | 2007-06-29 19:05

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

ヒョードルをピヨピヨにした右フック(だっけ?)
アレだけでも十分な足跡を残したと言えるでしょう

posted by カペロ | 2007-06-30 13:54

Re:彷徨える!?“野獣”藤田和之『最期の猪木イズム継承者』と謳われた、男。

お邪魔します。
藤田和之。‘帯に短し襷に長し‘と言う印象でしょうか。プロレスラーでは収まりきれないが総合ではちょっと足りない。惜しい、いい試合はするんですけどねぇ。(笑)

僕的には嫌いになれない選手です。(笑。なんのこっちゃ)

posted by ゆうじ | 2007-06-30 14:16