2007年12月19日
ファンタジープロレスの愉悦、シュート活字の鮮烈「本年のご教示に感謝しつつ・・・」
プロレス世界を格闘芸術、ファンタジーだと従え論じることほど愉しい作業は無い。この場合の“ファンタジー”とはあのハッスルの概念、“ファイティング・オペラ”なるファンタジープロレスとは一線を画す。からくりが丸見えなのに敢えてその焦点は突かず、現象として現れた事象だけから事を筋道立てしようと試みる。元週刊ファイト編集長であられた故・井上義啓氏のそれは独壇場であった。「底が丸見えの底無し沼」誠に言いえて妙である。これに対してプロレス世界が予め勝敗を決したうえで執り行う競技だとはっきりと言及・明記・定義したうえでリング上の絵巻を紐解いてみせましょうというのがシュート活字と言われるスタイルである。 誤解を怖れず、おおざっぱに定義した次第だが、シュート活字といえばやはりタダシ☆タナカ氏がその源流か!?氏の著作を改めて読了させていただく。とにかくやはり非常に面白い。謎解きが謎解きとしてきちんと成立している。その氏は井上義啓氏のいわゆる門下に当たる。ご本人がそう、はっきりと著作にて明記なされておられる。かくいう私も井上氏・I編集長に薫陶を受けた者のひとりだ。 プロレスは“ケツ取りゲーム”では無い。それはいまや小学生でも知っている事実である。にも関わらずいつまで一体、その時だけ良ければ良いだろうといった按配の“アングル”を持ってシリーズをこなしているのだろうか?これではいわゆる“平成のデルフィンたち”プロレス村の住民たちだけによしんば通用するのみであって世間の耳目になど露と登らないであろう。 ファンタジープロレス論を未だに私が捨て去らないのはかなた過去のプロレス絵巻にまだまだ執着するだけの愉悦世界が残されているからなのであって、何も後ろばかり振り返っているわけではない。私は取材記者宜しく関係者では無いのだから、どなたにもこびることなどしない。飽くまでも一ファンという視点に立って論じたいまでで、では現行のプロレス世界はと問われたならば、あいも変わらず軍団抗争や小さな小競り合いアングルに終始しており、本当にこの先、大丈夫かな?と身の縮むような思いの元、見つめてしまわざるを得ない。
一体、いつからこんなに閉塞したジャンルになってしまったのか!?たとえどのような誹(そし)りを受けようとも果敢にもっと外へ外へと打ち出すべきである。このプロレス界を覆う閉塞感を打ち破る“鍵”を握るのはやはりかつての盟主、新日本プロレスなのであろう。新日本プロレスが劇的に動けば必ずプロレス界は地殻変動を興すだろう。プロレスの本流なるものを守るにしてももはやあのノアの、軸のぶれが揺ぎ無い闘い模様には適わないのだ。ならば新日本よ、外へ目を向けよと私は勝手に思い込んでいる、かつての新日信者である。 どこまでもプロレスなる概念に拘りたいと言うのであれば、たとえば“プロレスする”にしても格なるものを一切排除、ジュニアとヘビーの領域を全廃し総当りのリーグ戦を開催、唯ひとりの強者がIWGPの王者として時の総合、そのもっとも強いと召される団体に乗り込むとか、契約がどうの、裏事情がどうの、要はそういう後付の“訳知り顔”の格闘ファンの“混ぜっ返しぶり”など知ったことかと言わばもっと破廉恥感たっぷり、ハチャメチャ感たっぷりの新日本プロレスが見たいのだ。いよいよスワッ!?新日本プロレスは本気になったか?と世間に思わせるかのような峻烈さが欲しい。新日本の象徴は未だ元オーナー・猪木氏である。とすれば猪木氏のやらなかったこと、しなかったことをせねば再浮上は私は無いと思っている。レッスル・ランド?小さい器の領域でこねくりまわしても失笑を買うばかりだ。プロレスファンの中にも、たとえよしんば他団体に乗り込んで一敗地にまみれてもその心意気や良しともろ手を挙げて声援を送る、未だ奇特な(・・・苦笑)ファンも潜在しているというのに何も仕掛けずいつまでも旧態然としたプロレス界という殻に閉じこもっているかのようにしか思えぬのは私の心根が曇ってしまったからなのだろうか?実際に敗れたとしてもこの平成も20年になろうかというご時勢に「だからやっぱりプロレスは・・・」などとのたまう格通気取りのファンなど無視すればいいのだ。そこから勝利をもぎ取ろうと勇猛果敢に挑戦する精神こそ清いのにもはや概念も糞もないであろうのに。そうして勝利を得た瞬間、はじめて本当の意味でのプロレスと格闘技の棲み分け論が無くなると思う。ボーダレスとはまさにこの総合、プロレスという概念こそに際立つ。「やはりプロレスも総合も一緒だった」この何物にも変え難い爽快感を往年のプロレスファンはカタルシスとして今か今かと待っているのだ。 先の両国決戦も館内ガラガラであった。来年初頭1・4東京ドームも満杯に出来ると本当に思っているのだろうか?実購買数で1万人も入れば御の字、そういう感覚で従えているのではないのだろうか?発表当初はTNAとの対抗戦という気配であったがゼロワン勢、無我勢の出場、焦点がぼやけた上にごちゃまぜのまさに員数合わせとも嘆きたくなる8人タッグなどというカードを発表して誰が心底、堪能しようというのか?所属・出場選手には負けてくれとお願いするのだろうか?地道に新日本に籍を残し闘って来た者の胸中やいかに? あれやこれやと脱線、恐縮しきりだが、それでも私はファンタジープロレスを胸、ふところに収めつつ、時に吐き出しつつ、シュート活字との線引きをにらみつつ、踏み込みつつ、今後もかなたの絵巻を現行の格闘技界を私なりの感慨のもと論じてまいろうと考えております。 今年もついぞ“変革”無く年の瀬を迎えつつあるプロレス界。いや、それは新日本に限ったことですからァァ!!という現行プロレスファンの鋭い突っ込みがこの背にズブリと刺さる按配ではあるが、私の“ファンタジー・プロレス論”は未だ枯れぬことを知らぬようである。 プロレス界よ、期せずして立て!!蔓延する終末感を今こそ破壊せよ!!と私は願って止まない。 ☆美城丈二、ミルホンネット・タイアップコラム著作集 今後も続刊予定しております。読了くだされば幸いに存じます。 ⇒『ファイト!ミルホンネット版魂暴風*a martial art side』 ⇒『ミルホンネット版魂暴風2感涙のトップ外国人レスラー篇』 ⇒『ミルホンネット版魂暴風3忘れ難き青春の日本人レスラー篇』 ⇒『ミルホンネット版魂暴風4最強神話“流転”篇』 ⇒『ミルホンネット版魂暴風5優しみと矜持を持つ男達篇』 ☆誠に多くの有識者のお声にお応えすべく、編まれました。電子書籍統合版、発売です。 ⇒『魂暴風Anthology Act・1』 ☆美城丈二・ミルホンネットHP不定期連載コラム、こちらもどうぞ宜しく読了くだされば幸いです。 ⇒『美城丈二の“80’S・プロレス黄金狂時代 ~時代の風が男達を濡らしていた頃”』
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posted by 美城丈二 |00:01 |
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