2009年07月07日

優勝のチャンスと引き換えに失う、貴重なもの。

 次に挙げる4人の共通点がおわかりだろうか?

 コービー・ブライアント。
 ティム・ダンカン。
 ポール・ピアース。
 ダーク・ノウィツキー。

 最近の10代のNBAファンにはわかりにくいかもしれない。

 ただ、すぐに答えを思い浮かべる人も多いだろう。


 そう、彼らは…
 10年以上のキャリアを持ちながら、一つのチームでプレーし続けているスーパースターたちだ。

 さすがにすごい顔ぶれであるし、息が長い。


 マイケル・ジョーダンと激闘を繰り広げた世代では

 マイケル・ジョーダン(ワシントン・ウィザーズ復帰は例外とする)
 ジョン・ストックトン
 レジー・ミラー
 デビッド・ロビンソン
 マジック・ジョンソン
 ラリー・バード
 アイザイア・トーマス

 など、これまた全員がレジェンドと呼んで差し支えないプレイヤーだ。


 
 では、2000年以降にNBAに足を踏み入れたプレーヤー、主にエース級で同様の共通点を持つ選手の名を挙げてみよう。


 マイケル・レッド。
 レブロン・ジェームズ。
 ドウェイン・ウェイド。
 カーメロ・アンソニー。
 クリス・ボッシュ。
 ヤオ・ミン。
 ドワイト・ハワード。
 アマレ・スダッタマイアー。
 クリス・ポール。
 トニー・パーカー。
 デロン・ウィリアムズ。
 ブランドン・ロイ。
 ケビン・マーティン。
 アンドレ・イグドーラ。

 まあ、ざっとこんなものだろうか。


 バスケットボール選手であるならば、必ずNBAでの優勝というのが究極の目標である。だから、優勝を目指してより良い環境へと移籍するのは当然であるし、何も悪いことではない。

 また、バスケットボールといえどこれはビジネスでもある。

 選手がそれ相応の価値を求めて、自分にふさわしい評価をしてくれるチームに移籍するのも至極当然である。

 
 だが、なにかやるせない、一抹の寂しさを覚えるのも事実だ。


 自分がフランチャイズプレーヤーと呼ばれる存在であったり、エースと称される者ならば、どうかドラフト指名されたチームでその夢を叶えてほしいものだ。それが、その土地の人間と、ファンの究極の願いでもある。


 だが、実際はそんな簡単なものではない。


 それでも私は、そのようなことを百も承知で、あえて提言させてもらっている。


 ケビン・ガーネットは十二分にチームに忠誠を尽くしたし、セルティックス移籍は、結果として最高の人生のターニングポイントであったとすらいえる。

 カール・マローンに関しても、最後の1年をシャック&コービーとゲイリー・ペイトン率いるドリームレイカーズに加入し優勝に臨んだわけだが、長い間所属したユタに対し、十分誠意をつくしたように思う。

 また、ガーネット、レイ・アレン、クライド・ドレクスラーのように移籍してすぐに念願の優勝を果たす選手もいる。

 そして何より、チームを離れたくないがトレードに出され、生涯1フランチャイズの夢を奪われたしまったアレン・アイバーソンやパトリック・ユーイングなど熱き魂を持った選手も多く存在するだろう。


 そういった各々の諸事情もあるわけだが、もう一度ここで考えてみたいと思う。移籍することだけが、本当に優勝に近づける要素なのかを。


 冒頭に挙げた選手のリストを改めて見てほしい。

 まだ、フランチャイズプレーヤーと呼べない選手やエース級止まりの選手もいくらか挙げているが、その点はご容赦願いたい。
 
 実は赤字で書いた選手というのは、見事優勝を勝ち取ったフランチャイズプレーヤーたちだ。

 そして青字で書いた選手というのは、ファイナルに出場した経験のあるフランチャイズプレイヤーたちである。


 ジョーダン世代(80年代や90年代)で挙げた選手たちでは、実はほとんどが優勝している。ファイナルに至っては全員出場している。
 

 ミラーがいたインディアナ・ペイサーズとストックトンの所属したユタ・ジャズも、フランチャイズプレーヤーが徐々に支配力を落とし始めた時期に、チームの熟成期を迎えた。

 また、サンアントニオ・スパーズは96-97シーズン、フランチャイズプレーヤーのデビッド・ロビンソンが怪我でシーズンをほぼ全試合欠場、チームが優勝争いから一転、最下位争いを演じるはめになった。だが、それは文字通りの怪我の功名となる。幸運とはどこにあるかわからないもので、翌シーズンのドラフト1位くじを見事引き当てたスパーズは、カレッジ最高評価を受けていたティム・ダンカンを指名。そして迎えた97-98シーズン、怪我が癒えたロビンソンと、戦前の予想通り、圧倒的な力を見せつけたティム・ダンカンとの超強力ツインタワーを結成したスパーズは、再び1年でさらなる強豪へと変貌を遂げたのである。そして、ロビンソンがダンカンをサポートする形に回った98-99シーズン。プレイオフで圧倒的な力を見せ続けたスパーズは、念願のフランチャイズ初優勝を飾るのである。ファイナルMVPを受賞したのは2年目のダンカンであったが、ロビンソンは大いに満足したに違いない。

 ロビンソン以外の選手がエースとしてチームを引率して優勝を果たすなんて過去には考えられなかったが、そういう運命だったのかもしれない。

 
 と、今挙げてきたように、長い間同じフランチャイズにいることは悪いことばっかりではない。いつどこで、どう状況が変わるかなんて誰にもわからないことだ。

 だったら、無理に移籍を志願しなくてもいいのではないかと思う。
 
 なにも移籍が悪いといってるのではない。
 
 ただ、最近の若い選手は、優勝できなそうと感じれば、すぐに移籍を検討し始める。それがチームフロントとの駆け引きならまだしも、本気で不満や希望を、簡単にメディアに対して口に出すようになった。これでは、大の大人がまるでただの駄々っ子のようで、みっともなく感じてしまうこともある。

 かつてのレジェンドと呼ばれたスーパースターのように、自分がチームを強くするんだという強い気概とその気持ちの継続さが欲しい。

 できる限りの最善を尽くし、それでも状況が一向に好転しないのであれば、その時初めて移籍を考えればいい。そういう選手には、ガーネットのようにきっといつか報われるだろう。

 ただ、一つのフランチャイズに残り見事優勝を成し遂げた選手を、ファンは永遠に忘れないだろう。

        シカゴブルズ=マイケル・ジョーダン

 というように、そのフランチャイズ=〇〇と記憶されれば、これほどアスリート冥利に尽きることはないのではないだろうか?

 だから、今の選手には忘れないでほしい。
優勝を目指し、簡単に移籍することだけがスポーツの醍醐味ではないことを。

 優勝のチャンスと引き換えに、多くのファンと大いなる未来の勲章が失われることを。


 最後に、レブロンを始めとする03年世代など、今をときめく大スターの決断を今から楽しみにして待とうではないか。

posted by yorkmilds |00:12 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(1)
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2009年07月05日

シューターよ、決起せよ

 かつてレジー・ミラーという選手がいたことを覚えているだろうか?

 彼はシューターとして名を馳せたわけだが、201㎝、89kgという華奢ともいえる体つきで、キャリア平均20点にも3ポイント成功率も4割に届かない選手であった。

 また、オールNBAファーストチームにも1回として選出されたことはない。

 しかし、誰もが認める非常に記憶に残る名プレーヤーだった。

 今でも彼を歴代NO.1シューターだという人は少なくない。

 なぜか?

 それはミラーという選手はクラッチタイムにめっぽう強く、チームを勝利に導ける選手だった。しかもジョーダンのように劇的に。

 彼における数々の伝説は、ネットで検索すれば必ず出てくるだろうから割愛させていただく。それは、ニューヨーク・ニックスとの激闘であったりとか、マイケル・ジョーダン率いる最強シカゴ・ブルズとの死闘など計り知れないほどある。選手として晩年に差し掛かり、、エースの座をジャーレン・ローズやジャーメイン・オニールに譲っても、その輝きは失われなかった。

 果たして現在、そのような選手はNBAに存在するだろうか?

 決して、ミラーのようなトラッシュトークや乱闘劇(ジョーダンにもかまわず乱闘を仕掛ける非常にタフな精神力を持ったプレーヤーとしても有名であった)といったような熱い性格の選手を求めているわけではない。もちろん、そのような選手も大好きで、NBAという個性的な集団の中で一際異彩を放つプレーヤーも、もちろん渇望しているが、ここでいうのは、チームを勝利に導けるシューターの存在である。

 最近で思い浮かぶとすれば、レイ・アレンとマイケル・レッドか。

 ケビン・マーティンやベン・ゴードンもこの手のプレーヤーに近い。

 90年代には数多くいた。

 クリス・マリン、ミッチ・リッチモンド、グレン・ライスなどは有名だ。

 彼らの他にも、スティーブ・カー、ティム・レグラーなど驚異的な確率で3ポイントを決める選手もいた。

 彼らの全盛期は本当にすばらしかったと記憶している。

 だが、今のNBAでは職人的なシューターはいるものの、フランチャイズプレーヤーでシューターという選手は壊滅状態に等しい。

 現在のショーダンを見て育った世代の、アスレティックさと器用さやしなやかさを持つプレーヤーたちに魅せられているのも悪くはないし、むしろ楽しい。

 ただ、ミラーのようなクラッチタイムにとことん強いシューター選手の存在がいれば、よりエキサイティングなものとなる。

 今こそ、立ち上がるべきだ。

 ということで、スーパーセンター並みに絶滅寸前のこのタイプのプレーヤーを取り上げてみようと思うので、これからチェックしてみてほしい。



 期待の点取り屋orシューター

 NO.1

 マイケル・レッド(ミルウォーキー・バックス)

 非常に努力家であり、すばらしいスコアラー。またピュアシューターである。
 黒人のこの手の選手は、アメリカバスケット界において非常に重要な存在だ。
 今シーズンは怪我のため、不本意な結果に終わったが、来季が非常に楽しみの選手だ。
 チームが弱小なのが辛いとこだが、現在最高の点取り屋シューターである。

 NO.2
 
 ベン・ゴードン(デトロイト・ピストンズ)

 ルーキーの頃より、その勝負強さと4Qの爆発力から、MR.4THクウォーターやベン・ジョーダンなど称賛されてきたゴードン。その勝負強さは現在も全く衰えていない。3ポイントが決まり出したら手のつけられない状態になることもしばしばで、1試合10本は3ポイントを決められる爆発力を秘めている。来季は、新生デトロイト・ピストンズで同タイプのプレーヤー、リチャード・ハミルトンと共に、強豪復活への道を歩む。


 NO.3
 
 ケビン・マーティン(サクラメント・キングス)

 キングスの期待の星、マーティン。彼もレッド同様、怪我のため満足のいく成績は残せなかったが、平均25点は望めるスコアラーだ。彼は、ピストンズのハミルトンと似たプレーヤーで、よくフロアを走る。ランニングプレーも卒なくこなす点が特徴で、最近では3ポイントもかなり向上している。


 その他の選手


 レイ・アレン(ボストン・セルティックス)

 言わずと知れた名シューター。

 現在はBIG3体制のため、以前より点数は稼がなくなったが、ゾーンに入れば驚異的なのは今プレイオフでも証明済みである。

 また、アレンの若い頃はドライブも鋭く、ダンクコンテストにも出場するほどの跳躍力を誇っていた。ふくらはぎの筋力の付き方もシューターとは思えないほどで、バックス時代に全盛期のトレイシー・マグレディーをあっさり抜き去り、片手でぶらさがりながらダンクをフィニッシュしたあの姿は、個人的には伝説だ。また、アレンのクイックリリースは、素人でも驚嘆するほどのレベルである。

 リチャード・ハミルトン
 ミラーのようにフロアを走り回り、スクリーンをくぐりぬけてフリーでシュートを放つ天才。3ポイントは試投数は少ないが、確率1位になったこともあるなど、状況によっては高確率で沈めることができる。彼のプレースタイルは日本人が見習わなければならない。

 ラシャード・ルイス

 本来、このリストからは除外しようかと思ったが、ソニックス時代(現サンダー)の同僚、アレン直伝のきれいなフォームとクイックリリースは見ていて惚れ惚れするということで取り上げた。

 最近は持ち前のオールラウンドのプレーより3ポイント乱発が多いルイスだが、ショットセレクションを間違えなければ、非常に恐ろしいオフェンスプレイヤーだ。身長もPF並みなので、ミスマッチを作れる。


 他ポジションにも良い3ポイントシューターは多いが今回は除外させていただこうと思う。あくまで今回は、ミラーに代われるような存在を取り上げさせてもらいました。(ルイスは例外)

 職人的なシューター、クラッチシューターは他にも数多く存在するので注目してみてほしい。

 最後に、彼らがシュートを決め続け優勝を勝ち取るシーズンがあったらそれは本当に楽しいと思う。

 なぜなら、それは日本人がNBAでスーパースターとして優勝を勝ち取る大きな活力と期待に繋がるからだ。

 いつか、今回取り上げたような日本人NBA選手が出てきてくれることを心の底から願いたい。

 なので、NBAを目指すプレイヤーには、ぜひ彼らのプレーをどんどん盗んでより良いプレーヤーになってほしいと思う。 

posted by yorkmilds |23:31 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年07月05日

倉石強化部長が監督代行に

 報道で噂されていた通り、体調不良のホッブス監督に代わり、倉石強化部長が監督代行を務めることになったそうだ。ひとまずアジア選手権後はどのような人事決定がなされるかわからないのだが、期待と不安が入りじまっている。

 日本男子バスケットボール界は、若手にも本当にすばらしい選手たちが台頭していて、この若い時に色々な経験、指導を受けてもらいたいと常々思っている。(田臥選手や川村選手はいないが)

 しかし、最近は監督が不運にも長期的にわたって指導できない展開が続いている。

 今の日本男子バスケットボールチームには、非常にポテンシャルを感じる。だからこそ、世界を知る名将が長期的な視野を持って日本バスケット界に指導し続けててくれば、きっと前進して発展していけると信じている。

 そういった面では残念なニュースではあるが、倉石監督代行の采配ということにも非常に興味があったので楽しみである。

 解説者として、良い評価を受けてきた倉石監督の采配は、実は私は今までリアルタイムでは見たことがなかった。

 だから、今回の件は非常事態ではあるが、楽しみな点が増えたと個人的には前向きに考えたい。

 選手も落ち着かない日々が続くであろうが、この危機を乗り越えて欲しい。さらなる一人一人のステップアップを期待しています!

posted by yorkmilds |22:05 | FIBA | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年07月05日

今改めて感じるSFの重要性

 2009年のファイナリストの両SFが移籍することになった。

 ロサンゼルス・レイカーズのSF、トレバー・アリーザがヒューストン・ロケッツに移籍合意したのに続き、今回はオーランド・マジックのヒディエット・ターコルーがトロント・ラプターズとの契約に合意したそうだ。

 ヴィンス・カーターを獲得した時点で、ターコルーがマジックと再契約する可能性はほとんどなかった。金銭的な理由は大きいだろう。そして、ターコルーが約10億の年俸を受け取るに相応しい活躍をしたのも事実なので、彼がビジネスライクな判断をすることも、これは仕方のないことだったように思う。

 しかし今季はSFの移籍が多い。

 もちろん、ターコルーを補強したラプターズはショーン・マリオンと再契約しないことが確実になり、また一人、優秀なSF(時にはPFも務める)を争う展開が始まりそうだ。


 現在のNBAでは、再びSFにかかる期待は徐々に大きくなってきている気がする。いまや優秀なSFを保有することが、優勝するための非常に重要なファクターになってきている。

 
 現在のNBAのSGには、点取り屋やアスリートが数多く存在する。コービー・ブライアントやドウェイン・ウェイド、ブランドン・ロイなど数多くのスターがいるのは誰もが知っていることだ。そんな彼らをマッチアップするのはたいていエースストッパーと呼ばれる存在だ。2000年代に隆盛を築いたサンアントニオ・スパーズに所属していたブルース・ボウエンを思い浮かべれば想像しやすいだろうか。

 彼は、ディフェンスは評価されていたが、その他のこと、特にオフェンスに関しては全く使い物にならないという評価に等しかった。だが、彼は、スパーズのシステムを熟知し、徐々に自分に必要なポジショニングとシュートエリアを把握し、最終的には3ポイント成功率1位に輝くまでに成長した。

 このことで、ただのエースストッパーから脱却し、なるべくしてSFのスターターに居座るようになったのである。


 そして最近では、SFにもとてつもないスターたちが現れ始めた。レブロン・ジェームズやカーメロ・アンソニーだ。ポール・ピアースなどベテランになってもまだまだ一流選手も存在する。この点において、より現在のSFには重要な役目が与えられることとなった。

 というのも、エース同士をあまりマッチアップさせたがらない傾向にある昨今のNBAにおいては、SGやSFに多く存在するエース級の選手を誰かが抑えなければならない。そんな折、ステップアップしなくてはいけないのが、最近のSFだ。(エースは除く)

 ただ、2000年代初頭のように、一芸に秀でた選手(エースストッパーやシューターなど)ではなく、今はスコッティー・ピッペンのようななんでもできる選手が求められている。

 ではピッペンのような選手とはどういった能力を持つ者か?
 

 *必要とあらば、進んでエースを抑え込む選手。
 *時にはPGのようにオフェンスをリードする選手。
 *時にシューターのように外から射ぬくこともできる選手。
 *リバウンドも積極的に獲れる選手。
 *アスリート性に富み、ランニングプレーが得意な選手。
 *ポストプレーもこなせる選手。 
 *エースの代わりができる選手
 *エースと併用時にも、自分の仕事をしっかりと見極めることができる選手。


 こんな選手はほとんどいないのだが、いかにこういう選手に近いプレーヤーを、チームにエース以外で持つかがキーポイントだ。実際こんな選手が存在すれば、即エースであるのだが。(レブロン・ジェームズや若かりし頃のグラント・ヒルなど)

 レイカーズにいたアリーザは昨日の記事で述べた通り、レイカーズに必要なディフェンスとランニングプレー、アスレティック性を主にもたらし、外からのシュート成功率もほとんどフリーだったとはいえ向上させた。

 マジックのターコルーは、チームの弱点と言われていたPGの働きも兼ねて、パスを循環させチームの円滑油となった。また、勝負強さもすばらしかった。

 ロン・アーテストはみなぎる気迫と闘志、そして経験でチームを引っ張り鼓舞し続けた。インサイドプレーはかなりの武器だ。

 もちろん彼らのチームが今シーズン成功を収めたのは言うまでもない。

 このように現在のNBAでは、エースと呼ばれる選手以外に、いかにこのように脇役でありながら、影からチームを支える存在が必要かを物語っている。

 今や、一芸だけではNBAのスターターになることは厳しくなっている。だからこそ、チームに忠実で、必要とあらばなんでもこなせる貴重なロールプレーヤーが重要なのである。

 脇役としてこのような活躍を期待されるマリオンにもきっと、優勝を狙う数多くのチームからオファーが舞い込むはずだ(条件は良くないかもしれないが)。

 それほど、今のNBAのSFにはラストピースとしての活躍が求められている気がしてならない。

 今のチームに足りない点を補完すること、これが最近のSFの主なる仕事だ。

 だから来季も注目してみてほしい。

 上位進出するチームには、すばらしいSFがいることを。
 

posted by yorkmilds |20:20 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年07月04日

ロン・アーテストが王者・レイカーズへ

 08-09シーズン、2大エースを欠きながら奮闘したヒューストン・ロケッツのスター選手、ロン・アーテストが王者ロサンゼルス・レイカーズへの移籍が決まった。同時に、優勝に大きく貢献したトレバー・アリーザはロケッツとの複数年契約を締結する模様だ。

 まるで、トレードのように入れ替わった両選手。

 私はレイカーズのこのような判断に非常に憤りを覚える。レイカーズというチームは、優勝に大きく貢献した選手をこうも簡単に切ってしまう考えのようだ。きっと現在交渉中のラマー・オドムに対しても到底納得できないであろうオファーをしているに違いない。

 レイカーズはアンドリュー・バイナムに投資しすぎた。その影響が今回のアリーザの引き留め失敗とオドムとの契約問題が暗礁に乗り上げさせたに違いない。だいたい、バイナムがシャックのようになれると思っているのだろうか?彼は20点10リバウンドできる日がきたとしても、それはまだまだ先の話だ。そんな選手に、すでに10億も払うチームの神経を疑う。将来性うんぬんや、他チームに奪われるのを恐れたなんて言い訳は聞きたくない。せめて彼との契約は年6~8億に抑えるべきだった。その年2億のせいで、アリーザのようなチームに適した選手を失ったとしたら、これは愚の骨頂だ。オドムもさぞかしこの判断にはがっかりしているだろう。

 
 アーテスト加入のプラス要素


 *アーテストを獲得したからイーブンかそれ以上に一見感じること。
 *同じようにディフェンスができる選手であること。
 *むしろ経験はアリーザより上である。
 *フィジカルであること。
 *3番手でも活躍できることを証明していること。
 *ハングリーである。連覇へのモチベーションがチームにできる。
 *3年で約18億という高すぎない契約内容。
 *相手チームに恐怖心と脅威を感じられるスターター陣容。

 確かにプラス要素は多い。悪くない補強だ。アリーザが求めた契約内容が破格であれば、ベストの選択であったようには思える。

 
 だがなぜここまで非難するのか

 それはアリーザのほうがレイカーズにとってプラスだと確信していたからだ。昨年、アーテスト加入の噂があったときは賛成だった。しかし今季のアリーザの活躍は目に見張るものがあった。

 アリーザのことはルーキーの時から注目してきた。彼の高校生の時の試合の映像も持っている。(相手チームはレブロン・ジェームズで、しかも彼が高校時代のキャリアハイの得点を叩き出した試合であったのだが。)

 その後、オーランド・マジックに移籍し、マジックでは伝説の番号である1を背負いプレーした。マジックの背番号1はシャック&ペニーで有名なアンファニー・ハーダウェイと、当時全盛期を迎えていたトレイシー・マクレディーが背負った番号だ。

 マクレディーはペニーに憧れていた過去もあってか、プレーが鮮やかでありしなやか。なおかつ、時にはダイナミックにプレーを披露するという点で共通していた。そんな伝説的な番号を背負ったアリーザも、マジック時代に安定感はまったくなかったものの、時折見せる素晴らしいプレーには、非凡な能力を感じたものである。

 そんな彼がレイカーズへと移籍して間もないころ、持ち前の身体能力を生かして豪快なアリウープを連発していた。これはレイカーズの新たな武器になる、そう信じて疑わなかったが、怪我のためほとんどプレーすることはできなかった。その後、電撃移籍で加入したポウ・ガソールがあまりに素晴らしくその存在は目立つことなく、ファイナルでボストン・セルティックスに敗退し、シーズンを終えた。

 だが、体調を万全に迎えた今季は大いに躍動した。彼のディフェンスからのファーストブレイクで、チームの窮地を何度救ったことか。

 これはアーテストにはできない。アリーザだからこそできるプレーだ。

 結局、アーテストとアリーザが入れ替わってもレイカーズは十分強い。連覇も確実に狙えるレベルだ。(ガソルのスペインチームでの活動は来季への疲労の不安材料だが。)

 しかしながらあれほど貢献したアリーザという選手に対して、アーテスト獲れそうだから、提示内容で不満なら出て行っていいよというそのスタンスが気にいらないのである。誠意を感じられない。

 
 アリーザが優れているもの

 それは身体能力だ。 レイカーズのスターティング、ここでいうのは1~3番のポジションの弱点はランニングプレーだと思っている。弱点といえば大げさだったかもしれないが、決して得意ではない。コービーがいなかったらフィニッシュの精度はグンと落ちることだろう。そして、そんな場面でこそ真骨頂を発揮するのが、アリーザという選手だった。

 アーテストでは豪快にダンクもできないし、スピードもあるわけではない。チームにとって、ディフェンスからランニングプレーで確実に点数が取れないのは厳しい。

 フィル・ジャクソンはアリーザのようなタイプが好みであるはず。アリーザは、フィルが指揮してきた中では歴代一番のSFで理想でもあったオールラウンダー、スコッティー・ピッペンに近いタイプの選手だった。

 6フィート7インチはあるサイズに、NBA屈指の身体能力を持つ。さらにはディフェンスにも優れ、チームが必要としたことはすべて補完するプレーヤーだ。ただ、ピッペンより自分でオフェンスを作りだせないという点はピッペンにはるかに劣る。

 しかし、現在のアリーザはインサイドからのキャッチ&シュートを確実に決めれるようになったし、3ポイントも大きく精度を上げた。

 レイカーズにはインサイドの雄、ガソルがいて、オドムもいる。チームが期待するバイナムの存在もある。そうなると他に必要になってくるのは、デリック・フィッシャーと同様、フリーの時に確実にシュートを決められる選手とアリーザのように走れて身体能力が高い選手だ。

 だからこそアリーザは貴重であった。ファーストオプションになれるような技術はないが、現在のレイカーズに足りない点はアリーザで補完できていた。この4番手や5番手でも自分の能力を発揮できるレイカーズの環境はアリーザに非常に適していただけに、レイカーズの判断に非常にがっかりしている。アリーザはロケッツではマクレディーとヤオ・ミンなしでは輝けないだろう。脇役として光輝ける能力。これはアリーザの大きな特徴であった。

 アーテストに関しては今年終盤は3ポイントシューターと化していたように、若干プレーが偏りすぎている。アウトサイドからのシュートは上達したように思える。が、プレイオフでは確率が悪すぎたようにまだまだ不安だ。

 インサイドプレーも得意なアーテストだが、ガソルやバイナム、コービーもいる中、そのエリアでのプレーは多くは求められていない。

 アーテストは怪我も多いし、無駄に審判や相手選手と揉めて出場停止にでもなったら、連覇を目指すチームに迷惑をかける。

 またアーテストもアリーザ同様ディフェンスが上手い。だが、アリーザとはディフェンスのタイプが違う。

 アーテストは1対1などマンディフェンスには向いている。ポール・ピアースをマークするなら貴重な存在になる。

 ドウェイン・ウェイドやレブロン、カーメロ・アンソニーなど、彼らの爆発的に早い、ファーストステップには置いていかれてしまうことも多いとは思うが、コービーと二人ですばらしいディフェンスを披露してくれるのではないかとワクワクする面もある。


 だがレイカーズファンは来年は見ることができない。

 
 相手のインバウンズパスを、驚異の身体能力と非常に長い腕を生かしてスティールし、ワンマン速攻から豪快なダンクを叩きこみ、チームに大きなモメンタムを引き寄せるあの選手の姿を。

posted by yorkmilds |22:40 | NBAニュースと私見 | コメント(6) | トラックバック(0)
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2009年07月02日

ベン・ゴードン 移籍合意

 プレイオフでのボストン・セルティックスとの激闘の記憶も新しいシカゴ・ブルズのスター選手、ベン・ゴードンがあっさりデトロイト・ピストンズへの移籍に合意したようだ。

 同時に、ミルウォーキー・バックスからチャーリー・ヴィラヌエバとも合意。積極的な補強に動いている。

 まず、ブルズのゴードンとの再契約交渉はしなかったのか気になる。あれほどの活躍をしたゴードンに対し、誠意ある行動はとれたのだろうか?

 過去の延長契約問題から、フロントとゴードンの関係は冷え切ったもののとなっていたのかもしれないが、あまりにあっさり決まってしまったので、少し拍子抜けしてしまった。

 そしてピストンズにもみんなが感じている大きな疑問が生まれている。

 エースのリチャード・ハミルトンとの起用法だ。

 昨年も電撃トレードで獲得したアレン・アイバーソンとの起用法に悩まされたピストンズは、今年も再び難しい問題を抱えることとなる。

 それとも、同じ過ちは名GMと称賛されるジョー・デュマースが繰り返すはずはないか。ハミルトンをトレードする可能性もあるかもしれない。

 しかし、ハミルトンは気の毒である。

 昨年、延長契約を合意した後にすぐに例の電撃トレードが起こり、スターターを外された。終盤、エースのポジションを奪い返したものの束の間、またも同ポジションにスコアラーが加入することになり、落ち着かない日々が続くことになるのだから。

 チームの方向性が、ハミルトンの不満に繋がらなければ良いのだが。


 PGにロドニー・スタッキーを置き、ゴードンとハミルトンを両ウィングに同時起用。PFにテイショーン・プリンス(またはビラヌエバ)、センターにビラヌエバ(またはアントニオ・マクダイス)を起用したスモールラインナップもあるのだろうか。走るチームを目指すなら悪くはない布陣だが、いかんせんディフェンスが弱すぎるか。

 ゴードンがシックスマン、またはハミルトンがシックスマン。これならシックスマンに10億も払うこととなる。

 ロサンゼルス・レイカーズだって、ラマー・オドムが10億以上の年俸をもらっているじゃないかという意見もあるかもしれないが、この状況とは少し違う。

 強豪から転落したピストンズはどこにむかっているのだろうか…。

 

 またまた目の離せないチームが出てきた。




posted by yorkmilds |23:38 | NBAニュースと私見 | コメント(0) | トラックバック(0)
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