2010年06月01日
ファイナルの思い出
いよいよ2010年の王者を決めるファイナルのカードが決まった。 シーズン前の予想なら、意外でもなかったであろう両チームである。 ウエストからは、昨年の王者で3年連続のファイナル出場になる、ロサンゼルス・レイカーズ。 イーストからは、一昨年にレイカーズに完勝し優勝を勝ち取ったものの、今シーズンは大きく成績を落とし、シーズンが進むにつれてファイナル進出の目は皆無だと思われていたボストン・セルティックス。 どちらもNBA1番を争う伝統あるチームで、まさにNBAの歴史とも言っても過言ではない両チームだ。 また、どちらのチームが優勝しても、ここ3年間で2度目の王者になるということで、その価値はより一層大きなものになるであろうと思われる。 スターも多く、玄人にも割と好まれる好カード。 ぜひ、注目して今年のファイナルを見てもらいたい。 今回は両チームの今シーズンの軌跡はまた別の機会にさせて頂くとして、私の思い出のファイナルについて触れてみたいと思う。 私がリアルタイムでNBAを見始めたのは96-97シーズンからである。それ以降の印象に残ったファイナルでということでご了承願いたい。(オールドファンの方々には面白くなくて申し訳ないが、どうぞ最後まで一読下さい) 第1位 97-98シーズン シカゴ・ブルズVSユタ・ジャズ 『最も劇的な結末で終えたファイナル』 定番すぎるかもしれないが、やはりこのファイナルが一番印象に残っている。マイケル・ジョーダンの偉大さが最も簡単に伝わるシリーズである。現役最後のプレーが(ウィザーズ復帰は例外とする)あんなにドラマティックであったスポーツ選手は他には誰もいないのではないだろうか?付け加えれば、レギュラーシーズンでもMVPと得点王も獲得していて、最後まで現役NO.1プレーヤーであった。そしてその劇的な優勝を遂げた後に引退を表明し、スーパースターとして完璧なエンディングを迎えたのである。 これほど筋書きのないドラマは見たことがなかった。 もし最近NBAを見始めたNBAファンの方は、一度は見なくてはNBAを語れないといっても過言ではないファイナルである。 第2位 98-99シーズン サンアントニオ・スパーズ対ニューヨーク・ニックス 『史上初の第8シードからのファイナル進出』 この選出に関しては、かなり主観的というべきか私的な想いが入っての順位である。 おそらく、90年代初めからNBAを見てきた識者やファンの方はニックスといえば、パトリック・ユーイングにチャールズ・オークリー、ジョン・スタークスといった個性的なメンバーが揃っていた時期のニックスが思い出に残っていると思う。 ただ、その当時の私はNBAを見たことがなかったので、このシーズンのミラクルニックスが一番心に残っている。チームの象徴的な存在であったユーイング。全盛期を迎えようとしていたシューターのアラン・ヒューストン。ヘッドコーチの首を絞め、超問題児であったものの、驚異のポテンシャルと類まれな運動神経を誇っていたラトレル・スプリーウェル。この頃には慢性的な腰痛のために全盛期は過ぎていたが、精神的支柱であり続け、チームを鼓舞し続けたラリー・ジョンソン。怪我も多くダンクもしょっちゅう外していたが、情熱的なプレーでチームを盛り上げた若かりしころのマーカス・キャンビー。その他にも多くの個性的な選手がいた。 8位シードからプレーオフに進出し、1位シードのマイアミ・ヒートをアラン・ヒューストンの劇的なブザービーターで撃破。勢いにのったニックスは、続くカンファレンスセミファイナルを圧勝し、カンファレンス・ファイナルへと進出。そのファイナルでの大一番でもLJことラリー・ジョンソンの4ポイントプレーなど数々の伝説を作り、奇跡のファイナル進出を果たした。 エースであったユーイングを怪我で欠き、インサイド陣の戦力差で圧倒的な不利が予想されたファイナルでも、スパーズのティム・ダンカンとデビッド・ロビンソンのツインタワーに臆することなくハードに戦い続けて、華々しく散ったミラクルニックスの面々を一生忘れることはできないであろう。 第3位 03-04シーズン デトロイト・ピストンズVSロサンゼルス・レイカーズ 『ファイナル史上最高のアップセット』 4連覇を逃し、オフにカール・マローンとゲイリー・ペイトンというスーパースター2人を獲得し、NBA史上最強のカルテットを完成させたロサンゼルス・レイカーズと鉄壁のディフェンスでイーストを勝ち上がった苦労人軍団・デトロイト・ピストンズの対戦。 戦前はほぼ9割の識者がレイカーズの優勝を予想し、何戦で優勝を果たせるかということに注目が集まっていた。しかし、蓋を開けてみればピストンズが圧勝。誰もが予想できなかった4勝1敗で優勝を果たす。 当時はジャーニーマン化していたチャウンシー・ビラップスはペイトンを完膚なきまでに叩きのめし、ファイナルMVPを獲得。オールスターの選出経験がない選手がファイナルMVPを獲得したのは、現ピストンズのGMでもあるジョー・デュマース以来の快挙であった。 第4位 04-05シーズン サンアントニオ・スパーズVSデトロイト・ピストンズ 『私がNBAを見始めてから初の第7戦決着』 前年覇者のピストンズは、優勝はフロックだったのでは?という周りの声を、実力でかき消したシーズン。最終的にスパーズが優勝したが、決してどんなに不利な状況でも諦めないピストンズと王者にふさわしい堅実なプレーを披露し続けたスパーズとのこのファイナルは一見面白くないと感じる人も多いかもしれないが、素晴らしいファイナルだったことは疑いの余地もない。また、プレイオフ屈指のクラッチプレーヤーのロバート・オーリーも相変わらずの存在感を見せつけた。 第5位 00-01シーズン ロサンゼルス・レイカーズVSフィラデルフィア・セブンティシクサーズ。 『誰もが酔いしれたアイバーソン劇場とその終焉』 このシーズン、オフのトレード騒動も乗り越え、精神的な成長を遂げたアレン・アイバーソンはレギュラーシーズンで得点王・スティール王・MVPを獲得。オールスターでもイーストの大逆転劇を演じ、その中心にいたアイバーソンはオールスターでもMVPを獲得した。プレーオフでも長年苦しんできた強豪・インディアナ・ペイサーズを撃破すると、続くカンファレンス・セミファイナルではヴィンス・カーターとの壮絶な点取り合戦を制し、見事第7戦で撃破。迎えたカンファレンス・ファイナルでも、当時レイ・アレン、グレン・ロビンソン、サム・キャセールなど充実した戦力を誇っていたミルウォーキー・バックス相手に流血しながらも血を飲み込みプレーし続け、これまた7戦決着にて勝ち上がり、見事ファイナル進出を果たしたのだった。 ファイナルでは、ウエストを全スイープで勝ち上がってきたシャック&コービーの王者レイカーズ。全くレイカーズに歯が立たないとの戦前の予想に反して、第1戦ではレイカーズのホームで大量得点を挙げ、それまでプレーオフ無敗であった最強レイカーズに初黒星をつけた。が、さすがのアイバーソンもここまで。その後のレイカーズの圧倒的な強さも必見である。 シャックの全盛期を知らないファンは、ぜひ一度3連覇時のシャックのプレーを見てほしい。 最後に、惜しくもランク漏れしたファイナルも少し触れたい。 05-06シーズン マイアミ・ヒートVSダラス・マーべリックス 『ドウェイン・ウェイドが真のスーパースターへと昇華』 この年、激戦のウエストを勝ち上がったマブスはファイナル制覇は間違いないと思われていた。そして、その予想通りホームであっさり2連勝したマブスは、ヒートのホームに舞台を移した第3戦4Qに達しても、その圧倒的な実力差を見せつけていた。が、万事休すかと思われたそのとき、ドウェイン・ウェイドの反撃が始まる。魂のこもったプレーでみるみる得点差を縮め、見事大逆転劇を披露したヒートはウェイドの神がかりなプレーに押されるかのように息を吹き返し、まさかの4連勝でアップセットを果たしたのであった。 07-08シーズン ボストン・セルティックスVSロサンゼルス・レイカーズ 『BIG3が悲願の初優勝を勝ち取る!』 スーパースターながら、なかなか優勝のチャンスが訪れなかったケビン・ガーネットとレイ・アレン、ポール・ピアースがトリオを組んだ2000年以降最高のBIG3率いるセルティックスは、苦しみながらもファイナルへと到達。一方で、コービー率いるレイカーズもシーズン途中のトレードでポウ・ガソルを獲得し、勢いそのままにファイナルへと駆け上がった。互角の勝負を演じるかと思われたが、セルティックスの鉄壁な守備を攻略できず、レイカーズは惨敗した。 優勝インタビューの際のKGの「不可能なことなんて何もないんだ!」という泣き叫んだときには非常に感動した。(自身が契約する某スポーツメーカーの宣伝ではないかという皮肉めいた見方もあったようだが…。) 以上が、私が特に思い出に残っているファイナルである。 きっとジョーダンやマジック、バードをリアルタイムで見てきた幸福な人は、きっとこの倍以上の心に残っているファイナルがあるに違いない。 そして、最近NBAを見始めたファンの方にも忘れないでほしい。 今年のファイナルにだって、コービー・ブライアントという間違いなくNBA史上屈指の名プレーヤーがいて、彼の全盛期のプレーしている姿をリアルタイムで見れているこの幸せを…。
posted by yorkmilds |02:59 |
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