2010年05月23日

それでもレブロン・ジェームズは残留する

 昨年に続き、今年もファイナルに辿り着けずに敗退したレブロン・ジェームズ率いるクリーブランド・キャバリアーズ。

 レギュラーシーズンでは昨年同様に圧倒的な強さを見せつけ、補強にも精力的に取り組み、チームは初優勝へ盤石な態勢を整えていた。

 しかし、峠を過ぎたと思われていた2年前の覇者、ボストン・セルティックスにあっさりと足元をすくわれ、またもや夢の舞台に辿りつくことなく敗退してしまった。

 となれば、ファイナル終了後およびドラフト終了後の今夏に、いよいよあの話題が本格的に動きを見せることになる。

 あの話題とは…現在2年連続MVPを獲得し、KINGと称される現役最高のプレーヤーであるレブロンがFA移籍するのではないか?という数年前から続くこの話題だ。

 もうすぐ終止符が打たれるこの話題だが、移籍するという噂がまことしやかに囁かれている。最近では、シカゴ・ブルズが最有力だともっぱらの評判だ。他にもマイアミ・ヒート、そして相思相愛ではないかと思われるニューヨーク・ニックスなどだ。

 そこで今回、私はレブロンの決断を一足先に予測してみたいと思う。といっても、以前から私の考え・予想はたいした変わっていない。

 結論から言わせてもらおう。

 レブロンはクリーブランドに残留する。

 理由は単純で、チームを優勝に導けなかったからである。

 移籍するなら優勝を成し遂げてからだと私は思っている。

 なぜ優勝しないと移籍しないと思うのか。

 もっと掘り下げて、残留の理由を探ってみる。


 クリーブランドに残留する理由

 彼がこのままクリーブランドから移籍して、故郷のクリーブランドから逃げただとか、負け犬呼ばわりされることを彼のプライドが許せるとは到底思えない。そしてクリーブランドに4大スポーツでは約半世紀ぶりの優勝を、ぜひとも自分の手で成し遂げたいと思っているはずだ。

 故郷でプロ選手として英雄になるのは誰にとってもチャンスがあるものではなく、アスリートにとって大きな夢でもあり大変意義あるものだ。

 次に、現在のクリーブランドは十分強豪であり、大きな問題は抱えていないという点だ。

 毎年60勝を記録できるチームから移籍するとは少し考えにくい。スーパースターで強豪チームのエースでFA移籍したのは、最近ではシャックことシャキール・オニールしかいない。しかも彼にはアンファニー・ハーダウェイというネクスト・ジョーダンと期待された選手との確執・嫉妬があったという側面がある。

 また、ケビン・ガーネットがミネソタ・ティンバーウルブスから移籍した時のような悲惨な状況からは程遠く、ファンにも理解しにくい移籍となることは避けるように思える。5年先ならわからないが、来年もしくは再来年あたりまでに初優勝を遂げたいのなら、残留したほうがその可能性は圧倒的に高い。

 そして、NBAで史上最高のプレーヤーと呼ばれる、またはその候補に挙がるプレーヤーは、最初に所属したチームを優勝に導いていることが多いし、そのチーム一筋でNBA人生を終えていることも多い。

 これは、マイケル・ジョーダン(ワシントン・ウィザーズ復帰は例外扱い)やマジック・ジョンソン、ラリー・バード、ビル・ラッセル、最近でいえばティム・ダンカンやコービー・ブライアントなどが良い例だ。

 もちろん、最高のプレーヤーは誰なのかというこの難題は、優勝回数が評価のかなりのウェイトを占める。それも意識して考えるなら、簡単にFA移籍を選択するのは良いことではないとも思える。ただ、元々強豪に所属し、移籍する必要がない人間もいたかもしれないし、シャックのような例外選手も少なからず存在はしている。

 レブロンの良きライバルであり良き友でもある、マイアミ・ヒートに所属するドウェイン・ウェイドが圧倒的なパフォーマンスを披露し、2006年ファイナルでの奇跡のアップセットを起こしたことまで考慮すれば、レブロンよりウェイドのほうが勝利に導ける選手だと認識されている可能性もあり、それも彼は良しとするはずはないだろう。

 シャックはオーランド・マジックのフロントやハーダウェイとの確執もあり、西の強豪・ロサンゼルス・レイカーズに移籍し、結果的に3連覇を達成し大成功を収めた。シャックの場合はNBAの勢力図を塗り替えてしまうほどの実力が備わっていたため、彼が移籍するだけで優勝候補になってしまう稀有な存在であった。レブロンもそれと近いインパクトがあるので、移籍してもすぐに優勝を狙えるチームに変貌させてしまうのかもしれない。だが、すぐに優勝できる可能性があるかは全くの未知数であり、キャバリアーズに残留したほうが間違いなく初優勝には優位に働く。

 考えれば考えるほど、移籍するリスクより残留するメリットのほうが大きく感じてしまう。

 それでもなぜレブロンは残留を匂わす発言をしないのか?
 
 これはチャールズ・バークリーからも以前に非難されていたことでもある。

 その理由として考えられそうなのは

 ① ニューヨーク・ニックスに移籍したい願望が潜在的に間違いなくある
 
 彼はリーグきってのスーパースターであり、ニューヨークのような大都市でプレイするにふさわしい人気と実力が備わっている。それに近年不振に喘いでいるニューヨークの救世主になれれば、自身の名声・人気はさらに向上する。

 今現在でもNBAで1番といっていいほどの人気と実力を誇る彼である。もし、ニューヨークを優勝に導き、以前のヤンキースのように王国(ダイナスティー)を築ければ、世界NO.1の人気アスリートになる可能性が十二分にある。それに伴う副収入の倍増は想像に難くないことも魅力は魅力なはずである。

 レブロンは非常に頭脳明晰でもあり、優秀なビジネスマンな一面もあるのでこれらのことを理解しているはずだ。だから、このめったにないビッグチャンスを、全盛期のうちに挑戦したいという野心は間違いなく彼の中に存在しているはずだ。そうでなければ、愛している故郷でもあり、フランチャイズでもあるクリーブランド残留を、多少なりともほのめかしていてもおかしくはないはずである。

 また、ニューヨークはバスケットボールのことを深く理解している街でもあるし、生活に不便もなく、世界の経済の中心でもある。まさにKINGレブロンにふさわしい街ではないか?大きなモチベーションを保つ上では、一番そそられるフランチャイズがニューヨークというわけである。


 ② シカゴ・ブルズなら早くにも王朝を築ける可能性があると目されていること。

  現在、レブロンの移籍先に急浮上してきた古豪シカゴ・ブルズ。ニューヨークに移籍すれば一時的な大幅戦力ダウンは免れない。クリス・ボッシュまでニューヨークが獲得できたとしても、以前未知数な部分は多い。だがシカゴなら話は変わるというわけである。

 ブルズにはすでに、将来のチームの中核を担う人材が集まっている、だからレブロンを獲得できれば、長期のダイナシティーを築くことが可能であると言われている。

 PGのデリック・ローズとセンターのジョアキム・ノアにレブロン。確かにチームの要所に良い人材が揃っている。徐々にマイナーチェンジしていけば、確かに今のキャブスと同じくらいの強豪にはなれそうだ。

 また、レブロンは来シーズンから背番号23から6へ変更するという届け出もリーグに受理されている。ブルズの23番はご存知、世界最高のバスケットボールプレイヤー、マイケル・ジョーダンの番号であり、当然のことながら永久欠番であり着用できない。もしかして、シカゴ行きをレブロンは少し前からずっと考えていて背番号変更の届け出を出した?可能性もある。今のは少々乱暴な意見であまり真面目に受け止めないでほしいが、勝利が第一優先といつも発言してきたレブロンの意見が本当なら、理論的にはニューヨークよりシカゴが候補に上ってもおかしくはないだろう。


 というように現在、レブロンに関して全米中が注目し、色々な噂が駆け巡っているわけだが、それでもレブロンは残留すると私は改めて宣言したい。

 彼には、クリーブランドでやり残していることがいくつかあるからだ。

 ① チーム初の優勝をもたらし、真の地元の英雄になること。
 ② 完膚なきまでに叩きのめされたオーランド・ボストンに雪辱を果たすこと。
 ③ レイカーズおよびコービーが全盛期のうちにファイナルで倒し、世代交代を完全にやり遂げる。(となると、あまり多くの時間は残っていない)
 
 これらを全てやり遂げなければ、レブロンが史上最高の選手との評価に後々疑問符が付く可能性が残る。だからこそレブロンは残留を選択する、クリーブランドでの自分の使命を果たし終えるまでは…。





 追記

 ティム・ダンカンも一時期はグラント・ヒルと共にオーランド・マジック移籍を考え、むしろ移籍濃厚だと言われた時期があった。しかし、結局のところは移籍する大きな理由が見つからずに残留し、優勝回数を4回まで増やし今に至る。

 よほどの大きな問題、チームが弱いだの、フロントが優勝する意志がないだのチームメイトとの確執があるだの、そういった明らかにネガティブなことがない限りは残留するというパターンが多い。

 私が注目しているのは、むしろレブロンのキャブスとの契約期間である。

 普通に考えれば、もうじき新しい労使協定が締結され、選手の年棒が下がることを考えればできるだけ長期間の契約のほうが単純に、金銭面的な部分では得である。

 だが、すでに大金を稼いでいて、副収入だけでもいくらでも賄えるレブロンならば、3年契約程度で残留し、20代後半の全盛期にもう一度FAになれる選択肢を残すかもしれない。

 依然、この問題から目が離せなくなりそうだ。


 だけれども、今は目の前の非常にすばらしい戦いを繰り広げているカンファレンス・ファイナルに注目しよう。



 最後に…実は今回のコラムは以下のリンクの明日創刊のメールマガジンの記事と重複しています。私の親友が始めるメールマガジンということもあり、週に一回程度連載させて頂くことになりました。

NBAの日本では語れられない話

 とてもバスケットボールに熱意のある人物で、私の親友でもあります。もしよろしければ、彼のメールマガジンに登録してみて下さい。

 よろしくお願いします。

posted by yorkmilds |21:34 | NBAコラム | コメント(16) | トラックバック(0)
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2009年07月07日

優勝のチャンスと引き換えに失う、貴重なもの。

 次に挙げる4人の共通点がおわかりだろうか?

 コービー・ブライアント。
 ティム・ダンカン。
 ポール・ピアース。
 ダーク・ノウィツキー。

 最近の10代のNBAファンにはわかりにくいかもしれない。

 ただ、すぐに答えを思い浮かべる人も多いだろう。


 そう、彼らは…
 10年以上のキャリアを持ちながら、一つのチームでプレーし続けているスーパースターたちだ。

 さすがにすごい顔ぶれであるし、息が長い。


 マイケル・ジョーダンと激闘を繰り広げた世代では

 マイケル・ジョーダン(ワシントン・ウィザーズ復帰は例外とする)
 ジョン・ストックトン
 レジー・ミラー
 デビッド・ロビンソン
 マジック・ジョンソン
 ラリー・バード
 アイザイア・トーマス

 など、これまた全員がレジェンドと呼んで差し支えないプレイヤーだ。


 
 では、2000年以降にNBAに足を踏み入れたプレーヤー、主にエース級で同様の共通点を持つ選手の名を挙げてみよう。


 マイケル・レッド。
 レブロン・ジェームズ。
 ドウェイン・ウェイド。
 カーメロ・アンソニー。
 クリス・ボッシュ。
 ヤオ・ミン。
 ドワイト・ハワード。
 アマレ・スダッタマイアー。
 クリス・ポール。
 トニー・パーカー。
 デロン・ウィリアムズ。
 ブランドン・ロイ。
 ケビン・マーティン。
 アンドレ・イグドーラ。

 まあ、ざっとこんなものだろうか。


 バスケットボール選手であるならば、必ずNBAでの優勝というのが究極の目標である。だから、優勝を目指してより良い環境へと移籍するのは当然であるし、何も悪いことではない。

 また、バスケットボールといえどこれはビジネスでもある。

 選手がそれ相応の価値を求めて、自分にふさわしい評価をしてくれるチームに移籍するのも至極当然である。

 
 だが、なにかやるせない、一抹の寂しさを覚えるのも事実だ。


 自分がフランチャイズプレーヤーと呼ばれる存在であったり、エースと称される者ならば、どうかドラフト指名されたチームでその夢を叶えてほしいものだ。それが、その土地の人間と、ファンの究極の願いでもある。


 だが、実際はそんな簡単なものではない。


 それでも私は、そのようなことを百も承知で、あえて提言させてもらっている。


 ケビン・ガーネットは十二分にチームに忠誠を尽くしたし、セルティックス移籍は、結果として最高の人生のターニングポイントであったとすらいえる。

 カール・マローンに関しても、最後の1年をシャック&コービーとゲイリー・ペイトン率いるドリームレイカーズに加入し優勝に臨んだわけだが、長い間所属したユタに対し、十分誠意をつくしたように思う。

 また、ガーネット、レイ・アレン、クライド・ドレクスラーのように移籍してすぐに念願の優勝を果たす選手もいる。

 そして何より、チームを離れたくないがトレードに出され、生涯1フランチャイズの夢を奪われたしまったアレン・アイバーソンやパトリック・ユーイングなど熱き魂を持った選手も多く存在するだろう。


 そういった各々の諸事情もあるわけだが、もう一度ここで考えてみたいと思う。移籍することだけが、本当に優勝に近づける要素なのかを。


 冒頭に挙げた選手のリストを改めて見てほしい。

 まだ、フランチャイズプレーヤーと呼べない選手やエース級止まりの選手もいくらか挙げているが、その点はご容赦願いたい。
 
 実は赤字で書いた選手というのは、見事優勝を勝ち取ったフランチャイズプレーヤーたちだ。

 そして青字で書いた選手というのは、ファイナルに出場した経験のあるフランチャイズプレイヤーたちである。


 ジョーダン世代(80年代や90年代)で挙げた選手たちでは、実はほとんどが優勝している。ファイナルに至っては全員出場している。
 

 ミラーがいたインディアナ・ペイサーズとストックトンの所属したユタ・ジャズも、フランチャイズプレーヤーが徐々に支配力を落とし始めた時期に、チームの熟成期を迎えた。

 また、サンアントニオ・スパーズは96-97シーズン、フランチャイズプレーヤーのデビッド・ロビンソンが怪我でシーズンをほぼ全試合欠場、チームが優勝争いから一転、最下位争いを演じるはめになった。だが、それは文字通りの怪我の功名となる。幸運とはどこにあるかわからないもので、翌シーズンのドラフト1位くじを見事引き当てたスパーズは、カレッジ最高評価を受けていたティム・ダンカンを指名。そして迎えた97-98シーズン、怪我が癒えたロビンソンと、戦前の予想通り、圧倒的な力を見せつけたティム・ダンカンとの超強力ツインタワーを結成したスパーズは、再び1年でさらなる強豪へと変貌を遂げたのである。そして、ロビンソンがダンカンをサポートする形に回った98-99シーズン。プレイオフで圧倒的な力を見せ続けたスパーズは、念願のフランチャイズ初優勝を飾るのである。ファイナルMVPを受賞したのは2年目のダンカンであったが、ロビンソンは大いに満足したに違いない。

 ロビンソン以外の選手がエースとしてチームを引率して優勝を果たすなんて過去には考えられなかったが、そういう運命だったのかもしれない。

 
 と、今挙げてきたように、長い間同じフランチャイズにいることは悪いことばっかりではない。いつどこで、どう状況が変わるかなんて誰にもわからないことだ。

 だったら、無理に移籍を志願しなくてもいいのではないかと思う。
 
 なにも移籍が悪いといってるのではない。
 
 ただ、最近の若い選手は、優勝できなそうと感じれば、すぐに移籍を検討し始める。それがチームフロントとの駆け引きならまだしも、本気で不満や希望を、簡単にメディアに対して口に出すようになった。これでは、大の大人がまるでただの駄々っ子のようで、みっともなく感じてしまうこともある。

 かつてのレジェンドと呼ばれたスーパースターのように、自分がチームを強くするんだという強い気概とその気持ちの継続さが欲しい。

 できる限りの最善を尽くし、それでも状況が一向に好転しないのであれば、その時初めて移籍を考えればいい。そういう選手には、ガーネットのようにきっといつか報われるだろう。

 ただ、一つのフランチャイズに残り見事優勝を成し遂げた選手を、ファンは永遠に忘れないだろう。

        シカゴブルズ=マイケル・ジョーダン

 というように、そのフランチャイズ=〇〇と記憶されれば、これほどアスリート冥利に尽きることはないのではないだろうか?

 だから、今の選手には忘れないでほしい。
優勝を目指し、簡単に移籍することだけがスポーツの醍醐味ではないことを。

 優勝のチャンスと引き換えに、多くのファンと大いなる未来の勲章が失われることを。


 最後に、レブロンを始めとする03年世代など、今をときめく大スターの決断を今から楽しみにして待とうではないか。

posted by yorkmilds |00:12 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(1)
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2009年07月05日

シューターよ、決起せよ

 かつてレジー・ミラーという選手がいたことを覚えているだろうか?

 彼はシューターとして名を馳せたわけだが、201㎝、89kgという華奢ともいえる体つきで、キャリア平均20点にも3ポイント成功率も4割に届かない選手であった。

 また、オールNBAファーストチームにも1回として選出されたことはない。

 しかし、誰もが認める非常に記憶に残る名プレーヤーだった。

 今でも彼を歴代NO.1シューターだという人は少なくない。

 なぜか?

 それはミラーという選手はクラッチタイムにめっぽう強く、チームを勝利に導ける選手だった。しかもジョーダンのように劇的に。

 彼における数々の伝説は、ネットで検索すれば必ず出てくるだろうから割愛させていただく。それは、ニューヨーク・ニックスとの激闘であったりとか、マイケル・ジョーダン率いる最強シカゴ・ブルズとの死闘など計り知れないほどある。選手として晩年に差し掛かり、、エースの座をジャーレン・ローズやジャーメイン・オニールに譲っても、その輝きは失われなかった。

 果たして現在、そのような選手はNBAに存在するだろうか?

 決して、ミラーのようなトラッシュトークや乱闘劇(ジョーダンにもかまわず乱闘を仕掛ける非常にタフな精神力を持ったプレーヤーとしても有名であった)といったような熱い性格の選手を求めているわけではない。もちろん、そのような選手も大好きで、NBAという個性的な集団の中で一際異彩を放つプレーヤーも、もちろん渇望しているが、ここでいうのは、チームを勝利に導けるシューターの存在である。

 最近で思い浮かぶとすれば、レイ・アレンとマイケル・レッドか。

 ケビン・マーティンやベン・ゴードンもこの手のプレーヤーに近い。

 90年代には数多くいた。

 クリス・マリン、ミッチ・リッチモンド、グレン・ライスなどは有名だ。

 彼らの他にも、スティーブ・カー、ティム・レグラーなど驚異的な確率で3ポイントを決める選手もいた。

 彼らの全盛期は本当にすばらしかったと記憶している。

 だが、今のNBAでは職人的なシューターはいるものの、フランチャイズプレーヤーでシューターという選手は壊滅状態に等しい。

 現在のショーダンを見て育った世代の、アスレティックさと器用さやしなやかさを持つプレーヤーたちに魅せられているのも悪くはないし、むしろ楽しい。

 ただ、ミラーのようなクラッチタイムにとことん強いシューター選手の存在がいれば、よりエキサイティングなものとなる。

 今こそ、立ち上がるべきだ。

 ということで、スーパーセンター並みに絶滅寸前のこのタイプのプレーヤーを取り上げてみようと思うので、これからチェックしてみてほしい。



 期待の点取り屋orシューター

 NO.1

 マイケル・レッド(ミルウォーキー・バックス)

 非常に努力家であり、すばらしいスコアラー。またピュアシューターである。
 黒人のこの手の選手は、アメリカバスケット界において非常に重要な存在だ。
 今シーズンは怪我のため、不本意な結果に終わったが、来季が非常に楽しみの選手だ。
 チームが弱小なのが辛いとこだが、現在最高の点取り屋シューターである。

 NO.2
 
 ベン・ゴードン(デトロイト・ピストンズ)

 ルーキーの頃より、その勝負強さと4Qの爆発力から、MR.4THクウォーターやベン・ジョーダンなど称賛されてきたゴードン。その勝負強さは現在も全く衰えていない。3ポイントが決まり出したら手のつけられない状態になることもしばしばで、1試合10本は3ポイントを決められる爆発力を秘めている。来季は、新生デトロイト・ピストンズで同タイプのプレーヤー、リチャード・ハミルトンと共に、強豪復活への道を歩む。


 NO.3
 
 ケビン・マーティン(サクラメント・キングス)

 キングスの期待の星、マーティン。彼もレッド同様、怪我のため満足のいく成績は残せなかったが、平均25点は望めるスコアラーだ。彼は、ピストンズのハミルトンと似たプレーヤーで、よくフロアを走る。ランニングプレーも卒なくこなす点が特徴で、最近では3ポイントもかなり向上している。


 その他の選手


 レイ・アレン(ボストン・セルティックス)

 言わずと知れた名シューター。

 現在はBIG3体制のため、以前より点数は稼がなくなったが、ゾーンに入れば驚異的なのは今プレイオフでも証明済みである。

 また、アレンの若い頃はドライブも鋭く、ダンクコンテストにも出場するほどの跳躍力を誇っていた。ふくらはぎの筋力の付き方もシューターとは思えないほどで、バックス時代に全盛期のトレイシー・マグレディーをあっさり抜き去り、片手でぶらさがりながらダンクをフィニッシュしたあの姿は、個人的には伝説だ。また、アレンのクイックリリースは、素人でも驚嘆するほどのレベルである。

 リチャード・ハミルトン
 ミラーのようにフロアを走り回り、スクリーンをくぐりぬけてフリーでシュートを放つ天才。3ポイントは試投数は少ないが、確率1位になったこともあるなど、状況によっては高確率で沈めることができる。彼のプレースタイルは日本人が見習わなければならない。

 ラシャード・ルイス

 本来、このリストからは除外しようかと思ったが、ソニックス時代(現サンダー)の同僚、アレン直伝のきれいなフォームとクイックリリースは見ていて惚れ惚れするということで取り上げた。

 最近は持ち前のオールラウンドのプレーより3ポイント乱発が多いルイスだが、ショットセレクションを間違えなければ、非常に恐ろしいオフェンスプレイヤーだ。身長もPF並みなので、ミスマッチを作れる。


 他ポジションにも良い3ポイントシューターは多いが今回は除外させていただこうと思う。あくまで今回は、ミラーに代われるような存在を取り上げさせてもらいました。(ルイスは例外)

 職人的なシューター、クラッチシューターは他にも数多く存在するので注目してみてほしい。

 最後に、彼らがシュートを決め続け優勝を勝ち取るシーズンがあったらそれは本当に楽しいと思う。

 なぜなら、それは日本人がNBAでスーパースターとして優勝を勝ち取る大きな活力と期待に繋がるからだ。

 いつか、今回取り上げたような日本人NBA選手が出てきてくれることを心の底から願いたい。

 なので、NBAを目指すプレイヤーには、ぜひ彼らのプレーをどんどん盗んでより良いプレーヤーになってほしいと思う。 

posted by yorkmilds |23:31 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年07月05日

今改めて感じるSFの重要性

 2009年のファイナリストの両SFが移籍することになった。

 ロサンゼルス・レイカーズのSF、トレバー・アリーザがヒューストン・ロケッツに移籍合意したのに続き、今回はオーランド・マジックのヒディエット・ターコルーがトロント・ラプターズとの契約に合意したそうだ。

 ヴィンス・カーターを獲得した時点で、ターコルーがマジックと再契約する可能性はほとんどなかった。金銭的な理由は大きいだろう。そして、ターコルーが約10億の年俸を受け取るに相応しい活躍をしたのも事実なので、彼がビジネスライクな判断をすることも、これは仕方のないことだったように思う。

 しかし今季はSFの移籍が多い。

 もちろん、ターコルーを補強したラプターズはショーン・マリオンと再契約しないことが確実になり、また一人、優秀なSF(時にはPFも務める)を争う展開が始まりそうだ。


 現在のNBAでは、再びSFにかかる期待は徐々に大きくなってきている気がする。いまや優秀なSFを保有することが、優勝するための非常に重要なファクターになってきている。

 
 現在のNBAのSGには、点取り屋やアスリートが数多く存在する。コービー・ブライアントやドウェイン・ウェイド、ブランドン・ロイなど数多くのスターがいるのは誰もが知っていることだ。そんな彼らをマッチアップするのはたいていエースストッパーと呼ばれる存在だ。2000年代に隆盛を築いたサンアントニオ・スパーズに所属していたブルース・ボウエンを思い浮かべれば想像しやすいだろうか。

 彼は、ディフェンスは評価されていたが、その他のこと、特にオフェンスに関しては全く使い物にならないという評価に等しかった。だが、彼は、スパーズのシステムを熟知し、徐々に自分に必要なポジショニングとシュートエリアを把握し、最終的には3ポイント成功率1位に輝くまでに成長した。

 このことで、ただのエースストッパーから脱却し、なるべくしてSFのスターターに居座るようになったのである。


 そして最近では、SFにもとてつもないスターたちが現れ始めた。レブロン・ジェームズやカーメロ・アンソニーだ。ポール・ピアースなどベテランになってもまだまだ一流選手も存在する。この点において、より現在のSFには重要な役目が与えられることとなった。

 というのも、エース同士をあまりマッチアップさせたがらない傾向にある昨今のNBAにおいては、SGやSFに多く存在するエース級の選手を誰かが抑えなければならない。そんな折、ステップアップしなくてはいけないのが、最近のSFだ。(エースは除く)

 ただ、2000年代初頭のように、一芸に秀でた選手(エースストッパーやシューターなど)ではなく、今はスコッティー・ピッペンのようななんでもできる選手が求められている。

 ではピッペンのような選手とはどういった能力を持つ者か?
 

 *必要とあらば、進んでエースを抑え込む選手。
 *時にはPGのようにオフェンスをリードする選手。
 *時にシューターのように外から射ぬくこともできる選手。
 *リバウンドも積極的に獲れる選手。
 *アスリート性に富み、ランニングプレーが得意な選手。
 *ポストプレーもこなせる選手。 
 *エースの代わりができる選手
 *エースと併用時にも、自分の仕事をしっかりと見極めることができる選手。


 こんな選手はほとんどいないのだが、いかにこういう選手に近いプレーヤーを、チームにエース以外で持つかがキーポイントだ。実際こんな選手が存在すれば、即エースであるのだが。(レブロン・ジェームズや若かりし頃のグラント・ヒルなど)

 レイカーズにいたアリーザは昨日の記事で述べた通り、レイカーズに必要なディフェンスとランニングプレー、アスレティック性を主にもたらし、外からのシュート成功率もほとんどフリーだったとはいえ向上させた。

 マジックのターコルーは、チームの弱点と言われていたPGの働きも兼ねて、パスを循環させチームの円滑油となった。また、勝負強さもすばらしかった。

 ロン・アーテストはみなぎる気迫と闘志、そして経験でチームを引っ張り鼓舞し続けた。インサイドプレーはかなりの武器だ。

 もちろん彼らのチームが今シーズン成功を収めたのは言うまでもない。

 このように現在のNBAでは、エースと呼ばれる選手以外に、いかにこのように脇役でありながら、影からチームを支える存在が必要かを物語っている。

 今や、一芸だけではNBAのスターターになることは厳しくなっている。だからこそ、チームに忠実で、必要とあらばなんでもこなせる貴重なロールプレーヤーが重要なのである。

 脇役としてこのような活躍を期待されるマリオンにもきっと、優勝を狙う数多くのチームからオファーが舞い込むはずだ(条件は良くないかもしれないが)。

 それほど、今のNBAのSFにはラストピースとしての活躍が求められている気がしてならない。

 今のチームに足りない点を補完すること、これが最近のSFの主なる仕事だ。

 だから来季も注目してみてほしい。

 上位進出するチームには、すばらしいSFがいることを。
 

posted by yorkmilds |20:20 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年06月23日

08-09シーズンを振り返る

 NBAの08-09シーズンが終了し、一週間が過ぎた。

 今回、ロサンゼルス・レイカーズの優勝で終えた、この08-09シーズンを振り返ってみようと思う。

 今シーズンを象徴したもの。

 それは「加速する世代交代」であると思う。

 イーストでは記憶に新しいであろう、ドワイト・ハワードが率いたオーランド・マジック。

 忘れてはならない、今季を最大に彩った男、レブロン・ジェームズのいるクリーブランド・キャバリアーズ。

 昨年の王者、ボストン・セルティックスとプレイオフで死闘を演じ、デリック・ローズやベン・ゴードンなど能力のあるプレイヤーが揃うシカゴ・ブルズ。

 今季、完全復活を果たし、初の得点王を獲得し、チームを再びプレイオフに導いたドウェイン・ウェイドと期待の若手、マイケル・ピーズリーのいるマイアミ・ヒート。

 他にもフィラデルフィア・76ersやアトランタ・ホークスも虎視眈眈とより上を目指し、控えている。

 一方、ウエストに目を移そう。

 現在NO.1ポイントガードと呼ばれることの多いクリス・ポールがいるニューオリンズ・ホーネッツ。

 また、そのポールのライバルとしてチームを強いリーダーシップで統率するデロン・ウィリアムズ、カルロス・ブーザー、ポール・ミルサップなどタレントの多い古豪、ユタ・ジャズ。

 まるで、10年目のベテランのような冷静なプレイと爆発力、リーダーシップを見せるブランドン・ロイやラマーカス・オルドリッジ、ガラスの本格派センター、グレッグ・オーデンのいるポートランド・トレイルブレイザーズ。
 
 そして、なんといってもシーズン開幕間もない時に起こったトレードで、チャウンシー・ビラップスが入り、潜在能力を一気に開花させたデンバー・ナゲッツ。カーメロ・アンソニーを筆頭に、それぞれが自分をもう一段階上のプレーヤーへ昇華することに成功した。

 今後、自分たちが時代の中心を担っていく。もうその準備はできている。

 そう言いたげな彼らの奮闘ぶりは、今季を彩ったハイライトの1つである。


 逆に、2000年代を彩ったスターやチームにも変革の時や終焉が迫っている。

 イーストで2000年代、圧倒的な強さを誇ったデトロイト・ピストンズ。

 ビラップスとトレードされたアレン・アイバーソンは彼を中心に据えないなら輝けない。シックスマンとしては魅力的なのだが、本人は受け入れないであろう。だが、それも理解はできる。彼は史上最も偉大なスコアラーの一人であるし、実績もある。目に見えるほど衰えているわけでもないし、戦略が彼を生かすか殺すかになっているだけだ。しかし、彼を中心にしても今のNBAで優勝するのは至難の業である。

 よって、アイバーソンやラシード・ウォーレスは退団し、ピストンズの誇った不動のスターターはバラバラになり、再建に進むはずだ。

 ウエストでは、この10年で4度の優勝を飾った、サンアントニオ・スパーズが心配だ。かねてから言われている高齢化問題は、いよいよすぐ対処せねばならないときに来ている。

 シックスマンながら、20点近くを獲れるマニュ・ジノビリも最近は怪我がちであり、フランチャイズプレーヤーのティム・ダンカンもそれは同様だ。全盛期を迎えているとはいえ、トニー・パーカー一人ではとても優勝は無理だ。今季、どのような補強をしていくのか、注目するべき点である。ただ、彼らは優勝する力が落ちたとはいえ、まだ強豪ではありはずだ。

 もはやこれまで?フェニックス・サンズ

 時代を築いたスーパーセンター、シャキール・オニールを迎え、新たなスタイルを模索したサンズであったが失敗。ラン&ガンでなくては、スティーブ・ナッシュは輝けず、エースのアマレ・スダッタマイアーも完全に生かしきることはできなかった。(最もアマレはハーフコートでも上手くプレイできているが)

 さらにはチームを支え続けたラジャ・ベルやボリス・ディーオウの穴は埋められず、もはや優勝は厳しいか。

 これから、サンズがどのような道を進むのが興味深い。

 ダラス・マーべリックスに関しては、そこそこの戦力は保てるが優勝となるとこちらも厳しいか。チームにフィットしたポイントガードの獲得と、インサイドの駒が欲しい。そうすれば、また輝ける可能性はあるが
スパーズ同様、強豪止まりになりそうだ。

 
 残るベテランチーム

 チームの方向性は?ヒューストン・ロケッツ

 今季、2大エースのトレイシー・マクレディーを欠きながらも好調をキープし、プレイオフでも残るエースのヤオ・ミンを欠きながら、今年の王者レイカーズを土俵際まで追い込んだことは、みんな素直に評価していることだろう。

 しかし、マクレディーは度重なる怪我や過去の疲労の蓄積で全盛期は過ぎたと見た方がいい。正確にいえば、シャックと似たような状況で、まだ力はあるが安定して完璧なコンディションでは試合に臨めないため、エースとして不安だ。

 ヤオも同様で、毎年毎年起こる足の骨折は偶然ではないはず。きっとあれだけの体格で、あれだけのプレイや過酷な日程をこなすことのほうが奇跡なのだろう。またロン・アーテストの契約も含め、チームは方向性をしっかり定めなければならないだろう。とにかく、ロケッツは怪我をする限り、優勝はできない。ヤオがキャブス入りもささやかれるなか、フロントの手腕に注目だ。

 来季が最後のチャンスか、ボストン・セルティックス

 今季も昨年並みの強さとチームの完成度を誇り、連覇を目指したセルティックスだったが、チームの要ケビン・ガーネットを欠きマジックに粉砕された。徐々にBIG3の高齢化、コンディション悪化や能力の下降が気になってくる頃だが、来季は大いに期待していいはずだ。

 今プレーオフで大きくステップアップしたレイジョン・ロンドやグレン・ディビス、エディー・ハウスなど優秀なロールプレーヤーも多く、健康を保ち、さらなる的確な補強をすれば十分、レイカーズなど超強豪に渡り合える。だが、時間は永遠ではないので1~2年以内に再び王座を勝ち取らないと厳しい未来が待っていることであろう。

 連覇なるか?ロサンゼルス・レイカーズ

 ついに昨年の雪辱を果たし、7年ぶりに王者に返り咲いたレイカーズ。なんとしても現ロースターを保つことが連覇への第一歩だ。

 今季の優勝に欠かせなかったトレバー・アリーザとユーティリティープレーヤーのラマー・オドムの2人を、どうしても残留させたいところだ。ただ、どっちかとだけというなら、アリーザが好ましい。彼の身体能力とディフェンス力(主にスティール)はレイカーズにとって大変貴重であり、チームにモメンタムを呼び込む。

 またコービー・ブライアントがどれだけモチベーションを保てるかという問題もあるが、心配ないだろう。むしろ、チームのそれ以外のメンバーのモチベーションが下がらないか不安である。

 ただ、来季もレイカーズは優勝候補の一番手とみていいのではないだろうか。
 
 次世代のスターたちが率いるチームとベテランのスターたちが率いるチームが来年もまた激突する!だが、徐々に若手の時代が迫っている。これから、どのようにNBAが動いていくのか、楽しみである。

 

posted by yorkmilds |00:39 | NBAコラム | コメント(2) | トラックバック(0)
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2009年06月16日

レイカーズが7年ぶりの栄冠!

 レイカーズが7年ぶりの栄冠を手にした。

 その大黒柱でもあるコービーは、ようやく自分が中心のチームで優勝を果たし、唯一足りなかった個人賞のファイナルMVPを手にした。

 レイカーズにとっては長い道のりであった。シャック&コービーで3連覇を果たした後、カール・マローンやゲイリー・ペイトンといった将来の殿堂入りカルテットとも呼べるドリームチームで再び頂を狙うも、デトロイト・ピストンズに大アップセットをくらい、チームは解体した。

 相棒であったシャックはマイアミ・ヒートへ移籍し、ドウェイン・ウェイドと共に優勝を果たすが、コービーはいばらの道へ進み、チームは低迷した。

 しかし、去年ポウ・ガソルの獲得やバイナムの成長もあり、再びファイナルへ帰り咲くも、往年のライバル、ボストン・セルティックスに完膚無きまでに叩きのめされた。

 今年は、その雪辱を胸に秘め、更なるパワーアップを遂げたレイカーズはファイナルで圧倒的な強さを誇り、再びチームに栄冠を取り戻した。

 これで、コービーに必要なタイトルはすべて揃った。

 あとは、連覇に挑み、あわよくば3連覇を達成すれば、かのマイケル・ジョーダンと肩を並べられるかもしれない。

 コービーの7年間の苦労は相当なものであったはず。優勝が決まった瞬間、ジョーダンと同じように大きく飛び上がり、何度もガッツポーズをした。

 ジョーダンがスコッティー・ピッペンと抱き合って喜びをわかちあった時と同様に、コービーも今までの苦楽をほとんど一緒に過ごしきたチームメイトのデリック・フィッシャーと抱き合い、祝福しあった。

 
 レイカーズとコービーに心から拍手を送りたいと思う。

posted by yorkmilds |03:22 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(1)
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2009年06月07日

2009NBA FINAL第1戦と第2戦の展望

 今年のNBAファイナルは、レイカーズの大勝で幕を開けた。
予想以上の圧勝ぶりに、少々拍子抜けしてしまった感もあることだろう。

 レイカーズが圧倒的な強さを見せつけたといいたいが、マジックが自滅し、レイカーズが普段よりちょっといいプレイをしたに過ぎない。

 もちろん、レイカーズやコービーの勝負を決めに来る時の勢いはすばらしかったが。(象徴的なのは第3Qだろう)

 なんといってもコービーは、さすがと唸らせられるようなプレイを連発。昨年の雪辱に燃えるこの男は、自身のファイナル最多得点である40点を含め、8リバウンド、8アシスト、2ブロックに2スティールと、NBAを代表する大エースぶりを世界中に披露。マジックのディフェンス陣を圧倒した。

 そしてガソルとバイナム。

 バイナムは、ハワードの対決で圧倒的不利が予想されていた。しかし蓋を開けてみれば、積極的なオフェンス、リバウンドで奮闘。ハワードのポストプレーには成す術なくファウルする場面もあったが、十分互角といっていいハッスルぶりであった。

 インサイドの相棒、ガソルもハワードから値千金となるオフェンスチャージを2回ももらうなど、攻守ともにインサイドを制圧。さらにはベンチからの出場で、縦横無尽に駆け回るオドムの活躍もあり、ペイントエリアでのポイントは56-22と完全にインサイドを支配し、勝利をもたらしたのであった。



            第2戦のポイントを挙げてみる。

 絶好調であるコービーをどう止めるか。

・コービーを1ON1で止めるのは不可能に近いかもしれない。マジックのディフェンス陣はレブロンのディフェンスには多少なりとも成功した。

解説の塚原氏も言っていたことなのだが…

 レブロンは、まず自分のアドバンテージを生かしたドライブから自分の得意な態勢に持ち込んでシュートというのがパターンだ。つまり自分の武器である「速い、強い、高い」を最大限に生かすシンプルなドライブを好む。なので彼の苦手なゾーンに導く、もしくは予測する、ダブルチームするなどの選択肢が功を奏すことがある。(むしろ、あれだけシンプルなプレイであそこまでの成績を残せるレブロンは尋常ではないし、恐ろしい選手での所以でもあるのだが。)

 だが、コービーは少し違う。
コービーは、どんな状況、態勢からでも自分の得意な形に持っていける選択肢と技術がある。簡単に言ってしまえば、シュートに持っていくまでのムーブが歴代一番といっていいくらい多いのだ。

 スピンターンやターンアラウンド、フェイダウェイにステップバック。ダンクもダブルクラッチもフックシュートも思いのままだ。いつ、どんな場面でそれを選択してくるかは、全く読めるはずもなく、最近ではより多くのパスを回すようになってきているので、ますます予測ができない。

 もちろん、コービー・レブロンにも苦手な選手はいるだろう。

 ただピートラスはコービー相手に善戦するのではないかと感じていただけに驚きの結果となった。(しかし、ピートラスは良いディフェンスをしていた、コービーがすごすぎたというべきだ)

 ひとまず、リーではコービーを抑えられない。
 高さもフィジカルも経験も違いすぎた。コービーのポストプレーにも全く対応できなかったので、ピートラスの出場時間を長くするべきだろう。チームFGが29.7%という、私が見た中で最もひどいファイナルの中で、オフェンスでもそこそこの調子の良さを維持していた。

 あとはコービー絡みの2対2のピック&ロールの対処は絶対にマジックが修正しなければならない点だ。

 第1戦では、コービーにシュートやパスと好き放題やられてしまった。スイッチするのか、ファイトオーバーで防ぐのか、ブリッツするのか。

 個人的には、コービーのテンポをわずかでも狂わせるため、もっとショウディフェンスをするべきかなと思う。全てが半端にディフェンスしたため、わずかな隙間をコービーに良いシュートや良いパスをされたように見える。


・ネルソンとオルストンのPG問題

 これはスタン・バンガンディーが采配ミスを認めているようだが、私もやはりオルストン中心で行くべきかと思っている。

 ネルソンが復帰すると聞いた時、出場するにしても10分から15分くらいだと思っていた。しかし、まさかの約24分とオルストンと変わらぬ出場時間。さらには2Qなどはほぼでずっぱりという変則的な出場であった。

 確かにバンガンディーの気持ちはわからなくもない。ネルソンは今季キャリア最高のシーズンを過ごしていたし、3ポイントに至ってはリーグでトップを争うくらい高確率で決めれるようになった。だが4か月も戦線を離れていたうえに、オルストンはその間、なんとか苦労しながらアジャストしファイナルまでスターターとして導いたのだ。

 せめて今ファイナルだけでも、オルストン中心で戦うべきで、ネルソンはあくまで控えとして扱うべきで期待しすぎるべきではない。

 ただ、実際ネルソンも出場した時はすばらしいプレーを連発し、マジックに貢献した。見事なアシストもいくつかあったが、徐々にシュートセレクションが悪くなっていった。得意の3ポイントを打てる場面でも打とうとしないネルソンは、まだ肩の調子が悪いのかもしれない。

 それでもネルソンを引っ張り続けたバンガンディーはやはり反省するべきであろう。

 オルストンもあまりにFGパーセンテージが良くないので、コーチが悩むのは仕方ないかもしれないが、彼のここまでチームを引率してきた意地とプライドを、ぜひ見せてほしい。


・マジックの両ウィングのプレーヤーが復活なるか

 言うまでもまくルイスとターコルーのことである。
 彼らはハワードが今回のように絶不調だった場合、どうステップアップするのか、そこが最大のポイントだ。今回のような出来ではレイカーズには全く歯が立たない。彼らはハワードなしではなにもできない、そう言われないように今こそ奮闘するべきだ。

 ルイスはガソルへのディフェンスに力を注がなければならない一面もあり、ほとんど点を取れず終まいであったが、フリーでは3ポイントをしっかり決められた。だが、インサイドで全く点数を稼げないのは辛い。持ち味の多彩なオプションで、もっとインサイドでも得点がとれるようにしていきたい。

 ターコルーはファイナルに入って、全く気配がなくなってしまった。アリーザのディフェンスは良いが、それ以外のプレーヤーならもっと本来のプレイをしたいところだが、レイカーズの強力なインサイド陣になかなか良いプレイをさせてもらえなかった。特にネルソンがいるとポイントフォワード的なプレイをする彼の強みは薄れ、シュートを打つのが好きなオルストンの方が、ターコルーのプレイエリアが広がるような印象もうけた。

 そして最後はやはりハワード。

 序盤のオフェンスファウルでリズムや本来の勢いを失い、ディフェンス時にも全くアグッレシブさがなかった。セルティックスとのシリーズのような、鬼神のような姿は影を潜め、オフェンスでも無理を重ね確率が悪かった。レイカーズはリバウンドがリーグ1強いチームであることを考えれば、彼の不調はレイカーズの圧倒的有利を意味する。

 レイカーズに先手を打たれれば、彼らが誇る多彩なオプションに苦しまされ、ルイスなどもディフェンスにばかり注力しなければならない悪循環が起こる。そういうことを考えても、どうしてもハワードはバイナムやガソルを圧倒しなければならない。数でいえば、圧倒的にインサイドのタレントの数はレイカーズに劣る。だからこそハワードは、奇しくもレイカーズ時代のシャックのような、圧倒的な活躍が求められているのだ。皮肉にも、マジック時代ではなく、レイカーズ時代のシャックのような…。


マジックの力はこんなものではない。
マジックはアウェーでも数々の強豪を破ってきたことを忘れてはならない。

巷ではスウィープなんて声も聞かれるが、そう簡単に起こらないものだ。

なにより、ファイナルはまだ始まったばかりである。



ファイナルを盛り上げるためにも、大いにマジックの逆襲を期待しようではないか。

posted by yorkmilds |15:29 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年06月05日

2009NBAファイナル レビュー最終章

 いよいよ2009NBAファイナル レビュー最終章である。

 まず予想スターターから。

 これは両チーム不動であろう。

 レイカーズ                       マジック

デレック・フィッシャー     PG      レイファー・オルストン
コービー・ブライアント     SG      コートニー・リー
トレバー・アリーザ       SF      ヒディエット・ターコルー
ポウ・ガソル           PF      ラシャード・ルイス
アンドリュー・バイナム     C       ドワイト・ハワード

 そして主なベンチプレーヤー

ジョーダン・ファーマー             ジャミーア・ネルソン
サーシャ・ブヤチッチ              ミカエル・ピートラス
シャノン・ブラウン                アンソニー・ジョンソン
ルーク・ウォルトン                JJレディック
ラマー・オドム                   ゴーダット


 と、ざっとこんな感じであろうか。



 バックコート陣の展望

 レイカーズはベテランのフィッシャーをスターター起用するが、今プレイオフあまり調子が良いわけではないので、調子が悪いと思った時には思い切って彼の出場時間を大幅に減らすべきだろう。

 状況に応じてジョーダン・ファーマーやサーシャ・ブヤチッチ、ブラウンらを積極的に起用するべきだ。

 マジックの絶好調SG陣はレイカーズにとってかなり厄介である。
 コートニー・リーをしっかり抑え、オルストンにはドライブさせないことが重要だ。また、一番警戒しなくてはならないのがピートラス。

 サイズもあり、身体能力もある。プレーオフが進むにつれ、怪我も癒えたか、完全にマジックに適応している。彼は3ポイントも確率がよく、エースストッパーとしても活躍できる。

 コービーがリーとピートラスの入れ替わりで激しく襲いかかるディフェンスに、上手く対応できるかが、今シリーズの1つのキーポイントだと私は思っている。

 また、コービーは、積極的にドライブを仕掛け、レブロンのようにインサイドでファウルをもらうことも大切だ。

 続いてフォワード陣。

 ここのポイントは、いかにレイカーズがマジックのルイスとターコルーを抑えられるかが鍵になる。

 レギュラーシーズンのような3ポイント乱発がなくなり、本来のオールラウンドなプレーを披露し、格段にシュートセレクションを良くなったルイスを誰が抑えるのか。

 ポイントフォワードのようにゲームを掌握し、クラッチシュートをことごとく決めてきたターコルーも、4Qでは絶対に抑えなければならないだろう。

 レイカーズのアリーザが、どこまでディフェンスできるか重要なポイントだ。

 またガソルやオドムが高さを生かして、どんどんインサイドで勝負するべきだ。マジックの手薄なインサイド陣をいかに攻略するか、レイカーズの絶対使命である。

 最後にセンター。

 ここは、マジックが圧倒的に支配できるところだ。
 
バイナムは、優秀なセンターだが、ハワード相手では勝負にならないとみる。マジックはまずここを支配しなければ、ゲームプランそのものが土台から崩れ落ちることとなる。

 そのためにはファウルトラブルだけは絶対に避けなければならない。
 
 ハワードの出場時間が短くなれば、一気にレイカーズの協力インサイド陣が圧倒的な支配力を見せるだろう。

 ゴーダッドもいいセンターだが、相手はレイカーズのインサイド陣だ。
 
 ハワードがいなければ、太刀打ちできないであろう。

 バイナムが予想以上の奮闘を見せるようであれば、レイカーズの圧倒的有利な展開になるだろう。


 他にも、マジックは終盤のオフェンスの勝負強さもあるが、反対に今プレーオフでは毎シリーズブザービーターを決められたという事実がある。

 マジックは相手の最後の1プレーの際に、エースに簡単にボールを持たれ過ぎである。

 一対一の状況になったら、スーパースターはかなりの確率で決めてくる可能性がある。ましてや相手はコービー・ブライアントである。

 恐らく、現在最後の1プレーで最もボールを持たせたくないのはコービーであろう。

 コービーにボールを持たれたら、負けを覚悟する、そういう気持ちで最後のディフェンスに取り組むべきである。


 今回、色々と仕事が忙しく、この記事をファイナル放送前に載せられなかったことを本当に残念に思う。全く説得力のないものように感じてしまうかもしれない。

 私はこの記事を書いたあとに、録画したファイナルを明日までにじっくり見ようかと思っている。もちろん、現在まですべての情報をシャットアウトしているので、試合の行方を全く知らない。

 そして試合を見終わったあとに、また新しい記事が書ければと思う。


 最後に私の予想は…
 「レイカーズが4勝3敗にて優勝し、コービーが4度目の栄冠を手にする」だ。

 巷では、レイカーズが4勝1敗、もしくは2敗で優勝という声が多いようだが、マジックの今プレーオフの強さは本物である。

 いくらレイカーズといえど、簡単に勝てるはずがないと思っている。

 だがコービー率いるレイカーズはきっと負けない。


 「昨年やり残したことがある。」
 
 そう、鋭い視線で語ったコービーの目に、恐ろしいほどの執念を感じた激戦必至の今年のNBAファイナルがいよいよ始まる。

posted by yorkmilds |02:33 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年06月05日

2009NBAファイナル レビュー②

 続いて両チームのスタッツを少しまとめてみようと思う。

 ということで、プレーオフのスタッツを紹介する。


ロザンゼルス・レイカーズ             オーランド・マジック
  102.9(106.9)     平均得点      98.5(101.0)
   96.3(99.3)      平均失点      93.7(94.4)
   42.4(43.9)      リバウンド      38.4(43.3) 
   20.2(23.3)      アシスト       19.0(19.42)
   .467(.474)       FG%       .465(.457)
   .379(.361)      3FG%       .367(.381)
   .745(.770)       FT         .730(.715)
   13.7(13.5)       TO         12.8(13.9)


 これが両チームのプレーオフの主要平均スタッツである。
 カッコ内の数字はレギュラーシーズンのものだ。

 レイカーズは若干、得点力が落ちているように見えるが、プレーオフでは試合のテンポがレギュラーシーズンより遅くなるため、そこまで気にしなくていいだろう。実際、失点が減っているのもそのためだ。

 それより気にしなければならないのはフリースローだろうか。
 
プレーオフでは、FTのミスがそのまま大きな負けに繋がる可能性がある。これはなんとか、7割7分から8分くらいを目標に決めなければならないであろう。

 マジックは、やはりアシストの少なさとフリースローの少なさが目立つ。フリースローはハワードの試投数が多いため、致し方ない部分があるが、ハワードは7割を目標にフリーズローを決められなければならないであろう。

 マジックとしては、3ポイントの確率はそこそこの数字をキープしているので、最低でもその数字はキープしたいところだ。


 2009NBAファイナル レビュー最終章では、選手についてやシリーズの細かいポイントを挙げていこうと思う。

posted by yorkmilds |01:40 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年06月04日

2009NBAファイナル レビュー①

 いよいよ明日より、世界中のバスケットボールファンが最も熱狂する2009年度NBAファイナルが幕を開ける。

 まず、今年のカードを改めて紹介しよう。

 昨年の雪辱に燃える西の雄・ロサンゼルス・レイカーズと、次々と優勝候補を撃破し、勢いに乗るオーランド・マジックの対戦だ。

 それでは両チームの今シーズンを簡単に振り返ってみようと思う。


・ロサンゼルス・レイカーズ

 言わずと知れた現役最高級のプレーヤー、コービー・ブライアントと昨年途中から電撃トレードで獲得したPFのポウ・ガソルを中心とした、オフェンスが魅力のチーム。

 昨年、圧倒的な形でNBAファイナルまで勝ち進んだものの、ファイナルでBIG3率いるボストン・セルティックスに完敗。

 各々が雪辱を誓い、期待の若手センターのアンドリュー・バイナムと運動能力が抜群のSF、トレバー・アリーザが怪我から復帰し、万全な状態で開幕を迎えた。

 レギュラーシーズンはバイナムの怪我などあったものの、層の厚さで見事対応し、大方の予想通り圧倒的な強さを見せつけた。

 65勝17敗でレギュラーシーズンを終え、激戦必至といわれるウエストでいとも簡単に1位シードを獲得し、プレーオフへ突入。

 ファーストラウンドでも、実力のあるユタ・ジャズを4勝1敗と一蹴し、2年連続のファイナル進出は濃厚に見えた。

 が、続くカンファレンスセミファイナルでは2大エースを欠いた満身創痍のヒューストン・ロケッツに大苦戦。

 結局、第7戦までもつれこむというスキをみせてしまった。

 カンファレンスファイナルでは、今年アレン・アイバーソンとのトレードで獲得したチャウンシー・ビラップスが率い、エースのカーメロ・アンソニーが得点源のデンバー・ナゲッツとの対戦。

 今年、最も劇的に変貌したといわれる新生ナゲッツはシリーズ序盤、レイカーズを圧倒。戦況を有利に運んだ。

 しかし、最終的には地力で勝るレイカーズが徐々にナゲッツに対応して、経験の差を見せつけ勝利。

 
 こうしてロサンゼルス・レイカーズは2年連続のファイナル進出をきめた。



・オーランド・マジック

 シャック以来の怪物センター、ご存知“スーパーマン”ことドワイト・ハワードに、中・外問わないスコアラーのラシャード・ルイスとヒディエット・ターコルーがBIG3を形成する攻守バランスの良いチーム。

 今年は、上記の3人を引き続き中心に据え開幕を迎えるが、ハワードの同期入団のPG、ジャミーア・ネルソンがブレイク。

 オールスターに選出されるほどの活躍を見せ、それに導かれるかのようにチームも絶好調。その後ネルソンが右肩を負傷し、今季絶望となるものの、マジックのフロントの迅速な対応により、ロケッツからレイファー・オルストンを獲得し、被害を最小限にとどめた。

 結局、一時の勢いは衰えたものの、59勝23敗と好調をキープし、クリーブランド・キャバリアーズとボストン・セルティックスに次いで、東の第3シードとしてプレーオフに駒を進めた。

 プレーオフではファーストラウンドでフィラデルフィア・セブンティーシクサーズと対戦。

 シクサーズの予想外の奮闘に苦しむが、地力の差を見せつけ4勝2敗で次シリーズへ進出。

 セミファイナルでは昨年王者、ボストン・セルティックスと対戦。

 セルティックスが誇るNBA最強BIG3であり、精神的支柱でもあるケビン・ガーネットが怪我でプレーオフ欠場のうえ、控えのポウまで今季絶望という傷だらけの王者、セルティックスにマジックは大苦戦。

 セルティックスはチャンピオンとしての意地を見せ、レイジョン・ロンドやグレン・デイビス、優勝を望み何もかもを捨ててきた元スターPG、ステファン・マーブリー、エディー・ハウスなどロールプレーヤーが奮闘。

 先に王手をかけるも、ブルズとの大激戦を制したファーストラウンドと、またも死闘となった今シリーズの疲労が溜まり、ガス欠状態に陥ったセルティックスがホームで完敗し、マジックがファイナルまでの最後の難関、カンファレンスファイナルへと進出した。

 そして記憶に新しい、“KING”こと今シーズンのMVP、レブロン・ジェームズ率いる、今シーズンNBA最高勝率チームのクリーブランド・キャバリアーズとの対決。

 戦前の圧倒的キャブス有利との声をあっさりはねのけ、キャブスを一蹴。レブロンには平均40点近くを許すものの、その他のオプションを完全に封じ込め、インサイドもアウトサイドも完全に支配したマジックが完勝。

 
 1995年のシャック&ペニー以来、14年ぶりのNBAファイナルへ奇跡の進出を果たした。



引き続き、「2009NBAファイナル レビュー②」では両チームの戦力分析を行ってみようと思う。

posted by yorkmilds |23:36 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年05月31日

敗れし“KING”

こんな姿のレブロン・ジェームズを見たのはスパーズとのファイナルでスウィープされた2007年以来だろうか。

ましてや今季は、誰もがファイナルに出場する大本命と見られていた分、ショックは大きいはずだ。

戦力・技術・成績すべてが揃った今季は、レブロン含めて、多くの人間が優勝を現実的な目標に据えていたはずだ。

だが、結果は2勝4敗の完敗。

今シリーズで目立ったのは、レブロンの驚異的なパフォーマンスと勝負強さくらいであった。

得意のディフェンスも、インサイドでは覚醒したドワイト・ハワードに成す術なし。

かといって、ラシャード・ルイス、ターコルー、ピートラスやコートニー・リーなどウイングで待ち構えるプレーヤーも抑えることができなかった。

逆にキャブスは、インサイドではほとんどレブロンの得点のみに加え、ガード陣もレギュラーシーズンほどのシュートの精密さはなくなっていた。

ベンチポイントもマジックのほうが高く、レブロンの個人技に頼るほかは得点できない状況が多かった。

それでもほぼ独力で、2勝を挙げたレブロンの奮闘ぶりはすばらしいものであった。


だがキャブスは今オフ、またも補強の必要性が顕著になったはずだ。

まずはインサイドで確実に得点がとれる存在が必要だ。

ベン・ウォーレスはもはや重要な戦力ではなくなった。
バレジャオはベンチからの出場のほうが効果的である。

また、デロンテ・ウェストではサイズが小さいので、彼もベンチからの出場にしたいところだ。

ロン・アーテストをFAで獲得し、SGのスターターとして使えれば面白いかもしれない。

ザービアックのディフェンスも見てられないものがあったので、放出したいところだ。

インサイドの補強として理想なのは、クワミ・ブラウンやラシード・ウォーレス、タイソン・チャンドラーもいいかもしれない。

また、ジャズの手放すかもしれないどちらかのPF、ブーザーやミルサップ、クリッパーズが持つドラフト1巡目1位指名濃厚のブレイク・グリフィン獲得で、放出されるかもしれないランドルフやクリス・ケイマンも候補だ。

しかし、ブーザーに関してはキャブス復帰は考えにくく、ザック・ランドルフはケミストリーを悪くする可能性があるため、ないであろう。

しかし現有戦力では、優勝できなかった今、去年のモーリス・ウィリアムズのような効果的な補強が、もう一度叫ばれることであろう。

posted by yorkmilds |22:05 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年05月24日

神に選ばれし男 レブロン

昨日のNBA カンファレンスファイナル第2戦をご覧になっただろうか?

それは本当に凄まじい戦いだったのだが、結末はどの映画にも勝るとも劣らない衝撃の展開になった。

キャブス対マジック。

結果は、今をときめく現在最高のスーパースター、レブロンジェームズの劇的すぎる逆転3ポイント、しかもブザービーターで決着した。

これはキャブスにとっては大きい勝利で、マジックには重くのしかかるブザービーターとなるかもしれない。


2009年プレーオフ。

レギュラーシーズンを通して、8割を超える圧倒的な勝率を誇って優勝候補に躍り出たキャブス。

彼らはプレーオフに入るとますます勢いを増し、1stラウンド、カンファレンスセミファイナルをスウィープで勝ち進み、一気に優勝候補最右翼に指名されるようになった。

ーもはやレブロン率いるキャブスには、壁など存在しないー

そう思わせる戦いぶりであった。



一方、マジック。

ジャミーアネルソンを怪我で欠き、ロケッツから補強したレイファー・オルストンでなんとか対応して第3シードにてプレーオフ出場。

1stラウンドでは苦戦しながらも下位シードの76ersを退け、カンファレンスセミファイナルで昨年の王者・ボストンセルティックスと対戦。

KGやレオン・ポウを欠き、インサイドに難がある疲労一杯のセルティックスに対し大苦戦。

なんとか最終戦にて勝利し、ファイナルへの挑戦権を得た。



そんな両者の勢いの差は一目瞭然。
少なくとも私には、キャブス相手に2勝を挙げるのが精一杯だろうと考えていた。

それほど今のキャブスは強い。
試合勘が開き過ぎているとか、そういうレベルを逸脱した位置に辿り着いてしまったのではないか…

そう畏怖してしまうくらい、恐ろしいほどの強さを発揮していたキャブスだったのだが、カンファレンスファイナル初戦は意外な結果に終わった。

今季レギュラーシーズン・プレーオフ含め、43勝2敗と圧倒的な勝率を飾ったホームにて惜敗。

勝負所でのバスケットカウントをもらう辺りのレブロンはさすがであるし、49点を決めてしまう怪物ぶりも健在であったが一歩及ばず。


そして第2戦なのだが、両者にとって重要になる一戦である。

キャブスは圧倒的有利であるホームで2敗すれば、完全にマジック有利のシリーズへと変わってしまうからだ。

マジックはロードなので1勝1敗でも大きな前進なのだが、さらなる勢いを得るためには落とせない一戦であった。


そして肝心な試合の展開はというと、前半は絶対に落とすことのできないキャブスが有利に試合を運んだ。

特にペイントエリアでの得点を多く重ね、相手を得意の鉄壁のディフェンスで封じ込んだキャブスのリードは前半を終え、12点差まで伸ばす。

後半は、徐々に巻き返すマジック。

そして我慢して我慢して耐えてきたマジックがついに追いつき、その後は一進一退の攻防が続く。

強いて言うなら、ホームのキャブスが先手を打ち若干だが有利に感じる。

が、残り50秒、ターコルーの3ポイントで同点に追いつき、そのあとのキャブスオフェンスを守り切ったマジックはこの試合のラストプレーを絶好調のターコルーに賭ける。

こういう場面にターコルーは今季めっぽう強い。
そして期待通りに残り1秒で勝ち越しのジャンプショットを炸裂させる。

これで、マジックの勝ちは濃厚になった。

いくらNBAでも、そしてレブロンでもこの展開は厳しい。

1秒あれば、キャッチしてすぐシュートはできる。
だが、そんなことはみんな知っているし、3ポイントさえ決められなければ負けないマジックの面々は精神的に有利な立場に立っていたはずである。

が、冒頭で触れたようにレブロンはターコルーの好ディフェンスをものともせず逆転3ポイントブザビーターを決めてみせたのである。


この瞬間、思わず声をあげてしまった人は数知れないであろう。
もちろん私もその一人である。

なんせ当事者のレブロンですら
「キャリア最高のショット」
といっているくらいである。


あの劇的な瞬間を目の前にして私は再確認した。

ーレブロンは神に選ばれし男であるー

と。

そうとかしかいえない、重要な試合での劇的なドラマでなった。


やはり落とせない試合での活躍こそが、スーパースターであり、またその上を行く殿堂入りクラスのプレーヤーなのである。


そしてこれから始まるレブロン伝説の1つとして永遠に語られていく試合の1つになっていくのかもしれない。




依然、好調を維持しホームコートアドバンテージを奪ったマジックと、劇的な勝利で勢いが出てくるキャブス。

はたしてどちらがファイナルへと進むのか…


私にはどうしてもあのレブロン・ジェームズがここで負けるとは思えない…、そう感じてやまないのである。



posted by yorkmilds |20:30 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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