2009年07月05日

今改めて感じるSFの重要性

 2009年のファイナリストの両SFが移籍することになった。

 ロサンゼルス・レイカーズのSF、トレバー・アリーザがヒューストン・ロケッツに移籍合意したのに続き、今回はオーランド・マジックのヒディエット・ターコルーがトロント・ラプターズとの契約に合意したそうだ。

 ヴィンス・カーターを獲得した時点で、ターコルーがマジックと再契約する可能性はほとんどなかった。金銭的な理由は大きいだろう。そして、ターコルーが約10億の年俸を受け取るに相応しい活躍をしたのも事実なので、彼がビジネスライクな判断をすることも、これは仕方のないことだったように思う。

 しかし今季はSFの移籍が多い。

 もちろん、ターコルーを補強したラプターズはショーン・マリオンと再契約しないことが確実になり、また一人、優秀なSF(時にはPFも務める)を争う展開が始まりそうだ。


 現在のNBAでは、再びSFにかかる期待は徐々に大きくなってきている気がする。いまや優秀なSFを保有することが、優勝するための非常に重要なファクターになってきている。

 
 現在のNBAのSGには、点取り屋やアスリートが数多く存在する。コービー・ブライアントやドウェイン・ウェイド、ブランドン・ロイなど数多くのスターがいるのは誰もが知っていることだ。そんな彼らをマッチアップするのはたいていエースストッパーと呼ばれる存在だ。2000年代に隆盛を築いたサンアントニオ・スパーズに所属していたブルース・ボウエンを思い浮かべれば想像しやすいだろうか。

 彼は、ディフェンスは評価されていたが、その他のこと、特にオフェンスに関しては全く使い物にならないという評価に等しかった。だが、彼は、スパーズのシステムを熟知し、徐々に自分に必要なポジショニングとシュートエリアを把握し、最終的には3ポイント成功率1位に輝くまでに成長した。

 このことで、ただのエースストッパーから脱却し、なるべくしてSFのスターターに居座るようになったのである。


 そして最近では、SFにもとてつもないスターたちが現れ始めた。レブロン・ジェームズやカーメロ・アンソニーだ。ポール・ピアースなどベテランになってもまだまだ一流選手も存在する。この点において、より現在のSFには重要な役目が与えられることとなった。

 というのも、エース同士をあまりマッチアップさせたがらない傾向にある昨今のNBAにおいては、SGやSFに多く存在するエース級の選手を誰かが抑えなければならない。そんな折、ステップアップしなくてはいけないのが、最近のSFだ。(エースは除く)

 ただ、2000年代初頭のように、一芸に秀でた選手(エースストッパーやシューターなど)ではなく、今はスコッティー・ピッペンのようななんでもできる選手が求められている。

 ではピッペンのような選手とはどういった能力を持つ者か?
 

 *必要とあらば、進んでエースを抑え込む選手。
 *時にはPGのようにオフェンスをリードする選手。
 *時にシューターのように外から射ぬくこともできる選手。
 *リバウンドも積極的に獲れる選手。
 *アスリート性に富み、ランニングプレーが得意な選手。
 *ポストプレーもこなせる選手。 
 *エースの代わりができる選手
 *エースと併用時にも、自分の仕事をしっかりと見極めることができる選手。


 こんな選手はほとんどいないのだが、いかにこういう選手に近いプレーヤーを、チームにエース以外で持つかがキーポイントだ。実際こんな選手が存在すれば、即エースであるのだが。(レブロン・ジェームズや若かりし頃のグラント・ヒルなど)

 レイカーズにいたアリーザは昨日の記事で述べた通り、レイカーズに必要なディフェンスとランニングプレー、アスレティック性を主にもたらし、外からのシュート成功率もほとんどフリーだったとはいえ向上させた。

 マジックのターコルーは、チームの弱点と言われていたPGの働きも兼ねて、パスを循環させチームの円滑油となった。また、勝負強さもすばらしかった。

 ロン・アーテストはみなぎる気迫と闘志、そして経験でチームを引っ張り鼓舞し続けた。インサイドプレーはかなりの武器だ。

 もちろん彼らのチームが今シーズン成功を収めたのは言うまでもない。

 このように現在のNBAでは、エースと呼ばれる選手以外に、いかにこのように脇役でありながら、影からチームを支える存在が必要かを物語っている。

 今や、一芸だけではNBAのスターターになることは厳しくなっている。だからこそ、チームに忠実で、必要とあらばなんでもこなせる貴重なロールプレーヤーが重要なのである。

 脇役としてこのような活躍を期待されるマリオンにもきっと、優勝を狙う数多くのチームからオファーが舞い込むはずだ(条件は良くないかもしれないが)。

 それほど、今のNBAのSFにはラストピースとしての活躍が求められている気がしてならない。

 今のチームに足りない点を補完すること、これが最近のSFの主なる仕事だ。

 だから来季も注目してみてほしい。

 上位進出するチームには、すばらしいSFがいることを。
 

posted by yorkmilds |20:20 | NBAコラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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