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【巨人考17 Ⅱ】マシソン一極集中

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 ポッカリと、突然に姿を消した。そして、シーズン中一度だけ戻ってきたが、また消えていった。九年間見続けてきた光景がいきなり無くなり、九年間聞き続けていたコールが聞けなかったことはショッキングなことであったが、何よりいなくてもなんとかなってしまったことが寂しかった。  九年連続60登板という大記録を達成していた山口鉄也が、コンディション不良により登録を抹消されたのは5月23日のこと。夏場に一度復帰したが、打ち込まれるケースも多く抹消され、終わってみれば自身最少の18登板でシーズンを終えた。近年はかつてほどの投球が見せられなくはなっていたが、それでも左打者を相手にはキッチリと抑えていた。何より、百戦錬磨の経験を持つ男がブルペンにいないということは、ただでさえ先発陣が不安定な中で、若い中継ぎ陣の「手本」がいなくなったことでもある。

 ともすれば中継ぎ陣も不安定化し、投手陣の崩壊を招いてもおかしくはなかった状況を救ったのは六年目の助っ人・マシソンだった。今季もチーム最多59試合に登板、68イニングを投げて防御率は2.24。文句のつけようがない成績であり、この安定感が無ければ果たして四位で終えられたかどうかもわからない。 交流戦が始まると、チーム事情によりカミネロの抹消があって一時期抑えとしても登板した。終盤戦は2イニングや、先に投げていた投手の残した走者を背負っての投球というのも多くなったが、しっかりと抑えたこの男の存在感はあまりにも大きい。 そんなプレーでの貢献はもちろんだが、外国人選手を引き連れて食事へ行ったり、打たれた若い日本人の中継ぎ選手を真っ先に励ましたりと、プレー以外においても存在感が大きなものがあった。マシソンがいなければ中継ぎ陣も崩壊という最悪のシナリオは現実的なものになっていただろう。  これのことが表すものは、マシソンの存在感が大きすぎる故に、「マシソン一極集中」の状況だったということ。先発陣はマシソンに繋げば何とかなるし、中継ぎ陣もマシソンに0点でつなげればほぼ勝てるという状況に持ち込めた。首脳陣にも、ピンチになればちょっと早くてもマシソンをつぎ込めば何とかなるだろうという空気があった。

 その状況を作ってしまったのは、やはり澤村の不在が大きい。年俸1億5000万の選手の登板が無ければ、大幅減俸は避けられず、V逸・CS逸の要因として挙げられるのが普通である。  ただ、今年は先発陣と同じく想定外で予想外なことが発生してしまった。春先から肩のコンディションが上向かなかったのだが、その原因がなんとトレーナーによる鍼治療のミス、つまりは「人災」である。  澤村はキャンプを通しての参加はできていなかったわけだから、ミニキャンプのようなものを張る必要もあり、復帰の時期は早くても夏場だっただろう。その夏場に復帰できていたならば中継ぎ陣も昨年までと同じように、とりあえずは七回からの目途が経っただろうし、打撃陣の低調さを鑑みれば、澤村を抑えにしてカミネロを抹消し、ギャレットの起用というオプションも考えられた。  この「人災」がもたらしたものがあまりに痛すぎることは言うまでもないが、来年以降も澤村が投げられるのか、復帰できるのかが不透明ということが、戦力設計の足を引っ張ることになる。

 今年は山口鉄が不在だったとはいえ、代わる形で西村が久々に一軍で本来の活躍を見せてくれた。だが、ほかの中継ぎ投手陣が今一つという状況が続いたこともあり、勝っていようが負けていようが3点差までなら西村、という形になってしまったことはよろしくない。結果的に、最終盤で故障してしまったのだからなおさらである。もう少し、田原との分散があってしかるべきだったように思う。  ただ、山口の代わりというのは本来、FAで加入してきた森福に期待していたことである。その森福が、30登板、20イニングでは話にならない。ソフトバンク時代は左のワンポイントとしての起用が多く、それが嫌で出てきたのに、移籍後は左のノーポイントでは厳しい。もしも公文が残っていたなら…と考えてしまうのはしょうがないことだ。

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記事カテゴリ:
巨人考17
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マシソン
山口鉄也

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