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17.3.12 「荒れる春場所」

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 今年もこの時期がやってきた。NHKで選抜高校野球を中継する傍ら、4時から相撲が始まるというのに、空気を読まずNHK総合を参議院予算委が占める時期である。春場所が終わり、選抜も終わり、新年度予算が通ればいよいよ桜も開花だ。  そんなこんなで「荒れる春場所」も初日を迎えた。なんといっても注目は、実に2003年・平成15年初場所の貴乃花以来となる日本出身横綱として番付に名が記された稀勢の里。その貴乃花、若乃花、曙、武蔵丸以来となる四横綱時代を担う白鵬、日馬富士、鶴竜にも当然ながら注目がかかる。地元場所の大関・豪栄道には、「二人大関」を引っ張ることが期待され、昨年初場所以来でも4度目のカド番となる照ノ富士も注視していく必要があるだろう。  先場所大関から陥落の憂き目を見たが、今場所で10勝を挙げれば大関復帰となる琴奨菊、先場所上位陣を軒並み倒した御嶽海は関脇、初場所では関脇で7-8も、なんとか小結に留まった正代、再びの大関取りとなる高安、新入幕の業師・宇良など、名を挙げればきりがないほど注目力士は多い。

 初日の上位陣を振り返ると、豪栄道は地元で幼馴染の勢との一番を制し、角番照ノ富士は万全の相撲、大歓声の新横綱・稀勢の里は豪風を寄り切った。日馬富士は関脇陥落の琴奨菊に不覚、というとこれは失礼な言い回しかもしれないが、初日から土。鶴竜は御嶽海に危うい場面を作るものの、いつもの様にそこから危なげなく引き落とした。白鵬が正代に不覚を食ったのは想定外、本人の顔や見ている私としても、まさに不覚であった。

 ここ数年、初場所初日から九州場所二日目まで満員御礼が下がるのは日常の光景となった。遠藤、逸ノ城、照ノ富士、正代、御嶽海という具合に毎年のように新顔が出てきたこともあるだろう、日馬富士や鶴竜が横綱となり、稀勢の里が毎度毎度優勝争いに絡むこともあるだろう。しかしその根底には、これらの力士が大横綱・白鵬を破るのではないかという期待があると思う。人は白鵬の負けを期待し、白鵬は人の期待を裏切る。しかし、時たま期待に沿えば、歓喜の観客と、白鵬は衰えたと主張する解説とファン。  かつて長嶋茂雄は職業欄に「長嶋茂雄」と書いた-。そんな逸話もあるが、「白鵬翔」という職業も大変である。「勝って記事になるより負けて記事になれ」といろいろなプロの人が父親から教わったという話を聞くことは少なくないが、そうはいっても、だ。  そんな白鵬が、なぜ負けたのか見えない敗戦をしたのは意外であり、驚いた。日馬富士は負けたとはいえ先場所までの大関に敗れたのだからそこまでの衝撃はない。しかし、今まで全勝してきた新鋭相手にこの取りこぼしというのが、三月大阪場所が「荒れる春場所」たる所以なのかもしれない。

 本来であれば初日の前にすべきである今場所の予想を、初日を終えたタイミングで行いたい。競馬で言うところの本命には豪栄道を挙げたい。ケガ明けとはいえ、場所前の調整は順調と聞いている。あの全勝優勝から言葉にはしにくいのだが、相撲が変わったように見える。どこが変わったのかというと困るのだが、時間いっぱいからのムード、モードが変わったように思える。荒れる春場所を地元で制する可能性もありうる。  対抗は白鵬であろう。荒れる場所とはいえ、大阪に相性がいい白鵬。思い起こせば去年の春場所も初日に敗れてから全勝、そのまま夏場所は全勝優勝を飾ったのだからこの初日での心配は杞憂に終わってなんら不思議ではない。  無論、新横綱を忘れるわけにはいかないが、横綱昇進後というのはどうしても星が伸びない傾向にあるので、稀勢の里の連覇というのは薄いか。稀勢の里よりは日馬富士の方が可能性としてはあるのかなと思っている。  今場所の優勝争いのカギとなりそうなのが御嶽海と正代というように捉えている。どちらも実力をつけ、今日の取り組みでも御嶽海が勝っていてもおかしくない内容だったし、正代は白鵬を破った。この新鋭かつ将来を担う力士が、上位陣の「分水嶺」となるだろう。  新鋭はもちろん、実力者も揃うこの春場所。四人横綱ということがクローズアップされがちだが、全体として上位陣の力は拮抗してきたと言えよう。向こう10年の角界で一番面白い時期かもしれない、そんな春場所を楽しみたい。

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相撲
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白鵬
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