2009年01月06日

正月駅伝にみるスポーツブランドの活動

 毎年のことながら、元旦から3日間、実業団・箱根駅伝をテレビ視聴した。

 放映権を持つキー局の入れ込み方に特徴があり、実業団駅伝は力んでいて、箱根駅伝は比較的落ち着いた中継であったとの印象を持った。

 あくまで推測であるが、番組セールスの状況により制作費の削減等も影響が出ているものと思われる。

 二つの駅伝は企業・大学をPRする格好の場としての評価があり、出場するチームごと、テレビ画面を通じての企業・学校名の露出を図る。

 さて、出場チームは企業・大学のカラー・ロゴをあしらったウエアを着用しており、もう一つの競争が展開されている。

 アシックス・ミズノ・デサント・ナイキ・アディダス等のロゴが入れ替わりで画面に登場しているが、シューズまでカラーコーディネートされており、メーカーの力の入れようが推し量られた。

 チームに対する商談は高校駅伝などと同様に、メーカーが直接行うのが通例となっており、ここでも販売店はあくまで付随者である。

 そのためメーカー各社には大学競争部出身者が数名おり、監督と日常的な付き合いをこなしている。

 こうした仕組みの中で、選手たちの要求は、高機能製品の開発にインパクトを与え、メーカーにとっても重要な場であることは事実である。

 更に、トップの長距離ランナー達が着用するウエア・シューズは噴水効果と称されるように、上から下へと波及効果を及ぼし、ブランドの指名購入に繋がるとされている。

 ブランドにとっては謂わば定説と言われるトップ選手が使用する実績がマーケットシェアに直接影響するという図式が、駅伝においても何の疑問も無く行われている訳だ。

 投下するコストは決して低くはなく、箱根駅伝においてはミズノが特別協賛または協賛を行い、キャッシュと物品提供を行っている。

 推測であはるが1千万単位とされていて、テレビスポット料を加えると金額負担は大きい。

 長距離走者市場は数千万人とされているので、大きな市場である。この市場におけるシェア争いは企業業績に直結するため、マーケティング活動にも力が入る。

 年間を通じて毎週のように開催される市民マラソンにおけるブランドシェアがすなわち、実際の購買者層である。

 両駅伝における使用シェアがそのまま連動するか、その程度が如何なる割合か?その結果が業績に反映している点を注目してみたい。


 
箱根駅伝


箱根駅伝
箱根



posted by yasuhiko |11:08 | 企業スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2009年01月01日

企業スポーツのゆくえ~西武アイスホッケー廃部

 昨年夏以降、米国の経済危機に端を発した企業業績の急激な悪化はスポーツ界をも直撃し、国内では名門企業のスポーツチームが廃部に追い込まれた。

 さらに日本オリンピック委員会の収益事業であるスポンサー契約にも大きな影響を与えている。

 この中で象徴的な事例として西武アイスホッケー部の廃部が大きく報道された。

 アイスホッケーは5輪種目にもかかわらず我が国においては競技シーズン、人口が限られていることまたアリーナの観客収容数が少ないことなどの理由により、マイナー扱いされている。
 
 本来「氷上の格闘技」と称され、見るスポーツとして価値が高いスポーツなのだが、テレビ局もなぜか敬遠する。

 そのアイスホッケーを支えてきた西武が廃部した。西部グループ総帥であった堤義明氏の熱い思いと独特の事業観で日本のアイスホッケーをここまで持ちこたえてきただけに、複雑な想いに駆られる。

 記憶をたどれば1987の冬、当時の堤連盟会長からの要請を受けた広告代理店と連盟幹部から突然、札幌に呼び出され「連盟のスポンサーになれ」とのオファーを受け、驚いたことを思い出した。

 オファーは日本代表ジャージの背中・胸にブランドのロゴをいくらでも露出して良いから相応の協賛金を提供してほしいという内容であった。

 スポーツブランドとしてアイスホッケー日本代表のジャージに対してビジネスメリットは多くはなかったのだが、当時の堤会長の意向を否定する術もなく、すぐに契約をした。

 代表のジャージを見た堤会長は冗談で「日本代表は全員、水野という名前か」と述べたことを今でも思い出す。

 さて、スポーツに対する支出を宣伝費扱いすることが習わしとなっている我が国では、企業業績次第で選手活動が大きく左右される。

 市場原理主義といってしまえばそれまでであるが、業績立て直しの理由にされてしまう立場の弱さを、断ち切る術はないものだろうか。

 あまりにも短絡的であり、企業の社会的責任が問われると指摘する声も多い。

 当然、企業活動のひとつであるから、業務改善思考は必要であろう。 企業としてスポーツに取り組むことを宣言したからには、社をあげて支援する強い意志も勿論求められる。

 2009年日本のスポーツインフラが揺らぐことがないよう、関係者が危機感を持って取り組んで欲しい。
 

  

posted by yasuhiko |19:08 | 企業スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)
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