2007年07月04日

U-20日本代表が示した理想像

日本の理想とするサッカー、志向すべきスタイルとはどのようなものだろう?

U-20ワールドカップ初戦で若き日本代表イレブンが見せてくれたサッカーは、その問いに対する答えに近いものではないだろうか。

高いボールポゼッション、人もボールもよく動き、サイドを基点にチャンスを作る。
ディフェンス面では最前線から労を厭わずプレスをかけ、局面ではねばり強く体を張る。

そこまでなら今までの日本代表たちが見せてくれていた。
だが、カナダの地でU-20日本代表はもう少しアクセントをつけた進化版を披露してくれた。

まず1対1の勝負を果敢に挑んでいたということ。
梅崎司をはじめとして局面を打開できるからこそポゼッションに意味が生まれる。
ボールを保持してサイドで基点を作っても、バックパスでは相手ディフェンスは崩れない。
1対1の場面で勝負を挑み、打開できたからこそビックチャンスをつかめた。

さらにはシュートの意識の高さ、特に積極的にミドルシュートを多く放ったということ。
2点目の梅崎は相手のパスミスをカット、3点目の青山隼は相手クリアボールを拾ってのミドルシュートだった。これらの得点シーンだけでなく前半から内田篤人、柏木陽介などが積極的にミドルシュートを狙っていた。

言うまでもなくサッカーは点取りゲームであり、ボール保持が目的ではない。シュートという目的のためのポゼッションであり、フリーランニングである。
だが、理解していても実行することは簡単ではない。彼らは試合を通じてこのタスクを実行し続け、ミドルシュートのほとんどが枠を捉えていた。

吉田靖監督は試合後
「われわれの狙っているものがある程度出せた」と語っている。
この試合内容で「ある程度」だというのだろうか。

大会を通じてチームというのは成長していくものだ。
特に若い世代のチームであればその成長曲線は大きな弧を描く。

コスタリカ、ナイジェリア、そして決勝トーナメントに進めばさらなる強敵が待ち受ける。
その相手にも日本の理想像ともいうべきサッカーを示してくれるのだろうか?

若きイレブンの自己表現を楽しみに見守って行こうと思う。

posted by yanoshi |00:44 | サッカー | コメント(7) | トラックバック(5)
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2007年07月02日

森島康仁という才能

いよいよ開幕を迎えたU-20ワールドカップ。前回まではワールドユースという名称で開催されてきた大会である。この大会に臨む代表選手の中には、イビチャ・オシム監督率いるA代表へ召集された4人が含まれている。
GK林彰洋、DF内田篤人、そしてMFの柏木陽介と梅崎司である。フランス・グルノーブルへのレンタル移籍を経験した梅崎をはじめ、彼らは海外のクラブからの注目を集めている。

だが5月に行われた千葉合宿を見学した際に、最も興味を惹かれたのは森島康仁だった。
「デカモリシ」の愛称が示すとおり186cmの長身。さらに実際に見ると高さだけではなく横幅、そして体の厚みもあり重厚感たっぷりである。

森島は相手ディフェンスに一瞬で冷汗をかかせるストライカーというよりは、じっとりと脂汗を滲ませるフォワードである。ディフェンダーにとって90分間つねに集中力を切らさずにマークしなければならないというよりは、90分の間じわじわと恐怖心を植え付けられる存在だ。
ボクサーに例えれば一発KOパンチの恐怖はないが、ジャブやボディーブローを無尽蔵に打ち続けるタイプである。

5月の合宿最終日に行われたジェフ千葉との練習試合でも森島はセンタリングにヘディングで飛び込み、左右両足で重いシュートを放ち、ポストプレーに体を張った。左右両足、さらには長身を生かしたヘディング。そのいずれもがキッチリとゴールマウスを捕らえる。
ゴールマウスの隅にコントロールされたものではないが、大きく枠を外れないシュートを放つ印象がある。

ポストに入った際、特に足元に入ったボールへの扱いがやや雑などの課題はあるものの、スケールの大きさを感じさせる森島。ひたむきで感謝を忘れない性格も彼を成長させる大きな要素となるだろう。
セレッソ大阪の下部組織で育った彼はジュニアユースからユースへと昇格することができなかった。「神戸からの交通費もかかるのに親に申し訳なかった」フジテレビの特番でそのように語っていた。神戸の強豪滝川第二高校へ進学後プロとしてセレッソ大阪を選んだのは「見返してやりたかった」のだという。

柏木陽介、梅崎司という世界も注目する才能を輝かせるのは森島康仁という泥臭い男だろう。だが泥臭さ、というのもひとつの才能である。
まずはU-20ワールドカップ日本の初戦、スコットランド戦での屈強なディフェンダーとのバトルを注目して欲しい。

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posted by yanoshi |13:17 | サッカー | コメント(4) | トラックバック(5)
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