2007年05月07日
今回から「多摩川クラシコ」と銘打たれて行われた川崎フロンターレ対FC東京。本来なら第1回として数えられるはずの2007年5月6日に行われたマッチは、今までのJリーグでの対戦を尊重し「第11回多摩川クラシコ」として開催された。
多摩川を挟んで向かい合う両都市のクラブが対戦するこのカードを「クラシコ」として盛り上げて行こうという企画なのだが、命名が先に来る伝統の一戦というのも不思議な感じだ。
日本のクラブチームでの伝統の一戦といえば日本リーグ時代では日産対読売、J開幕以降では鹿島アントラーズ対ジュビロ磐田、最近のライバル関係としてはガンバ大阪対浦和レッズといったところだろうか。
基本的には長い歴史があり、重要な場面での対戦が連綿と重なり「伝統の一戦」と呼ばれるようになるのだろうが、先にクラシコと位置付けてしまうのもクラブ運営上の企画としては悪い考えではないだろうと思う。
雨にもかかわらず1万5千人近くの集客に成功したのも、両チームが共同で記者会見を行うなどプロモーション力も影響しているのではないか。
また、リーグ戦を闘う中でダービーやクラシコといったモチベーションの上がる要素が多いことは中位に位置している場合や過密日程、あるいはチーム状態が思わしくない場合など精神的な起爆剤として利用できるのではないか。
今回の対戦は川崎フロンターレが5対2と勝利し、多摩川クラシコ通算成績を3勝5分3敗と五分の成績とした。このマッチアップはゴールが多く生まれる対戦というイメージもある。
2006年のFC東京のホームゲームで5対4という大逆転劇の記憶も新しく、双方が攻撃サッカー志向ということもあって派手な試合になる可能性が高い。大量得点は時に大味な印象を与えるが、やはりゴールはサッカーの華。サッカーファン以外の両ホームタウンの人々がスタジアムに足を運ぶきっかけにもなるのではないか。
試合終了後、TV中継のインタビューに答える関塚監督、大橋選手のコメントからは「クラシコ」という言葉は発せられなかった。新聞その他のメディアにも戦前ほど「クラシコ」の文字を見つけることは出来なかった。
やはり、真の意味での伝統の一戦となるには長い年月が必要なのだろう。長きに渡って繰り広げられるであろうこの対戦を、いち川崎市民として見守っていこうと思う。
posted by yanoshi |22:42 |
サッカー |
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2007年05月05日
セレス小林との世界戦でアレクサンデル・ムニョスをはじめて目にしてからもう5年。当時ムニョスは現在のエドウィン・バレロのような破竹の勢いでKOの山を築いており、その頃がピークであったと思っていた。
その後、暴漢に脚を銃撃されたことなどもあって私の中でムニョスは「終わったボクサー」だった。その認識が間違いであったことを名城信男へ挑戦したWBAスーパーフライ級タイトルマッチで思い知らされた。
久々に見るムニョスに以前のスタイルとのギャップを覚えた。かつての荒々しいイメージは薄れ、力の抜けたナチュラルで伸びのあるパンチを放つ。それでいながらジャブは「ドスッ」と重厚感のある音を響かせ、名城の前進を止める威力がある。
連続KOの頃の爆発力はなさそうだが、それでも迫力充分。スムーズに連打が利きそうで厄介にも見える。右のボディーストレートを有効に織り交ぜ、バランスの良いオフェンスが出来るようイメージチェンジに成功しているような印象を受けた。
試合序盤、ムニョスはジャブとボディーストレートを有効に使い名城の接近を封じる。3ラウンドに名城が飛び込み際の左ボディーをきっかけにポイントを取ったと見るや、4ラウンド、5ラウンドとバックステップを多用し距離を取り絶妙にいなす。
もちろんただ下がるのではなく、重いジャブで名城にダメージを与えることも忘れていない。
中盤以降は名城がロープを背負う場面が増えてくる。徐々に名城にダメージが蓄積されたと見たのかムニョスはプレッシャーを強める。しかし、距離を取られていた展開よりは名城にもチャンスは増えた。
フック、特に左ボディーフックから顔面へのダブルが有効にヒットする。ただ、名城のパンチがヒットする際、必ずといっていいほどムニョスは手を出してくる。
ムニョスペースで進んでいた展開に変化が訪れたのは10ラウンドだった。左のボディーフックで突破口をひらくと顔面へのショートストレートで名城がクリーンヒットを取る。11ラウンド以降ムニョスが失速しただけに、明らかにダメージを負わせることに成功していた。
しかしムニョスはダメージをかかえながらも手を出し続け、正面で立ち止まることなく名城にとって嫌なポジションを取り続けた。試合序盤からボディーストレートを幾度もヒットさせ、スタミナを消耗させたことも名城の追撃を許さなかった要因だろう。
3-0の判定の結果、王座は移動することとなった。名城としてはムニョスの欠点でもあるボディーをもう少し有効に攻めて行きたかった。特に左ボディーから顔面へのコンビネーションが冴えていただけに惜しまれる。
名城のフックをダッキングでかわしつづけたディフェンス面を含め、バランスよく洗練された巧いボクサーとして私の目にムニョスは映った。「終わった」なんてとんでもない、迫力は影を潜めたものの今こそがムニョスのピークなのかもしれない。
posted by yanoshi |06:45 |
ボクシング |
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2007年05月04日
この試合に僕が願うことは、ただひとつだった。
挑戦者、本望信人選手の瞼の傷が開きませんように…
有明コロシアムで行われたトリプル世界戦の中でも、個人的に最も期待していたカード。WBAスーパーフェザー級タイトルマッチ、エドウィン・バレロ対本望信人。
王者バレロの強さを十分に認識したその上で、それでも本望の善戦を予感していた。ハイレベルな技術戦の応酬の末、6ラウンドから10ラウンドのKO決着を予想。
大いなる願望を込めて。
立ち上がりこそバレロのプレッシャーに押し込まれた本望であるが、クリーン・ヒットは許さず丁寧にブロックすることに成功しているように客席からは見えた。中盤以降は本望がリズムをつかみつつあるようにも見えた。
2ラウンドから毎回左目の上、右目の上、左目の下、右目の上とバレロのヒッティングによるカットという不安因子と引き換えに、ではあるが。
8ラウンド、ついにTKOの判断が下された。がっくりと膝を折り号泣する本望の姿が場内の大型ビジョンに映し出される。胸を締め付けられるような光景。
リズムをつかみつつあり、スタミナと手数に秀でる本望とすればここからが勝負どころだっただけに悔やまれるストップである。
試合終了後、有明コロシアムをあとにしようとした僕たちは、人垣のできている一角に気付いた。
近づくと試合のダメージの刻まれた痛々しい顔ながら真摯にファンに応対している本望の姿があった。
熱戦を労う者、写真撮影を求める者。どこかさっぱりした表情でそれらに快く応じる本望。
本望の日本タイトルを数戦観戦し、世界戦を熱望していた僕たちは本望がどんな思いでこの試合に臨み、どんな決断を下すであろうか想像できるだけに声をかけられずにいた。
多分人垣に囲まれた本望には聞こえなかっただろうが、僕たちはこの興行を観戦した素直な感想を口にした。
「MVPは本望だよ」
目線より高く上げたガート、きびきびしたフットワークのヒットアンドアウェイ、ヘッドスリップでバレロの強打をかわし、瞼をカットしてのTKO…
ストロング・ポイントもウイーク・ポイントもすべてひっくるめて本望信人というボクサーを世界戦の舞台でしっかり表現できていたのだから。
posted by yanoshi |05:53 |
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