2007年04月11日
取材対象との距離感
松坂大輔投手が華々しくメジャーデビューを飾った直後からメディアは様々な角度からその歴史的一日を検証していた。松坂投手本人、あるいは関係者、地元や日本のファンなどあらゆる視点から快挙を伝えていた。 とあるテレビ番組では女性の著名なスポーツライターが松坂投手についてのコメントを述べていた。親しい間柄なのだろう、通常の取材ではうかがえない松坂投手と夫人とのやりとりなど貴重な情報を与えてくれた。 だが、違和感と不快感も同時におぼえてしまった。 最初は私の聞き間違いかと思った。しかし以後の女性ライターのコメントを注意深く聞いているとその表現は繰り返し述べられた。 「松坂が…」「松坂が…」「松坂が…」 その女性ライターにとって松坂投手は遥かに年下である。もしかしたらプライベートでの親交があって、普段は呼び捨てにしているのかもしれない。伝える側、伝えられる側という立場の違いを排除して、広い意味でスポーツ業界の先輩・後輩であるとしてもその関係性において尊敬は必要なのではないか。もちろん伝える側、伝えられる側相互に、である。 実況やニュースの報道、あるいは文章での論評などの中では敬称は略されるのが通常であるが、テレビというメディアで取材対象の人となりなどを取材者本人が語るのである。投手、選手といったプレーヤーに対する敬意をこめた表現をすべきだったのではないか。 幸にも私にはプロサッカープレーヤーの友人がいる。正確には友人がプロサッカープレーヤーになった。6つも年下であり彼が一介の高校生である時に知り合った私は、彼とプライベートで話すときは敬称を使うことはない。 しかし、公の場に発表するような文章として執筆するときには敬意をもって表現してきた。もしメディア向けにコメントを求められるようなことがあれば、少なくとも呼び捨てにするようなことはない。 アスリートと取材を行う者は、ある程度の距離感と敬意を保ってこそビジネスとして成り立つ関係なのではないかと私は思う。プライベートでの関係性をオフィシャルな場に持ち込んでしまうのはプロフェッショナルな仕事ではない。
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posted by yanoshi |23:50 |
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