2007年03月20日
1976年のアントニオ猪木
1976年のアントニオ猪木 という書籍を読んだ。 僕がこれまで読んだプロレス関連、及び格闘技関連の書籍の中で一番面白く、深かった。 1976年、アントニオ猪木は突如として、それまでの日本のプロレスを越えた世界観をファンに提示して見せた。 2月 ウィリエム・ルスカ戦。 6月 モハメド・アリ戦。 10月 パク・ソンナン戦。 12月 アクラム・ペールワン戦。 アントニオ猪木が実践したこれらの異種格闘技戦は、現在の総合格闘技へと続く『パンドラの箱』を開けた…などとよく言われてはいたが、実際に僕はそこまでに至る背景や、当時のアントニオ猪木の立ち位置、社会的な影響力など余り知らなかった。 そして、この4試合の中でも、どれがリアルで、どれがフェイクかすら、僕は知らなかった。 この4試合は、全て僕が生まれる前の話だ。 近年の総合格闘技を見ていると、よく「猪木-アリ状態」などと言われることがあるが、その「猪木-アリ状態」というものも、僕はわずかな映像と写真でしか見た記憶がない。 この4試合で、それまでのプロレスがどう変わったのか、社会的にアントニオ猪木という人物がどのような影響力を持つに至ったのか、プロレスや格闘技というジャンルにどのような価値観を生み出したのか等、僕はこれまで漠然としか情報を持っていなかったので、非常に興味深かった。 この作者は、当時のアントニオ猪木を初め、これらの試合に関わったほぼ全ての世界中の当事者にインタビュー取材をしており、異常に信憑性が高い。 だから面白い。 そして、長年に渡ってアントニオ猪木の原動力の源になっていたのは、プロレスの帝王・ジャイアント馬場への劣等感だった…という事実が、とても印象深かった。 そういえば僕の幼少時代、しばしば父親に連れて行ってもらっていたプロレス観戦で、やたら恐ろしく印象的だったのが、確かタイガージェット・シンvsアブドラーザ・ブッチャー、アントニオ猪木vsマサ斉藤、アントニオ猪木vsタイガージェット・シンの試合。 彼らが入場するだけで、それまでの会場の雰囲気がガラッと変わり、悪の巣窟のような重い空気になったのを覚えている。 今考えたら、あの雰囲気を作り出すのは凄いと思ってしまう。 この本を読んでいたら、様々なリアルな描写に、あの当時の雰囲気を重ね合わせてしまっていた。 毎週ゴールデンタイムにプロレスに熱中できた昭和が懐かしく思える今日この頃だ。
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posted by ヤンマー@ |23:45 |
アントニオ猪木 |
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