2009年11月28日
今回は2009インカレ女子2回戦、大阪体育大(大体大)と立命館大(立命館)に注目した。昨年の大体大には渡部(WJBL・デンソーアイリス所属)という3Pシューターがいた。竹本茜(F:171cm/4年)と渡部の2枚看板は安定かつ攻撃力抜群で、どちらか調子が悪くても、片方が攻撃の起点となった。今年の大体大は竹本中心。大体大の攻撃はほとんどが竹本から始まる。「竹本が抑えられたらどうなるか」という視点で、ゲームをチェックしてみた。
◆爆発した前半
1Qから大体大の竹本がゴール下で爆発した。ローポストでボールをもらった竹本はドリブルで相手を押し込み、そこからフェイダウェイジャンパーを決める。そのシュートは高確率で、ひとりでは止められない状態だった。残り3分07秒、大体大全得点の14点中10点を叩き出した。
◆竹本を止めろ!
竹本にしびれを切らした立命館はタイムアウトを要求。竹本にボールを入れさせないディフェンスが始まる。まずボールを竹本に入れさせないようにボールマンにプレッシャーをかけ、もし入ってしまった場合でも、ダブルチームを仕掛けた。その結果、大体大の得点は止まってしまう。タイムアウトが成功した立命館はその後、得点を重ね、1Q終了時16-12と大体大の4点リードで折り返す。
◆恐ろしく強気
1Q後半から抑えられ始めた竹本だったが、彼女はそんなことでは全くひるまなかった。2Qは再びローポストを取り、攻め始める。立命館は押し込まれないように、竹本をゴールから遠ざけようとプレッシャーをかける。だが、竹本は意地でゴール下のポジションを取り、またぐいぐいと腰でディフェンスを押していく。これが立命館のファウルを誘い、再びダブルチームを仕掛けるが、竹本はうまく対応。ディフェンスを引きつけ、田上(G:157cm/4年)と瀧井(F:178cm/3年)の3Pを演出した。2Q終了時で、35-21。大体大の14点リード。
◆竹本は止まらない!
3Q、ゴール下を支配した竹本はさらに勢いに乗る。インサイドのポジションが取れないと見るや、外へ出て、そこから1ON1を仕掛ける。ディフェンスが下がっていれば3Pを打ち、当たってくればドライブからファウルを誘う。
試合の流れは完全に大体大へ傾いていたが、竹本は気を緩めなかった。「リバウンドだよ!リバウンド!!」と大きな声でチームメイトを鼓舞しながら、何度も何度も手を叩いた。立命館はゾーンディフェンスで対抗するが、穴を見つけて得点するのはやはり竹本だった。スルスルと抜けていき、シュートを決める。3Q終了時で61-31とダブルスコア。4Qも終始ペースを握った大体大は77-47で、3回戦へと進んだ。ちなみに、竹本はこの試合、27得点(3P:3/5 2P:7/9)7リバウンド4アシスト2スティールだった。
◆簡単そうだが・・・
この試合を見ていたバスケットボールの関係者は「竹本を止めるには前に立ってボールをもらわせないようにしないとだめだ」と言った。私も同感だった。大体大は竹本が絡まないと不安定で、最後は広倉(F:163cm/3年)のドリブルからの1ON1しかない。竹本が絡むと、シュートも高確率で決まり、彼女さえ止められれば、大体大に勝つのはそう難しくないと思えた。
だが、翌日の3回戦、大体大と山形大の試合でも竹本は止まらなかった。まず制限区域内でスイングする味方にスクリーンをかける。その後、どちらかのローポストで味方センターと2枚で並び、センターが外へ出て、竹本はローポストのポジションを取る。山形大は竹本の攻撃を抑えられず、ファウルを連発。この試合も88-51で、大体大は準決勝へ進んだ。ちなみに、この日の成績は14得点(3P:1/3 2P:3/5)7リバウンド4アシスト1スティールだった。
◆経験と自信
竹本を最初に目にしたのは2007年に行われた愛知のインカレだ。決勝は大阪人間科学大学との対戦だった。序盤で足を負傷した竹本だったが、素早い動きができないと判断すると、ゴール下を果敢に攻め、フェイダウェイを連発しながら得点を重ねた。ちなみに、当時大学2年生だった竹本の、この決勝戦の成績は25得点(3P:1/2 2P:10/19)を挙げた。
2009年のインカレでも、動きを見ると、やはり万全ではなさそうだった。怪我を抱えながらプレイしている感じだった。たしかに、怪我なんて自己管理が足りないという厳しい意見もあるかもしれない。だが、一流の選手は怪我とうまく付き合いながらプレイするものだ。
竹本の良さはどんな苦境にも対応する能力と経験があることだ。怪我をしていても、平均20点は計算できる。ダブルチームされても、味方をうまく生かせる。それが大体大の強さなのかもしれない。
◆今年の優勝は・・・
大学1年生の頃からスタメンで活躍してきた竹本。高校時代の成績を見てみた。インターハイ、ウィンターカップと1回戦敗退がほとんどだったが、高校1年生のときから1試合30点を取ることもあった。高校時代平均27.8得点(インターハイとウィンターカップの計9試合平均)。学生日本代表で世界の強さをも体感してきた大体大のエースはそう簡単には止められない。
今わかっていることは、『竹本にボールを持たせないディフェンスをしたチーム』か『大阪体育大学』が優勝するということだ。
<参考資料>
■第61回インカレのパンフレット
■第61回インカレのHP
'<以前の大体大の記事>
■竹本茜 2007インカレ⇒
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/yanahi-/article/36
■渡部真代 2007インカレ⇒
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/yanahi-/article/34'
posted by yanahi- |01:24 |
2009 女子インカレ |
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2009年11月26日
10月23日、大学女子NO.1を決めるインカレが始まった。今年のインカレは拓大(拓殖大)が実力2~3つほど抜きん出ていて、それを筑波大、大体大(大阪体育大)、人科(大阪人間科学大学)が追っている。そんな勢力図となっている。
そのインカレで私がもっとも印象に残った試合は上記の大学ではなかった。関東11位の順天(順天堂大)と九州1位の鹿屋(鹿屋体育大)の試合だった。
◆個人的予想
順天はとにかく一生懸命がんばるチームだ。今年も4度、順天のバスケを見る機会があったが、オフェンスもディフェンスもなりふりかまわずがんばる。エースがいるわけでもなく、長身の選手がいるわけでもない(順天の最長身選手は174cm。ちなみに、拓大の平均身長は172.6cm。強いチームには180cmを超えるビッグセンターが必ずいる)。インカレでは残念ながら、まだ勝ち抜けないだろうと思っていた。
◆怒涛の1Q
ところが、最初に流れをつかんだのは順天だった。ゾーン(のような)ディフェンスで、相手がコーナーへ行けば、必ずダブルチームを仕掛けた。さらに要所でオールコートのゾーンプレスも機能し、敵の攻撃時間を奪ってしまった。ギャンブル的要素が強かったが、順天の足がとにかくよく動いていて、鹿屋は圧倒されミスを連発した。
また、もうシュートを打たれてしまう状況でも、必ず最後まであきらめずチェックに行った。そして攻撃で驚いたのは順天のルーズボールの反応だった。平均身長で鹿屋に4cmほど劣るものの、その執着心は王者・拓大に匹敵するほどの勢いがあった。そう感じた。鹿屋はほとんどシュートが打てず、1Q終了時で24-6と順天がリードした。
◆鹿屋の反撃2Q
順天のゾーンに慣れてきた鹿屋はボール離れを早くし、ノーマークを作り出す。井上望(SG:162cm/1年)、小池(F:179cm/4年)、井上愛(SG:171cm/2年)らの計7本の3Pで反撃を開始しする。順天もタイムアウト後から自分たちの流れを作ったが、2Q終了時には44-35と、鹿屋が追いつく展開となった。
◆ほぼ互角の3Q
序盤に鹿屋が猛攻をしかけ、残り4分で46-46の同点まで追いつかれる。だが、苦しいところで順天の中澤(PF:170cm/4年)が3Pを沈め、ここから調子を取り戻し始める。ルーズボールに飛び込む順天のバスケを見ていた他チームの選手は「順天凄い!」と、その後、言葉を失っていた。3Q終了時で、59-56。
◆執念の4Q
順天、増子(PG:168cm/1年)のリバウンドショットからスタートした最終クォーターはまさに死闘の始まりだった。順天の中澤はうまくコースに入り、チャージングを誘い、流れを作る。鹿屋も負けずにディフェンスし、お互いの意地はルーズボールにあらわれた。その激しさは両チームから2人の負傷者を出すほどだった。ファウルすれすれ、いや、もうふつうならファウルとコールされる状況だったかもしれない。ただ、両チームのひたむきな姿が審判に笛を吹くことを躊躇させた。そんな好ゲームだったのだ。
残り1分55秒、鹿屋はタイムアウトを取る。得点は73-80で、順天ボール。すでに順天が力尽きた感じだった。だが、決してあきらめないのがこの順天堂女子バスケットボール部の強さだ。戸村(SG:165cm/4年)、中塚(C:173cm/3年)のロング3Pが決まり、会場からどよめきが起こった。残り14.5秒で79-80と1点差に迫った順天だったが、ここで力尽きた。79-84。
◆楽しいバスケ
順天のバスケを見ていると、いつも感じることがある。それはみんなが1つになっていることだ。コートにいるメンバーはもちろん、ベンチの選手は味方のシュートに飛び跳ねて喜び、応援席も楽しそうに応援している。応援にかけつけた男子も、応援席の女子と一緒に応援歌を歌い、その歌に合わせ、コートの反対側にいる方(おそらく選手のご両親)もタオルを掲げながら揺れる。また、試合前の鹿屋のスタッフ・選手が紹介されるとき、一番手を叩いていたのは順天の応援席だった。戦う相手だったとしても尊敬を忘れない。その光景に、順天というチームの素晴らしさを知った。
◆1部昇格大本命
1回戦敗退。その結果は変わらない。しかし、来年の関東2部リーグ中心はまさにこの順天になるだろう(2009年2部リーグ3位)。積極的にシュートを放ち、チームトップの18得点を取った牧野(C:174cm/1年)。そして同じく浦和西高出身の増子と桃木(G:168cm/1年)の元気なガード。この3人が入り、チームに刺激が加わった。日に日に良いチームに成長するこの関東11位は、見る者に勇気と感動を与えてくれる。
<参考資料>
■第61回インカレのパンフレット
■第61回インカレのHP
⇒http://intercollege.jabba-net.com/2009/box.html?matchno=204
posted by yanahi- |01:48 |
2009 女子インカレ |
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2009年11月11日
今、グラチャンで盛り上がるバレーボール日本代表。昨日行われた女子の日本VS韓国戦は試合前からテレビで取り上げられ、期待は膨らんでいた。結果も日本が3-1で勝利し、良いスタートを切った。
さて、そのバレーボールでふとおもしろい話を耳にした。某テレビ局が主催する試合では、CM(コマーシャル)になると、審判のところにあるランプが点灯するそうだ。赤いランプのときはCM中、青いランプのときはオンエアー中らしい。赤いランプのときはCM中なので、試合を始めないように徹底されているという。これが事実ならば、こんなところにも商業主義の影響が現れているということになる。
なぜなら選手や(視聴者ではない)ファンには全く関係ないことだからだ。会場に来ているファンたちはテレビの都合で2~3分ほど待たなければならないし、選手もCMが終わるまでサーブを打てない。集中力を高めている選手にとっては勘弁してほしいルールだろう。まさに、テレビを放映する側だけの都合だ。
こういう話は他にもたくさんある。たとえば、アトランタ五輪では競技場の中に、○○○○○というドリンク以外持ち込んではいけないという決まりがあったそうだ。これもうちの商品だけ売りたいという商業主義だろう。また北京五輪でもテレビの放映時間に合わせて、競技日程を組んでいる。決勝が夜になるように、予選は午前中に済ませておく。選手側はそれに合わせてコンディションを整えなければならない。またフライングのことなども、放映時間内に終わらせるためのルール変更だろう。
だが、商業主義がすべて悪いわけではない。それがスポーツを発展させてくれるのも間違いないことだ。選手のことも考えなければならないし、そのスポーツ界のことも考えなければならない。とにかくバランスが必要なのだ。
とはいってみても、あまりにも露骨な商業主義は見る人の興味をも奪い去ってしまうのではないか。スポーツにより、あまりにも大きな金銭が動く時代になった。だからこそ、もう一度スポーツの在り方を考える時期にきているのかもしれない。
posted by yanahi- |05:55 |
バレーボール日本代表 |
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