2008年02月29日

小さかったら走りまくれ 吉田亜沙美(ファイナルをふり返って)

 負けてしまったJOMOサンフラワーズ。その中で、最後まであきらめず必死に走りまくったのが
 #12 吉田亜沙美(G:165cm)だった。

 06-07(昨シーズン)、新人王を獲得した吉田。今まで彼女のプレイをしっかり見たことはなかった。じっくり見たのはこのファイナルが初めて。一体、どんなプレイをするのだろうと注目していた。
 噂では攻撃的な選手と聞いていたので、そんな先入観があった。だが、実際、プレイを見てみると、こんなにディフェンスに力を注ぐ選手を私は見たことがなかった。

 
 最も印象に残ったのは第5戦の3Q。JOMOの攻撃がうまくいかない中で、ひとりだけオフェンスリバウンドへ何度も何度も飛び込みを見せた。ベンチリポートの大山氏も「(ボールが)落ちてくるところにくるもんね~」と吉田の動きに驚きを隠せなかった。彼女にはボールの落ちる場所を瞬時に察知する能力が抜きん出ている。それは動物的感覚とでもいえばわかりやすいかもしれない。それが苦しいJOMOのオフェンスをつないだ要因となった。
 小柄ながら、ひとりで5試合ずっと走り抜いた。JOMOの中心C山田(192cm)の機動力のなさをカバーし、あらゆるところに顔を出し、味方が抜かれた場所へヘルプディフェンス。過呼吸でダウンする場面も見られたが、2年目とは思えぬ度胸と走力に脱帽だった。

 ファイナルの個人成績を見てみると、
試合目→ST・BL、
試合目→ST、
試合目→ST・BL、
試合目→ST、
試合目→ST・BL
(注釈)ST→スティール BL→ブロック
と、やはりディフェンス力が光る内容だった。ファイナルの吉田の平均ST数は3.00。ちなみに現在のNBAでのST王はニューオリンズ・ホーネッツのPGクリス・ポール。平均ST数は2.67である(08/03/01現在)。これも余談だが、昨年のWJBLのST王はデンソーの小畑亜章子。平均ST数は2.68である。この3.00という数字の凄さがおわかりになるだろう。またこの身長でこれだけのブロックをする選手もそういない。自分よりも大きい相手をブロックするというのは、想像以上に難しいものだ。

 またオフェンスでは、JOMOの司令塔PG大神(170cm)をサポートするセカンドガードとして、素晴らしい活躍をしていた。自分が中心になれる力はあるのに、脇役に徹していた。常に味方に良いアシストを配給し、チームの調和を大切にしていた。
 第5戦、大神が不調だった。そのときは自ら積極的に攻撃をしかけ、3Pも高確率で沈めていた。


 「トリッキーな動きとスピードは世界に通用すると思います」。そう、東京成徳高校の下坂監督も語ってくれた。吉田がより攻撃的になれば、JOMOの穴は少なくなるだろう。来シーズンの吉田(3年目)から目が離せなくなりそうだ。





<参考資料>
●NBA.com→http://www.nba.com/statistics/
●WJBLのHP→http://www.wjbl.org/topics/
●08オールジャパンのパンフレット

posted by yanahi- |00:05 | WJBL | コメント(4) | トラックバック(0)
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2008年02月20日

ホーナセックのおかげ

 ジェフ・ホーナセック。193cm、86kg。SG。彼のプレイを見始めたのは、1995年ぐらいからだと思います。

 「ユタ・ジャズには素晴らしいPG、ジョン・ストックトンがいる」「一度、ジャズのバスケットボールは見た方が良い」。そう知人に言われ、BS1をつけました。解説者がしきりに「ストックトンに似ていますね~」と連呼していました。それがホーナセックでした。

 外見はどうみても……バスケをやりそうな感じはしませんでした。真面目な営業マンか、銀行員にしか見えない。七三というか八二ぐらいに分かれた髪型。きゃしゃに見える身体つき。その時の印象ははっきりいって、かっこよくはありませんでした。ですが、そこからずっとジャズのバスケを見ているうちに、彼に対する印象は徐々に変わっていきました。
 当時のジャズのオフェンスの形に、UCLAカットというのがあります。1-4といって、PG1人だけトップに置き、あとはハイポスト上に4人が並ぶフォーメーション。PGが左右どちらのハイポストも使えるので、守りにくい攻撃です。
 このとき、ストックトンと2人で、PFカール・マローン(当時、オールスタープレイヤー)をフリーにするため、身体を張ったスクリーンを何度も何度もかけるのです。そして隙を見て、自分がフリーになると、高確率のシュートを決める。さらにしっかりとマローンに絶妙なパスを送ります。バウンドパスあり、タップパスあり、ループパスあり。
 ホーナセックは決してオフェンスの核とはなりません。まず、周りを使い、そして自分が生きるのです。この3人のトライアングルは無敵だと思いました。同じプレイなのに、守れない凄さ。


 さて、オールスターで3P王にもなったことがあるホーナセック。シュートが上手い。でも、最も彼が輝くのが、ファウルゲームです。フリースローは平均90%近い確率を持っています。当時のジャズはフリースローが上手い選手が多く、ホーナセック、ストックトンにはまずファウルできませんでした。2人にファウルすれば、間違いなく2点入れられるからです。その他にも、ブライアン・ラッセル、グレッグ・フォスターなどみんなそれなりにフリースローがうまかったと記憶しています。狙われたのがマローンでした。70%そこそこだったと思います。

 
 ホーナセックで思い出に残っているのは……

 フリースローのときです。必ず、自分の左頬を何度か触ります。NBAプレイヤーは移動が多く、なかなか家に帰れません。そんなとき、自分の子供に手を振ってほしいと頼まれたそうです。さすがに試合中にそれは無理なので、左頬を触るという行為が生まれたといいます。家族想いですね。ホーナセックといえば、このしぐさが今でも語られています。


 スタープレイヤーにみんな、なりたがります。ですが、そのスターの活躍は周りの協力があって、初めて成り立ちます。マイケル・ジョーダンもしかりです。
 私は彼に、人を生かすことを学びました。アシストやリバウンドなど直接数字が残らなくても、できることはある。そういう数字に残らないプレイもバスケットボールには必要だと。それがとても大事だということを。ホーナセックは私の大好きなバスケットボールプレイヤーの1人です。
 私はシュートが下手なので、そういうシュートの上手い人を生かすことは今でも常に心がけています。こんなことをいっては彼に怒られるかもしれませんが、ホーナセックは私の師匠です。

posted by yanahi- |16:14 | やなひ~思い出日記 | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年02月12日

観客数はどのぐらい?(07愛知女子インカレ)

 かなり前の話になるのですが、昨年の11月20日~25日まで行われていた愛知女子インカレの話をしたいと思います。

 私は実際、会場に足を運びました。場所は愛知県千種区にある千種スポーツセンター。初日はあまりお客さんが入っていませんでしたが、準決勝・決勝はかなり多かったように感じました。実際、どのぐらいの観客数があったのか。それはインカレのHPにもどこにも公表されていませんでした。
 そこで、女子インカレを運営していた某バスケットボール連盟の方にメールで伺いました。

 20(火)→514名  21(水)→503名  22(木)→505名   ☆青⇒平日
23(金・祝)→789名  24(土)→680名  25(日)→892名   ☆赤⇒土日祝

これは実際にチケットを購入していただいたお客さんだけの数字です。これに関係者の数を加えてみましょう。
ただ関係者に関しては正確なデータがありませんので、おおまかな数字をプラスしてみます。インカレ出場チームが32チーム。トーナメントということを考慮すると、最初の2日間の場合、16チームが試合を行います。初日は開会式ということもあり、多少多いかもしれませんが。1チーム30人と考えてみます。
●20・21日→〔16チーム×30人〕+〔その他関係者は仮に120人としました〕=600人
●22日   →500人(平日なので、多少減ると推定)
●23~25日→700人(土日祝なので、多少増えると推定)

20(火)→1114名  21(水)→1103名  22(木)→1005名   ☆青⇒平日
23(金・祝)→1489名  24(土)→1380名  25(日)→1592名   ☆赤⇒土日祝

 千種スポーツセンターの収容人数は1136席(2階席。関係者の一部とマスコミ等は1階席(フロア)を使用)です。しかし、自由席なので、1つの席に必ず1人が座るとは限りません。荷物が置かれていたり、列の真ん中などはどうしても1~3席ぐらい空いてしまうという状況は致し方ないところ。そう考えると、実際、有効な席は1000席ぐらいでしょう。すると、全ての日が100%以上となります。

 実際、24日準決勝。2階席が飽和状態となり、急遽、1階席(フロア)にパイプ椅子で席を増設。「関係者はフロアで観戦してください」と連盟からアナウンスが流れました。ただ、対応は後手後手でした。そんなにたくさんのお客さんが入ると思わなかったのでしょうか。バスケットボールはそんなに魅力がないのでしょうか。ちょっと悲しくなりました。
 この増設により、フロアに400席ができました。つまり24日準決勝・25日決勝は1536席のキャパシティーとなるので、有効席数はおよそ1400席となります。それを考慮しても、決勝はキャパシティーオーバーです。




 会場周辺と愛知県今池駅の周辺で、あるアンケートを行いました。「今、千種区で、バスケットボールの大学NO.1を決める 女子のインカレが行われているのですが、知っていますか?」と。30人に聞いた結果、誰一人首を縦に振ってくれる方はいませんでした。名古屋シティーマラソンは知っていても、バスケットボールのインカレは全く愛知に浸透していませんでした。本当に残念です。(アンケートのサンプル抽出方法に関しては、ランダムです。多少問題あるかもしれません)
 地域開催をするのであれば、もっとその地域の方に情報を提供し、協力を呼びかけるべきだと思います。そしてこの大会を盛り上げることで、開催地の方々に、よりバスケットボールの魅力を伝えていく。そういったことが日本のバスケットボールをメジャーにするきっかけになるのだと思います。



 
 しかしながら、ほとんど宣伝がなくとも、これだけの人数を集めることができる。すなわち、バスケットボール=魅力があるスポーツになるのではないでしょうか。
 『学生スポーツは商売ではない!』。そんなご意見もあるかと思います。たしかに、多くの宣伝をして、観客数を増やし、入場料収入やグッズ売り上げを目的とする。それは学生スポーツとしてNGでしょう。
 ですが、盛り上げなければ、そのスポーツも発展しない。これは……大学NO.1を決める大会なのです。実際、生で試合を見た筆者の感想を言わせていただければ、優勝した大阪体育大学をはじめ、たくさんの素晴らしい試合がありました。感動は世の中の人々に伝えていくべきです。

 そう考えると、千種スポーツセンターという会場ではキャパシティー的に無理があったのではないでしょうか。「準決勝・決勝は入場制限をするかもしれませんので、お早めにお越しください」。そう、連盟の方には言われました。ですが、バスケを見たい方に、どうして見せてあげないのでしょうか。それはバスケットボールの発展を妨げている気がしました。

 ただ連盟の方を批判しているのではありません。今後の日本バスケットボールのために、連盟の方にはよりがんばっていただきたい。だから敢えて言わせていただきました。そして、バスケットボールの選手・関係者がみんなで力を合わせて盛り上げていく。みんなの気持ちが1つになれば、野球やサッカーと並ぶぐらいの人気あるスポーツになる。そう信じています。

 日本バスケットボールの素晴らしさを伝えていく。それが私の夢であり、使命だと思っています。


 

 
 


<取材協力>
●千種スポーツセンターの職員の方
●某バスケットボール連盟の方
<参考資料>
●千種スポーツセンターのHP⇒http://www.nespa.or.jp/shisetsu/chikusa_sc/index.html
●07インカレのパンフレット

posted by yanahi- |01:07 | やなひ~思い出日記 | コメント(1) | トラックバック(0)
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