2008年10月29日

大胆不敵な決断 山梨学院大

 どうしたことだろう。入れ替え戦、開始3分前の笛がコートに鳴り響いたにもかかわらず、山梨学院のベンチはなんとユニフォームを着ている選手が5人しかいない。


 関東大学女子バスケットボールのリーグ戦もついに入れ替え戦だ。激しい戦いの末、昇格・降格という天国・地獄の切符争いが始まった。今回、注目したのは3・4部の入れ替え戦、山梨学院(4部1位)×聖徳大学(3部24位)である。
 山梨学院は今年から1年生だけで結成されたチームだ。ここまで5~6試合見てきたが、プレイヤーは総勢11人いたはず。それなのになぜ5人しかいないのか。ベンチを見てみても、怪我をしているプレイヤーはひとりしかいない。あとはマネージャーと監督だけ。もしかして突然、バスケ部を辞めてしまったのだろうか。

 試合がスタートすると、さらに驚くべき事実が明らかとなる。なんとスタメンのひとりが動けないのだ。なんでも膝を負傷してしまい、復帰したのが今日だという。「4人で攻めろ」と山梨学院・梅嵜監督は選手に指示していたそうだ。いつもはマンツーマンディフェンスを使うのに、この日に限ってゾーンディフェンスを最初から使ってきたのにも何かわけがありそうだ。
 だが、たとえ交代がいなくとも実力差は明らかだった。シュートミスを連発し、課題はまだまだ修正できたとは言えないが、終わってみれば104-35。山梨の圧勝で幕を閉じた。


 さて、どうしてたった5人しかいなかったのか。それは関東総合バスケットボール大会山梨県予選が関係していた。これは何かというと、年始に行われるオールジャパン(全日本総合バスケットボール選手権大会)へとつながっている。関東総合の結果次第でオールジャパン出場のチャンスがある。だが、運命の悪戯でこの入れ替え戦と関東総合が重なってしまったから、さあ大変だ。怪我人を入れるとチームはたった10人しかいない。それでもチームを半分に分け、どちらも5人のみ。交代もファウルアウトも許されない危険な道を選んだ。
 なぜ山梨学院がここまでオールジャパンにこだわるのか。それは山梨学院が強すぎるからだ。はっきりいって山梨学院の強さは2部リーグの中ぐらいと推測できる。今年から参戦してきたチームだが、強豪校から実力あるルーキーが集まってきた。全員が1年生といっても4部リーグでは相手になる大学がなかった。弱い敵と戦うことが当たり前になってしまっては『3年でインカレ出場』という目標が遠ざかってしまう。いくら実業団と練習試合をしたとしても、それはあくまで練習試合だ。真剣勝負の中で強豪と戦うためにはオールジャパン出場が不可欠だろう。

 「選手が出たいって言うから」と、この大胆な決断を下した梅嵜監督は不敵な笑みを浮かべた。『二頭を追う者は一頭も得ず』。そんな言葉よくを耳にするが、今回は当てはまらないようだ。山梨学院は3部昇格を果たし、関東総合山梨県予選の決勝戦は入れ替え戦を終えた仲間が合流し、無事優勝を飾った。


<参考資料>
●山梨県バスケットボール連盟のHP
 ⇒http://yamanashi.jabba-net.com/<補足>


●『3年でインカレ出場』
 →1年目で4部優勝、3部昇格。2年目で3部優勝、2部昇格。3年目で2部1位OR2位になれば、インカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)に出場できる。ここで優勝すれば、大学NO.1になれる。

posted by yanahi- |01:31 | 大学女子バスケ | コメント(4) | トラックバック(0)
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