2008年10月13日
強さの秘密 順天堂大
今年のKANJO(関東女子大学バスケットボールリーグ)2部はまさに、戦国時代の様相を呈している。個々の能力に優れた選手が多く集まる玉川大、東京学芸大、日本大。切り替えの速いアップテンポなゲームが特徴の東京女子体育大、江戸川大、國學院大。力はかなり拮抗していて、どの試合も番狂わせが起こりうる可能性がある。だが、今挙げたどのチームの選手を見てみても、強豪高校出身者がほとんどだ。 今回、注目した試合は、2008年10月11日に行われた『順天堂大VS日本大』戦。順天には、飛び抜けた実力の選手はいない。逆に日大には、ボール運びの上手い選手が揃っていて、しかも全員が3Pという武器も持っている。ゴール下も力強い選手がいる。そんな中で、玉川、学芸に次ぐ、7勝3敗(2008年10月11日現在)の成績を残している。そのわけが、この試合で明らかとなった。 試合は18-28と、日大の10点リードで前半を折り返した。3Q、日大の猛攻でリードは広がるが、順天2年中塚(C:173cm)の3連続3Pがきっかけとなり、そこから反撃を開始。4Qには順天魂に火がつき、オールコートディフェンス。プレッシャーがきつくなり、ボールコントロールに定評がある日大は順天の包囲網から抜け出せず、ミスを連発してしまう。結局、ルーズボールを制した順天が72-68で逆転勝利を収めた。 この試合のキーマンである中塚はチーム2位の19得点。日大の長身センター相手になかなかインサイドで勝負できなかった中塚は、後半アウトサイドへ出て、3Pを連発(5本)。クイックネスがあるわけではないが、ディフェンスの読みが鋭く、良いスティールを何本も見せた。そのスティールからワンマン速攻を外すというお茶目な一面も見せたが、しっかりと最後は3Pで仕事をしてくれた。 順天堂の強さ……。それを語る前に、気づいたことがひとつある。それは出場できない選手達の楽しそうな姿だった。ベンチに入れないメンバーは黄色と紫のメガホンを手に、全身を使って応援していた。左手、右手、全員で跳びはねて、「ディフェンスッスッスッス、ディーフェン!…」と精一杯の温かい声が体育館に鳴り響いた。 普通なら2・3人ぐらいサボったり、やる気のない選手がいても当たり前だろう。だが、このチームには見当たらない。しかもみんな本当に楽しそうに応援する。それは、決して友達同士のおしゃべりででる笑顔ではない。仲間の頑張る姿に自然とでる表情だ。シュートが入ると、全員が同じタイミングで立ち上がり、拍手を送る。それは決められたものでなく、自然とでたものだと思う。そこには仲間に対する誇りや尊敬、感激、賞賛が感じられた。チームがひとつになっている。コート上にいる5人だけでなく、コーチ・スタッフ。さらにはベンチも。ベンチに入れない選手も観客も。仲間の勝利を信じて疑う者はいなかった。 試合前やハーフタイムに必ず行う習慣がある。ベンチ前で、監督・選手・スタッフが互いに手をつなぎ、大きなひとつの輪をつくる。キャプテンの一声の後、1回大きく深呼吸をして、ジャンプする。そして手を叩きながら集まって、心をひとつにするのだ。 「私たちのチームには、キャリアのある選手がいない。だからみんな自信がない。そこで、チームが落ち着くために、気持ちをひとつにするために、取り入れた」と順天堂・岩瀬コーチ。これは今年のキャプテンが考案したものだそうだ。「良いと思うことはどんどんやってみよう。まずトライしてみないと始まらない」と語る岩瀬コーチの考えは選手の意見にも積極的に耳を傾けようとする姿勢だ。それが互いの信頼関係を生み、今の順天堂の強さを作り出しているのだ。このチームのバスケットボールを見ていると、能力が人並みでも(一般人でも)頑張れば何かできるんだ。そんな勇気が湧いてくる。 <お願い> ここに掲載している記事の無断、転用・複写は堅くお断りさせていただきます。 <参考資料> ●08関東大学女子バスケットボールリーグのパンフレット ●2008年10月11日 神奈川大学平塚キャンパスで行われた 『順天堂大×日本大』のスコア(KANJO) <取材協力> ●順天堂大学女子バスケットボール コーチ・岩瀬氏 <過去の順天堂の記事> ●順天魂⇒http://www.plus-blog.sportsnavi.com/yanahi-/article/12 <関連HP> ●順天堂大学女子バスケットボールのHP ⇒http://members.at.infoseek.co.jp/juntendowbbc/
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- バスケットボール
posted by yanahi- |01:26 |
大学女子バスケ |
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