2009年09月02日
モックムード・アブドゥル・ラウーフという選手をご存知だろうか。昔、NBAのデンバー・ナゲッツでプレイしていた。彼はマイケル・ジョーダンのように目立つ選手ではなかったが、当時のNBAではそれなりに認知されていたように思う。
◆何が凄いのか?
ラウーフは何が優れていたのか。身長は185cm程度、身体も細身で、アイバーソンのようなスピードも持っていなかった。だが、彼には機械のような正確なシュートという武器があった。その正確性はNBAのフリースロー成功率、2度(93-94、95-96?)もトップに輝いたことが証明だろう。フリースローは規定回数に達していはいないものの、キャリア平均90.5%を記録している。
◆全盛期のナゲッツ時代
NBA3年目(92-93)には、チームトップの19.2得点、フリースロー成功率は93.5%(リーグ2位)を記録。シーズン半ばには59本連続でフリースローを成功させている。さらに、4年目(93-94)にはチームのスコアリングリーダーとして大活躍。そのプレーオフでは、レギュラーシーズン最高勝率を記録したシアトル・スーパーソニックス(第1シード)を第8シード(デンバー・ナゲッツ)が破った。その原動力となったのが、当時の若手有望株であったディケンベ・ムトンボ、ラフォンゾ・エリス、そしてこのラウーフだった。
◆トゥレット症候群
彼は『トゥレット症候群』という神経の病気を抱えていた。その症状の中に、繰り返し同じ動作をしてしまうことがあった。
この病気は遺伝的要因が強い。彼の家族も普通ではなかったという。母は職場に向かう途中、自宅の火元や戸締りが気になってしまい、10回以上往復すことは当たり前だった。彼自身もその病がもたらす不安によって、常に完璧を追求せざるをえない性格となってしまった。ラウーフは当時、シャツの裾をズボンに入れることに10分以上費やしていた。裾を完璧に入れられたと感じるまで、その作業は続いた。
◆病気がバスケをうまくした
子供の頃、炎天下のプレーグラウンドでシュート練習を繰り返していた。始めてから2時間以上経っていたが、彼はシュートを打つことを止めなかった。いや、止められなかったのだ。辛くて涙が出ても、完璧にシュートが打てたと感じるまで、家に帰ることはできなかったそうだ。
また、あるとき、10本連続でジャンプショットを決めた。だが、シュートの入り方が気になった。すべてのシュートがネットの真ん中を通り抜けるまで、彼は打ち続けた。もしリングにボールが触れようものなら、また1からやり直す。病気が許してくれなかったのだ。
◆NBAを引退して
ラウーフは2000年に諸事情により、バンクーバー・グリズリーズを解雇された。NBAを引退し、トルコ、ロシア、イタリア、イギリス、サウジアラビアと渡り歩いた。全くプレーしない年もあった。
◆そして日本へ・・・
NBAを去ってから10年近くが経った。今、彼は日本のbjリーグ・京都ハンナリーズに入団した。一体、どんなプレイを見せてくれるのか。シュート力は落ちていないのか、スタイルは変わったのか、コミュニケーションはとれるのか……興味は尽きない。もう40歳となるラウーフは一体、どんなバスケットボールを見せてくれるのか。期待したい。
モックムード・アブドゥル・ラウーフ。こんな名前の元NBAプレイヤーが日本に来たこと。それを頭の隅にでも入れておいてもらいたい。
<お願い>
ここに掲載している記事の無断、転用・複写は堅くお断りさせていただきます。
<参考資料>
●かなり前のDUNKSHOT『NBAスター悲話 ラウーフ』
(TEXT BY SHIGEYOSHI OHI)より引用
●THE JAPAN TIMESの記事
⇒http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/sk20090829b1.html
●bjリーグ・京都ハンナリーズのブログ
⇒http://sckh.blog55.fc2.com/blog-entry-82.html
●モックムード・アブドゥル・ラウーフのWIKI
⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%AB%EF%BC%9D%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%95
posted by yanahi- |04:36 |
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2009年06月11日
08-09NBAファイナル第3戦で、ふと疑問に思ったことがあります。マジック106-104レイカーズ、残り時間は0.5秒でマジックのバックコートからのスローインでした。レイカーズはファウルゲームをしますが、残り時間は0.2秒。結局、マジックはフリースローを2本決め、108-104でレイカーズボールとなりました。レイカーズにはタイムアウトが残っていなかったので、バックコートからのスローインでした。
はっきりいって、0.2秒でバックコートからシュートを決めるには、超ロングアリウープ以外不可能でしょう。また、もしマジックがフリースローの2投目を落としていたら、そのリバウンドをバレーボールのレシーブのようにシュートしないかぎり、時間が過ぎてしまうでしょう。まあ、フロントコートなら話は別かもしれませんが。しかもバスケットボールの試合の時間は人間がゲームクロックをスタート&ストップをしています。NBAもそうだと思いますが……。
例えば、横断歩道の信号が赤→青に変わるとき、どんなに集中しても0.6秒ぐらいかかっている気がします。インターネットの情報をささっと調べてみても、人間は反応するのに0.2秒はかかってしまうようです。つまり、本当は0.2秒のように見えても、実はもっと時間がかかっていたりするのではないでしょうか。
かなり昔ですが、NBAの放送(BS1)を見ていたとき、「残り時間0.3秒未満はシュートを打てないとみなし、プレーさせない」と解説者の方が話していた記憶があるんです。これって、ルールが改正されたってことなのでしょうか。そして一体、何秒までだったらプレイできるのでしょうか。またNBAも日本も全て共通ルールになっているのでしょうか?知っている方いたら、ぜひ教えてください。
やっぱり0.1秒なのかな。0.01秒とかいってたらキリがないですもんね。
posted by yanahi- |04:02 |
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2008年05月14日
いまや、NBAを代表するトッププレイヤーにまで、成長を遂げたコービ・ブライアント。06年、あのウォルト・チェンバレンの1試合100得点に次ぐ、81得点をマークしたのは記憶に新しい。今シーズン、NBA12年目で初のシーズンMVPに選ばれた。
得点28.3 リバウンド6.3 アシスト5.4(07-08レギュラーシーズン)
だが個人的に、コービやマイケル・ジョーダン(つまりスター選手)にはあまり興味を持てなかった。彼らは何でも1人でできてしまう。だから必然的にボールを持つ時間が長くなる。すると、まわりのプレイヤーは彼らの為に、自分の能力を殺さなければならない。そんな場面が多々でてくるからだ。
95年シカゴ・ブルズには、トニー・クーコッチやスコッティー・ピペンが在籍していた。どちらもスーパースターだった。しかし2人共、ジョーダンに遠慮しているように見えた。もちろん、それは試合に勝つために必要な戦略だったと思う。それでも、1人の為に、他のメンバー全員が黒子となるバスケットは好きになれなかった……なんて、冷静に分析したフリをしているが、実際は自分の大好きなユタ・ジャズがブルズに負けた。それがくやしくてたまらなかっただけなのだ。
当時のジャズは、NBAの中でも、身体能力的に低い方に位置していたと記憶している。だが、ジョン・ストックトンを中心に、全員が力を合わせて戦うジャズのバスケットボールが大好きだった。どんなに能力がなくても、協力すれば、能力的に劣っていても勝てるんだ。そう信じていたし、今でもそう信じたい。それが私のバスケットボール理想論である。
しかし上記のように、全員バスケが個の力に負けてしまった。それが、さらに私のスーパースター嫌いを加速させた。
先日、ひさびさにプレーオフのレイカーズVSジャズの第3戦(07-08:ジャズのホーム)を見た。そこには以前より遥かに進化したコービの姿があった。1人で何でもやってしまうのではなく、まずディフェンスを引きつけて、まわりを使う。決して無理をしない。
前半はジャズのカバーディフェンスが効き、たった8得点。43-52とジャズの9点リードで、後半戦を迎えた。ここからコービが爆発し始める。1ON1は誰も止められず、ジャズのブロック職人、アンドレイ・キリレンコの上から高速ダンクもお見舞いした。専修大学のヘッドコーチ・解説の中原氏は「コービを止められるのはフィル・ジャクソンぐらいでしょう」と名言を残した。つまりコービが交代しなければ、誰も彼を止められない。そういう意味だ。試合は敗北を喫したが、終わってみれば34点の大活躍。しかも自分が攻めるのか、味方を使うのか。状況判断が素晴らしい。この試合を見て、コービへの悪い印象は一切なくなった。
高校から直接、NBAの扉を叩いたコービ。ルーキーイヤーのプレーオフ、ジャズ戦では勝負どころで2度のエアボールという失態を犯した。だが、そんなチャンスに弱いコービはもう存在しない。
<参考資料>
●07-08 NBAプレーオフ レイカーズVSジャズ第3戦(BS1)
●HOOP 06年4月号
posted by yanahi- |01:02 |
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2008年03月26日
ジョン・ストックトンとジェフ・ホーナセック。当時、ユタ・ジャズに所属していたこの2人がNBAを引退して以来、なかなか「この選手はおもしろい!」と思う選手が現れることはなかった。それ以来、NBAを見る機会も減っていた。
だが最近、おもしろいチームを発見した。トロント・ラプターズである。このラプターズは個人的に注目していた選手がかなり在籍している。
例えば、3Pコンテストに2年連続優勝したJ・カポノ。そして先日、あのレイカーズのコービ・ブライアントとマッチアップし、対等に戦ったA・パーカー。彼の1ON1は破壊力抜群だ。また06年ドラフト1位の3Pまで打てる・動ける7フッター、A・バルニャーニ。オールスターに選出されているC・ボッシュ。
また強豪ピストンズで良い働きをしていたアルゼンチン代表、C・デルフィーノ。さらにガードとしては、速さでアップテンポなゲームメイクを展開するT・J・フォード。そして、今回注目したのが、
スペイン代表 PGホセ・カルデロン (191cm 95kg)である。
カルデロンのプレイを見てみると、あまり派手さはない。トリッキーなプレイで会場を沸かせる、そういったスター性はないかもしれない。だが、ボールを堅実に運び、得点力のある仲間にパスを供給する姿には、(個人的に)魅力を感じてしまう。ストックトンのように、基本に忠実で、わかっているのに止められない。そんなプレイヤーになってほしい。そんな期待が込み上げてくる。
彼の今シーズンの活躍を見てみよう。
得点12.1 アシスト8.5(5位) FG%53.1(16位) 3P%45.2(8位) (2008年3月20日現在)
PGとしては、FG%が高く、監督が信頼できるプレイヤーだ。フォードの速さとカルデロンの安定。この2人の活躍が、ラプターズをプレーオフのダークホースに変身させるかもしれない。
<参考資料>
●http://www.tsp21.com/sports/nba/team/rap.html
posted by yanahi- |01:36 |
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