2006年10月09日
『スポーツ文化』とは何か?
ソフトバンクが凄い勢いである。3位の位置から猛烈な追い上げをみせている。 残念ながら野球の話ではない。 来る10月24日、携帯電話のナンバーポータビリティー制に伴う、 ユーザー維持・獲得へ向けて今猛チャージをかけている。 業界シェアは1位のDocomo、 CS(顧客満足度)1位をうたい文句にDocomoに追いつけ置きこせというau(KDDI)が2位、 そして3位のSoftbankというかVodafoneというかJ-phoneという位置づけになっているという。 思えば、九月の末から携帯電話の広告が盛んになっていたなあと思う。 何故、この三社がそこまで競争するのだろうか。 それは現在1億人言われる日本全国の携帯電話ユーザーの奪い合いであるからだ。 この制度が受け入れられることで、携帯を変える際の一手間が省ける。 たったそれだけのサービスだけで、業界シェアが変わるのか。 そもそも何故この顧客を手放すような制度を認めたのだろうか。 いや、逆にチャンスだと思ったのだろうか。どちらにしても非常に興味深いことである。 さて、何故こんなことをこの場所に書くのかといえば、 これはスポーツにも同様の顧客の奪い合いが行われているはずだからである。 休日を楽しく過ごしたいだけならば、映画、遊園地、旅行などスポーツ以外にも沢山ある。 スポーツ好きを対象にしても、その競技の名を挙げればきりがなく、 それを競技レベルのカテゴリーで分ければ無限になるだろう。 仮に、サッカーという一つの競技、 Jリーグという国内最高レベルのリーグ戦に絞り込んだとしても、 神奈川県民は、横浜FM、川崎フロンターレ、横浜FCのうちのどのチームを応援するだろうか。 それを上手く取り込むような軌跡のマーケティングがスポーツ業界にも必要なのである。 何故ここまで口を酸っぱくしてまで言うのかといえば、 言うまでもなくスポーツファンの体は一つしかないからである。 思い出されるのは、昨年の11月5日のこと。 その日は、サッカーナビスコ杯決勝の日であると同時に、 日本発のバスケットボールプロリーグであるbjリーグの開幕戦であった。 では、スポーツ好きはどちらを見ればいいのだろうか。 スポーツにおいて普及が大事であるというのはしばしば囁かれることである。 しかし、ある一つのスポーツ競技者が仮に、その競技の観客・消費者になると考えれば、 スポーツの普及は、潜在的な顧客の取り合いと言っても過言ではないだろう。 それは前述の携帯電話のような熾烈な争いが生まれるに違いないのだ。 大相撲、ラグビー、昨今の巨人など現在人気が低迷していると言われる競技やチームは、 他のレジャー・エンターテイメントに日本人のお金の使い方が バブルなどの社会変化もあって移行・変化したという見方が強いが、それと同様に他の競技、 つまりサッカーや海外スポーツに既存の消費者が取り込まれたのではないかと個人的には思っている。 『スポーツでもっと幸せな国に』というのは、Jリーグ百年構想のスローガンであるが、 これは現在日本においてサッカーの人気が突出していること、 日本のスポーツ界において一つのビジネスモデルとされていることなどのいくつかの十分条件があるからこそ、 発信できる大きなメッセージだと思うのだ。 時にアメリカは学校部活動でも、シーズン制を取り入れているというのは有名な話である、 それによるとサッカーは秋の競技だ。そして四大スポーツと呼ばれるNBA, MLB、NFL、NHLは少しの重なりは見せるものの季節が変わるようにそのシーズンが始まる。 力の均衡がにわかに保たれているのが、 各競技ではなく国という大きな単位でスポーツマネジメントを考えたときの鍵でもあると思う。 もちろん、日本には四季があり、雨季があるからアメリカのようには上手くはいかないだろう。 それにしてもどうだろうか。 全ての競技が、Jリーグのマネジメントを見習い、 競合相手になれば熾烈な競技者の奪い合いが行わることは間違いないだろう。 それは、スポーツビジネスにおいて一つの刺激になるのかもしれないが、 それで本当にスポーツで幸せな国ができるのだろうかと疑問に思ってしまう。 中国やソ連(現ロシア)は、手や足の大きい子どもを見つけては、バスケットボールをやらせたと言う。 全てはナショナルチームの勝利の為だ。 しかし、それは私には少し違和感があるのだ。先日Jリーグの経営情報が開示されたが、 そこでも叫ばれるのは『身の丈経営』というスポーツマネジメントの決まり文句である。 では、これと同様に競技のマネジメントにもそういった意識が芽生えてもいいのではないか。 日本に住む全ての人がサッカーをする必要がない。 いや、スポーツをする必要すらない。世の中には音楽もあれば芸術もある。 だから、人生は豊かなのである。 そう考えると、普及というのは自分本位で非常に傲慢な言葉にも聞こえるのだ。 話は変わるが、今年はスポーツ界に面白い動きがあった。 西武ライオンズの前監督の東尾修氏はbjリーグの東京アパッチのGMに、 辛口批評で有名なサッカー解説者のセルジオ越後氏は日光アイスバックスのシニアディレクターに就任した。 野球やサッカーで培ったノウハウを他競技に活かすためである。 そんな中今月のアイスホッケーマガジンには、 そのセルジオ越後氏のインタビューがあり次のように語っている。 『日本にあるのは、スポーツ文化ではなく、種目文化である。 スポーツ文化がないのに、地域に密着するなどというのは間違っている』(アイスホッケーマガジンより抜粋)。 読者の皆様はどのようにこの言葉を受け止めるだろうか。
- 共通ジャンル:
posted by yamagiwaboy1012 |23:11 |
雑感 |
コメント(2) |
トラックバック(0)


